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バニラ (ウルトラ怪獣)

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ウルトラマンの登場怪獣 > バニラ (ウルトラ怪獣)
バニラ
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場ウルトラマン』第19話
作者 成田亨(デザイン)
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バニラとは、特撮テレビドラマウルトラマン』をはじめとした「ウルトラシリーズ」に登場する、架空の怪獣。別名は赤色火焔怪獣せきしょくかえんかいじゅう

『ウルトラマン』に登場するバニラ

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諸元
バニラ
別名 赤色火焔怪獣
身長 55 m[出典 1]
体重 2万 t[出典 1]
出身地
  • ミュー帝国[8][9]
  • 3億5千万年前の地底[1]
  • 東名高速道路建設現場[4]
  • 宇宙→μ帝国[3]
  • 3億5千万年前のカプセル・関東北部[5]
  • 3億5千万年前の地球→東京のビル工事現場→東京郊外の空き地[2]
  • 3億5,000年前の地球[11]

特撮テレビドラマ『ウルトラマン』第19話「悪魔はふたたび」に登場。

3億5千年前[注釈 1]超古代文明ミュー帝国に「赤い悪魔」と恐れられ、液状化された状態でランタン形のアンプルに封印されていた赤い古代怪獣。武器は体内に有した強大な熱エネルギーによって口から放射する2万度の高熱火炎で、周囲の生命体や物体を一瞬で焼却させる[出典 3]。外観は鼻が尖って口は横に開き、体は骨張ってやや平らで、大きく二股に分かれた尻尾は細く8の字状に絡み合っている。

土砂と共にダンプカーで郊外のビルの工事現場に廃棄されて風雨にさらされていた赤いアンプルから夜間に落雷の影響を受けたことで復活し、東名高速道路第四工事現場付近から進撃しながら防衛隊と科学特捜隊に夜通しで航空攻撃された末、同じく現代に復活したアボラス旧国立競技場[注釈 2]にて交戦する。アボラスの溶解泡を一度は火炎で相殺するが、その後はアラシの原子弾で右目を潰され、弱ったところをアボラスの溶解泡で全身を溶かされる。

  • スーツアクター:田尻康博[7][15]
  • 着ぐるみは新規造形[6]。その後、『快獣ブースカ』に登場したイモラへ改造された[16]。これは、『ウルトラマン』第25話に『ブースカ』主演の宮本智弘がゲスト出演したことへの返礼の意味が込められている[16]
  • デザインは成田亨によるもので、デザインイメージはタツノオトシゴ[出典 4]
  • 山田正弘が単独執筆した準備稿「前世紀からの使者」は、前世紀人と彼に操られる液体怪獣アボラスのみ登場し、バニラは登場しない[15]。その後、南川龍(野長瀬三摩地)の大幅な加筆によって決定稿「悪魔はふたたび」が起こされ、赤い怪獣バニラと青い怪獣アボラスが交戦する内容となった[15]
  • 一峰大二の漫画版「怪獣アボラスの巻」(『ぼくら』1967年1月号掲載)では火炎攻撃でウルトラマンを一度撃退し、再戦時にアボラス共々八つ裂き光輪で倒される展開となっている。また、火炎はスペシウム光線を相殺し、ウルトラマンの腕を溶かしかけるほどの火力を発揮した。なお、カラーイラストではアボラスと体色が逆転している。
  • TBSの朝の情報番組『ヤング720』1966年11月4日放送分において、ウルトラマンのスーツアクターである古谷敏のゲスト出演に際し、取材役で当時同局アナウンサーだった大沢悠里の提案により、古谷の演によるウルトラマンとバニラとの格闘シーンが収録された。この時のバニラは、そのアイデアを提案した大沢自身が着ぐるみの中に入って演じた[18]
  • 書籍『ウルトラマン白書』に載っている金城哲夫の文芸ノートでは、アボラス共々宇宙怪獣と区分されている[要ページ番号]
  • 火炎は『ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑』で「クリムゾン炎」と名づけられた[19]

『ザ☆ウルトラマン』に登場するバニラ

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諸元
バニラ
別名 赤色火焔怪獣
身長 55 m[出典 5]
体重 2万 t[出典 5]
出身地 怪獣墓場[出典 6]

テレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』第27話「怪獣島浮上!!」に登場。

怪獣墓場で眠っていたが、バラドン星人によってアーストロンゴーストロンレッドキングゴキネズラアボラスと共に蘇生させられたうえ、怪獣島に収容されて地球へ送り込まれる。

武器は原典と同様に口から放射する火炎[20][21]で、原典では幅広かった腕が本作品ではムササビの皮膜のように薄くなっている。アボラスと戦っているうちにゴキネズラとも戦う羽目になり、その3体でレッドキングと戦闘中のウルトラマンジョーニアスを襲撃するが、あえなく3体とも倒される。

  • 資料によっては、「アボラスと同士討ちの末に共倒れになった」とする旨の記述がされている[22][24]

『ウルトラマンパワード』に登場するバニラ

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諸元
バニラ
(パワードバニラ)
別名 赤色火焔怪獣
身長 65 m[出典 7]
体重 3万 t[出典 7]
出身地
  • 3千年前の世界[5]
  • 山中の洞窟[25]

