コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ミズ・マーベル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミスマーベルから転送)
Ms. Marvel
出版の情報
出版者マーベルコミックス
初登場『ミズ・マーベル』第1号(1977年1月)
クリエイターゲリー・コーンウェイ英語版、カーラ・コーンウェイ(原作)
ジョン・ビュッセマ英語版(作画)
作中の情報
本名キャロル・ダンバース(初代)
シャロン・ベンチュラ(二代目)
カーラ・ソフェン(三代目)
カマラ・カーン(四代目)

ミズ・マーベルMs. Marvel)とは、マーベル・コミックの作品に登場するスーパーヒーローである。この名を名乗ったキャラクターは複数いる。初代ミズ・マーベルはキャプテン・マーベルの女性版として構想された。ミズ・マーベルの名を用いたキャラクターの多くは、キャプテン・マーベルと同様に宇宙種族クリー人英語版のテクノロジーや遺伝子によってスーパーパワーを身につけた。マーベル・コミックはこれまで Ms. Marvel というタイトルのオンゴーイング・シリーズ[注 1] を4期にわたって刊行してきた。第1・第2シリーズの主人公はキャロル・ダンバース、第3・第4シリーズの主人公はカマラ・カーンである。

キャロル・ダンバース

[編集]

初代ミズ・マーベルであるキャロル・ダンバース(Carol Danvers)は、原作者ロイ・トーマスと作画家ジーン・コランによる Marvel Super-Heroes 第13号(1968年3月)で超能力を持たないアメリカ空軍士官として初登場した。ダンバースは『キャプテン・マーベル』第18号(1969年11月)でクリー人のスーパーヒーローであるキャプテン・マーベルとともに爆発に巻き込まれた。その後『ミズ・マーベル (Ms. Marvel)』第1号(1977年1月)で再登場し、爆発の結果キャプテン・マーベルとDNAが融合してスーパーパワーが発現したという設定を与えられた。ミズ・マーベルとなったダンバースは、『アベンジャーズ』第171号(1978年5月)でヒーローチームアベンジャーズの中心メンバーの地位を得た。ダンバースのコードネームはミズ・マーベルからバイナリー(Binary)[1]、さらにウォーバード(Warbird)[2] へと変わった。2012年7月、ダンバースはキャプテン・アメリカの勧めにより、初代キャプテン・マーベルことマー=ヴェルからキャプテン・マーベルの名を受け継いだ[3]

シャロン・ベンチュラ

[編集]

ミズ・マーベルの名を用いた二人目のキャラクター、シャロン・ベンチュラ(Sharon Ventura)は『ザ・シング』第27号(1985年9月)で初登場した。作者はマイク・カーリンとロン・ウィルソンである。スタント・パーソンであったベンチュラは、スーパーヒーローのバイクチーム、サンダライダーズ(Thunderiders)に所属していたとき、ファンタスティック・フォーの一員であるザ・シングと出会った。ベンチュラは『ザ・シング』第35号(1986年5月)において、スーパーヴィランのパワーブローカーの被検体に志願してスーパーパワーを得ると、ザ・シングとともに作中のプロレス団体Unlimited Class Wrestling Federationに参加した。このとき名乗った名がミズ・マーベルである。ベンチュラは後に『ファンタスティック・フォー』第307号(1987年10月)でファンタスティック・フォーに加入した。同誌第310号(1988年1月)では、宇宙線にさらされたことでベンチュラの身体が変異を起こしてザ・シングと同じく岩のような見た目になった。これによってベンチュラはシー・シング(She-Thing)のコードネームを与えられた。

カーラ・ソフェン

[編集]

スーパーヴィランのムーンストーンとしても知られるカーラ・ソフェン(Karla Sofen)は、『キャプテン・アメリカ』第192号(1975年12月)において、悪役ドクター・フォースタスの女性助手として初登場した。同号の作者はマーヴ・ウルフマンとフランク・ロビンスである。『インクレディブル・ハルク』第228号(1978年10月)において、ソフェンは当時ムーンストーンを名乗っていたロイド・ブロックの精神科医になり、ブロックのパワーの源であった隕石を騙し取ってムーンストーンの名と能力をわがものとした。「ダークレイン」のストーリーラインにおいて、ソフェンはノーマン・オズボーン(グリーンゴブリン)が組織したアベンジャーズ、通称ダークアベンジャーズに加入し、当時のミズ・マーベルであったキャロル・ダンバースになりすました[4]。ソフェンは『ミズ・マーベル』(2009年6月)第38号から同誌の主人公となったが、第47号(2010年1月)にはダンバースがその座を取り戻した。

カマラ・カーン

[編集]

四人目のミズ・マーベルとなったのは、サナ・アマナット、G・ウィロー・ウィルソン、エイドリアン・アルフォナによって創作されたカマラ・カーン(Kamala Khan)である。『キャプテン・マーベル』第17号(2013年11月)で初登場したカーンは、ニュージャージー州ジャージーシティ出身を出身とする16歳のパキスタン系アメリカ人で、キャロル・ダンバースを崇拝している。カーンは2014年2月に自らのタイトル『ミズ・マーベル』を与えられ、マーベル社で初めてムスリムのキャラクターとしてコミックブックの主人公となった[5][6]。同シリーズの合本第1巻、Ms. Marvel Volume 1: No Normal(邦題『Ms.マーベル:もうフツーじゃないの』)は2015年ヒューゴー賞最優秀グラフィック・ストーリー部門を受賞した[7]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 号数を限定せず、中止されるまで定期的に刊行を続けるコミックブックシリーズ。あらかじめ決められた号数だけを刊行するリミテッド・シリーズと区別していう。

出典

[編集]
  1. ^ Uncanny X-Men #164 (December 1982)
  2. ^ Avengers vol. 3 #4 (May 1998)
  3. ^ Beard, Jim (17 March 2012). “WonderCon 2012: Captain Marvel”. marvel.com. Marvel. 19 March 2012閲覧。
  4. ^ Dark Avengers #1 (January 2009)
  5. ^ Robinson, Wills (6 November 2013). " Marvel Comics brings back Ms Marvel as a 16-year-old Muslim daughter of Pakistani immigrants living in Jersey City". The Daily Mail.
  6. ^ Wheeler, Andrew (6 November 2013). “All-New Marvel NOW! Q&A: Ms. Marvel!”. Marvel.com. 7 November 2013閲覧。
  7. ^ Russ Burlingame (April 23, 2015). “Guardians of the Galaxy, Orphan Black and Ms. Marvel Win In Bizarre Hugo Awards Ceremony”. 2017年12月27日閲覧。