フジボグサ
フジボグサ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フジボグサ
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Uraria crinita (L.) Desv. ex DC. (1825)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Common Cat's Tall[2] |
フジボグサ(藤穂草、学名: Uraria crinita[3])はマメ科フジボグサ属の常緑亜低木[4]。別名フジボハギ[1]。中国名は、猫尾草(別名:猫尾射[2]、兔尾草[1])。
特徴
[編集]木本状の多年草で[2]、草丈0.3–1.5メートル (m) ほど。葉は大きくやや厚く光沢のある奇数羽状複葉が互生し、側小葉は全縁で1–4対が対生する。小葉は卵形から長楕円形で長さ6–12センチメートル (cm) 。開花期は初夏で、紅紫色の花が多数集まった、長さ約40 cm、直径約4 cmの総状花序を直立させる。その様をフジに見立てて「藤穂草」と命名された。花期は遠くからも花序がよく目立つ。節果は緑色で3–7小節からなり、側面を接して折れ曲がる[5][4][6]。染色体数 2 n=22[2]。
分布と生育環境
[編集]沖縄県宮古島、石垣島、小浜島、西表島にやや普通に産する。日本国外では台湾、中国、東南アジアなど旧世界の熱帯に広く分布する[2]。低地の道沿いや原野、耕作地の脇や道路法面などの陽地に生える[5][4][6]。
利用
[編集]中国南部では全草を虎尾輪と称して薬用にし、咳止め、止血、子宮脱、脱肛などに用いる[2]。
近縁種
[編集]フジボグサ属は旧世界の熱帯~亜熱帯に20種が分布する。国内では本種の他に2種が同様の環境に生育し、本種とは葉形などの違いで識別可能。オオバフジボグサ(学名:U. lagopodioides、別名ヤエヤマフジボグサ)は単葉~3出複葉で頂小葉が特に大きく、葉面へ不規則に白斑が入る。宮古島、下地島、石垣島、西表島、波照間島に稀に産する。ホソバフジボグサ(学名:U. picta)は奇数羽状複葉で側小葉2–4対、小葉は細長い線形で白斑が入る形態で、宮古島、石垣島、小浜島、西表島にごく稀に産する[5][4][6]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “フジボグサ Uraria crinita (L.) Desv. ex DC.”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年6月17日閲覧。
- 大橋広好「フジボグサ」『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、297頁。ISBN 9784023800106。
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 大橋広好 著「フジボグサ属 1.フジボグサ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物 1巻』平凡社、2021年。ISBN 9784582535389。
- 堀田満ほか 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月25日。ISBN 4-582-11505-5。
外部リンク
[編集]- フジボグサ 西表島植物図鑑
- フジボグサ(藤穂草) Uraria crinita 野の花賛花 ―自生の姿を追って―
- フジボグサ 四季の山野草
- フジボグサ(藤穂草) うちなー通信
- フジボグサ ガジ丸の島
- フジボグサ(藤穂草) こまつなの部屋