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運輸省 (フィリピン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィリピン運輸省から転送)
運輸省
Kagawaran ng Transportasyon
省概要
設立年月日1899年1月23日
解散年月日2016年6月30日、運輸通信省から運輸省へ
本部所在地パンパンガ州、マバラカット、クラーク経済特別区
年間予算Template:Philippine peso 10億 (2020)[1]
行政官
ウェブサイトwww.dotr.gov.ph

運輸省 (英語: Department of TransportationDOTrフィリピン語: Kagawaran ng Transportasyon)はフィリピン政府行政機関英語版。国家復興及び経済開発に効果的な手段としての、実現可能で効率的かつ信頼できる交通システムの維持拡大を担当している。また、陸上、航空、海上の通信インフラも担当している。

2016年6月30日までは運輸通信省(英語: Department of Transportation and Communications、DOTC; フィリピン語: Kagawarán ng Transportasyón at Komunikasyón)であったが、情報通信技術省英語版の設立に伴い通信分野の多くの事業を移動させ、運輸省となった。

歴史

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初期

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1899年から1979年まですべての交通活動は公共事業・運輸通信省(Ministry of Public Works, Transportation and Communications、MPWTC、現公共事業道路省英語版)に統合されていた。

1979年7月28日、大統領令第546号に従って公共事業・運輸通信省が運輸通信省(Ministry of Transportation and Communications、MOTC)と公共事業道路省(Ministry of Public Works and Highways、MPWH)に分割され、正式に運輸通信省が設立された。

MOTCは信頼性のある整備された交通通信網の促進・開発・規制のために方針決定、計画作成、調整、実施などの管理を行う政府の行政機関となった。

この期間に実施されたインフラプロジェクトには以下のようなものがある。

また、自動車登録と管理が永久車両ライセンスプレートと系統的登録システムの導入英語版によって改善された。バス貸与計画によってさらに1000台の新しいバスがマニラ首都圏に提供された。

フィリピン国鉄とメトロ・マニラ交通社が改善拡張された。同時期ビコル地方にサービスを提供するフィリピン国鉄南方本線が再生されている。

1986年以降

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1986年2月26日のエドゥサ革命の後、大統領となったコラソン・アキノによってHernando B. Perez下院議員が運輸通信省の長官に選出された。

1987年3月、テクノクラートのRainerio O. ReyesがMOTCの長官になった。そのすぐ後、MOTCは大統領令第125号、125A号によって再編され、MinistryからDepartmentとなった。

Reyes長官の下、省内の準司法機能が大統領令第202号によって設立された陸上交通許認可規制委員会英語版に移管された。

フィデル・ラモス政権下、長官にJesus B. Garciaが任命された。ガルシア長官の下、固定電話や携帯電話事業へ新規参入が許可され、老朽化したタクシーは廃止され、新型や後期型のものが採用された。

現在

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2016年5月20日、ベニグノ・アキノ3世政権中の共和国法第10844号の"情報通信技術省設立法"が成立し、情報通信技術局が科学技術省(DOST)から分離され、運輸通信省の通信を扱うすべての運用部門と統合して情報通信技術省英語版が設立されることとなり、運輸通信省は単に運輸省となった[2]

2017年7月、運輸省は長年本部であったマンダルヨンのコロンビアタワーからパンパンガ州マバラカットのクラーク地区への本部の移動を始めた[3]

現在、DOTrは大統領ロドリゴ・ドゥテルテの公約である「インフラ黄金時代」の発言に合わせ、ドゥテルテノミクス英語版として3.6兆PHPを使い2018年から2022年に展開される公共インフラ計画で多くの計画を実行することを期待されている [4]

進行中の計画

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鉄道

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マニラ首都圏地下鉄

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9号線、メトロマニラ地下鉄はフィリピンのマニラ首都圏に最初に建設される予定の地下鉄。もともとはメガマニラ地下鉄と呼ばれていた。建設開始は2018年、完成は2025年を目指している[5]

