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チェロソナタ第1番 (ブラームス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

チェロソナタ第1番(チェロソナタだいいちばん)ホ短調 作品38は、ヨハネス・ブラームスが作曲した1番目のチェロソナタ

概要

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ブラームスは生涯で2曲のチェロソナタを残している。第1番より以前にブラームスが18歳前後に作曲したチェロソナタが2曲存在する。最初のチェロソナタ(Anh.IIa-10)は1851年頃に作曲され、同年の7月5日にハンブルクで行なわれた演奏会で演奏されたが、ブラームスの自己批判によって完全に破棄された。更にもう一つのチェロソナタ(Anh.IIa-9)は、第1番の緩徐楽章として1862年に作曲されたが頭を悩ませた末に削除され、その後第2番で再び用いられたという。結果的に第1番と第2番が今日に伝えられている。

第1番は1865年の夏に完成されている。作曲が始められたのは3年ほども前のことで、1862年には第1楽章が完成していたようである。更にそれより前の1857年頃から、ブラームスは「ドイツ・レクイエム」の作曲を進めており、そのためもあって第1番の完成にはすぐにこぎ着けなかったという。第2楽章は1865年の2月に完成し、ついで第3楽章は同年の夏に書き上げられ、全曲の完成を見た。ただしブラームスは、本来このチェロソナタを全4楽章の作品として構想していたが、上記の通り緩徐楽章を削除したため、全3楽章の作品となった。緩徐楽章を置かなかったことは、大先輩のベートーヴェンに倣ったと思われる。

構成

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全3楽章の構成で、演奏時間は約27分。

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ
ホ短調、4分の4拍子、ソナタ形式ホ長調で終わる。
第2楽章 アレグレット・クワジ・メヌエット
イ短調、4分の3拍子、三部形式
第3楽章 アレグロ
ホ短調、4分の4拍子。自由なフーガによる楽章。主題はバッハフーガの技法から、コントラプンクトゥスⅩⅢを引用している。

第1楽章

\relative c, {
\tempo "Allegro non troppo"
\key e \minor
\clef "bass"
e2-\markup{\dynamic "p" \italic "espress. legato"} g4. b8 | c2 b | a8[\(( b16 a) g8-. a-.]\) b4. g8 | e2 fis~ |
fis8 dis-.( fis-. b-.) dis4.( fis8) | fis2 fis, | g' fis,4. gis16 ais | b2 r |
}

第3楽章

\new PianoStaff <<
  \new Staff = "upper" \new Voice \relative c'' {
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##f
    \time 4/4
    \key e \minor
    \tempo "Allegro"
    \omit TupletNumber
    <e e'>4-.\f <e, e'>4. r8 r4 | R1*3 
  }
  \new Staff = "lower" \new Voice \relative c {
    \override TupletBracket.bracket-visibility = ##f
    \time 4/4
    \key e \minor
    \clef "bass"
    <e e'>4-. <e e,>4~ \tuplet 3/2 { <e e,>8 fis g } \tuplet 3/2 { fis g a } |
    \omit TupletNumber
    \tuplet 3/2 { g a b } e,4~ \tuplet 3/2 { e8 fis g } \tuplet 3/2 { fis g a } |
    \tuplet 3/2 { g a b } c4~ \tuplet 3/2 { c8 dis, fis } b4~ |
    \tuplet 3/2 { b8 a g } \tuplet 3/2 { fis g a } \tuplet 3/2 { g e dis } \tuplet 3/2 { cis dis e } |
  }
>>

外部リンク

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