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ビハンタサルミ橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビハンタサルミ橋
Vihantasalmen silta
ビハンタサルミ橋
基本情報
 フィンランド
所在地 南サヴォ県 ミッケリ郡 マンチュハルユ
交差物件 ビハンタサルミ海峡
用途 道路橋
路線名 国道5号
管理者 フィンランド交通インフラ庁
設計者 ランタコッコ
施工者 ワイ・アイ・ティー
着工 1997年
竣工 1999年9月
開通 1999年11月3日
座標 北緯61度26分25.2秒 東経26度40分36.2秒 / 北緯61.440333度 東経26.676722度 / 61.440333; 26.676722座標: 北緯61度26分25.2秒 東経26度40分36.2秒 / 北緯61.440333度 東経26.676722度 / 61.440333; 26.676722
構造諸元
形式 トラス橋
桁橋
材料 木材
コンクリート
全長 182 m
14 m
高さ 約31 m
桁下高 4 m
最大支間長 42 m
地図
ビハンタサルミ橋の位置
ビハンタサルミ橋の位置
ビハンタサルミ橋の位置
ビハンタサルミ橋の位置
ビハンタサルミ橋の位置
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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ビハンタサルミ橋(ビハンタサルミきょう、フィンランド語: Vihantasalmen silta: Vihantasalmi bridge)は、フィンランドにあるである[1][2]。1999年に完成された[3]。木造の道路橋としては世界最大の規模をもつ[4]

概要

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南サヴォ県ミッケリ郡英語版フィンランド語版マンチュハルユ英語版フィンランド語版にあるビハンタサルミ海峡フィンランド語版に架けられている[3][5][6]。橋は、道路の用に供されており、国道5号フィンランド語版英語版の一部を構成する[1][7]

かりこぼうず大橋

フィンランド交通インフラ庁フィンランド語版英語版によって管理されている[8]。主な施工業者はワイ・アイ・ティーフィンランド語版英語版である[5]。使用された木材は、Vierumäen Teollisuus社(現在のベルソウッドフィンランド語版フランス語版)によって提供された[9]宮崎県児湯郡西米良村にあるかりこぼうず大橋は、ビハンタサルミ橋をモデルとして建設された[2]

由来

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橋は、もともと同地に架けられていた、老朽化した旧橋、鋼ランガー桁橋を架け替える形で建設された[5]。1996年から1997年にかけて、欧州連合フィンランド技術庁フィンランド語版(現在のビジネスフィンランドフィンランド語版英語版)などが共同で橋の設計コンペティションを開催する[5][10]

ヒンメリ

この設計競技で、エンジニアリング会社、ランタコッコ(フィンランド語: Rantakokko & Co Oy)による「ホンカヒンメリ」(フィンランド語: Honkahimmeli)と名付けられた設計案が一等に選ばれた[5]。「ホンカヒンメリ」というのは、に糸を通して作られるフィンランドの伝統的な装飾品であるヒンメリを模した木質構造のことである[5]。1997年に建設工事が開始され、1999年9月に完成された[3][11]。1999年11月3日、一般交通への供用が開始される[12]。2000年にはフィンランド・ウッドアワードフィンランド語版を受賞している[5]

構造

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構造形式は、キングポストトラスと呼ばれるトラス構造をもつトラス橋および桁橋である[4][1]。全長は182メートルである[5]。支間長は、21メートル+42メートル+42メートル+42メートル+21メートル=168メートルである[1][5][4][13]:8。トラス構造部材には集成材が採用されており、床版および桁橋部は木材およびコンクリートで造られている[4][5]。橋には、985立方メートルの木材が用いられている[7]。橋の上部構造に使用された構造用鋼は、270トンに及ぶ[14]

有効幅員は、車道が11メートル、歩行者および自転車用道路が3メートルの計14メートルである[3][5][1][11][4]。車道は2車線である[1]。歩行者および自転車用道路は、張り出し構造になっている[1]。桁下高は4メートルである[11]。橋の最高点から湖面までの距離はおよそ31メートルである [11]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 木橋資料館 - ビハンタサルミ橋”. 福岡大学工学部社会デザイン工学科 橋と耐震システム研究室. 2021年11月13日閲覧。
  2. ^ a b 中澤隆雄 (2019年7月21日). “木橋との出会い”. 橋梁新聞. http://www.kyoryoshimbun.co.jp/木橋との出会い/ 2021年11月13日閲覧。 
  3. ^ a b c d Vihantasalmen silta”. Insinööritoimisto Ponvia Oy. 2021年11月13日閲覧。
  4. ^ a b c d e Duan 2013, p. 406.
  5. ^ a b c d e f g h i j k Vihantasalmen puusilta”. Puuinfo (2020年7月3日). 2021年11月13日閲覧。
    Vihantasalmi Bridge”. Puuinfo (2020年7月8日). 2021年11月13日閲覧。
    Vihantasalmi Bridge”. Puuinfo (2020年11月6日). 2021年11月13日閲覧。
  6. ^ ECCE 2009, p. 97.
  7. ^ a b 平成29年度 海外における点検技術動向調査業務”. ネクスコ東日本エンジニアリング (2018年3月). 2021年11月13日閲覧。
  8. ^ Tietoja silloista”. Väylävirasto. 2021年11月13日閲覧。
  9. ^ Rytilä 2017, p. 140.
  10. ^ Keskinen 2018, p. 18.
  11. ^ a b c d Vepsäläinen 2000, p. 6.
  12. ^ Reijo Heikkinen. “SILLAT”. オウル大学. 2009年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月13日閲覧。
  13. ^ Vihantasalmi Bridge (Built September 1999)”. FORUM HOLZBAU. 2021年11月13日閲覧。
  14. ^ Martus 2017, p. 16.

参考文献

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  • Jussi Vepsäläinen (2000). “PUUOPETUKSEN - TULEVAISUUS”. PUU (Puuinfo): 6-11. https://puuinfo.fi/wp-content/uploads/2020/06/puu-2_2000.pdf. 
  • Lian Duan, Wai-Fah Chen (2013-10). Handbook of International Bridge Engineering. CRC Press. ISBN 978-1-43981030-9. https://books.google.co.jp/books?id=jJ3MBQAAQBAJ 
  • Civil Engineering Heritage in Europe. European Council of Civil Engineers (ECCE). (2009-08). ISBN 978-961-6801-00-3. http://www.ecceengineers.eu/news/2018/ECCE_CEHE_book.pdf 
  • Pekka Rytilä (2017). KAIKKI PYÖRII – SUOMEN TIEYHDISTYS 100 VUOTTA. Suomen Tieyhdistys. ISBN 978-952-68313-2-9. https://www.tieyhdistys.fi/site/assets/files/1362/kaikki_pyorii.pdf 
  • Mariia Martus (2017). Preliminary design of wooden road bridge (Thesis). Saimaan ammattikorkeakoulu. 2021年11月13日閲覧
  • Victoria Keskinen (2018). Puusillat Suomessa (Thesis). Tampereen teknillinen yliopisto. 2021年11月13日閲覧