トゥルーマン・ショー
トゥルーマン・ショー | |
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The Truman Show | |
監督 | ピーター・ウィアー |
脚本 | アンドリュー・ニコル |
製作 |
スコット・ルーディン アンドリュー・ニコル エドワード・S・フェルドマン アダム・シュローダー |
製作総指揮 | リン・プレシェット |
出演者 |
ジム・キャリー ローラ・リニー ノア・エメリッヒ ナターシャ・マケルホーン ホランド・テイラー エド・ハリス |
音楽 |
ブルクハルト・ダルウィッツ フィリップ・グラス |
撮影 | ピーター・ビジウ |
編集 |
ウィリアム・M・アンダーソン リー・スミス |
製作会社 | スコット・ルーディン・プロダクションズ |
配給 |
パラマウント映画 UIP |
公開 |
1998年6月5日 1998年11月14日 |
上映時間 | 103分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $60,000,000 |
興行収入 | $264,118,201[1] |
配給収入 | 日本10.0億円 |
『トゥルーマン・ショー』(The Truman Show)は、1998年のアメリカ映画。6月1日にロサンゼルスでワールドプレミアを開催し、6月5日に北米で公開された。
あらすじ
[編集]離島・シーヘブンで保険会社に勤める青年トゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)は、生まれてから1度も島から出たことがない。それは子供の頃、ヨットで海へ出ていた時、一緒に乗っていた父の警告を無視して船を進め、父を亡くしたことで水恐怖症を患ってしまったことが原因だった。
ある日、彼がいつものように出勤しようとすると、空から突然ライトが降ってくる。それには「シリウス(おおいぬ座)」と書かれていたが、直後のラジオで「航空機からライトが脱落した」と報道される。その後、いつものように新聞を買ったトゥルーマンは、雑踏の中で1人のホームレスの老人を見かけるが、それは死んだはずの父だった。しかしその直後、老人は瞬く間に何者かに連れ去られてしまう。トゥルーマンはそのことを母に伝えるが、見間違いだと言って取り合ってもらえない。これをきっかけにトゥルーマンは、周囲の様子を不審に感じ始める。
実はトゥルーマンは生まれた時から人生の全てを24時間撮影されており、そのままリアリティ番組『トゥルーマン・ショー』として世界220か国で放送され続けていた。彼の住む“世界”は巨大なドーム状のセットで、太陽や月、星々も照明装置に過ぎず、雨や雷鳴などの気象も人為的な演出である。そして何より、トゥルーマン以外の人物は全て俳優であった。加えて、この番組ではCMは入らず、番組中で商品の宣伝(プロダクトプレイスメント)が行われており、親友マーロン(ノア・エメリッヒ)や妻メリル(ローラ・リニー)も日常の中でさりげなく宣伝を行っていた。
妻との乾いた生活の一方で、トゥルーマンは学生時代に出会ったローレンという女性のことが忘れられないでいた。かつて、トゥルーマンがデートに誘うと、彼女は虚構の世界に生きる彼を不憫に思って砂浜に連れ出し、ローレンとは役名で本名はシルヴィアであること、“世界”の全ては偽りであることを伝えようとした。しかしそこに彼女の父を名乗る男が現れ、彼女を連れ去った。それ以後、トゥルーマンが彼女と会うことはなかったが、彼女の言い残した言葉通り、いつか島を出て彼女を探すことを夢見ていた。
そんな中で番組側のミスが重なり、周囲の異常さを確信したトゥルーマンは真実を知ろうと行動し、すぐさま島から出ようとする。しかし、彼にとって不可解な理由やトラブルにより、どうしても島から出られない。落ち込むトゥルーマンをメリルは気遣うが、タイミング悪く不自然な宣伝をしたことで彼に詰め寄られる。そこに訪ねてきたマーロンがトゥルーマンを連れ出し、指示された通りの台詞で彼を慰めると、実は生きていたという父と再会させられる。感動の再会に世界中の視聴者は涙し、父と抱き合うトゥルーマンの姿に番組スタッフも安堵する。
翌日、いつもと変わらぬ様子を見せるトゥルーマンだったが、夜は地下室で寝るようになっていた。その違和感に気付いた番組プロデューサーのクリストフがマーロンを向かわせると、地下室にトゥルーマンの姿はなく、放送は一時中断される。やがて見つかったトゥルーマンは、ヨットに乗って島から出ていた。クリストフは嵐を発生させて引き返すように仕向けるが、トゥルーマンは諦めずヨットに体を縛り付けて抵抗する。彼の覚悟を知ったクリストフが嵐を止めさせると、やがてヨットは書割の空に激突する。トゥルーマンはついに“世界”の端へとたどり着き、出口の扉を開ける。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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ソフト版 | フジテレビ制作版 | ||
