ジュラシック・パーク (映画)
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2021年9月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
ジュラシック・パーク | |
---|---|
Jurassic Park | |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
脚本 |
マイケル・クライトン デヴィッド・コープ |
製作 |
キャスリーン・ケネディ ジェラルド・R・モーレン |
出演者 |
サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム リチャード・アッテンボロー アリアナ・リチャーズ ジョゼフ・マゼロ ボブ・ペック マーティン・フェレロ ウェイン・ナイト サミュエル・L・ジャクソン B・D・ウォン |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
撮影 | ディーン・カンディ |
編集 |
マイケル・カーン スタン・ウィンストン デニス・ミューレン フィル・ティペット マイケル・ランティエリ |
製作会社 |
ユニバーサル・ピクチャーズ アンブリン・エンターテインメント |
配給 |
ユニバーサル・ピクチャーズ ユニバーサル・ピクチャーズ/UIP |
公開 |
1993年6月11日 1993年7月17日 |
上映時間 | 127分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $63,000,000[1] |
興行収入 |
$1,099,699,003[1] $404,214,720[1] 128億5000万円[2] |
配給収入 | 83億円[3] |
次作 | ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク |
『ジュラシック・パーク』(原題: Jurassic Park)は、1993年のアメリカのSF映画。1990年に発表されたマイケル・クライトンの同名の小説を原作とし、スティーヴン・スピルバーグが監督、クライトンとデヴィッド・コープが脚本、キャスリーン・ケネディとジェラルド・R・モーレンが製作を務める。
米国では1993年6月11日に公開され、全世界での興行収入は9億1,200万ドルを超え、1993年の最高興行収入を記録するとともに当時の最高興行収入記録を塗り替えた[4][注 1]。2013年に公開20周年を記念して3Dで再公開された『ジュラシック・パーク』は、チケット売上10億ドルを突破した史上17番目で、最も古い映画となった。視覚効果やサウンドデザインなどの技術的功績が認められ、アカデミー賞3部門を含む20以上の賞を受賞した。
2024年3月末で日本国内の映画館での上映権が消滅した[5]。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
アラン・グラント | サム・ニール | 富山敬 |
エリー・サトラー | ローラ・ダーン | 弥永和子 |
イアン・マルコム | ジェフ・ゴールドブラム | 大塚芳忠 |
ジョン・ハモンド | リチャード・アッテンボロー | 永井一郎 |
アレクシス・マーフィ | アリアナ・リチャーズ | 坂本真綾 |
ティモシー・マーフィ | ジョゼフ・マゼロ | 大島一貴 |
マルドゥーン | ボブ・ペック | 田中信夫 |
ドナルド・ジェナロ | マーティン・フェレロ | 納谷六朗 |
デニス・ネドリー | ウェイン・ナイト | 桜井敏治 |
レイ・アーノルド | サミュエル・L・ジャクソン | 梁田清之 |
ヘンリー・ウー | B・D・ウォン | 中村大樹 |
ルイス・ドジスン | キャメロン・ソア | 小室正幸 |
ミスター・DNA | グレッグ・バーソン | 江原正士 |
その他 | 関根信昭 藤井朝子 | |
日本語版制作スタッフ | ||
演出 | 山田悦司 | |
翻訳 | 筒井愛子 | |
調整 | 佐藤隆一 | |
制作 | ビデオテック |
スタッフ
- 監督:スティーヴン・スピルバーグ
- 製作:キャスリーン・ケネディ、ジェラルド・R・モーレン
- 原作:マイケル・クライトン
- 脚本:マイケル・クライトン、デヴィッド・コープ
- 撮影:ディーン・カンディ
- プロダクション・デザイナー:リック・カーター
- 編集:マイケル・カーン
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
- VFX:インダストリアル・ライト&マジック、ティペット・スタジオ
- VFXスーパーバイザー:デニス・ミューレン
- 恐竜スーパーバイザー:フィル・ティペット
製作
