ブチヒゲカメムシ
ブチヒゲカメムシ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Dolycoris baccarum
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Dolycoris baccarum (Linnaeus, 1758) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
sloe bug |
ブチヒゲカメムシ(学名: Dolycoris baccarum)は、カメムシ目カメムシ科の昆虫。カメムシの一種。
形態・生態
[編集]幼虫の食草はマメ科、キク科、ダイコン、ゴマ、ニンジン、ゴボウ、イネなど[2]。
北海道中央部では5月から6月と10月に年2回見られるが、東部では一部が年2回、一部は年1回発生する[3]。東北地方では年2回[4]、西日本では年3回である。秋・冬の休眠は基本的に日照時間に左右されるが、気温も影響している。北海道東部の常呂町と西日本の大阪市では反応する日照時間に2時間以上の差がある[5] 。
夏にはアカヒョウタンハリバエに寄生される。このヤドリバエはカメムシ成虫の体内で発育した後、瀕死の寄主を出て蛹になる。1983年に盛岡市の野外で採集された個体(計42頭)は、6・7月に15%、8月に30%とかなりの高率で寄生されていたが、9月には寄生されたものがなかった。これだけの率で成虫の死因になっているということである[6]。
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分布
[編集]ヨーロッパから日本までの旧北区に分布する。日本では北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国も含む。[1]。
人間との関わり
[編集]カメムシ類が未熟な米、豆、野菜の種から吸汁すると、変色した成長不良な実が生じる。ブチヒゲカメムシではダイズ、イネ、ゴマ、トマト、ニンジン、ネギ、ゴボウの被害が知られている [7]。
ブチヒゲカメムシは、ダイズの豆を吸汁する際に Eremothecium coryli という菌に感染させ、ダイズ子実汚斑病を引き起こす。2006年に京都府亀岡市で採集された成虫16匹のうち7匹が問題の菌を持っていたが、80%を超えるホソヘリカメムシと比べれば率は低かった[8]。網で区切ったダイズ畑に成虫を放す実験では、加害粒数ではホソヘリカメムシと変わらなかったが、被害の程度はホソヘリカメムシより小さかった[9]。
また、イネの米を吸収して斑点米を作る[10]。米の場合、被害程度が軽くても斑点米まじりの米では商品価値が下がる。
脚注
[編集]- ^ a b “日本産昆虫学名和名辞書(DJI)”. 昆虫学データベース KONCHU. 九州大学大学院農学研究院昆虫学教室. 2012年8月17日閲覧。
- ^ 『札幌の昆虫』
- ^ Nakamura and Numata "Effects of photoperiod and temperature on the induction of adult diapause in Dolycoris baccarum (L.) (Heteroptera: Pentatomidae) from Osaka and Hokkaido, Japan", p108.
- ^ 本田健一郎「ブチヒゲカメムシに寄生するアカヒョウタンハリバエについて」78頁。
- ^ Nakamura and Numata "Effects of photoperiod and ...", p108-109.
- ^ 本田健一郎「ブチヒゲカメムシに寄生するアカヒョウタンハリバエについて」78-79頁。
- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)273頁、287-288頁。Nakamura and Numata "Effects of photoperiod and ...", p105.
- ^ 木村重光ほか「ホソヘリカメムシ、アオクサムシ、イチモンジカメムシおよびブチヒゲカメムシによるダイズ子実汚斑病(仮称)病原菌 Eremothecium corli の保菌および媒介」15頁。
- ^ 河野哲「カメムシ3種によるダイズ子実被害の解析」129頁、131-133頁。
- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)273頁。
参考文献
[編集]- 木野田君公『札幌の昆虫』北海道大学出版会、2006年、82頁。ISBN 4-8329-1391-3。
- 木村重光・徳丸晋・菊池淳志「ホソヘリカメムシ、アオクサムシ、イチモンジカメムシおよびブチヒゲカメムシによるダイズ子実汚斑廟(仮称)病原菌 Eremothecium coryli の保菌および媒介」、『日本応用動物昆虫学会誌』第52巻第1号、2008年。
- 河野哲「カメムシ3種によるダイズ子実被害の解析」、『日本応用動物昆虫学会誌』第33巻3号、1989年。
- 友国雅章・監修、安永智秀・高井幹夫・山下泉・川村満・川澤哲夫『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)、全国農村教育協会、1993年。
- NAKAMURA Keiji and NUMATA Hideharu "Effects of photoperiod and temperature on the induction of adult diapause in Dolycoris baccarum (L.) (Heteroptera: Pentatomidae) from Osaka and Hokkaido, Japan", Applied entomology and zoology 41(1), 2006-02-25. 『日本応用動物昆虫学会誌』第50巻1号に日本語による要約、中村圭司・沼田英治「大阪および北海道産ブチヒゲカメムシの成虫休眠の調節に及ぼす温度と光周期の効果」がある。
- 本田健一郎「ブチヒゲカメムシに寄生するアカヒョウタンハリバエについて」、『日本応用動物昆虫学会誌』第29巻1号、1985年。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- "Dolycoris baccarum". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Dolycoris baccarum" - Encyclopedia of Life
- 川邊透. “ブチヒゲカメムシ”. 昆虫エクスプローラ. 2012年8月17日閲覧。
- ムシケン. “ブチヒゲカメムシ”. 昆虫研究所~昆虫写真・昆虫図鑑サイト~. 2012年8月17日閲覧。
- 青木繁伸. “ブチヒゲカメムシ”. 幼虫図鑑. 群馬大学社会情報学部. 2012年8月17日閲覧。