トゥルーマン・バーバンク | ジム・キャリー | 堀内賢雄 | 宮本充 |
クリストフ | エド・ハリス | 納谷六朗 | 堀勝之祐 |
メリル・バーバンク / ハンナ・ジル | ローラ・リニー | 佐々木優子 | 高島雅羅 |
マーロン / ルイス・コルトラン | ノア・エメリッヒ | 中田和宏 | 山野井仁 |
ローレン・ガーランド / シルビア | ナターシャ・マケルホーン | 渡辺美佐 | 五十嵐麗 |
アンジェラ・バーバンク | ホランド・テイラー | 定岡小百合 | |
カーク・バーバンク | ブライアン・ディレイト | 稲葉実 | 田中正彦 |
過去のトゥルーマン | ブレア・スレイター | ||
ローレンス | ピーター・クラウス | 古田信幸 | |
ヴィヴィアン | ハイジ・シャンツ | ||
ロン | ロン・テイラー | ||
ドン | ドン・テイラー | ||
ディレクター | ポール・ジアマッティ | 大川透 | 桐本琢也 |
ディレクター | アダム・トメイ | ||
マイク・マイケルソン | ハリー・シェアラー | 田原アルノ | |
クロエ | ウナ・デーモン | 榎本智恵子 | |
ネットワーク・エグゼクティヴ | フィリップ・ベイカー・ホール | 長島雄一 | |
ネットワーク・エグゼクティヴ | ジョン・プレシェット | ||
キーボード・アーティスト | フィリップ・グラス | ||
バーのウェイトレス | オーラン・ジョーンズ | ||
日本人視聴者 | ユウジ・オクモト | 青山穣 | |
その他声の出演 | 宝亀克寿 中博史 水野龍司 星野充昭 伊藤栄次 喜田あゆ美 鈴木紀子 川中子雅人 岩本裕美子 |
藤本譲 野島昭生 鳥海勝美 木藤聡子 小林由美子 斎藤志郎 樫井笙人 宗矢樹頼 森うたう 菊池いづみ 宝亀克寿 藤原美央子 荒井静香 乃村健次 岩崎ひろし 菅原正志 | |
日本語版製作スタッフ | |||
演出 | 伊達康将 | 鍛治谷功 | |
翻訳 | 桜井裕子 | 木村純子 | |
調整 効果 |
栗林秀年 | ||
制作協力 | 高柴隆一 (HEATHER) | ||
制作 | 東北新社 | ムービーテレビジョン | |
初回放送 | 2006年8月10日 テレビ東京 午後のロードショー 13:30-15:30[2] |
受賞
[編集]- ゴールデングローブ賞(第56回 1998年度)
- 男優賞(ジム・キャリー)
- 助演男優賞(エド・ハリス)
- 音楽賞(フィリップ・グラス、ブルクハルト・ダルウィッツ)
- ヒューゴー賞(1999年)
- 最優秀映像作品賞
- サターン賞(1999年)
- 最優秀ファンタジー映画作品賞
- 脚本賞(アンドリュー・ニコル)
備考
[編集]当初は脚本を書いたアンドリュー・ニコルが監督する予定であった。しかし、1200万ドルという巨額のギャラのジム・キャリーが主演することになったため、当時まだ『ガタカ』1作しか監督経験がなかったニコルは外され、ピーター・ウィアーが監督として雇われた。
プロットは1959年のフィリップ・K・ディックの小説『時は乱れて』(Time Out of Joint)からいくつもアイデアを拝借しているという。またこの作品から、精神医学では、非公式であるが、トゥルーマン・ショー妄想という概念が生まれた。
2022年5月にフランスで開催された第75回カンヌ国際映画祭では劇中でトゥルーマンが世界(撮影スタジオ)の端にある階段を上っていく象徴的な場面が同映画祭のポスターとして採用された[3]。
日本での地上波放送について
[編集]当初は2003年3月8日にフジテレビ系列の『ゴールデンシアター』で地上波初放送となるはずだった。ところが、放送数日前にドキュメンタリー番組に急遽差し替えとなり、以後も放送されることはなかった。通常、映画番組で急遽放送を休止した場合は、後日振り替え放送を行うのが一般的であるが、本作はそれすらなかった。
その後、フジテレビは放映権を手放したのか、地上波初放送が実現したのは3年後の2006年8月10日、テレビ東京の『午後のロードショー』でのことだった[4]。
参考文献
[編集]- ^ “The Truman Show (1998)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年8月11日閲覧。
- ^ 2003年3月8日にフジテレビ『ゴールデンシアター』で放送される予定だったがお蔵入りとなり(後述)テレビ東京が初回放送となった。
- ^ “The Official Poster of the 75th Festival de Cannes”. Festival de Cannes (2022年4月19日). 2023年7月18日閲覧。
- ^ 音源はフジテレビ制作版を使用。