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ニシキゴロモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニシキゴロモ
新潟県下越地方 2017年4月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : キランソウ亜科 Ajugoideae
: キランソウ属 Ajuga
: ニシキゴロモ A. yesoensis
学名
Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav.[1]
和名
ニシキゴロモ(錦衣)[2][3]

ニシキゴロモ(錦衣、学名: Ajuga yesoensis)は、シソ科キランソウ属多年草。別名、キンモンソウ[2][3][4]

特徴

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小型の多年草で、1本立ちまたは数本が株立ちとなって直立する。の高さは5-15cmになり、茎に少し縮れた毛があり、下部につく葉は鱗片状になる。茎は花後も倒伏しない。は3-4対が対生し、葉身は長楕円形から広卵形で、長さ2-6cm、幅1-3cm、縁に鈍い波状の鋸歯がある。葉の表面にはまばらに毛があり、ふつう葉脈に沿って紫色になり、裏面は紫色を帯びる。葉柄は長さ1-2cmになる[2][3][4]

花期は4-6月。は小型の唇形で、上部の葉腋に2-6個ずつつき、淡紅白色、地域によっては紫色があり、紫色の脈がある。白色のものは品種として分ける場合がある。は長さ3-6mmあり、5裂して毛が生える。花冠は長さ11-13mm、花冠筒部は細長く、長さは7-8.5mm、上唇は2裂して長さ2.5-3mm、下唇は3深裂して上唇より大きく長さ4-5mmになり、中裂片は他の2裂片より大きい。雄蕊は4個あって、うち2個が長い。雌蕊は1個ある。果実は長さ約1.5mmの分果で、宿存性の萼に包まれる[2][3][4]

分布と生育環境

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北海道、本州、四国、九州(北部)の主として日本海側に分布し、丘陵地の林内に生育する[2][4]サハリンにも分布する[4]

名前の由来

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和名ニシキゴロモは、「錦衣」の意で、葉が美しいことからついた[2][3][4]

下位分類

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  • シロバナニシキゴロモ Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. f. albiflora Honda[5] - ニシキゴロモの白花品種[3]
  • ツクバキンモンソウ Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. var. tsukubana Nakai[6] - 基本種のニシキゴロモと比べ、花冠上唇が短い変種[2][3][4]。次節で述べる。
  • ウドキランソウ Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. var. tsukubana Nakai f. alba Sugim.[7] - ツクバキンモンソウの白花品種[7]
  • キランニシキゴロモ Ajuga × bastarda Makino[8] - ツクバキンモンソウとキランソウの雑種[4][8]

ツクバキンモンソウ

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ツクバキンモンソウ(筑波金紋草)は、ニシキゴロモを分類上の基本種とする変種。花冠は淡紅色、花冠筒部は長く8-10mmになり、上唇の長さは1mmと発達せず、半円形となり分裂しない[2][3][4]。本州(岩手県南部以南の太平洋側)、四国、九州(大分県東部)に分布し、山地に生育する[4]

脚注

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  1. ^ ニシキゴロモ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f g h 『新牧野日本植物圖鑑』p.633
  3. ^ a b c d e f g h 山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』pp.416-417
  4. ^ a b c d e f g h i j 『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.110-111
  5. ^ シロバナニシキゴロモ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  6. ^ ツクバキンモンソウ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  7. ^ a b ウドキランソウ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  8. ^ a b キランニシキゴロモ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)

参考文献

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