特撮テレビドラマ『ウルトラマンパワード』第9話「復活! 二大怪獣」(米国版サブタイトル:TAILS FROM THE CRYPTS)に登場。玩具などでは原典と区別するため、パワードバニラと称される。

3千年前に古代人の手によって石棺に封印された怪獣。「赤い悪魔」とも称されており、ウィティカー博士の音波によって棺の蓋が開かれ、現代で復活する。赤い光となって貯水池の中に入った後で出現し、原典と同様に火炎[出典 8](赤色高熱火炎[28][27])を用いて敵を攻撃するが、その際には背中から排熱する描写が盛り込まれている。外見は原典と異なり、タツノオトシゴから遠ざかっている。尻尾は付け根部分が太く長い形に変更されているが、途中から細くなっているうえに先端は二股に分かれており、原典の特徴ある尾をアレンジしつつ再現している。

野性の闘争本能から同じく復活したアボラスとスタジアムにて交戦し、原典と同様に一度はアボラスの溶解泡で完全に溶かされたかに見えたが、2万3千ヘルツの音波で弱らせてから倒さなければ何度でも復活できるため、その後に光となって再生する[注釈 3]。最後はパワードとの2対1の戦いの最中にスカイハンターから発せられた音波で弱体化し、さらにアボラスの溶解泡を再び浴びて倒れ込み、パワードのメガ・スペシウム光線でアボラス共々倒される。

  • デザインは前田真宏[29]。前田はバニラが好みではなかったため、イマジネーションが湧かなかったという[29]
  • 企画段階では「バニラ2世」という名称候補があった[30]

『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に登場するバニラ

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諸元
バニラ
別名 赤色火焔怪獣
身長 55 m[出典 9]
体重 2万 t[出典 9]

特撮テレビドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第21話「悪魔がふたたび」に登場。

第20話で登場したバリガイラーの電撃の影響により、シズマ財団遺伝学研究センターにて保管・調査されていた3億5,000年前[注釈 4]の遺物のカプセルに入っていた赤色の液状生命体が活性化してアボラスとともに蘇った「赤い悪魔」。口先から吐く強力な火炎が武器[31]。古代書には、「悪戯に殺すと毒の血(毒素)を撒き散らして土や川を汚染して都を滅ぼすため生きたまま封印した」と記されていたうえ、バニラの炎がアボラスの溶解泡を取り除くことが可能なことも記されていた[32]

市街地にてアボラスと激戦を繰り広げるが、トリガーダークのダークゼペリオン光線で爆散した直後にグリッタートリガーエタニティの浄化光線で包み込まれ、清らかな光の粒子に変換されて霧散した[32][33]

その他の作品に登場するバニラ

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  • 映像作品
  • 映像作品以外
    • 漫画『ウルトラマンSTORY 0』では、アボラスと共に第36話・第37話に登場。その後、第39話・第40話にジェロニモンが蘇らせた再生怪獣の1体としても登場。
    • ゲーム『大怪獣バトル』では、第4弾と拡張第1弾に技カードとして登場。スキルは「赤い悪魔」で、効果は「3ラウンドのあいだ、こうげきが『こうねつ』こうげきになる」。第4弾の方はアボラスのカードと背景がつながっているほか、拡張カードはコンボマークも対になっている。

関連怪獣

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「300,005.000年前」と非常に中途半端な数字だが、本編中で何度も台詞として連呼されているため、誤記ではない。資料によっては「3億5千万年前」と記述している[出典 2]
  2. ^ 作中ではオリンピック競技場と呼称。
  3. ^ このことから、アボラスとバニラは音波で弱らせてから一気に倒さないと何度でも復活する不死身の特性を持つゆえに古代人も2体を完全に殺処分できず、封印せざるをえなかったことが示唆されている。
  4. ^ 『ウルトラマン』と同様に「300,005,000年前」だが、本編中で台詞として呼称されており、誤記ではない。

