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ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホイッドビー・アイランド級
ドック型揚陸艦
基本情報
艦種 ドック型揚陸艦(LSD)
命名基準 歴史上の史跡。一番艦はホイッドビー島に因む。
建造所 ロッキード造船
エイボンデール造船所
運用者  アメリカ海軍
建造期間 1981年 - 1992年
就役期間 1985年 - 就役中
建造数 8隻
前級 アンカレッジ級
次級 ハーパーズ・フェリー級
要目
基準排水量 11,099-11,590 t
満載排水量 15,883-16,568 t
漲水時:29,000 t
全長 185.8 m
最大幅 25.60 m
吃水 6.25 m
機関方式 CODAD方式
主機 コルト-ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジン×4基
推進器 可変ピッチ・プロペラ×2軸
出力 定格8,400 bhp / 最大10,400 bhp
電源 F-M 12D38-1/8ディーゼル発電機×4基
(1,300 kW)
最大速力 22ノット
航続距離 8,000海里(18kt巡航時)
乗員
  • 士官21名+曹士289-299名
  • 揚陸部隊:士官27名+曹士375名
兵装
  • Mk.38 25mm単装機銃×2基
  • Mk.15 20mmCIWS×2基
  • M2 12.7mm単装機銃×8基
  • RAM近SAM 21連装発射機×2基
    ※後日装備
  • 搭載艇 #輸送揚陸機能
    C4ISTAR SSDS Mk.1
    ※後日装備
    レーダー
    電子戦
    対抗手段
  • AN/SLQ-32(V)1 電波探知装置
  • Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
  • AN/SLQ-25 対魚雷デコイ装置
  • テンプレートを表示

    ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦(ホイッドビー・アイランドきゅうドックがたようりくかん、英語: Whidbey Island-class dock landing ship)は、アメリカ海軍ドック型揚陸艦の艦級。

    同型艦は12隻だが、後期型4隻は舟艇運用能力を削る代わりに貨物積載能力を増強したサブクラス(Cargo variant)であり、ハーパーズ・フェリー級(LSD-41 CV級)として区別されることもある[1][2]。本項ではこの区分に従い、前期型8隻について記述する。

    設計

    [編集]

    本級は、先行するアンカレッジ級(LSD-36級)をもとに、主機関をディーゼルエンジンにするとともに、LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇の運用に最適化して改設計したものとなっている[1]

    船型は船首楼型で、これと一体化した上部構造物は5層と大型の箱型のものとなっている。

    主機関は、V型16気筒コルト-ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジン4基で2軸の可変ピッチ・プロペラを駆動するCODAD方式である[1][2]

    能力

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    輸送揚陸機能

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    ウェルドックは、長さ134.0メートル×15.24メートル、艦の全長の72パーセントを占めており、下記のような各種舟艇・車両を搭載できる[1]

    また両舷には、バター・ボードなどLCAC-1級の運用を前提にした艤装が施されている[3]ほか、LCAC-1級のガスタービンエンジンの排気換気と、各種船舶の入出渠を考慮して、ヘリコプター甲板の装備位置は高くされている[2]。漲排水のためのバラスト水は12,860トンを搭載して、漲水は15分、排水は30分で行えるとされており、漲水時の水深は、前方では1.8メートル、後方では3.0メートルとなる[1]

    ウェルドック上に架するかたちでヘリコプター甲板が設けられている。長さ64.6メートル×幅25.3メートルを確保して、発着スポット2個が設定されており、CH-53Eの運用にも対応できる。ハンガーは備えていないが、JP-5ジェット燃料90トンを搭載している[1]。なお、必要であればここにも上陸用舟艇の搭載が可能であり、15.24メートル型作業艇1隻、LCPL Mk.11人員揚陸艇2隻、LCVP小型揚陸艇1隻を搭載して、上部構造物直後両舷のクレーン(力量60トンと20トン)によって着揚収することができる[1]

    ドック前方には1,214 m2の車両搭載スペースが確保されているほか、パレット化された貨物149 m3も搭載できる[3]。揚陸部隊としては、LCAC乗員を含めて、将校27名および下士官兵375名が乗艦できるほか、必要であれば更に将校7名および下士官兵95名を追加できる。なお上陸戦時の負傷兵に対応するため、手術室1室と病床8床が設けられている[1]

    個艦防御機能

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    対空捜索レーダーとしては、当初建造艦はAN/SPS-49(V)1を搭載していたが、5番艦以降は(V)5に更新し、AN/SPS-49(V)1を搭載している艦についてもAN/SPS-49A(V)1にアップグレードされた[1]

    新造時の武装は、艦橋構造物上部前後に装備されたファランクスCIWSのみであったが、その後、RAM近接防空ミサイルの21連装発射機が追加装備された[2]。また近距離で水上目標に対して使用するMk.38 25mm単装機銃は、当初は砲側照準式のmod.0ないしmod.1であったが、順次に遠隔操作式のmod.2に換装されている[1]

    なお、2004年までに全艦がSSDS Mk.1を装備したほか、Mk.2にアップグレードして、共同交戦能力リンク 16に対応する計画もある[1]

    同型艦

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    艦番号 艦名 建造 発注 起工 進水 就役 退役 母港
    LSD-41 ホイッドビー・アイランド
    USS Whidbey Island
    ロッキード 1981年
    2月9日
    1981年
    8月4日
    1983年
    6月10日
    1985年
    2月9日
    2022年
    7月22日
    LSD-42 ジャーマンタウン
    USS Germantown
    1982年
    3月26日
    1982年
    8月5日
    1984年
    6月29日
    1986年
    2月8日
    2023年予定 カリフォルニア州
    サンディエゴ海軍基地
    LSD-43 フォート・マクヘンリー
    USS Fort McHenry
    1983年
    1月27日
    1983年
    6月10日
    1986年
    2月1日
    1987年
    8月8日
    2021年
    3月27日
    LSD-44 ガンストン・ホール
    USS Gunston Hall
    エイボンデール 1983年
    11月21日
    1986年
    5月26日
    1987年
    6月27日
    1989年
    4月22日
    2023年予定 バージニア州
    リトルクリーク統合遠征基地
    LSD-45 コムストック
    USS Comstock
    1984年
    11月26日
    1986年
    10月27日
    1988年
    1月15日
    1990年
    2月3日
    2026年予定 カリフォルニア州
    サンディエゴ海軍基地
    LSD-46 トーテュガ
    USS Tortuga
    1987年
    3月23日
    1988年
    9月15日
    1990年
    11月17日
    2023年予定 バージニア州
    リトルクリーク統合遠征基地
    LSD-47 ラシュモア
    USS Rushmore
    1985年
    12月11日
    1987年
    11月9日
    1989年
    5月6日
    1991年
    6月1日
    2024年予定 長崎県佐世保市
    佐世保基地
    LSD-48 アシュランド
    USS Ashland
    1988年
    4月4日
    1989年
    11月11日
    1992年
    5月9日
    2023年予定

    脚注

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    出典

    [編集]
    1. ^ a b c d e f g h i j k Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 867-869. ISBN 978-1591149545 
    2. ^ a b c d 「アメリカ揚陸艦史」『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、1-135頁、NAID 40015212119 
    3. ^ a b 「アメリカ揚陸艦のメカニズム」『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、144-151頁、NAID 40015212119 

    外部リンク

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