コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

デンマーク語の動詞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

デンマーク語の動詞(デンマークごのどうし)では、デンマーク語動詞について述べる。

概要

[編集]

動詞には、不定詞を作るときに不定詞を作る機能語である at [1]の後につける[2]不定詞形と、時制による変化をした、現在形過去形過去分詞が存在する[3]。動詞の不定詞形は、基本的に-eという形をしている。[4]ただし、例外もあり、その例としては、have (har「持っている」の不定詞形[5])などがある。

動詞の区別

[編集]

まず、デンマーク語の動詞には、自動詞他動詞がある。それらは、その動詞が単体でを構成できる定形と、単体では文を構成できない不定形の2つの形に分類され、さらには現在形、過去形、命令形と不定詞形、現在分詞、過去分詞にそれぞれ区別される。また、これらは、第1規則動詞、第2規則動詞、不規則動詞の三種類の変化の仕方があり、それによって(不規則動詞の場合は動詞によって)不定詞形、過去形、過去分詞の形が決まる。現在形、現在分詞、命令形は、ごく一部の不規則動詞を除いて、次のようになる[6]。ただし、下の表では語幹部分をハイフン記号で省略している。

デンマーク語の動詞の語尾変化
変化語尾 不定詞形 現在形 過去形 過去分詞 現在分詞 命令形
第1規則動詞 -e -er -ede -et -ende -
(語幹のみ)
第2規則動詞 -e -er -te -t -ende -
(語幹のみ)

以上をまとめ、例を挙げると、それぞれの動詞には以下のような変化、区別がある[7]

動詞の規則変化の例
動詞 定形 規則動詞1 規則動詞2 不規則動詞
定形動詞 現在形 elsker møder flyver
過去形 elskede mødte fløj
命令形 elsk mød flyv
不定形動詞 不定詞形 elske møde flyve
現在分詞 elskende mødende flyvende
過去分詞 elsket mødt fløjet

現在形

[編集]

デンマーク語の動詞には、人称変化が一切ない[8]。しかし、時制による変化は存在する[9]

現在形は、正式には「語幹 + er 」だが、「不定詞形+r」という形をしていることが多い[3]

上の項の表からわかるように、現在形と現在分詞は規則変化の種類を超えて語尾が同じであり[7]、これらは不規則動詞においても同じである[6]。つまり、現在形は「不定詞形+r」、現在分詞は「不定詞形+ende」で作ることができる[6][1]

  • vente(待つ) - venter
  • spise(食べる) - spiser
  • komme(来る) - kommer
  • gå(行く) -går

である。[3][10]

過去形

[編集]

過去形の語尾変化は、規則変化ごとに次のようになっている。

  • 第一規則変化「動詞の不定詞形+de」
    vente - ventede
  • 第二規則変化「不定詞形+語尾のeをはずして-teをつける」
    spise - spiste
  • 不規則変化
    komme - kom

である[5][3]

命令形

[編集]

命令形は、単体で命令文を作ることができる。動詞の命令形を使った禁止の表現は、一般的ではない[11]が、文法上は可能である[11]

命令形は、語幹のみの形(多くの動詞ではその不定詞形の語尾の -e をとった形[4])のものがほとんどである[11][12]

  • Spis!(食べろ)
  • Flyv!(飛べ)

ただし、例外もいくつかある[10]

  • Se!(見ろ/見て)
  • Sne!((雪よ)降れ)

動詞の例・用法

[編集]

現在

1.現在の事実や習慣、恒久的な状態・心理、現在の状態

Skolen begynder kl. 7. 「学校は朝7時に始まる。」

Århus ligger i Jylland. 「オーフースは、ユラン半島にある。」

Solen går ned i vest.「日は西から昇る。」

Nu er ikke Peter hjemme. 「今、ピーターは家にいない。」

Hun er glad nu. 「彼女は今、嬉しいです。」

2.未来の事柄

Jeg går universitet.「私は大学に行く。」

など。


過去

William mødte Gitte i 1997 på en café i Århus.「ウィリアムは、1997年オーフースのカフェでギデに会いました。」

過去分詞

Han har set Gitte. 「彼はギデを見たことがあります。」

命令形

Se! Han er William, ikke? 「見て!彼、ウィリアムだ よね?」

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b www.eigo21.com を参照
  2. ^ [1]デンマーク語では、不定詞を英語よりも頻繁に用いる。
  3. ^ a b c d 鈴木雅子 2009 76, 78, 88, 90頁
  4. ^ a b 『デンマーク語のしくみ』78頁
  5. ^ a b 『デンマーク語のしくみ』80ページ
  6. ^ a b c 『世界の言語シリーズ10 デンマーク語』p.97,98,99,100
  7. ^ a b 『世界の言語シリーズ10 デンマーク語』p.99
  8. ^ デンマーク語の文法 www.eigo21.com/etc/dansk/gr1.htm大阪大学eラーニングサーバ独習コンテンツ デンマーク語osaka-u.ac.jp/flc/dan/lesson01/04.htmlを参照されたい。
  9. ^ 『デンマーク語のしくみ』88頁
  10. ^ a b 『世界の言語シリーズ10 デンマーク語』不規則動詞変化表より
  11. ^ a b c 鈴木雅子 2009, p. 87.
  12. ^ 新谷俊裕, Thomas Breck Pedersen & 大辺理恵 2014, p. 98.

参考文献

[編集]
  • 鈴木雅子『デンマーク語のしくみ』白水社、2009年。ISBN 978-4-5600-8511-0 
  • 新谷俊裕、Thomas Breck Pedersen、大辺理恵「lektion8 <<8.1>>」『デンマーク語』大阪大学出版会〈世界の言語シリーズ10〉、2014年。ISBN 978-4-8725-9334-1 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]