ナショナル・コー
ナショナル・コー Національний корпус | |
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党首 | アンドリー・ビレツキー |
スローガン | 強さ、福祉、秩序 |
創立 | 2016年10月14日 |
本部所在地 | キエフ |
準軍事組織 | 国民軍団 |
党員・党友数 | 10,000–15,000[1] |
政治的思想 |
ネオナチ ネオ・ファシズム ウルトラナショナリズム 欧州懐疑主義 経済ナショナリズム 右派ポピュリズム 反露 第三の位置 |
政治的立場 | 極右[2] |
公式カラー |
青 黄色 |
ヴェルホーヴナ・ラーダ |
0 / 450 |
地域 |
23 / 158,399 |
党旗 | |
公式サイト | |
nationalcorps.org | |
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ナショナル・コー(ウクライナ語: Національний корпус、英語: National Corps、国民軍団)は、2016年に設立され、現在アンドリー・ビレツキーが率いるウクライナのネオナチ・ナショナリストの政党[2][3][4][5]。2018年、国家主義的なヘイトグループであるとアメリカ合衆国国務省によって認定された[6][7][8]。2018年時点での党員数は1万人から1万5000人[9]。党の中心的な支持基盤は、ウクライナ国家親衛隊の傘下にあるネオナチのアゾフ大隊の古参兵と、アゾフ大隊に所属する民間の非政府組織であるアゾフ市民軍団のメンバーである[10]。
選挙結果
[編集]ヴェルホーヴナ・ラーダ
[編集]年 | 得票数 | 得票率 | 獲得議席数 | 議席変動 |
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2019年[11] | 315,530 | 2.15 #11 | 0 / 450 |
大統領選
[編集]年 | 候補者 |
---|---|
2019年 | アンドリー・ビレツキー |
主要メンバー
[編集]- アンドリー・ビレツキー (Андрі́й Біле́цький)
- 党首。
- ミコラ・クラフチェンコ(Микола Кравченко)
- 党副議長。2022年ウクライナ軍事衝突において戦死。享年38。
- ドミトロ・クハーチュク(Дмитро Кухарчук)
- 党最高評議会メンバー。2022年ウクライナ軍事衝突においてアゾフ大隊・キエフ第2大隊特別部隊の司令官を務める[12]。
- マキシム・ゾリン(Максим Жорін)
- 党最高評議会メンバー。2022年ウクライナ軍事衝突においてアゾフ大隊司令官を務めた[13]。
- セルゲイ・コロトキーフ(Сергій Коротких)
- ロシアの国家社会主義協会の創設者の一人。2014年にウクライナ市民権を取得し、内務省の国家安全保障局等にて勤務した後、国民軍団の党員となった。内務大臣アーセン・アヴァコフの息子・アレクサンダーと親しいとされる[14]。国民軍団の副議長であったナザリー・クラフチェンコの密告により、国民軍団への不透明な資金提供に関与したことが暴露された[15]。
- オレナ・セメニャカ(Олена Семеняка)
- 党国際秘書。2021年、ウィーン人文科学研究所にインターンとして所属するも、「極右活動家」であるとして除籍された[16]。
- エドゥアルド・ユルチェンコ(Едуард Юрченко)
政策とイデオロギー
[編集]2016年現在、国民軍団はウクライナ大統領にウクライナ軍最高司令官およびウクライナ首相となる絶対的な権限を付与することで、国家元首の役割を拡大することを提唱し、最終的に完全な大統領制への移行を支持している[19]。
2016年現在、国民軍団はウクライナの核保有国としての地位の回復を支持し、また1991年のウクライナの独立宣言の際にウクライナSSRが所有していた企業や産業の再国有化を支持している[19]。
国民軍団はロシアとその外交政策に断固として反対しており、ロシアとの外交、経済、文化のすべての関係を断つことを強く支持している[19]。
また、ウクライナの欧州連合への加盟に反対しており、NATOとの緊密な関係の構築に声高に反対している[20]。
さらに国民軍団は、仮想的にウクライナ全体、ベラルーシ、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニア、チェコ、およびスロバキアで構成されると考えられる新しいインテルマリウム超国家の設立に賛成している[19] [20]。
また、武器を持つ権利の拡大や反逆罪と政府資金の横領に対する死刑の復活に関する国民投票を提唱している[19]。
現在ウクライナにある、歴史的にルーマニア領とされる地域(北ブコヴィナ、北ベッサラビア、ブジャーク、ヘルツァ地方)でのルーマニア人の権利に強く反対している[21]。
国民軍団は経済ナショナリズムと保護主義を支持し、自由貿易と大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)に反対し、またウクライナの国内産業と輸出の育成を支持している[22]。
批判
[編集]米国国務省が発行する「人権慣行に関する国別報告書」において、国民軍団は「ヘイトグループ」であるとされている[23]。彼らが支援し、ビレツキー党首自身を含むアゾフ大隊退役軍人で構成される組織「ナショナル・ミリティア/ナショナル・ドルジーナ」がキエフにあるロマ人キャンプを襲撃・破壊したこと、警察組織もそれを容認している様子であることが報告されている[23][24][25]。
党首のアンドリー・ビレツキーは、2010年の演説で「世界の白色人種は、セム人(ユダヤ人)が主導するウンターメンシェン(劣等人種)に対する最後の十字軍に入るべき」と呼びかけるなど、以前は人種差別発言を行ったが、その後、反ユダヤ主義を否定しイスラエルへの支持を表明し「暴言をトーンダウン」している[26][27]。
2018年、同じウクライナのC14と並び、アメリカ合衆国国務省によって国家主義的なヘイトグループとして認められた[28][29][30]。
脚注
[編集]- ^ “Article III: Azov Interview”, The FashCast Anthology, (22 July 2018)
- ^ a b Talant, Bermet (15 October 2016). “Nationalist Azov Battalion starts political party”. Kyiv Post
- ^ Biletsky has no intention to participate in presidential elections, but will instead lead the National Corps to parliament, Interfax-Ukraine (26 January 2019)
- ^ “Ukraine: The Squandered Renaissance - Foreign Policy Research Institute” (英語). www.fpri.org. 2022年5月24日閲覧。
- ^ Carless, Will. “A regiment in Ukraine's military was founded by white supremacists. Now it's battling Russia on the front lines.” (英語). USA TODAY. 2022年5月24日閲覧。