出典

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  1. ^ a b c 白書 1982, p. 50, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  2. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 41
  3. ^ a b c ベストブック 1993, pp. 100–101
  4. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 16
  5. ^ a b c d e f g h 大辞典 2001, p. 256
  6. ^ a b 怪獣列伝 2008, pp. 78–79, 「業火を呼ぶ赤い悪魔 赤色火焔怪獣バニラ」
  7. ^ a b c 全調査報告 2012, pp. 72–75, 「CASE FILE19 悪魔はふたたび」
  8. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 16
  9. ^ a b c 研究読本 2014, p. 224, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  10. ^ a b UPM vol.02 2020, p. 21, 「怪獣、侵略宇宙人、宇宙怪獣、怪人、怪生物」
  11. ^ a b c 大怪獣図鑑 2022, pp. 88–89, 「バニラ」
  12. ^ 白書 1982, pp. 29、50.
  13. ^ 『ウルトラの常識 ウルトラQ&ウルトラマン編』P.133
  14. ^ マガジンVOL.2 2021, pp. 76–77, 「ウルトラQ ウルトラマン55周年記念 ヒーロー、怪獣の世界」
  15. ^ a b c 研究読本 2014, pp. 162–163, 「エピソードガイド第19話」
  16. ^ a b 研究読本 2014, p. 175, 「エピソードガイド第25話」
  17. ^ 成田亨 2014, p. 90.
  18. ^ 古谷敏『ウルトラマンになった男』小学館、2009年、159頁
  19. ^ 田中一喜 編「ウルトラマンと戦った怪獣の攻げき技」『ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑 1』小学館、1992年11月20日、8頁。ISBN 4-09-110774-5 
  20. ^ a b c 白書2 1987, p. 215, 「ザ☆ウルトラマン 怪獣リスト」
  21. ^ a b c 画報 下巻 2003, p. 24
  22. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 173
  23. ^ a b フィギュア王258 2019, pp. 45, 「『ザ☆ウルトラマン』登場怪獣FILE」
  24. ^ a b UPM vol.32 2021, p. 20, 「大怪獣、巨大生物、侵略者、ヘラー軍」
  25. ^ a b c 画報 下巻 2003, p. 68
  26. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 219
  27. ^ a b UPM vol.18 2021, p. 25, 「侵略宇宙人、有害巨大生物(怪獣)、怪人」
  28. ^ 新大全集 1994, pp. 38–39.
  29. ^ a b 「ウルトラマンパワード20周年記念特集 パワード怪獣完全図鑑」『語れ!ウルトラ怪獣【永久保存版】』KKベストセラーズ〈ベストムックシリーズ44〉、2014年4月23日、91-101頁。ISBN 978-4-584-20544-0 
  30. ^ 新大全集 1994, p. 53.
  31. ^ a b 宇宙人・怪獣”. ウルトラマントリガー公式サイト. 円谷プロダクション. 2021年12月18日閲覧。
  32. ^ a b c フィギュア王287 2022, p. 62, 「ウルトラマントリガー怪獣大図鑑」
  33. ^ a b 宇宙船YB2022 2022, p. 24, 「ウルトラマントリガー」
  34. ^ @TakaTsujimoの2021年12月18日のツイート2021年12月26日閲覧。
  35. ^ フィギュア王289 2022, p. 47, 「トリガー作戦第1号:第二章 -SMILE SMILE- 怪獣改造奇想曲カプリース
  36. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 78, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
  37. ^ ヒーロー&怪獣”. ウルトラマンX(エックス)公式サイト. 円谷プロダクション. 2021年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月15日閲覧。
  38. ^ X超全集 2016, p. 38, 「ウルトラマンX怪獣大図鑑」.
  39. ^ 「INTERVIEW メイン監督 田口清隆」『HYPER HOBBY PRESENTS キャラクターランド』vol.2、徳間書店、2015年8月1日、pp.80-81、ISBN 978-4-19-730135-5 
  40. ^ 『ウルトラ怪獣DVDコレクション アボラス バニラ/ゴメス リトラ編』の解説より。

出典(リンク)

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参考文献

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  • ウルトラマン白書(朝日ソノラマ
    • 『不滅のヒーローウルトラマン白書』(初版)朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日。雑誌コード:67897-80。 
    • 『不滅のヒーロー ウルトラマン白書』(第2版)朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、1987年3月1日。雑誌コード:01844-03。 
  • てれびくんデラックス愛蔵版(小学館
  • 『ウルトラマン ベストブック』竹書房、1993年9月5日。ISBN 4-88475-211-2 
  • 『テレビマガジン特別編集 新・ウルトラマン大全集』監修:円谷プロダクション、講談社、1994年10月1日。ISBN 4-06-178418-8 
  • 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8 
  • 画報シリーズ(竹書房
    • 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9 
    • 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 下巻、竹書房、2003年5月9日。ISBN 4-8124-0999-3 
  • ブレインナビ 編『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』PHP研究所PHP文庫〉、2008年8月18日。ISBN 978-4-569-67071-3 
  • 講談社 編『ウルトラマン 全調査報告』講談社〈キャラクター大全〉、2012年12月20日。ISBN 978-4-06-218128-0 
  • 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2 
  • 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年1月2日。ISBN 978-4-8003-0262-5 
  • 成田亨『成田亨作品集』羽鳥書店、2014年7月19日。ISBN 978-4-904702-46-8 
  • 講談社シリーズMOOK ウルトラ特撮 PERFECT MOOK(講談社)
    • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.02《ウルトラマン》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2020年7月28日。ISBN 978-4-06-519603-8 
    • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.18《ウルトラマンG/ウルトラマンパワード》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2021年3月24日。ISBN 978-4-06-520941-7 
    • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.32《ザ☆ウルトラマン》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2021年10月26日。ISBN 978-4-06-520966-0 
  • 『テレビマガジン特別編集 ウルトラ特撮マガジン VOL.2』講談社〈講談社MOOK〉、2021年5月24日。ISBN 978-4-06-523014-5 
  • 『ウルトラマン大怪獣図鑑』双葉社、2022年6月22日。ISBN 978-4-575-31723-7 
  • 雑誌

関連項目

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