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ヒメマツバボタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒメマツバボタン
ヒメマツバボタン
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: スベリヒユ科 Portulacaceae
: スベリヒユ属 Portulaca
: ヒメマツバボタン P. pilosa
学名
Portulaca pilosa L. (1753)[1]
シノニム
和名
ケツメクサ,ケヅメグサ

ヒメマツバボタン(姫松葉牡丹[3]学名: Portulaca pilosa)はスベリヒユ科多肉質一年草[4][5]または多年草[3]。道端や敷石の間、畑、砂地などに生える。別名:ケツメクサ、ケヅメグサ(毛爪草)[1][3][4][6]

特徴

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高さ10 - 20センチメートル (cm) [7]。茎や葉は多肉質で、赤褐色を帯びる[7]。茎は基部からよく分岐して地を這い、長さ30 cmほどになる。は扁平な棒状で長さ5 - 12ミリメートル (mm) 、幅1.5 - 3 mm、茎の中部から上部にかけて互生し、枝先では輪生状に生える[7]。基部に縮れた白毛がある[7]

花期は7 - 9月[7]。茎の先端に直径1 cmほどの紅紫色の5弁花を2 - 3個つける[7]。花がつく葉の基部は、特に毛束が顕著である[7]。花は晴れた日中だけ咲き、開花時間は短い。果実蒴果で、楕円形をしており、熟すと横に裂けるように蓋を開けて多数の種子を撒布する[7]。種子は径0.5 mmと微細で、光沢のある黒色をしている[7]染色体数は、2 n=16, 18, 36[7]

観賞用に栽培されるマツバボタンと比べ、葉も花も小さいため名前にヒメが付いている。肉厚の茎葉は乾燥に強く、ちぎれた断片から根づくことに加え、細かい種子が雨風で運ばれて繁殖する[3][4][5][6]

分布と生育環境

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熱帯アメリカ原産。1960年代に帰化が知られるようになり[4]、日本では本州関東地方以南から南西諸島に帰化[7]。特に暖地の沿海地に多い[7]。環境省の生態系被害防止外来種リストに掲載され、重点対策外来種に指定されている[8]。 乾いた道端や畑地、海岸の岩場などに生える[3][5]

路側に生育するヒメマツバボタン(沖縄県石垣市平久保平野)

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Portulaca pilosa L. ヒメマツバボタン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年7月20日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Portulaca australis Endl. ヒメマツバボタン(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年7月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e (林 & 名嘉 2022, p. 100)
  4. ^ a b c d (清水ら 2001, p. 30)
  5. ^ a b c (片野田 2019, p. 158)
  6. ^ a b (原 2019, p. 61)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 清水建美 編 2003, p. 52.
  8. ^ (環境省 2016)

参考文献

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  • 清水建美 編『日本の帰化植物』平凡社、2003年3月。ISBN 4-582-53508-9 
  • 片野田, 逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 林, 将之、名嘉, 初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、那覇、2022年。ISBN 9784899824350 
  • 原, 千代子『琉球弧・花めぐり』南方新社、鹿児島市、2019年。ISBN 9784861244025 
  • 清水, 矩宏 ほか『日本帰化植物写真図鑑』全国農村教育協会、東京都台東区、2001年。ISBN 4881370855 
  • 環境省 (2016年). “生態系被害防止外来種リスト” (PDF). 日本の外来種対策. 環境省. 2024年2月17日閲覧。

外部リンク

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