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フジボグサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フジボグサ
フジボグサ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: ヌスビトハギ連 Desmodieae
亜連 : ヌスビトハギ亜連 Desmodiinae
: フジボグサ属 Uraria
: フジボグサ U. crinita
学名
Uraria crinita (L.) Desv. ex DC. (1825)[1]
英名
Common Cat's Tall[2]

フジボグサ(藤穂草、学名: Uraria crinita[3])はマメ科フジボグサ属常緑亜低木[4]。別名フジボハギ[1]中国名は、猫尾草(別名:猫尾射[2]、兔尾草[1])。

特徴

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木本状の多年草[2]、草丈0.3–1.5メートル (m) ほど。葉は大きくやや厚く光沢のある奇数羽状複葉が互生し、側小葉は全縁で1–4対が対生する。小葉は卵形から長楕円形で長さ6–12センチメートル (cm) 。開花期は初夏で、紅紫色の花が多数集まった、長さ約40 cm、直径約4 cmの総状花序を直立させる。その様をフジに見立てて「藤穂草」と命名された。花期は遠くからも花序がよく目立つ。節果は緑色で3–7小節からなり、側面を接して折れ曲がる[5][4][6]。染色体数 2 n=22[2]

分布と生育環境

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沖縄県宮古島、石垣島、小浜島、西表島にやや普通に産する。日本国外では台湾中国東南アジアなど旧世界熱帯に広く分布する[2]。低地の道沿いや原野、耕作地の脇や道路法面などの陽地に生える[5][4][6]

道端のフジボグサ
長く伸びたフジボグサの総状花序

利用

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中国南部では全草を虎尾輪と称して薬用にし、咳止め、止血、子宮脱、脱肛などに用いる[2]

近縁種

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フジボグサ属は旧世界の熱帯~亜熱帯に20種が分布する。国内では本種の他に2種が同様の環境に生育し、本種とは葉形などの違いで識別可能。オオバフジボグサ(学名:U. lagopodioides、別名ヤエヤマフジボグサ)は単葉~3出複葉で頂小葉が特に大きく、葉面へ不規則に白斑が入る。宮古島、下地島、石垣島、西表島、波照間島に稀に産する。ホソバフジボグサ(学名:U. picta)は奇数羽状複葉で側小葉2–4対、小葉は細長い線形で白斑が入る形態で、宮古島、石垣島、小浜島、西表島にごく稀に産する[5][4][6]

脚注

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Uraria crinita (L.) Desv. ex DC. フジボグサ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年7月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 堀田満ほか 編 1989, p. 1075.
  3. ^ (米倉 & 梶田 2003)
  4. ^ a b c d (大川 & 林 2016, p. 107)
  5. ^ a b c (大橋 1997, p. 297)
  6. ^ a b c (大橋 2021, p. 480)

参考文献

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  • 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “フジボグサ Uraria crinita (L.) Desv. ex DC.”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年6月17日閲覧。
  • 大橋広好「フジボグサ」『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、297頁。ISBN 9784023800106 
  • 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024 
  • 大橋広好 著「フジボグサ属 1.フジボグサ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物 1巻』平凡社、2021年。ISBN 9784582535389 
  • 堀田満ほか 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月25日。ISBN 4-582-11505-5 

外部リンク

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