コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オーフス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オーフス
Aarhus(旧: Århus)
オーフスの光景
オーフスの光景
オーフス Aarhus(旧: Århus)の公式印章
印章
オーフス Aarhus(旧: Århus)の紋章
紋章
オーフス Aarhus(旧: Århus)の位置(デンマーク内)
オーフス Aarhus(旧: Århus)
オーフス
Aarhus(旧: Århus)
デンマーク国内の位置
北緯56度09分 東経10度13分 / 北緯56.150度 東経10.217度 / 56.150; 10.217
 デンマーク
地域 中央ユラン地域
自治体 オーフス自治体英語版
最初の記録 8世紀
都市権 15世紀
政府
 • 市長 Jacob Bundsgaard (デンマーク社会民主党、2011年–)
面積
 • 都市
91 km2
 • 自治体 468 km2
最高標高
105 m
最低標高
0 m
人口
(2022)[2]
 • 都市部
285,273人
 • 都市部密度 2,854人/km2
 • 自治体
355,238人
 • 自治体密度 745人/km2
族称 Aarhusianer (デンマーク語)
等時帯 UTC+1 (CET)
 • 夏時間 UTC+2 (CEST)
郵便番号
8000, 8200, 8210
市外局番 (+45) 8
ウェブサイト 公式サイト 
地図

オーフス (デンマーク語: Aarhus、1948年から2010年まではÅrhus発音 [ˈɒːhuːˀs] ( 音声ファイル)) は、デンマークでは2番目に大きな都市である。オールフスと表記される場合もある。オーフス自治体英語版の中心地で、ユトランド半島の東岸、デンマークの地理的な中心に位置し、コペンハーゲンの北西187km、ハンブルクの北289kmにある。人口は2019年1月1日現在で自治体が34万0,421人[2]ユーロスタットの推計では大都市圏域の人口は84万5,971人[3]であった。オーフスの歴史的な始まりは8世紀にヴァイキングが開いた入植地で要塞化され、また初めてキリスト教の教区の中心として記録されるのは遅くとも948年である[4]

概要

[編集]

オーフスは東ユトランド大都市圏地域英語版の中心部で、経済成長や人口増加率でデンマーク国内第2の規模である。

フェルデン・東ユトランドフィヨルド英語版の北岸に創建された天然の良港であり、何世紀にもわたる海上交易や農産品の成長に主要な役割を果たした。マーケットタウンの特権を1441年に獲得し、17世紀のカール・グスタフ戦争中は封鎖や砲撃により困難に陥った。19世紀に入ると第一次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争により2度、ドイツの軍隊に占領されたが、破壊は免れた。産業革命によってオーフスは成長し、20世紀にはデンマーク第2の大都市に成長する。

今日のオーフスは地域の文化や経済の中核で、ユトランド半島最大の商業やサービス、工業の中心である。欧州連合域内の都市部人口順で92番目[5]、世界ではトップ100に入る国際会議の都市である[6]。コンテナの取扱とカテガット海峡の貿易の重要なハブとして、デンマークの主要な産業港である。

主要なデンマーク企業はオーフスに本社を置き拠点としており、中央ユラン地域の広いエリアから人々が通勤やレジャーで集まってくる。北欧諸国の研究や教育の中心でもあり、拠点を置くオーフス大学スカンディナヴィア最大の大学で、オーフス大学病院英語版やINCUBサイエンスパークを構える。オーフスはデンマークでは一番若者が多く、学生が人口の13%を占めており、2010年以来、毎年平均4,000人増と急速に拡大する都市の1つである。

オーフスのミュージカルの歴史は注目に値し、1950年代に多くのジャズ・クラブが若者たちに支えられ街の周辺に急速に出現した。1960年代には音楽シーンはロックや他のジャンルに多様化した。1970年代や1980年代にはデンマークのロック音楽の中心となり、TV-2英語版Gnags英語版など多くの象徴的なバンドを育んだ。オーフスでは毎年8日間のオーフス国際ジャズフェスティバル英語版SPoTフェスティバル英語版ノースサイドフェスティバル英語版が開催される。

歴史

[編集]

948年司教座がおかれた。北海バルト海交易の隆盛とともに発展し、14世紀ペストが大流行した際も、さほどの人口減少はみられなかった。16世紀から17世紀にかけては、その人口はコペンハーゲンを上回っていた。

