コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ヘキサフルオロ白金酸キセノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘキサフルオロ白金酸キセノン
識別情報
CAS登録番号 12062-18-9
特性
化学式 Xe+[PtF6]
モル質量 440.367
外観 橙色固体
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヘキサフルオロ白金酸キセノン(ヘキサフルオロはっきんさんキセノン、xenon hexafluoroplatinate)は世界で初めて作られた貴ガス化合物である。分子式XePtF6である。

六フッ化白金とキセノンの反応によって生成する。この実験は1962年5月にカナダブリティッシュコロンビア大学ニール・バートレット英語版によって行われた。バートレットは生成物がXe+[PtF6]であると述べたが、後の研究ではバートレットの生成物がおそらく塩混合物であり、実際はXe+[PtF6]を含んでいなかったことが示唆されている[1]

合成の経緯

[編集]

バートレットは、1962年に六フッ化白金 (PtF6) と酸素分子 (O2) を化合させて赤色の固体ヘキサフルオロ白金酸ジオキシゲニル() を発見した[2][3]。バートレットはこの反応から類推し、O2 (12.2 eV) とほぼ同じイオン化エネルギーを持つキセノン (12.13 eV) を酸化できるのではと考え、成功させた。

生成機構

[編集]

六フッ化白金ではフッ素の電子求引性により、白金が極度の電子欠乏状態になる(ルイス酸化)。これがキセノンの最外殻電子を攻撃して生成する。

上述の合成はこの2つの物質を反応させることによる。

脚注

[編集]
  1. ^ Greenwood, Norman N.; Earnshaw, Alan (1997). Chemistry of the Elements (2nd ed.). Butterworth–Heinemann. ISBN 0080379419 
  2. ^ Bartlett, Neil (1962). “Xenon hexafluoroplatinate(V) Xe+[PtF6]”. Proceedings of the Chemical Society 1962 (6): 197–236. doi:10.1039/PS9620000197. 
  3. ^ Bartlett, Neil; Lohmann, D. H. (1962). “Dioxygenyl hexafluoroplatinate(V), O+
    2
    [PtF6]”. Proceedings of the Chemical Society 1962 (3): 97–132. doi:10.1039/PS9620000097.
     

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]