澳門軽軌鉄路
澳門軽軌鉄路 | |
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基本情報 | |
国 | 中華人民共和国 |
所在地 | マカオ |
種類 | 案内軌条式軌道 |
開業 | 2019年12月10日 |
所有者 | 澳門軽軌 |
運営者 | 港鉄軌道営運 (澳門) |
公式サイト |
澳門軽軌 港鉄 (澳門) |
詳細情報 | |
総延長距離 | 13.8 km |
路線数 | 2路線 |
駅数 | 14駅 |
1日利用者数 | 6,500人(2023年11月[1]) |
保有車両数 | 110両 |
電化方式 | 直流750V |
最高速度 | 80km/h |
通行方向 | 左側通行 |
路線図 | |
路線図および建設中路線(2024年4月時点) |
澳門輕軌鐵路 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 澳門輕軌鐵路 |
簡体字: | 澳门轻轨铁路 |
拼音: | Àomén Qīngguǐ Tiělù |
発音: |
京:アオメン チングイ ティエールー 粤:オウムン ヒングァイ ティッロウ |
広東語発音: | Ou3 mun2 Hing1 gwai2 Tit3 lou6 |
日本語読み: | マカオ けいきてつろ |
英文: | Macau Light Rail Transit |
澳門軽軌鉄路(おうもんけいきてつろ、中国語: 澳門輕軌鐵路、葡: Metro Ligeiro de Macau、英: Macau Light Rail Transit)は中華人民共和国・マカオ特別行政区の新交通システム。マカオ唯一の鉄道である[注釈 1]。日本のメディアではマカオLRTの呼称も用いられる。
2008年から現地調査が開始[2]、三菱重工業が建設を受注し、建設費は46億8,800万パタカになると見込まれている。2019年12月10日に氹仔線の氹仔碼頭駅から海洋駅にかけて[3]、2023年12月には媽閣駅まで延伸開業[4]、2024年11月1日分岐線である石排湾線が開業した[5]。
建設計画
[編集]マカオには従来から地下鉄などの鉄道輸送が検討されてきたが、具体化せず、鉄道空白地帯となっていた。マカオ内部の公共交通機関はバスとタクシーという道路利用を前提としたシステムであったため、交通渋滞により輸送の定時性に問題を内包していた。そこで鉄道を導入する運びとなり、軽軌鉄路計画は公共交通機関の定時制を改善すべく計画された[6]。計画の主体は、マカオ特別行政区政府運輸基建弁公室であった[7]。
2002年、マカオ政府は香港MTRに市内交通の研究業務を委託している。
車両基地の用地が確保できる氹仔線から着工された。その後、マカオ半島部の計画は延期された。
沿革
[編集]2010年4月12日、三菱重工、ドイツのシーメンスと中国本土の中国土木工程(CCECC)のコンソーシアム、カナダボンバルディアと本土の中国路橋工程(CRBC)のコンソーシアムが入札に応募し、三菱重工業が提案する香港国際空港(チェクラプコク空港)のほか、シンガポールやアメリカ合衆国の空港などへの納入実績がある新交通システム(オートメーテド・ピープル・ムーバー=APM)「クリスタルムーバー」が採用された[6]。
2018年、路線の運営、管理は2024年12月まで港鉄軌道営運 (澳門)[注釈 2]に委託されることとなった[9]。2019年、LRT事業はマカオ政府が100%出資した澳門軽軌股份有限公司に移された。
2019年12月10日、最初の路線となる氹仔線の海洋駅 - 氹仔碼頭駅間が開業した[10]。
2021年10月20日、欠陥が見つかった22キロボルト高圧ケーブルの全面交換に伴い氹仔線は半年間の運休となった[11][12]。
2023年12月8日、媽閣駅 - 海洋駅間が延伸、氹仔線の全線が開通した。
2024年11月1日、2021年10月6日に工事を着手した[13]。協和医院駅 - 石排湾駅間の石排湾線が開業することとなった[14]。
将来
[編集]石排湾線と同時期に計画された横琴線は、2021年3月18日に着工され[15]、2024年内に開通予定とアナウンスされている[14]。
関閘広場からマカオ半島の北東沿岸、マカオ半島東側の沖合に造成中の埋立地新城A区を経由し、海を越えてタイパ島北東部沖に造成中の埋立地新城E区を結び、氹仔碼頭駅で氹仔線と接続する路線長約7.7キロの東線の建設も決定され、2023年10月20日着工[16]、2028年の完成が予定されている[14]。関閘から、外港碼頭を経由して媽閣廟に至るマカオ半島における旧来の市街地を結ぶマカオ半島線は、2023年末時点で具体的な建設計画がないため[17]、中華人民共和国との玄関口である関閘からカジノ等の開発が進むタイパ島への輸送は、東線が先行する見込みである。
