マニラ・ライトレール13000形電車
マニラ・ライトレール13000形電車 Fourth Generation | |
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13000形(2023年撮影) | |
基本情報 | |
運用者 | ライト・レール・マニラ・コーポレーション(LRMC) |
製造所 | CAF |
製造年 | 2019年 - 2022年 |
製造数 |
4両編成30本(120両) (13001 - 13120) |
運用開始 | 2023年7月20日 |
投入先 | マニラ・ライトレール・トランジット・システムLRT1号線(LRT Line 1) |
主要諸元 | |
編成 | 4両編成(Mc + M + M + Mc) |
軸配置 | Bo′+2′+Bo′(2車体連接車) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流750 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 60 km/h |
設計最高速度 | 70 km/h |
起動加速度 | 1.0 m/s2 |
減速度(常用) | 1.3 m/s2 |
減速度(非常) | 1.3 m/s2 |
編成定員 | 1,388人(乗客密度7人/m2時) |
車両重量 |
37.4 t(先頭車) 36.5 t(中間車) |
編成長 | 106,000 mm |
全長 | 26,500 mm(連結器含) |
全幅 | 2,590 mm |
床面高さ | 920 mm(車輪新品時) |
車体 | ステンレス鋼 |
車輪径 | 660 mm |
固定軸距 | 1,900 mm |
台車中心間距離 | 10,000 mm |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 |
駆動方式 | 2段減速WN駆動方式 |
歯車比 | 7.48 |
制御方式 | VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 電気指令式ブレーキ |
保安装置 | ETCSレベル1 |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
13000形は、フィリピンの首都・マニラでライト・レール・マニラ・コーポレーション(Light Rail Manila Corporation、LRMC)が運営するマニラ・ライトレール・トランジット・システムで使用される電車の1形式。日本の政府開発援助(ODA)により4両編成30本(120両)が導入され、2023年から営業運転を開始した[1]。
導入の経緯
[編集]LRT1号線のカビテ延伸に伴う必要車両数の確保のため、新型車両の導入が計画された。当初、日本企業に限定される「日本タイド」案件として2015年10月から2016年2月にかけて入札が行われていたが、その際に応札者はなく失敗に終わった[1][6]。
その後、2017年に入札が再度行われ、現代ロテム・丸紅連合とCAF・三菱商事連合が応札した[7]。2017年11月にCAF・三菱商事連合が300億円で受注内定を獲得し、同年12月1日に調印が行われた[1][8]。スペインの工場で2編成、メキシコの工場で28編成が製造された[9]。
最初の2編成は2020年7月にフィリピンに到着する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により、納入が遅れる事態となった[10][11]。2021年1月18日に第1編成がマニラ港に到着し、2021年1月26日に一般公開された[12]。
2022年5月よりLRT1号線上で計1,000kmの試運転が行われている[13]。試運転の途中に80両で雨漏りなどの欠陥が発覚し、改修が行われた[14]。
2023年7月19日にボンボン・マルコス大統領が試乗し、翌日の7月20日に営業運転を開始した[15]。
概要
[編集]2車体連接車を4両連結した4両編成を基本とし、連接部は貫通幌で繋がっている。車体はステンレス鋼製で、台形の断面形状を持つ。アンチクライマーは前面と車端部に設けられている。乗降扉は南京康尼機電製の引き戸を1車体につき両側それぞれ2ヶ所設けている[16]。また、従来の車両にはなかった乗務員室扉を右側に設置している。塗装は従来の車両から一新し、主に赤色が用いられ、前面はブラックフェイスとしている。
内材は白色を基調としているが、壁下部、ドア、戸袋内柱はステンレス無地仕上げとなっている。座席はオールロングシートとし、水色のFRP製である。車椅子スペースは1両あたり1ヶ所設け、車椅子固定ベルトを備えている。従来の車両では設置されていた貫通路内側のカバーは、本形式では省略された。通常の運転台に加え、車端部には簡易運転台が設けられている。
制御装置は三菱電機製のVVVFインバータ制御で、主電動機は同じく三菱電機製のかご形三相誘導電動機を搭載している[16]。駆動装置は7.48の減速比を持つ2段減速のWN駆動方式である[3]。集電装置はシングルアーム式パンタグラフを用い、1両あたり1台搭載されている。
形式名については、1200形以前は車両形式が4桁であったが、13000形は車両数が99両を超えるため、5桁となっている。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “DOTr, Mitsubishi Corp. sign contract for procurement of Light Rail Vehicles for LRT-Line 1 Cavite Extension Project”. PTV News. (2017年12月1日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “MANILA LINE 1 LRV”. CAF. 2023年9月7日閲覧。
- ^ a b “cat tecnico GEARBOXES 2-7”. CAF. 2023年8月24日閲覧。
- ^ discoverasean10の投稿(1585428318309003) - Facebook
- ^ Department of Transportation and Communications; Light Rail Transit Authority (16 December 2015). BIDDING DOCUMENTS - Part 2 for Procurement of New Rolling Stock LRV (4th Generation) (PDF). LRT 1-South (Cavite) Extension Project (Report). pp. 99–102. 2021年12月16日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2023年9月9日閲覧。
- ^ 「鉄道「オールジャパン」のちぐはぐな実態 日本の鉄道は本当に「世界一」なのか?」『東洋経済オンライン』2016年8月22日。2023年9月3日閲覧。
- ^ “LRT 1 awaits notice to secure new trains”. Philstar.com. (2023年9月3日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “CAF and Mitsubishi win LRV contract in Manila”. Railway Pro. (2017年11月21日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “LRT-1 train set order from Spain, Mexico partially delivered”. BusinessWorld Online. (2022年11月7日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “LRT 1 expects new trains from Japan”. Manila Standard. (2019年5月7日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “New LRT1 train cars start arriving in Philippines”. Rappler. (2021年1月26日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ “YEAR-END ACCOMPLISHMENT REPORT”. Light Rail Transit Authority. 2023年9月3日閲覧。
- ^ “LRT1 operator begins testing 4th generation trains”. GMA News Online. (2022年5月4日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ 「LRT1号線新規購入車両80台に欠陥」『「日刊まにら新聞」ウェブ』2023年2月19日。2023年9月3日閲覧。
- ^ “New, state-of-the-art train sets await LRT-1 riders starting July 20”. Manila Bulletin. (2023年7月19日) 2023年9月3日閲覧。
- ^ a b “2019 Annual Report”. LRTA. 2023年8月4日閲覧。