MRT2号線東部延伸

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MRT-2線東部延伸計画は東側へ4㎞路線を延長する計画で、マリキナのサントラン駅からアンティポロのマシナグ駅まで延長される計画で現在建設が進んでいる。計画の狙いはさらに80000人の旅客を収容し、マルコスハイウェイ沿いの交通渋滞を減らすことである。計画が完成すると、レクト駅からマシナグ駅までの所要時間が3時間から40分に減少する。2019年に完成する予定。

国鉄南北通勤鉄道

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南北通勤鉄道タルラック州カパス英語版ニュー・クラーク・シティ英語版からラグナ州カランバまでを結ぶ建設中の通勤鉄道。北方線は106㎞でマニラトゥトゥバン駅からニュー・クラーク・シティまでの間であり完成は2021年を見込んでいる[6][7]。南方線も完全電化の標準軌複線に再建される。

2018年1月に建設前の敷設権の清算などの作業が始まり、建設は2019年2月に始まった[8][9]

空港

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新設の空港としてパングラオ国際空港が開設したほかビコル国際空港の開設やクラーク国際空港タンブラー空港マクタン・セブ国際空港プエルト・プリンセサ国際空港などの拡張などが計画されている

組織構造

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省は運輸大臣英語版を長とし、7人の次官と13人の次官補がいる。

  • 管理・財務担当次官
  • 道路・インフラ担当次官
  • 航空・空港担当次官
  • 鉄道担当次官
  • 法務・調達担当次官
  • 計画・プロジェクト開発担当次官
  • 海事担当次官
  • 法務次官補
  • 管理・財務次官補
  • 航空情報・執行次官補
  • 調達次官補
  • 通信次官補
  • 海事次官補
  • 道路輸送・インフラ次官補
  • 鉄道次官補
  • 計画担当次官補
  • プロジェクト実施次官補

付属機関

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陸運局三菱アドベンチャー警備車、ブトゥアン

陸上・道路

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鉄道

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航空

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海上

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その他

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歴代大臣

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# 名前 着任 離任 大統領
公共事業通信大臣(Minister of Public Works and Communications)
1 Maximo Paterno 1899年1月21日 1899年11月13日 エミリオ・アギナルド
公共事業通信大臣(Secretary of Public Works and Communications)
2 Antonio de las Alas 1935年11月15日 1936年 マニュエル・ケソン
3 Mariano Jesús Cuenco 1936年 1939年
4 ホセ・アベリーノ英語版 1939年 1941年
国防公共事業通信労働大臣(Secretary of National Defense, Public Works, Communications and Labor)
5 Basilio Valdes 1941年12月23日 1944年8月1日 マニュエル・ケソン
公共事業通信大臣(Secretary of Public Works and Communications)
6 Jose Paez 1944年 1945年 セルヒオ・オスメニャ
7 Sotero Cabahug 1945 1946年5月28日
8 Ricardo Nepumoceno 1946年5月28日 1949年7月1日 マニュエル・ロハス
エルピディオ・キリノ
9 Propsero Sanidad 1950年2月21日 1951年
10 Sotero Baluyut 1951年1月6日 1952年
11 Pablo Lorenzo 1952年5月6日 1953年
公共事業運輸通信大臣(Secretary of Public Works, Transportation and Communications)
12 Vicente Orosa 1954年3月10日 1955年 ラモン・マグサイサイ
13 Florencio Moreno 1955年4月30日 1961年12月30日
カルロス・ガルシア
14 Marciano Bautista 1961年 1962年 ディオスダド・マカパガル
15 Paulino Cases 1962年 1962年
16 Brigido Valenica 1962年 1963年
17 Jorge Abad 1963年 1965年
18 Antonio V. Raquiza 1966年8月24日 1968年 フェルディナンド・マルコス
19 Rene Espina 1968年 1969年9月
20 Antonio Syquio 1969年9月 1970年
21 デビッド・コンスンジ英語版 1970年 1975年
22 Alfredo Juinio 1975年 1978年
公共事業運輸通信大臣(Minister of Public Works, Transportation and Communications)
Alfredo Juinio 1978年 1981年 フェルディナンド・マルコス
運輸通信大臣(Minister of Transportation and Communications)
23 Jose P. Dans 1981年 1986年 フェルディナンド・マルコス
運輸通信大臣(Secretary of Transportation and Communications)
24 Hernando B. Perez 1986年2月25日 1987年3月 コラソン・アキノ
25 Rainerio O. Reyes 1987年3月 1989年
26 オスカー・オルボス英語版 1990年1月3日 1990年12月9日
27 Arturo Corona 1990年 1992年
28 Pete Nicomedes Prado 1992年 1992年
29 Jesus Garcia 1992年7月 1996年3月 フィデル・ラモス
30 Amado S. Lagdameo 1996年4月 1997年4月
31 アルトゥーロ・エンリレ英語版 1997年4月 1998年1月
32 Josefina Trinidad-Luchauco 1998年1月 1998年6月30日
33 ビセンテ・C・リベラ 1998年6月30日 2001年1月20日 ジョセフ・エストラーダ
34 パンタレオン・アルバレス英語版 2001年1月20日 2002年 グロリア・アロヨ
35 レアンドロ・メンドーザ 2002年7月3日 2010年2月23日
36 アンネリ・R・ロントク (Acting) 2010年3月9日 2010年6月30日
37 ホセ・デ・ヘスス 2010年6月30日 2011年7月4日 ベニグノ・アキノ3世
38 マー・ロハス英語版 2011年7月4日 2012年10月18日
39 ジョセフ・エミリオ・アバヤ英語版 2012年10月18日 2016年6月30日
運輸大臣(Secretary of Transportation)
40 アーサー・トゥガデ英語版 2016年6月30日 現職 ロドリゴ・ドゥテルテ