また、マカオ半島線の媽馬駅と西湾駅は地下鉄駅、南湾駅は地上駅、残りは高架駅の予定であるが、外港碼頭から関閘までの線形問題は建設費・用地買収問題などで大きな論争を巻き起こしており、運輸・公共事業長官は、東部線の建設が実施されれば東線と平行する区間は中止されると述べた。すなわち、外港碼頭から関閘までの区間は建設せず、港澳珠大橋線に延伸し、東線と交差する駅で関閘方面からの客は乗り換えると言うものである。
その他、氹仔(タイパ)島北縁の埋立地を横断する、タイパ北線の建設も議論されている。
車両・設備・ダイヤ
[編集]- 車両
- 駅
- 高架駅は採光と通風を考慮した設計である。
- エレベーターや視覚障害者を誘導するチャイムの設置といったバリアフリー設計である。
- 安全のためにホームドアが設置される
- 主要駅には広州 - 珠海を結ぶ「広珠城際軌道交通」など他の公共交通機関との乗り換え設備が整備される
- 運行
- ダイヤは 7.5 - 10分間隔
- 運行時間は6時30分から23時15分(平日)、23時59分(土休日)[18]
- 最高輸送人員は当初約8000人/時、順次14,100人/時まで引き上げる予定
- ICカード軽軌通の利用で通常運賃の半額となる。2022年5月より、澳門通でも乗車できるようになった。
-
澳門軽軌鉄路の車両
-
澳門軽軌鉄路氹仔線
課題
[編集]この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
- 高架橋建設による景観問題。
- 経由地がカジノ所在地が中心となっており、市民生活における利便性との乖離。
- 現在は氹仔(タイパ)島側にしか開通しておらず、旧市街地となる澳門(マカオ)半島側には媽閣駅のみ開業している。
路線および駅
[編集]氹仔線
[編集]全長12.5km、所要時間27分
- 2019年12月10日 : 海洋駅 - 氹仔碼頭駅間開業
- 2023年12月8日 : 媽閣駅 - 海洋駅間開業
駅番号 | 駅名 | 駅舎 | 接続路線・備考 | 所在地 | ||||
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日本語 | 繁体字中国語 | ポルトガル語 | 英語 | |||||
12 | 媽閣駅 | 媽閣站 | Barra | Barra | 地下 | マカオ半島線 - 計画中 マカオ半島西線 - 計画中 |
マカオ半島 | |
西湾大橋 | ||||||||
13 | 海洋駅 | 海洋站 | Oceano | Ocean | 地上 | タイパ島 | ||
14 | 馬会駅 | 馬會站 | Jockey Clube | Jockey Club | 高架 | |||
15 | 運動場駅 | 運動場站 | Estádio | Stadium | ||||
16 | 排角駅 | 排角站 | Pai Kok | Pai Kok | ||||
17 | 路氹西駅 | 路氹西站 | Cotai Oeste | Cotai West | コタイ | |||
18 | 蓮花駅 | 蓮花站 | Lótus | Lotus | 横琴線 - 建設中 | |||
18A | 協和医院駅 | 協和醫院站 | Hospital Union | Union Hospital | 石排湾線 | |||
19 | 東亜運駅 | 東亞運站 | Jogos da Ásia Oriental | East Asian Games | ||||
20 | 路氹東駅 | 路氹東站 | Cotai Leste | Cotai East | ||||
21 | 科大駅 | 科大站 | UCTM | MUST | タイパ島 | |||
22 | 機場駅 | 機場站 | Aeroporto | Airport | マカオ国際空港 | |||
23 | 氹仔碼頭駅 | 氹仔碼頭站 | Terminal Marítimo da Taipa | Taipa Ferry Terminal | タイパ・フェリーターミナル 東線 - 建設中 |
全長1.6km、2024年11月1日開業
駅番号 | 駅名 | 駅舎 | 接続路線・備考 | 所在地 | ||||
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日本語 | 繁体字中国語 | ポルトガル語 | 英語 | |||||
協和医院駅 | 協和醫院站 | Hospital Union | Union Hospital | 高架 | 氹仔線 | コタイ | ||
石排湾駅 | 石排灣站 | Seac Pai Van | Seac Pai Van | コロアネ |
建設中路線
