ミラノ市電4800形電車
ミラノ市電4800形電車 | |
---|---|
4800形(4818)(更新後) | |
基本情報 | |
製造所 | マウリ・バス・システム、チッタデッラ工場、ミラノ市営路面電車会社 |
製造年 | 1971年 - 1977年 |
製造数 | 44両(4801 - 4844) |
運用開始 | 1971年(試作車) |
運用終了 | 2010年 |
投入先 | ミラノ市電 |
主要諸元 | |
編成 | 3車体連接車、片運転台 |
軸配置 | Bo'Bo'Bo'Bo' |
軌間 | 1,445 mm |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 45 km/h |
起動加速度 | 1.0 m/s2 |
減速度(常用) | 0.7 m/s2 |
減速度(非常) | 1.3 m/s2 |
編成定員 | 280人(着席49人)(乗客密度6人/m2時) |
車両重量 | 37.278 t |
全長 | 28,200 mm |
全幅 | 2,406 mm |
全高 | 3,770 mm(集電装置含) |
車体高 | 3,230 mm |
床面高さ | 884 mm |
車輪径 | 680 mm |
固定軸距 | 1,800 mm |
台車中心間距離 | 7,200 mm |
主電動機 | アンサルド製 |
主電動機出力 | 33.0 kw |
出力 | 264.0 kw |
制動装置 | 発電ブレーキ、空気ブレーキ、電磁吸着ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7]に基づく。 |
ミラノ市電4800形電車(ミラノしでん4800がたでんしゃ)、通称「ジャンボトラム(Jumbotram)」は、かつてイタリア・ミラノの路面電車](ミラノ市電)で使用されていた車両。既存の車両の車体や機器を流用した輸送力が高い3車体連接車で、2010年まで営業運転に用いられた[1][2][3][7]。
概要
[編集]1960年代、地下鉄(ミラノ地下鉄)網の拡張によりミラノ市電の路線は縮小していたが、郊外へ向かう路線については郊外人口の増加に伴い輸送力の増強が求められるようになっていた。そこで1971年、余剰となっていたボギー車の5300形のうち2両と5400形のうち1両の車体や機器を用いた片運転台の3車体連接車(4801)の製造が実施され[注釈 1]、同年から1973年の間、混雑が課題となっていた15号線での使用が実施された。そして、その実績が良好だった事を受け、同年から1977年にかけて、43両(4802 - 4844)の量産が行われた。この量産にあたっては5300形および5200形のうち大半の車両が改造元として用いられ、切断された車体が4800形の前後車体に用いられた一方、中間車体については新造したものが用いられた[1][2][3][4][5][7]。
大容量の長い車体から「ジャンボトラム(Jumbotram)」という名称で呼ばれたこれらの車両はミラノ市電における混雑系統に重点的に用いられた。その後、1995年から機器や内装の更新、前照灯や尾灯の交換と言った改造を受けて近代化が実施されたが、全車には適応されず、対象から外れた12両については2001年に廃車された[1][6]。
以降もミラノ市電で使用された4800形であったが、後継となる超低床電車の導入に伴い廃車が進み、最後の車両は2010年12月をもって営業運転を終了した。以降、1両(4825)がメッシーナ地区にあるミラノ市電の車庫に保管されている[1][6][8][9]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 5300形の車体は前後車体に、5400形の車体は中間車体に流用された。
出典
[編集]- ^ a b c d e Stefano Vigo (2017年12月8日). “Porte aperte ATM 2017 al deposito Messina: Il Jumbo-Tram 4825, giace mestamente impolverato sui binari! Costa tanto all'ATM restaurarlo e farlo nuovamente viaggiare come tram storico per Milano?”. partecipaMi.it. 2024年12月25日閲覧。
- ^ a b c Giovanni Cornolo & Giuseppe Severi 1987, p. 129.
- ^ a b c Giovanni Cornolo & Giuseppe Severi 1987, p. 130.
- ^ a b Federico Ferraboschi 2011, p. 28.
- ^ a b Federico Ferraboschi 2011, p. 29.
- ^ a b c Federico Ferraboschi 2011, p. 31.
- ^ a b c Azienda Trasporti Municipali 1993, p. 6.
- ^ 橋爪智之 (2016-05-20). “徹底研究!ミラノのトラム車両”. 路面電車EX (イカロス出版) 07: 120. ISBN 978-4-8022-0156-8.
- ^ Dirk Budach (2019年7月24日). “Milan: Extensive tram all-round renewal”. Urban Transport Magazine. 2024年12月25日閲覧。
参考資料
[編集]- Giovanni Cornolo; Giuseppe Severi (1987). Tram e tramvie a Milano 1840-1987. Azienda trasporti municipali
- Federico Ferraboschi (Feburary 2011). “Fine corsa per i primi “jumbotram””. I Treni (Editrice Trasporti su Rotaie) (334): 28-33. ISSN 0392-4602.
- Azienda Trasporti Municipali (20 November 1993). Materiale Rotabile Tranvirio (PDF) (Report). 2022年3月7日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2024年12月25日閲覧。