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ポップロック (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポップロック
2007年5月27日 東京競馬場
欧字表記 Pop Rock
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2001年3月19日(23歳)
死没 (存命)
抹消日 2010年2月18日(JRA)[1]
エリシオ
ポップス
母の父 サンデーサイレンス
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産者 ノーザンファーム
馬主 吉田勝己
Pop Rock Syndicate
調教師 角居勝彦栗東)→
児玉敬アイルランド
競走成績
生涯成績 40戦8勝
中央競馬)35戦7勝
オーストラリア)2戦0勝
ドバイ)1戦0勝
アイルランド)2戦1勝
獲得賞金 (中央競馬)5億1118万6000円
(オーストラリア)750,000AUドル[2]
(ドバイ)100,000USドル
(アイルランド)16,375ユーロ[2]
WTRR 119L(2006年)[3]
122L(2007年)[4]
勝ち鞍
GII 目黒記念 2006年
JpnII 目黒記念 2007年
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ポップロック (Pop Rock) は、日本アイルランドで調教された競走馬2006年2007年目黒記念を連覇し、2006年のメルボルンカップ有馬記念2007年ジャパンカップでは2着に入った。

戦績

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2歳から5歳まで

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2003年9月14日阪神競馬場第4競走(芝2000m)で安藤勝己を鞍上にデビューし勝利を収めたが、その後は芝2000m以上のレースを中心に出走するも2006年1月21日のまで14戦2勝となかなか勝てないレースが続いた。

しかし、2006年4月9日阪神競馬第7競走の条件戦で2004年5月29日以来約2年ぶりの勝利を収めると、連闘で臨んだ翌週の白鷺特別、1か月後の白川特別と3連勝を飾り、8着に敗れたセントライト記念以来2度目の重賞競走となる目黒記念に出走した。3番人気に支持されると川田将雅を背に重賞初勝利を挙げる。秋には同厩舎のデルタブルースと共にオーストラリアへ遠征。初戦のコーフィールドカップでは7着に敗れるが、続く第146回メルボルンカップではデルタブルースに惜しくも敗れながら2着と健闘する。ちなみに遠征時の鞍上はダミアン・オリヴァーであった。そして帰国後初戦の第51回有馬記念でもディープインパクトから3馬身差の2着に入り、2006年はこの馬にとって飛躍の1年となった。

6歳

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2007年は京都記念で始動。1番人気に支持されたが、アドマイヤムーンを捕らえ切れずクビ差の2着に敗れた。その後予定通り遠征し、ドバイシーマクラシックに挑戦したが6着に敗れた。帰国後は前年に勝利した目黒記念に出走。58.5kgを背負う厳しいハンデながら、直線で内から抜け出し粘り切り連覇を達成した。

目黒記念を連覇したポップロック

続く第48回宝塚記念では、直線で伸びてくるものの届かず3着に敗れた。レース後はノーザンファームに放牧に出された。8月1日には前年に続きコーフィールドカップとメルボルンカップの一次登録を済ませたが、馬インフルエンザ騒動の影響で遠征を断念することになり、9月3日に登録を取り消された。

秋初戦となった京都大賞典では鞍上が四位洋文となり、レースでは中団追走から直線は最内を付いて一度は先頭に立ったが、インティライミに差されてクビ差で2着となった。その後、第1希望で香港ヴァーズ、第2希望で香港カップに予備登録を行っていたが、10月23日に馬インフルエンザの影響で検疫期間が1ヶ月かかることから回避することが発表された。次走は第136回天皇賞(秋)に出走。レースでは後方待機から、直線に向くと鋭く伸びてきたものの4着に敗れた。続く第27回ジャパンカップでは、これまでとは違い、やや前の方でレースを進め、最後の直線で抜け出したアドマイヤムーンにアタマ差届かず2着に敗れた。これにより、11月30日に発表されたトップ50ワールドリーディングホースでは122ポンドの評価を得て、メイショウサムソンらと並ぶ18位タイとなった。12月6日に出走予定の第52回有馬記念ファン投票の最終結果で6位となる6万1688票を獲得したことが発表された。レースでは2番人気に支持されたものの5着だった。レース後は12月26日グリーンウッドへ放牧に出された。