[編集]全長2.2km、2024年開業予定[19]
駅番号 | 駅名 | 駅舎 | 接続路線・備考 | 所在地 | ||||
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日本語 | 繁体字中国語 | ポルトガル語 | 英語 | |||||
HE1 | 蓮花駅 | 蓮花站 | Lótus | Lotus | 高架 | 氹仔線 | コタイ | |
HE2 | 横琴駅 | 橫琴站 | Hengqin | Hengqin | 地下 | 横琴口岸 珠機城際鉄路横琴駅 |
横琴新区 |
全長7.7km、2028年完成予定、駅名は全て未定である。
駅番号 | 駅名 | 駅舎 | 接続路線・備考 | 所在地 | ||||
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日本語 | 繁体字中国語 | ポルトガル語 | 英語 | |||||
ES0 | 青洲駅 | 青洲站 | Ilha Verde | Ilha Verde | 地下 | 青茂口岸 | マカオ半島 | |
ES1 | 関閘駅 | 關閘站 | Portas do Cerco | Border Gate | 関閘・拱北口岸 広珠都市間鉄道珠海駅 マカオ半島線 - 計画中 マカオ半島西線 - 計画中 | |||
ES2 | ||||||||
ES3 | 新城区 | |||||||
ES4 | 港澳珠大橋線 - 計画中 | |||||||
ES5 | ||||||||
ES6 | ||||||||
ES7 | 氹仔碼頭駅 | 氹仔碼頭站 | Terminal Marítimo da Taipa | Taipa Ferry Terminal | 高架 | 氹仔線 タイパ・フェリーターミナル |
タイパ |
脚注
[編集]注釈
- ^ 広義の鉄道を含めるならば、ロープウェイ(松山覧車、zh:永利皇宮#觀光纜車)もある。
- ^ 香港鉄路の100%子会社
出典
- ^ 統計資料 - 澳門軽軌
- ^ “マカオにLRT建設 11年開業へ”. サーチナ. (2007年10月15日) 2008年11月25日閲覧。
- ^ “マカオLRTタイパ線12月10日開業…年内は運賃無料、日本製車両が走る=現地初の鉄道”. マカオ新聞 (2019年12月6日). 2019年12月8日閲覧。
- ^ 輕軌氹仔線列車服務正式延伸至媽閣站 - 澳門軽軌 2023年12月8日
- ^ “輕軌石排灣線將於11月1日通車”. 澳門特別行政區新聞局. 澳門輕軌股份有限公司(MLM). (2024年10月29日)
- ^ a b c d “三菱重工がマカオLRT受注:480億円、ゆりかもめ型APM[運輸]”. NNA.ASIA. (2011年1月5日) 2011年1月8日閲覧。
- ^ 政府設立運輸基建辦公室(新聞局) - 交通事務局 2007年10月22日
- ^ 「マカオLRT」プロジェクト概要 - マカオ新聞 2013年2月18日
- ^ 政府委託港鐵提供輕軌氹仔線的營運及維護服務 - 澳門特別行政区交通事務局 2017年10月20日
- ^ “マカオに登場「ゆりかもめの兄弟」新交通の実力 カジノの街に初の軌道系交通機関が開業”. 東洋経済新報社. (2019年12月30日)
- ^ “マカオLRTタイパ線が長期運休へ…高圧ケーブル全交換工事のため、工期は180日間程度想定”. マカオ新聞. (2021年10月15日)
- ^ “マカオLRTが半年間運休に 電力系に欠陥、三菱重が全面交換”. NNA ASIA. (2021年10月19日)
- ^ “為配合輕軌石排灣線施工 下周三起附近路段實施臨時交通安排”. Exmoo News 力報. (2021年9月30日)
- ^ a b c “マカオLRTの新線「石排灣線」が11月1日午後1時11分に開業へ”. マカオ新聞. (2024年10月28日)
- ^ “輕軌橫琴線冀四年建成”. 澳門日報. (2021年3月19日)
- ^ “新交通システム「マカオLRT」東線が着工…7.7キロ、6つの地下駅”. マカオ新聞 (2023年10月20日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “輕軌5走線投資估算金額增至451.58億”. 澳廣視新聞. (2023年12月28日). オリジナルの2023年12月28日時点におけるアーカイブ。 2024年11月1日閲覧。
- ^ 輕軌線路 - 澳門輕軌
- ^ 澳門輕軌延伸橫琴線項目 - 公共建設局
外部リンク
[編集]- 澳門輕軌股份有限公司
- 港鉄軌道営運(澳門)
- 軽軌 - マカオ特別行政区政府 交通事務局
- 澳門軽軌系統 - マカオ特別行政区政府 公共建設局