ヒメナガメ
表示
ヒメナガメ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Eurydema dominulus Scopoli (1763) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
姫菜亀 |
ヒメナガメ(姫菜亀、Eurydema dominulus)はカメムシ目カメムシ科の昆虫の一種である。ナガメより小型で、アブラナ科の植物の汁を吸う。学名Eurydema pulchra (Westwood 1837) はシノニム。
性質
[編集]成虫は橙地に黒の紋(逆に言えば黒地に橙の条紋[1])を持つ。ナガメより模様が複雑である。胸部の黒紋はナガメには左右2つしかないが、ヒメナガメは前方に2つ、後方に4つが横に並んで計6つある。腹部背面の紋もヒメナガメのほうが複雑である。幼虫は外見から区別し難いほど似ている。
幼虫・成虫ともにアブラナ科の植物を食草とする。セイヨウアブラナ、ダイコン、キャベツ、カブ、ノザワナ、ハクサイ、コマツナ、カラシナ、ワサビのような野菜や、タネツケバナ、ナズナ、グンバイナズナ、イヌガラシ、コンロンソウのような様々な野草を含む[2]。
長野県伊那市の高遠での調査では、ヒメナガメは成虫で越冬し、年に3回発生する[3]。
分布
[編集]本州[4]、四国、九州、台湾、中国、東南アジア。インド、オーストラリア(クインズランド)にも分布する[5]。ナガメより気温が高い地方に寄るが、重なる場所では混生していることが多い。
人間との関わり
[編集]ナガメとともにアブラナ科の野菜の汁を吸う害虫である。被害を受けた葉には小さな白い班が生じ、数が多いとしおれて枯れる[6]。
脚注
[編集]- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)227頁。
- ^ Morimoto et. al. "Coexistence of the Two Closely Related Species ...", p437. カラシナ、ワサビ、イヌガラシ、コンロンソウは『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)227頁。
- ^ Morimoto et. al. "Coexistence of the Two Closely Related Species ...", p439-p440.
- ^ 全改訂新版『原色日本昆虫図鑑』下巻と『原色昆虫圖鑑』第3版第3巻には本州中部以南、『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)は本州。右上のボックス内の写真は埼玉県。少なくとも現在では中部以南に限られないようである。
- ^ 全改訂新版『原色日本昆虫図鑑』下巻。『原色昆虫圖鑑』第3版第3巻。
- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)288-289頁。
参考文献
[編集]- 伊藤修四郎・奥谷禎一・日浦勇・編『原色日本昆虫図鑑』(下)、保育社、全改訂新版、1990年。
- 友国雅章・監修、安永智秀・高井幹夫・山下泉・川村満・川澤哲夫・著『日本原色カメムシ図鑑』(陸生カメムシ類)、全国農村教育協会、1993年。
- 安松京三・朝比奈正二郎・石原保『原色昆虫圖鑑』、第3巻、北隆館、第9版、1988年。
- Morimoto, Naotake, Masahiro Fujino, Norio Tanahashi and Hideaki Kishino "Coexistence of the Two Closely Related Species of Cabbage Stink Bug, Eurydema rugosum nad E. Pulchrum (Heteroptera: Pentatomidae), in the Field in Central Japan. I. Distribution, Life Cycle and Host Plant Preferences of the Two Species"[1], Japanese Society of Applied Entomology and Zoology, 26 (4), 1991.