スピルバーグはもともとクライトンの『5人のカルテ』を監督するつもりだったが、他の企画の有無をクライトンに訊ねたところ提示されたのが本作。スピルバーグはこれに惚れこみ、クライトンはスピルバーグが監督することを条件に映画化権の譲渡を承諾した。
「監督はスピルバーグ」ということで内定していたものの、原作を巡って各映画会社の間で争奪戦が展開され、ジョー・ダンテが20世紀フォックス、ティム・バートンがワーナー・ブラザース、リチャード・ドナーがグーバー=ピーターズ・エンターテインメントから監督候補として提示された。『5人のカルテ』は『ER緊急救命室』としてシリーズ化され、スピルバーグとクライトンは製作にまわった。
恐竜の映像化には高度な視覚効果技術が求められ、ストップ・モーション・アニメの第一人者であるフィル・ティペット、特殊メイクのトップ・アーティストであるスタン・ウィンストン、そしてILMのデニス・ミューレンが招聘された。ILMとスタン・ウィンストンは『ターミネーター2』製作期間中から本作の準備を始めていた。映画用デジタル音響システムである、dtsデジタルサウンドを採用した最初の配給作品である。
コンピュータグラフィックス
当初、遠景の恐竜の映像は主にフィル・ティペットによるゴー・モーションで製作し、CG恐竜はガリミムスの大群の場面などごく一部のみで使用される予定だったが、ILMの一部のメンバーが密かに開発していたフルCGのティラノサウルスを見たスピルバーグが、全面的にCGを使う事に方針変更した。その意気込みは、ライブアクションのシーンを削ってCG製作に予算を回すほどであった。
自身恐竜に関して独自に研究を重ねて来たティペットはこの方針転換に落胆し漏らしたという「ぼくらはこれで絶滅(失業)だ。」は劇中のグラントの台詞にそのまま転用された。しかしテストフィルム(アニマティック)を古典的なストップモーション・アニメで製作し、恐竜の動作をデジタル入力するツールを開発、恐竜の動作の表現に苦心するCGスタッフたちに恐竜の動作をさせてみたり、動物園に足を運んで観察を重ねるといった努力もされ、こうした貢献はアカデミー視覚効果賞受賞という形で報われる事になった。
スピルバーグはハワイとユニバーサル・スタジオでの実写部分撮影終了後ポーランドに飛び次作『シンドラーのリスト』の撮影を開始したため、盟友ジョージ・ルーカスが視覚効果、音響効果、編集などのポストプロダクションを統括。パラサウロロフスの水場としてルーカスの制作拠点スカイウォーカー・ランチに実在する池が映る。なおルーカスは本作のCGを見て、映像技術的限界を理由に延期していたスター・ウォーズ新三部作の製作に取りかかる事となった[注 2]。
スピルバーグはまたグラント、レックス、ティムがガリミムスの群れと並んで疾走する場面をステディカムで撮影する事に固執[注 3]、不規則で揺れの激しい手持ち撮影の場面にCGを合成するプロセス上にカメラトラッキングするブルースクリーンではなく実写映像上でのマッチムーヴという概念を生んでいる。芝生ではコンピューターが動きを完全に感知できないため、目印のためにゴルフボールとテープが置かれた。また、俳優の目線をトラッキングし、ガリミムスを通過させている。
CG使用シーンの合計時間はわずか7分。ただし尺自体は一瞬であるがティラノサウルスに踏み潰されるツアーカーや蹴散らされる倒木といった恐竜以外の素材もCGで作られ、ラプトルに破られた天井からぶら下ったレックスが一瞬見上げるシーンでは、演じたスタント代役の顔だけアリアナ・リチャーズの顔と取り替えるといった処理も可能にしている。またジェナロ弁護士がティラノサウルスに喰われるシーンでは咥えた瞬間から役者をCGに置き換えており、これが史上初めて映画でデジタル・スタントマンが使用された例とされている[6]。
アニマトロニクス
大部分の恐竜のシーンはアニマトロニクスを使用して製作されており、特にスピルバーグがこだわったのが原寸大のティラノサウルス・レックスのアニマトロニクスであった。担当したスタン・ウィンストンは航空シミュレーターの専門会社の協力を得て油圧駆動システムを製作、高さ6m・重量6トンのまさに恐竜級のアニマトロニクスを完成させた。しかしそのパワーと重量では動作時の反作用でスタジオの床を破壊してしまうため、深さ1.8mのコンクリート床を持つ水中撮影用ステージにボルトで固定され、その周囲にセットを組んで撮影するというスター級の扱いが取られる事になった。さらに雨中のシーンでは表皮に使われたフォームラバーが水を吸って重くなり、重量過多で油圧システムの故障が頻繁、スタッフは連夜修理と乾燥に追われる事になった。
幾多の困難がありながらも、キャストと恐竜が絡むシーンにおいてアニマトロニクスは絶大なリアリティ効果を発揮し、後のSF映画に革命的な進歩をもたらした。CGが更に進歩した続編2作においても使用されている[6]。
3D版
