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デンマーク語の文法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

デンマーク語の文法(デンマークごのぶんぽう)では、現代標準デンマーク語文法を示す。デンマーク語は、スウェーデン語と同じく北ゲルマン語群東スカンディナビア語群の1つであり、文法はスウェーデン語のそれとかなり似通っている[1]。デンマーク語は、スウェーデン語と同じV2語順SVO型の言語である[2]

文法範疇

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現代標準デンマーク語においては、名詞は共性名詞と中性名詞の2つ[3]も単数と複数の2つである[4]。数が複数の時はその名詞の性に関係なく複数形をとる。しかし、デンマーク語の名詞の性は、名詞の語尾などから性が判別できない(子供:barn(中性)、息子:søn(共性))[5]。人間と非人間は、疑問詞代名詞単数では区別される[6]ものの、代名詞複数では区別されない[7]。また、名詞には可算名詞不可算名詞がある[8]

名詞

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デンマーク語の名詞は、限定・非限定(既知・未知)[9]、格(共格・所有格)[10]、数(単数・複数)[11]に関して変化する。既知か未知かによって名詞を変化させる[9]点が特徴的である。

代名詞

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デンマーク語の代名詞は、主語が三人称単数の時、主語が人か物かと主語の性によって計4種の代名詞がある点が特徴的である[6]

1人称 2人称 3人称
男性 女性 共性の物 中性の物
単数 主格 jeg du han hun den det
目的格 mig dig ham hende den det
所有格 - - hans hendes dens dets
複数
主格 vi i de de de de
目的格 os jer dem dem dem dem
所有格 vores jeres deres deres deres deres

動詞

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動詞は、様々な用法が存在する。英語と異なっている点も多くある。

まずはじめに、デンマーク語の動詞には、「肯定文では、動詞は文頭から二番目の要素に必ずくる。」という文法上のルールがある[12][2]

デンマーク語の動詞には、人称変化が一切ないが、時制による変化は存在する。動詞の用法としては、

1.現在形で未来も表わす[13]

2.現在完了形「have + 過去分詞」は、時期・時間が未特定の過去も表現する[14]

などがある。

形容詞

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デンマーク語の形容詞は、修飾する名詞が既知か未知かによって変化する[15]。これを、形容詞の呼応変化 という[15]

未知の場合

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例:høj((背の)高い)[16]

  • 共性名詞単数未知:ゼロ形(変化無し)
    • en mand(1人の男) - en høj mand(1人の背の高い男)
  • 中性名詞単数未知:元の形に-tをつける
    • et hus(一軒の家) - et højt hus(一軒の高い家)
  • 複数名詞未知:元の形に-eをつける
    • mænd(複数の男) - høje mænd(複数の背の高い男)
    • huse(複数の家) - høje huse(複数の高い家)

既知の場合

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  • 共性名詞単数既知:前にdenを置き、元の形に-eをつける
    • manden(その男)- den høje mand(背の高いその男)
  • 中性名詞単数既知:前にdetを置き、元の形に-eをつける
    • huset(その家)- det høje hus(その高い家)
  • 複数名詞既知:前にdeを置き、元の形に-eをつける
    • mændene (その男たち) - de høje mænd(背の高いその男たち)
    • husene (それらの家) - de høje huse(それらの高い家)

倒置

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デンマーク語では、文中の主語以外のを文頭に置くことによって、その語を強調することができる[17]。しかし、その際には、先に述べたように動詞を文頭から二番目の要素にしなくてはならないので、主語と定形動詞が倒置する[17]

Jeg ser sommetider fjernsyn. (私は時々テレビを見る。)

Sommetider ser jeg fjernsyn. (時々、私はテレビを見る。)

脚注

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出典

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  1. ^ 新谷、Pedersen、大辺 「はじめに」 i.の頁
  2. ^ a b 新谷、Pedersen、大辺 58頁「5.2 主語と定型動詞の倒置」
  3. ^ 新谷,Pedersen,大辺 36頁「3.1 名詞の性」
  4. ^ 鈴木 48頁
  5. ^ 鈴木 55頁
  6. ^ a b 新谷、Pedersen、大辺 30頁「2.3人称名詞の変化表」
  7. ^ 新谷、Pedersen、大辺 19頁「1.5 疑問詞に始まる疑問文」
  8. ^ 鈴木 63頁
  9. ^ a b 鈴木 64頁
  10. ^ 新谷、Pedersen、大辺 36頁「3.4固有名詞の所有格」
  11. ^ 鈴木 60頁
  12. ^ 鈴木 82頁
  13. ^ 新谷、Pedersen、大辺 100,101頁「8.1.3 現在形の用法」
  14. ^ 鈴木 90、91頁
  15. ^ a b 新谷、Pedersen、大辺 67頁「6.1形容詞の呼応変化」
  16. ^ 新谷、Pedersen、大辺 67,68,69,70頁
  17. ^ a b 新谷、Pedersen、大辺 19頁「1.3」58頁「5.2」

参考文献

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  • 鈴木雅子『デンマーク語のしくみ』白水社、2009年。ISBN 978-4-5600-8511-0 
  • デンマーク語はどうですか?”. eigo21.com. 2016年12月9日閲覧。[リンク切れ]
  • デンマーク語独習コンテンツ”. 大阪大学. 2016- 12-09 17:00 (UTC)閲覧。
  • 『世界の言語シリーズ10 デンマーク語』 大阪大学出版会 、2014年。ISBN 978-4-87259-334-1。

外部リンク

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