- ^ Gerasimova, Tanya (14 March 2019). “U.S. Considers C14 And National Corps Nationalist Hate Groups”. Ukrainian News Agency 27 February 2022閲覧。
- ^ “Ukraine court orders Hromadske TV to pay costs in case over C14 tweet”. Committee to Protect Journalists (8 August 2019). 27 February 2022閲覧。
- ^ Engel, Valery (30 November 2019). “Zelensky Struggles To Contain Ukraine's Neo-Nazi Problem”. Centre for Analysis of the Radical Right. 27 February 2022閲覧。 See also its PDF version at Civic-Nation.
- ^ FashCast (English). The Fash Cast Anthology Without Images
- ^ “Volunteer battalion Azov members and former members create National Corps political party”. Interfax-Ukraine. (14 October 2016) 5 December 2017閲覧。 (Ukrainian language version)
- ^ 全ウクライナ連合「自由」右派セクター、アゾフ大隊、ウクライナ民族主義者組織と選挙協力
- ^ “Ukraine's Azov Battalion looks to rebuild and clean image - Vigor Times - Henry Club - Bharat Times” (英語) (2022年6月6日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ “市民は「がれきの下に隠れて餓死か、収容所送りか」選択迫られている…アゾフ大隊司令官”. 読売新聞オンライン (2022年4月28日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ “Резонансні «теракти» та інші вбивства в Україні. «Азовський» слід”. web.archive.org (2021年4月28日). 2022年10月15日閲覧。
- ^ “Гроші “Нацкорпусу”: схема чи тисячі відданих партійців?” (ウクライナ語). www.chesno.org. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “Українку позбавили стажування у Віденському інституті гуманітарних наук через її зв’язки з «Азовом»” (ウクライナ語). Радіо Свобода. 2022年6月15日閲覧。
- ^ Катерина, Галаджій (2021年9月17日). “Геополітика з Юрченком: 9 випуск” (ウクライナ語). Національний Корпус. 2022年6月15日閲覧。
- ^ (日本語) Національний Корпус на акції солідарності з Японією 2022年6月15日閲覧。
- ^ a b c d e “Volunteer battalion Azov members and former members create National Corps political party” (英語). Interfax-Ukraine. 2022年6月17日閲覧。
- ^ a b “«Ми намагаємося прийти до влади через вибори, хоча маємо всякі можливості» — як «Азов» стає партією | Громадське телебачення” (ウクライナ語). hromadske.ua. 2022年6月17日閲覧。
- ^ “Ucraina Mare le interzice românilor răpiți din România Mare limba, cărțile și hărțile istorice – Bugeac” (ルーマニア語). 2022年6月17日閲覧。
- ^ Прізвище, Ім’я (2018年10月26日). “Програма "Народ проти" на ZIK: Білецький VS Мураєв” (ウクライナ語). Національний Корпус. 2022年6月17日閲覧。
- ^ a b “Ukraine” (英語). United States Department of State. 2022年6月17日閲覧。
- ^ “National Corps - Political Party - Reporting Radicalism in Ukraine”. reportingradicalism.org. 2022年6月17日閲覧。
- ^ “Far-Right Vigilantes Destroy Another Romany Camp In Kyiv” (英語). RadioFreeEurope/RadioLiberty. 2022年6月17日閲覧。
- ^ “Билецкий: Половина людей, которые воевали за Украину, разговаривает на русском языке”. gordonua.com. 2022年6月17日閲覧。
- ^ “Ukraine's National Militia: 'We're not neo-Nazis, we just want to make our country better'” (英語). the Guardian (2018年3月13日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ Gerasimova, Tanya (14 March 2019). “U.S. Considers C14 And National Corps Nationalist Hate Groups”. Ukrainian News Agency 27 February 2022閲覧。
- ^ “Ukraine court orders Hromadske TV to pay costs in case over C14 tweet”. Committee to Protect Journalists (8 August 2019). 27 February 2022閲覧。
- ^ Engel, Valery (30 November 2019). “Zelensky Struggles To Contain Ukraine's Neo-Nazi Problem”. Centre for Analysis of the Radical Right. 27 February 2022閲覧。 See also its PDF version at Civic-Nation.