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タークリー文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タークリー文字
類型: アブギダ
言語: ドーグリー語、チャメアーリー語などパハール語群のいくつかの言語、パンジャーブ語[1]
親の文字体系:
姉妹の文字体系: ランダー文字
Unicode範囲: U+11680..U+116CF
ISO 15924 コード: Takr
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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タークリー文字(タークリーもじ)は、かつて西ヒマラヤ各地で使われていたブラーフミー系文字の一種。左から右へ書くアブギダに属する。

概要

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タークリー文字はシャーラダー文字から派生した文字のひとつで[2]、14世紀ごろにシャーラダー文字から分かれ、同じくシャーラダー文字から派生したランダー文字と共通性がある[1]グルムキー文字を考案したグル・アンガド英語版は、当時行われていたランダー文字とタークリー文字から取捨選択して文字を作りあげた[3]

タークリー文字は現在のヒマーチャル・プラデーシュ州ジャンムーを中心とする地域で使われていた[4]。タークリー文字からはジャンムーで話されるドーグリー語のためのドーグリー文字や、ヒマーチャル・プラデーシュ州のチャンバ英語版一帯で話されるチャメアーリー語を表記するためのチャメアーリー文字など、さまざまな亜種が発達した[4]

20世紀なかばまでにデーヴァナーガリーが広い地域で用いられるようになり、ドーグリーやチャメアーリーなどのタークリー系諸文字の使用は衰退した[5]

タークリー文字の構造はデーヴァナーガリーなどの他のインドの文字と同様だが、結合文字は二番目の要素が y/r/h のもの以外あまり使われない[1]

Unicode

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2012年のUnicodeバージョン6.1で、追加多言語面のU+11680..U+116CFに追加された[6][7]。字形はチャンバのものを元にしている[1]

Takri[8]
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+1168x 𑚀 𑚁 𑚂 𑚃 𑚄 𑚅 𑚆 𑚇 𑚈 𑚉 𑚊 𑚋 𑚌 𑚍 𑚎 𑚏
U+1169x 𑚐 𑚑 𑚒 𑚓 𑚔 𑚕 𑚖 𑚗 𑚘 𑚙 𑚚 𑚛 𑚜 𑚝 𑚞 𑚟
U+116Ax 𑚠 𑚡 𑚢 𑚣 𑚤 𑚥 𑚦 𑚧 𑚨 𑚩 𑚪 𑚫 𑚬 𑚭 𑚮 𑚯
U+116Bx 𑚰 𑚱 𑚲 𑚳 𑚴 𑚵 𑚶 𑚷
U+116Cx 𑛀 𑛁 𑛂 𑛃 𑛄 𑛅 𑛆 𑛇 𑛈 𑛉

脚注

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  1. ^ a b c d Anshuman Pandey (2009-04-06), Proposal to Encode the Takri Script in ISO/IEC 10646, https://unicode.org/L2/L2009/09111-takri.pdf 
  2. ^ 田中(1981) p.206。「タッカリー文字」と呼ぶ
  3. ^ 岡口 (2001) p.170
  4. ^ a b Masica (1993) p.143
  5. ^ Masica (1993) p.144
  6. ^ Supported Scripts, Unicode, Inc., https://www.unicode.org/standard/supported.html 
  7. ^ Unicode 6.1.0, Unicode, Inc., (2012-01-31), https://www.unicode.org/versions/Unicode6.1.0/ 
  8. ^ Takri, Unicode, Inc, https://www.unicode.org/charts/PDF/U11680.pdf 

参考文献

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  • 岡口典雄 著「グルムキー文字」、町田和彦 編『華麗なるインド系文字』白水社、2001年、170-171頁。ISBN 4560005559 
  • 田中敏雄 著「インド系文字の発展」、西田龍雄 編『世界の文字』大修館書店、1981年、181-210頁。 
  • Masica, Colin P (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446 

外部リンク

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