公開20周年にあたる2013年に、3D版に変換され再上映。3D版だけでなく『Jurassic Park: An IMAX 3D Experience』のタイトルでIMAX 3D版でも公開。日本での公開は見送った。海外ではすでに3D版のソフトが発売されており、ドイツ版、イタリア版のみ日本語吹き替え・日本語字幕付きで日本のプレーヤーでも再生可能である。海外版を扱う専門店やインターネットオークション、海外の通販サイトなどで購入可能である。2015年には『ジュラシック・ワールド』公開にあわせて日本版ソフトが発売された。
テレビ放送
回数 | 放送局 | 番組名 | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 視聴率 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1997年2月7日 | 21:00 - 23:34 | 154分 | 23.9% | |
2 | 1998年1月2日 | 21:03 - 23:34 | 151分 | 13.0% | |||
3 | 2001年8月17日 | 21.3% | |||||
4 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 2002年9月22日 | 21:00 - 23:29 | 149分 | 13.5% | |
5 | フジテレビ | ゴールデンシアター[注 4] | 2003年9月27日 | 20:15 - 22:54 | 159分 | 11.4% | |
6 | テレビ朝日 | (深夜枠) | 2006年12月23日 | 26:10 - 28:50 | 160分 | ||
7 | フジテレビ | 金曜プレミアム | 2015年8月7日 | 21:00 - 23:32 | 152分 | 11.2% | |
8 | 日本テレビ | 金曜ロードSHOW! | 2017年7月28日[注 5] | 21:00 - 23:24 | 144分 | 10.0% | |
9 | (関東ローカル) | 2018年6月30日 | 14:30 - 16:55 | 145分 | 5.3% | ||
10 | 金曜ロードショー | 2021年9月3日[注 6] | 21:00 - 22:54 | 114分 | 8.6% |
注釈
- ^ 次の記録更新は1997年の『タイタニック』。
- ^ 同様本作の恐竜はスタンリー・キューブリック監督に『A.I.』、ジョー・ジョンストン監督に『ジュマンジ』映画化の可能性を拓かせている
- ^ スピルバーグはインパクトの強くセンセーショナルな視覚効果映像を好む傾向があり、ステレオサウンド"HiVi"誌の取材によるとシリーズ2作目「ロスト・ワールド」でトレーラーがTレックスに崖から落とされそうになる場面で、ILMのCG担当者はリアガラスにジュリアン・ムーアが身体を打ち付けた際、ガラス面に増えていく亀裂の量を増やしている。
- ^ 「ゴールデンシアター」名義では最後の放送作品。
- ^ 翌週にシリーズ4作目が放送された。
- ^ 2週間後に続編が放送された。
出典
- ^ a b c “Jurassic Park (1993)” (英語). Box Office Mojo. 2022年8月25日閲覧。
- ^ “歴代ランキング - CINEMAランキング通信” (2014年9月29日). 2014年10月5日閲覧。
- ^ “日本映画産業統計 過去配給収入上位作品 (配収10億円以上番組) 1993年(1月~12月)”. 社団法人日本映画製作者連盟. 2010年4月9日閲覧。
- ^ “「ジュラシック・パーク」シリーズ全6作解説 あらすじ、キャラクター、興行収入ランキング 【金曜ロードショー「ジュラシック・パークIII」放送記念】】”. 映画.com (2022年6月10日). 2022年6月16日閲覧。
- ^ “【日本最終】3/9(土)から『ジュラシック・パーク』3部作、3月末で国内上映権終了につき、シネマシティで最後の開園。『1』は【極爆】『2』『3』は【極音】で”. シネマシティNEWS (2024年2月26日). 2024年2月28日閲覧。
- ^ a b 「映像+」05号(グラフィック社)
外部リンク
- ジュラシック・パーク
- 1993年の映画
- 1990年代の特撮作品
- アメリカ合衆国の3D映画作品
- IMAX映画
- ユニバーサル・ピクチャーズの作品
- アメリカ合衆国のSF映画作品
- アメリカ合衆国のスリラー映画
- アメリカ合衆国のパニック映画
- モンタナ州を舞台とした映画作品
- ドミニカ共和国で製作された映画作品
- ハワイ州で製作された映画作品
- Computer Generated Imageryを使用した映画作品
- スティーヴン・スピルバーグの監督映画
- マイケル・クライトンの脚本映画
- ジョン・ウィリアムズの作曲映画
- サターン賞受賞作品
- アメリカ国立フィルム登録簿に登録された作品
- フィクションにおける遺伝子工学
- アカデミー賞受賞作
- 日本アカデミー賞最優秀外国作品賞
- 星雲賞受賞作品