7歳

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2008年1月16日に発表された2007年度のワールド・サラブレッド・レースホース・ランキングでは、122ポンドでメイショウサムソンと並び17位タイとなった。1月31日ドバイシーマクラシックへ選出されたが、遠征せずに阪神大賞典の一ヶ月前に栗東トレセンへ帰厩し、同レースに出走。圧倒的1番人気に支持されるが3着だった。そして内田博幸とのコンビで迎えた大一番、天皇賞(春)では12着と全く見せ場を作れず、デビュー以来初の二桁着順を記録した。その後、休養した後の秋初戦は前年と同じく京都大賞典。しかし、7着に敗れた。そして本番の天皇賞(秋)でも14着と惨敗した。

8歳

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休養を終えて2009年の初戦は天皇賞(春)。後方からレースを進めるも、直線で伸びあぐねて8着に終わった。続く目黒記念では後方待機も道悪馬場の影響で11着と大敗した。休養を挟み、12月5日ステイヤーズステークスに出走したが、終始後方のまま14着と大敗した。

9歳

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2010年の初戦は万葉ステークス。中団から最後の直線で馬場の内側から脚を伸ばすも5着に敗れた。続くダイヤモンドステークスでは終始後方のまま11着と大敗した。このレースの後、同年2月19日に2月18日付でJRAの競走馬登録を抹消されたことが発表された[5]

その後は、馬主名義を変更したうえで、アイルランド児玉敬厩舎に移籍して、現役を続行した[5][6]。同時期にコスモバルクのアイルランド移籍も発表されたことから、岡田繁幸が新しい馬主になるという憶測がされることがあったが、フリーライターの河村清明のブログによれば、新しい馬主は岡田ではなく、児玉を含めた複数名で共有することになるという[7]。そして7月30日ゴールウェイ競馬場で行われたギネスレース(一般戦)にフランシス・ベリー騎手鞍上で出走し、シーザーズソングに2馬身1/2差をつけ、移籍初戦を勝利で飾った。続いて9月11日アイリッシュセントレジャーに出走したが、最後の直線でベリーが脚部の不安を感じて追うのを止め、最下位の8着で入線、レース後の検査で右前脚の浅屈腱炎を発症していることが分かり引退が決まった。引退後はチェコNapajedla Studで種牡馬入りし、2011年から供用される。初年度の種付け料は25000チェコ・コルナまたは35000チェコ・コルナ[8]

競走成績

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年月日 競馬場 競走名

オッズ
(人気)

騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F
着差 勝ち馬/(2着馬)
2003 9. 14 阪神 2歳新馬 9 2 3.7(2人) 01着 安藤勝己 54 芝2000m(良) 2:04.7 (34.7) -0.1 (タマモヤマト)
11. 29 京都 京都2歳S OP 8 3 11.6(5人) 04着 R.ヒューズ 55 芝2000m(不) 2:07.4 (36.9) 0.6 ミスティックエイジ
12. 20 中京 中京2歳S OP 15 1 4.7(3人) 03着 R.ヒューズ 55 ダ1700m(重) 1:46.9 (39.2) 0.3 ブラックコンドル
2004 1. 24 京都 若駒S OP 10 9 9.9(3人) 03着 岩田康誠 56 芝2000m(良) 2:03.1 (34.4) 0.6 ブラックタイド
3. 13 阪神 ゆきやなぎ賞 500万下 13 1 3.2(2人) 06着 岩田康誠 56 芝2200m(良) 2:15.1 (35.0) 0.3 ストラタジェム
4. 4 阪神 3歳500万下 11 8 5.0(3人) 03着 安藤勝己 56 芝2500m(良) 2:38.2 (35.2) 0.3 コスモステージ
4. 24 京都 ムーニーバレーレーシングクラブ賞 500万下 10 9 2.1(1人) 03着 安藤勝己 56 芝2400m(良) 2:28.3 (34.9) 0.3 チキリサンサン
5. 29 中京 かきつばた賞 500万下 11 9 3.4(2人) 01着 安藤勝己 56 芝2500m(良) 2:34.5 (36.4) 0.0 (シルクトリガー)
8. 21 札幌 支笏湖特別 1000万下 11 8 10.4(6人) 06着 蛯名正義 53 芝2600m(重) 2:46.6 (36.4) 1.0 メイショウカチドキ
9. 19 中山 セントライト記念 GII 15 7 37.2(7人) 08着 四位洋文 56 芝2200m(良) 2:11.2 (35.5) 1.1 コスモバルク
10. 9 京都 鳴滝特別 1000万下 9 6 9.9(5人) 09着 武幸四郎 54 芝2400m(稍) 2:32.1 (40.3) 5.1 テイエムジェネラス
2005 9. 25 阪神 3歳500万下 13 4 8.8(5人) 03着 四位洋文 57 芝2500m(良) 2:35.1 (35.4) 0.6 マヤノリバティ
10 16 京都 3歳500万下 15 7 3.1(1人) 03着 横山典弘 57 芝2400m(良) 2:27.4 (34.6) 0.2 バイロイト
2006 1. 21 小倉 4歳500万下 15 10 3.9(2人) 03着 M.モンテリーゾ 57 ダ2400m(良) 2:38.4 (37.5) 1.0 フミノブルースカイ
4. 9 阪神 4歳500万下 16 12 6.0(3人) 01着 四位洋文 57 芝2200m(良) 2:15.4 (35.2) -0.8 (サクラキングダム)
4. 16 阪神 白鷺特別 1000万下 12 11 2.4(1人) 01着 川田将雅 56 芝2500m(稍) 2:35.9 (37.4) -0.2 (マチカネウマジルシ)
5. 13 京都 白川特別 1000万下 12 1 2.4(1人) 01着 岩田康誠 58 芝2400m(不) 2:30.5 (37.3) -1.0 バトルブレーヴ
5. 28 東京 目黒記念 GII 17 7 6.7(3人) 01着 川田将雅 54 芝2500m(稍) 2:33.1 (36.1) 0.0 アイポッパー
10. 21 コーフィールド コーフィールドC G1 18 11 07着 D.オリヴァー 53 芝2400m(良) Tawqeet
11. 7 フレミントン メルボルンC G1 24 12 02着 D.オリヴァー 53 芝3200m(良) 3:21.5 Delta Blues
12. 24 中山 有馬記念 GI 14 1 31.1(6人) 02着 O.ペリエ 57 芝2500m(良) 2:32.4 (35.0) 0.5 ディープインパクト
2007 2. 17 京都 京都記念 GII 14 3 2.2(1人) 02着 O.ペリエ 58 芝2200m(良) 2:17.2 (34.9) 0.0 アドマイヤムーン
3. 31 ナドアルシバ ドバイSC G1 15 10 06着 O.ペリエ 56 芝2400m(良) 2:31.5 Vengeance of Rain
5. 27 東京 目黒記念 JpnII 18 2 2.9(1人) 01着 武豊 58.5 芝2500m(良) 2:31.4 (34.5) 0.0 ココナッツパンチ
6. 24 阪神 宝塚記念 GI 18 5 6.9(4人) 03着 武豊 58 芝2200m(稍) 2:12.8 (36.5) 0.4 アドマイヤムーン
10. 7 京都 京都大賞典 GII 10 3 2.1(1人) 02着 四位洋文 58 芝2400m(良) 2:24.8 (33.6) 0.0 インティライミ
10. 28 東京 天皇賞(秋) GI 16 15 6.1(4人) 04着 O.ペリエ 58 芝2000m(稍) 1:59.0 (34.4) 0.6 メイショウサムソン
11. 25 東京 ジャパンC GI 18 2 10.5(4人) 02着 O.ペリエ 57 芝2400m(良) 2:24.7 (33.9) 0.0 アドマイヤムーン
12. 23 中山 有馬記念 GI 15 6 5.0(2人) 05着 O.ペリエ 57 芝2500m(稍) 2:34.5 (36.9) 0.9 マツリダゴッホ
2008 3. 23 阪神 阪神大賞典 GII 13 3 1.9(1人) 03着 武豊 58 芝3000m(良) 3:09.2 (35.1) 0.5 アドマイヤジュピタ
5. 4 京都 天皇賞(春) GI 14 10 8.4(4人) 12着 内田博幸 58 芝3200m(良) 3:17.4 (37.1) 2.3 アドマイヤジュピタ
10. 12 京都 京都大賞典 GII 10 1 7.3(3人) 07着 内田博幸 57 芝2400m(良) 2:27.2 (34.7) 0.3 トーホウアラン
11. 2 東京 天皇賞(秋) GI 17 7 40.1(9人) 14着 内田博幸 58 芝2000m(良) 1:58.3 (35.0) 1.1 ウオッカ
2009 5. 3 京都 天皇賞(春) GI 18 8 89.4(16人) 08着 川田将雅 58 芝3200m(良) 3:15.2 (35.4) 0.8 マイネルキッツ
5. 31 東京 目黒記念 GII 18 8 19.1(6人) 11着 川田将雅 58 芝2500m(不) 2:42.0 (39.9) 3.0 ミヤビランベリ
12. 5 中山 ステイヤーズS GII 16 6 14.2(6人) 14着 M.デムーロ 57 芝3600m(稍) 3:52.7 (35.0) 1.4 フォゲッタブル
2010 1. 5 京都 万葉S OP 13 5 17.5(7人) 05着 岩田康誠 57 芝3000m(良) 3:07.4 (36.8) 0.6 トウカイトリック
2. 14 東京 ダイヤモンドS GIII 15 12 51.4(9人) 11着 田中勝春 57 芝3400m(良) 3:33.6 (35.5) 1.0 フォゲッタブル
7. 30 ゴールウェイ 一般戦 11 12 01着 F.ベリー 58 芝2800m(良) 3:10.26 (Caesar's Song)
9. 11 カラ 愛セントレジャー G1 8 2 08着 F.ベリー 62.1 芝2800m(良) Sans Frontieres


