ボランジェ・エブリマン・ウッドハウス賞
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ボランジェ・エブリマン・ウッドハウス賞(ボランジェ・エブリマン・ウッドハウスしょう、Bollinger Everyman Wodehouse Prize )は、コミカルな小説を対象としたイギリスの文学賞。ジーブス・シリーズを世に送り出したP・G・ウッドハウスのスピリットを記念して、2000年に創設された。過去の受賞作にポール・トーディの『イエメンで鮭釣りを』や、マリーナ・レヴィツカの『おっぱいとトラクター』、DBCピエールの『ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇』などがある。2011年には、初めてアメリカの作家ゲイリー・シュタインガートが受賞した[1]。フランスのシャンパーニュ地方のスパークリング・ワイン製造会社ボランジェがスポンサーを務めている。
候補作は毎年春に発表され、受賞作は5月のヘイ・フェスティバルの時期に発表される。受賞者にはボランジェのヴィンテージ・シャンパン1ケースと、ウッドハウスの全集52巻が賞品として贈られる。また、グロスターシャー・オールド・スポット種のブタ1頭に受賞作のタイトルが名前として付けられる。賞金はない。[2][3]
各年の受賞・候補作
[編集]2000年代前半
[編集]- 2000年
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- ハワード・ヤコブソン "The Mighty Walzer"
- ヘレン・フィールディング 『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
- トニー・ホークス "Playing the Moldovans at Tennis"
- ヒュー・マシングバード "The Book of Obituaries"
- スー・タウンゼント "Adrian Mole: The Cappuccino Years"
- ハワード・ヤコブソン "The Mighty Walzer"
- 2001年
- 2002年
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- マイケル・フレイン 『スパイたちの夏』
- テリー・イーグルトン 『ゲートキーパー――イーグルトン半生を語る』
- ウィル・ファーガソン 『ハピネス』
- デイブ・ゴーマン&ダニー・ウォレス "Are You Dave Gorman?"
- リサ・エヴァンズ "Spencer's List"
- テリー・プラチェット "Thief of Time"
- マイケル・フレイン 『スパイたちの夏』
- 2003年
- 2004年
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- ジャスパー・フォード 『文学刑事サーズデイ・ネクスト3―だれがゴドーを殺したの?』
- アンドレイ・クルコフ "Penguin Lost"
- デボラ・モガー "These Foolish Things"
- アレクセイ・セイル "Overtaken"
- ジャスパー・フォード 『文学刑事サーズデイ・ネクスト3―だれがゴドーを殺したの?』
2000年代後半
[編集]- 2005年
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- マリーナ・レヴィツカ 『おっぱいとトラクター』
- ジェームズ・ハミルトン=パターソン "Cooking with Fernet Branca"
- ロイド・ジョーンズ "Mr Vogel"
- ティファニー・マレー "Happy Accidents"
- テリー・プラチェット "Going Postal"
- マルコム・プライス "The Unbearable Lightness of being in Aberystwyth"
- マリーナ・レヴィツカ 『おっぱいとトラクター』
- 2006年
- 2007年
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- ポール・トーディ 『イエメンで鮭釣りを』
- デイヴィッド・ノッブス "Cupid's Dart"
- ハワード・ヤコブソン "Kalooki Nights"
- マリーナ・レヴィツカ "Two Caravans"
- ポール・トーディ 『イエメンで鮭釣りを』
- 2008年
- 2009年
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- ジェフ・ダイヤー "Jeff in Venice, Death in Varanasi"
- クリストファー・ブルックマイア "A Snowball in Hell"
- リサ・エヴァンズ "Their Finest Hour and a Half"
- ジェームズ・ハミルトン=パターソン "Rancid Pansies"
- サーシャ・スタニシチ 『兵士はどうやってグラモフォンを修理するか』
- スティーヴ・トルツ 『ぼくを創るすべての要素のほんの一部』
- ジェフ・ダイヤー "Jeff in Venice, Death in Varanasi"
2010年代前半
[編集]- 2010年
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- イアン・マキューアン 『ソーラー』
- ポール・マレー "Skippy Dies"
- ティファニー・マレー "Diamond Star Halo"
- デイヴィッド・ニコルズ 『ワン・デイ』
- マルコム・プライス "From Aberystwyth with Love"
- イアン・マキューアン 『ソーラー』
- 2011年
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- ゲイリー・シュタインガート 『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』
- マニュ・ジョセフ "Serious Men"
- インディア・ナイト "Comfort and Joy"
- サム・リース "The Coincidence Engine"
- キャサリン・オフリン "The News Where You Are"
- ゲイリー・シュタインガート 『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』
- 2012年
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- テリー・プラチェット "Snuff"
- ジョン・ランチェスター "Capital"
- ジュリアン・ゴフ "Jude in London"
- スー・タウンゼント "The Woman who went to bed for a year"
- ジョン・オファレル "The Man Who Forgot His Wife"
- テリー・プラチェット "Snuff"
- 2013年
- 2014年
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- エドワード・セント・オービン "Lost for Words"
- セバスチャン・フォークス "Jeeves and the Wedding Bells"
- ヘレン・フィールディング 『ブリジット・ジョーンズの日記 恋に仕事に子育てにてんやわんやの12か月』
- ハニフ・クレイシ "The Last Word"
- ジョン・ニーヴン "Straight White Male"
- ジョセフ・オコナー "The Thrill of it All"
- エドワード・セント・オービン "Lost for Words"
2010年代後半
[編集]- 2015年
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- アレグザンダー・マコール・スミス "Fatty O'Leary's Dinner Party"
- ケイルタン・モラン "How to Build a Girl"
- ヘレン・レダラー "Losing It"
- ニーナ・スティッブ "Man at the Helm"
- ジョセフ・オニール "The Dog"
- アーヴィン・ウェルシュ "A Decent Ride"
- アレグザンダー・マコール・スミス "Fatty O'Leary's Dinner Party"
- 2016年
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- ポール・マレイ "The Mark and the Void"
- ハンナ・ロスチャイルド "The Improbability of Love"
- ポール・ビーティ "The Sellout"
- マリーナ・レヴィツカ "The Lubetkin Legacy"
- ジョン・オファレル "There's Only Two David Beckhams"
出典
[編集]- ^ Alison Flood (2011年5月24日). “Wodehouse prize awarded to US author Gary Shteyngart”. ガーディアン. 2013年5月15日閲覧。
- ^ “P.G. Wodehouse - Everyman's Library”. 2015年12月3日閲覧。
- ^ 訳者(小竹由美子)あとがき 『イエメンで鮭釣りを』 白水社