註釈

[編集]
  1. ^ Rey, Aika (January 8, 2020). “Where will the money go?”. Rappler. https://www.rappler.com/newsbreak/in-depth/238933-where-will-money-go-2020-budget May 29, 2020閲覧。 
  2. ^ Sabillo, Kristine Angeli (May 23, 2016). “Dep’t of Information and Communications Technology created”. Philippine Daily Inquirer. May 23, 2016閲覧。
  3. ^ Manabat, Jacque (July 28, 2017). “DOTr begins transfer to Clark” (英語). ABS-CBN News. https://news.abs-cbn.com/business/07/28/17/dotr-begins-transfer-to-clark November 6, 2017閲覧。 
  4. ^ de Vera, Ben O.; Yee, Jovic; Camus, Miguel R. (April 19, 2017). “Dutertenomics: ‘Golden age of infrastructure’” (英語). Inquirer.net. https://newsinfo.inquirer.net/890225/dutertenomics-golden-age-of-infrastructure November 6, 2017閲覧。 
  5. ^ Cordero, Ted (August 2, 2018). “DOTr to kick-off Mega Manila Subway construction in December”. GMA News Online. https://www.gmanetwork.com/news/money/economy/662657/dotr-to-kick-off-mega-manila-subway-construction-in-december/story/ 
  6. ^ Dela Paz, Chrisee (June 25, 2017). “17 stations of Manila-Clark Railway announced”. Rappler. https://www.rappler.com/business/173929-manila-clark-railway-stations-revealed-dotr June 25, 2017閲覧。 
  7. ^ Aning, Jerome (June 25, 2017). “DOTr leads marking of Manila-Clark railway’s 5 future stations”. Inquirer. https://newsinfo.inquirer.net/908632/dotr-leads-marking-of-manila-clark-railways-5-future-stations June 25, 2017閲覧。 
  8. ^ Demayo, Mark (February 15, 2019). “Phase 1 of North-South Commuter Railway project breaks ground”. ABS-CBN News. February 16, 2019閲覧。
  9. ^ Mercurio, Richmond (February 16, 2019). “Construction of North-South Commuter Railway kicks off”. Philstar. February 16, 2019閲覧。
  10. ^ MRTCは政府の制御下ではないが、運輸省はマニラMRT-3線の運用を監督している

外部リンク

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