血統表

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ポップロック血統ノーザンダンサー系 / Hail to Reason 5×4=9.38%、Nearctic 4×5=9.38%、Almahmoud 5×5=6.25%) (血統表の出典)

* エリシオ
Helissio
1993 鹿毛
父の父
Fairy King
1982 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
父の母
Helice
1988 鹿毛
Slewpy Seattle Slew
Rare Bouquet
Hirondelle Val de l'Orne
Hermanville

ポップス
1992 栗毛
* サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
* ポップシンガー
Pop Singer
1983 青鹿毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Icy Pop Icecapade
Calaki F-No.7-c

脚注

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  1. ^ ポップロックが登録抹消、アイルランドに移籍”. netkeiba.com. 2022年4月16日閲覧。
  2. ^ a b Pop Rock Horse Pedigree”. Thoroughbred Horse Pedigree Query. 2021年11月18日閲覧。
  3. ^ The 2006 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2021年11月18日閲覧。
  4. ^ The 2007 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2021年11月18日閲覧。
  5. ^ a b ポップロック中央競馬に別れ…愛国で現役続行!”. スポニチ (2010年2月19日). 2010年2月19日閲覧。
  6. ^ ポップロック、アイルランド移籍で現役続行”. デイリースポーツ (2010年2月20日). 2010年2月20日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ コスモバルクのこと、ポップロックのこと(“競馬場通り”の住人、2010年2月24日)
  8. ^ 2010年12月頃の為替レートで約11万円または約15万円。

外部リンク

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