時間よ止まれ (矢沢永吉の曲)
「時間よ止まれ」 | ||||||||||
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矢沢永吉 の シングル | ||||||||||
初出アルバム『ゴールドラッシュ』 | ||||||||||
B面 |
チャイナタウン(流通盤) 燃えるサンセット(資生堂販促盤) | |||||||||
リリース | ||||||||||
規格 | EP | |||||||||
録音 | 1978年1月7日[要出典] | |||||||||
ジャンル | ロックンロール | |||||||||
レーベル | CBS・ソニー | |||||||||
作詞・作曲 |
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プロデュース |
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チャート最高順位 | ||||||||||
矢沢永吉 シングル 年表 | ||||||||||
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「時間よ止まれ」(じかんよとまれ)は、矢沢永吉の楽曲で5枚目のシングル。1978年3月21日発売。
制作
[編集]タイアップ
[編集]CBS・ソニーのプロデューサー・酒井政利が、1977年に電通主催「南太平洋・裸足の旅」に参加[注釈 1]した際に、サモアで記録された「まるで時間が止まっているようだ」という発言から、「時間よ止まれ」というキャッチコピーが決定し、資生堂のキャンペーン・ソングを作ることになった。キャッチコピーの作成は、資生堂宣伝部の小野田隆雄[3]。「時間よ止まれ」という自立した女性をイメージさせるため、異例だが、敢えて"ロックミュージシャン矢沢永吉"に曲を依頼した[3]。当時CBS・ソニー所属の矢沢のマネージャーからの打診もあり、矢沢に依頼する経緯になった。
1977年暮れ、先に矢沢に作曲の依頼があり[3]、絵コンテのイメージを自分の中で昇華させつつ、ツアーの合間を縫って作曲を始めた[3]。作詞は矢沢の推薦で[3]、山川啓介が起用された[3]。
まず作詞家の山川啓介に詞を依頼。その詞が完成したところ、矢沢から「人の詞は歌いたくない」と断りが入るが、何度も説得したら「条件がある。矢沢、この歌は一生歌わないよ」の返答だった[4]。その後、矢沢の代表曲の1つとなっている。
東芝EMI(現・EMIミュージック・ジャパン)時代から、日本のロック黎明期のプロデュースに携わった石坂敬一は「日本のロックが爆発しないのはシングルヒットがないからだ、などと内田裕也や加藤和彦らと言い合っていたら、自身と関係のないCBS・ソニーで『時間よ止まれ』が当たって、それからキャロル系がどんどん当たって、"日本の"ロックと言わなくてもいい時代に80年代以降なっていきました」と述べている[5]。
レコーディング
[編集]1978年1月、レコーディング[3]。キーボード・坂本龍一、ドラム・高橋幸宏らで、YMOはこの翌月結成された[3]。
チャート成績
[編集]1978年に資生堂のCMソングに採用され、男性ロックミュージシャンと化粧品メーカーの異色のタイアップは[3]、お茶の間の話題を呼び[3]、大ヒット[3]。64万枚を売り上げ[2]、1978年度年間シングル売り上げ9位(オリコン調べ)を記録した。シングルの累計売上はミリオンセラーを記録[3][6]。テレビ番組「ザ・ベストテン」で初のランクインを果たしたが出演を拒否した[注釈 2]。
資生堂VSカネボウによる化粧品キャンペーンソング対決に於ける資生堂側の代表曲である[7]。以降、様々なCMに起用され、2014年には再び資生堂のCMソングに採用された[8]。
収録曲
[編集]- 全作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉
- 時間よ止まれ
- チャイナタウン
レコーディングメンバー
[編集]スタッフ
[編集]参加ミュージシャン
[編集]収録アルバム
[編集]- 時間よ止まれ
- チャイナタウン
- ドアを開けろ
- SUBWAY EXPRESS(セルフカバー)
カバー
[編集]- 時間よ止まれ
- 1992年、Mi-Ke - アルバム『朝まで踊ろう悲しきテディ・ボーイ』
- 1994年、桃井かおり - アルバム『モダンダード』
- 1998年、KOJI-12000(今田耕司) - アルバム『DISGUSTING』(バックの演奏はカシオペアが担当)