19世紀に、コペンハーゲンやハンブルクの支配から離れて、より独立的な街となった。19世紀初頭、ユトランド半島で3番目に大きな街であったが、1840年にラナースを上回り、1850年には半島最大で国内第2の規模に達する。 港湾の拡張と鉄道網の整備により、街は繁栄し続けた。「ユトランド半島の文化的な都」を自称するように、国立図書館、大学、オーフス劇場、病院などの数多くの文化的施設が建てられた。

文化

[編集]

オーフスはユトランド半島の文化の中心地である。学生も多く、若者達がさまざまな文化的活動の一端を担っている。市内には500件以上のカフェのほか、博物館遊園地映画館もある。また、毎年アート・フェスティバルであるAarhus Festuge英語版や、国際的なジャズ・フェスティバルであるオーフス・ジャズ・フェスティバル英語版[7]も開催される。2004年に開館したアロス・オーフス美術館英語版は、現代美術を扱う施設として北ヨーロッパ最大クラスの規模をもつ[8]

旧市街には多くの歴史的建造物があり、観光の見どころでもあるオーフス大聖堂は奥行き、塔の高さともデンマーク随一である。デン・ガムレ・ビュ国立野外民俗博物館英語版[9]は17世紀以降の古い町家をデンマーク全国から移築し、それに加えて時計や洋服、食べ物など、各時代の人々の生活も再現し展示する[10]

オーフス郊外にデンマーク消防博物館がある。数十台の消防車や古い消防器具などを展示し、この種の博物館としては世界最大級の規模とされる。また同じく郊外にあるモースゴー先史博物館(Moesgaard Museum)[11][12]では、グラウベールマンGrauballemand)と称されるローマ鉄器時代末期[疑問点]湿地遺体が展示されている[13]

教育

[編集]

スポーツ

[編集]

オーフス南部の公園に陸上競技場やサッカー場、屋内スポーツアリーナなどを有するセレス・パルク&アレナという名のスポーツセンターがある。オーフスGFなどをはじめとし、多くのスポーツ競技団体がセレス・パルク&アレナを拠点として活動している。 またオーフスではこれまで様々な競技大会が開催されている(セレス・パルク&アレナが会場となることが多い)。

交通

[編集]

市中心部から約35km北東郊外にオーフス空港がある。ターミナルビル1つの小規模な空港であるが、北欧各地と航空路が開設されている。

姉妹都市

[編集]

オーフス出身の人物

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Danmarks Statistik: Areal fordelt efter kommune / region” (Danish). Danmark Statistik. 17 July 2014閲覧。
  2. ^ a b BY1: Folketal 1. januar efter byområder, landdistrikter, alder og køn | Enhed : antal” (Danish). Statistics Denmark. 8 February 2020閲覧。
  3. ^ Eurostat - Data Explorer”. 17 July 2014閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ Århus skifter navn” (デンマーク語). Politiken (2010年10月27日). 2012年10月27日閲覧。
  5. ^ Kommuner på landkortet”. Denmarks Statistik(統計庁). 2013年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月20日閲覧。
  6. ^ International Congress and Convention Association (pdf) (Report). 2013. 2015年5月20日閲覧
  7. ^ Aarhus Jazz Festival 2020”. jazzfest.dk. 2020年2月8日閲覧。
  8. ^ 芹澤和美 (2018年8月22日). “Magnificent View #1424 アロス・オーフス美術館(デンマーク)”. 文藝春秋. 2018年10月20日閲覧。
  9. ^ Den Gamle By” (英語). www.dengamleby.dk. 2020年2月8日閲覧。
  10. ^ 鈴木雅子「ぶらりデンマーク」『デンマークを知るための68章』村井誠人 (編著)、明石書店、2009年、38頁。 
  11. ^ Visit Moesgaard” (英語). Moesgaard Museum. 2020年2月8日閲覧。
  12. ^ おとぎの国へ行こう!北欧デンマークで訪れたいおすすめの観光スポット15選 | TABI CHANNEL”. tabichannel.com. 2020年2月8日閲覧。
  13. ^ P・V・グロブ 2002, p. 21-29.

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]