トリフェニルアルシン
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トリフェニルアルシン Triphenylarsine | |
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Triphenylarsane | |
別称 Tribenzenidoarsenic Triphenylarsine | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 603-32-7 |
PubChem | 11773 |
ChemSpider | 11280 |
EC番号 | 210-032-9 |
国連/北米番号 | 3465 |
RTECS番号 | CH8942500 |
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特性 | |
化学式 | C18H15As |
モル質量 | 306.23 g mol−1 |
精密質量 | 306.038971897 g mol−1 |
外観 | 白色ないしわずかに薄い赤みの黄色の、結晶または粉末[1] |
密度 | 1.395 g cm−3 |
融点 |
58-61 °C, 331-334 K, 136-142 °F |
沸点 |
373 °C, 646 K, 703 °F (at 760 mmHg) |
有機溶媒への溶解度 | メタノールに可溶[1] |
構造 | |
結晶構造 | 三斜晶系 |
危険性 | |
EU分類 | T N |
Rフレーズ | R23/25, R50/53 |
Sフレーズ | S20/21, S28, S45, S60, S61 |
半数致死量 LD50 | >500 mg/kg(マウス、腹腔内注射[1]) |
関連する物質 | |
関連する有機ヒ素化合物 | トリメチルアルシン ジフェニルクロロアルシン ジフェニルシアノアルシン |
関連物質 | アルシン トリフェニルアミン トリフェニルボラン トリフェニルホスフィン トリフェニルスチビン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
トリフェニルアルシン(英: Triphenylarsine)は、化学式As(C6H5)3、もしくはAsPh3で表される有機ヒ素化合物の一種である。有機合成化学の試薬や、錯体化学においては配位子として用いられる。ヒ素原子とフェニル基の炭素原子との間の結合距離は1.942–1.956Åで、炭素-ヒ素-炭素の結合角は99.6–100.5°である[2]。
ヒ素を含有する化合物であり、日本の毒物及び劇物取締法では毒物に[1]、国際がん研究機関では発癌性リスクについてGroup1(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類している。
製法
[編集]ナトリウムを還元剤として、三塩化ヒ素とクロロベンゼンから調製される[3]。
用途
[編集]トリフェニルアルシンは、代表的な沈殿剤の塩化テトラフェニルアルソニウム の前駆体である[3]。
Ir や Rh など、対応するトリフェニルホスフィン誘導体に類似した低原子価金属との複合体を形成する。
脚注
[編集]- ^ a b c d 製品安全データシート(東京化成工業)
- ^ Mazhar-ul-Haque, Hasan A. Tayim, Jamil Ahmed, and William Horne "Crystal and molecular structure of triphenylarsine" Journal of Chemical Crystallography Volume 15, Number 6 / 1985. doi: 10.1007/BF01164771
- ^ a b Shriner, R. L.; Wolf, C. N. (1963). "Tetraphenylarsonium Chloride Hydrochloride". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 4, p. 910 article