- 2001年、木村健吾 - アルバム『稲妻伝説 LEGEND OF KENGO KIMURA』
- 2008年、大友康平 - アルバム『J-STANDARD 70's』
- 2010年、髙橋真梨子 - アルバム『No Reason 2 〜もっとオトコゴコロ〜』
- 2013年、五木ひろし - アルバム『ブルース -BLUES-』
- 2021年、クレイジーケンバンド - アルバム『好きなんだよ』
- チャイナタウン
- 2007年、中森明菜 - アルバム『歌姫ベスト 〜25th Anniversary Selection〜』
関連項目
[編集]- 神さまぁ〜ず
- 超獣戦隊ライブマン - 光GENJIの「パラダイス銀河」とともにBGMとして採用された。
- RD_潜脳調査室 - 第13話の挿入歌として採用された。
- おとなの夏休み - 第5話の主題歌に使われた。
- HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP - 1998年7月から1998年9月までのエンディングテーマとして、「チャイナタウン」が採用された。
- YES MY LOVE - ザ・ベストテンで、ランクインしたが、この時も出演拒否している。
- 龍が如く3 - 挿入歌として採用された。
- サントリーフーズ『プライドオブボス』 - 2017年9月5日からCM曲に起用された(アルバム「SUBWAY EXPRESS 2」に収録されているバージョン)[9]。
- THE MUSIC DAY 第8回 - 2020年9月12日に放送された大型音楽番組内の特別企画『矢沢永吉 特別ドラマ』は、本曲の逸話を矢沢本人がロングインタビューに応じて語り、それをもとに制作された。なお、矢沢を演じたのは俳優の神尾楓珠[10]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 田家秀樹『みんなCM音楽を歌っていた 大森昭男ともうひとつのJ-POP』スタジオジブリ、2007年、068ページ。ISBN 978-4-19-862355-5。
- ^ a b 「'78びっくりデータ」『Young Rock』1979年2月号、徳間書店、44頁。「シングル売り上げNo.1 矢沢永吉『時間よ止まれ』が64万枚で1位。以下アリス『冬の稲妻』54万枚、ツイスト『銃爪』51万枚。(オリジナルコンフィデンス調べ)」
- ^ a b c d e f g h i j k l 指南役「7月25日 成りあがった矢沢永吉 『オレ、矢沢。よろしく!』」『黄金の6年間 1978-1983 素晴らしきエンタメ青春時代』日経BP、2022年、52–59頁。ISBN 978-4-296-11226-5。
- ^ 濱口英樹『ヒットソングを創った男たち〜歌謡曲黄金時代の仕掛人』ヤマハミュージックメディア、2018年11月28日、53-54頁。ISBN 978-4401645268。
- ^ 浜野保樹 (2010年10月14日). “東大教授浜野保樹のメディア対談録 1980年12月、レノンが死んだ 音楽業界トップ・石坂敬一ユニバーサル ミュージック合同会社会長が語るその未来 第3回”. WEDGE ONLINE. ウェッジ. 2010年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月7日閲覧。
- ^ 富澤一誠『フォーク名曲事典300曲〜「バラが咲いた」から「悪女」まで誕生秘話〜』ヤマハミュージックメディア、2007年12月7日、455頁。ISBN 978-4-636-82548-0。
- ^ “[よみうり寸評]化粧品業界にはかつて…”. 読売新聞・東京夕刊: p. 1. (2014年4月3日)
- ^ 矢沢永吉の楽曲“時間よ止まれ”、36年ぶりに資生堂CMソングに復活(RO69)
- ^ “サントリーコーヒー「プライドオブボス」トミー・リー・ジョーンズ扮する宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ 第61弾 ボスブランド初代CMキャラクターの矢沢永吉さんも楽曲「時間よ止まれ」を提供 新TV-CM「ボスジャンの先輩」篇 9月5日(火)から全国オンエア開始”. サントリー食品インターナショナル「ニュースリリース」 (2017年8月30日). 2017年9月6日閲覧。
- ^ “矢沢永吉役は神尾楓珠「人生初リーゼントにも注目して」 『THE MUSIC DAY』特別ドラマ”. ORICON NEWS (2020年9月10日). 2020年9月13日閲覧。