タークリー文字
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タークリー文字 | |
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類型: | アブギダ |
言語: | ドーグリー語、チャメアーリー語などパハール語群のいくつかの言語、パンジャーブ語[1] |
親の文字体系: | |
姉妹の文字体系: | ランダー文字 |
Unicode範囲: | U+11680..U+116CF |
ISO 15924 コード: | Takr |
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。 |
ブラーフミー系文字 |
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ブラーフミー 前6世紀-前3世紀- |
タークリー文字(タークリーもじ)は、かつて西ヒマラヤ各地で使われていたブラーフミー系文字の一種。左から右へ書くアブギダに属する。
概要
[編集]タークリー文字はシャーラダー文字から派生した文字のひとつで[2]、14世紀ごろにシャーラダー文字から分かれ、同じくシャーラダー文字から派生したランダー文字と共通性がある[1]。グルムキー文字を考案したグル・アンガドは、当時行われていたランダー文字とタークリー文字から取捨選択して文字を作りあげた[3]。
タークリー文字は現在のヒマーチャル・プラデーシュ州とジャンムーを中心とする地域で使われていた[4]。タークリー文字からはジャンムーで話されるドーグリー語のためのドーグリー文字や、ヒマーチャル・プラデーシュ州のチャンバ一帯で話されるチャメアーリー語を表記するためのチャメアーリー文字など、さまざまな亜種が発達した[4]。
20世紀なかばまでにデーヴァナーガリーが広い地域で用いられるようになり、ドーグリーやチャメアーリーなどのタークリー系諸文字の使用は衰退した[5]。
タークリー文字の構造はデーヴァナーガリーなどの他のインドの文字と同様だが、結合文字は二番目の要素が y/r/h のもの以外あまり使われない[1]。
Unicode
[編集]2012年のUnicodeバージョン6.1で、追加多言語面のU+11680..U+116CFに追加された[6][7]。字形はチャンバのものを元にしている[1]。
Takri[8] | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+1168x | 𑚀 | 𑚁 | 𑚂 | 𑚃 | 𑚄 | 𑚅 | 𑚆 | 𑚇 | 𑚈 | 𑚉 | 𑚊 | 𑚋 | 𑚌 | 𑚍 | 𑚎 | 𑚏 |
U+1169x | 𑚐 | 𑚑 | 𑚒 | 𑚓 | 𑚔 | 𑚕 | 𑚖 | 𑚗 | 𑚘 | 𑚙 | 𑚚 | 𑚛 | 𑚜 | 𑚝 | 𑚞 | 𑚟 |
U+116Ax | 𑚠 | 𑚡 | 𑚢 | 𑚣 | 𑚤 | 𑚥 | 𑚦 | 𑚧 | 𑚨 | 𑚩 | 𑚪 | 𑚫 | 𑚬 | 𑚭 | 𑚮 | 𑚯 |
U+116Bx | 𑚰 | 𑚱 | 𑚲 | 𑚳 | 𑚴 | 𑚵 | 𑚶 | 𑚷 | ||||||||
U+116Cx | 𑛀 | 𑛁 | 𑛂 | 𑛃 | 𑛄 | 𑛅 | 𑛆 | 𑛇 | 𑛈 | 𑛉 |
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 岡口典雄 著「グルムキー文字」、町田和彦 編『華麗なるインド系文字』白水社、2001年、170-171頁。ISBN 4560005559。
- 田中敏雄 著「インド系文字の発展」、西田龍雄 編『世界の文字』大修館書店、1981年、181-210頁。
- Masica, Colin P (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446