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スポーツチャンバラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スポーツチャンバラは、1971年田邊哲人によって始められた[1]競技。日本において遊戯として存在したチャンバラごっこと小太刀護身道を基にし、スポチャン面とエアーソフト剣(短刀・小太刀・長剣・杖・棒・槍の各種)、楯や籠手を用いる[2]競技(異種試合)である。略称はスポチャン

概要

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遊び道具として現代のようなテレビゲームが存在しなかった頃、子供の遊びとしてチャンバラごっこがあった。神社や野山に出かけて棒切れを振り回していたが、今は走り回る空き地さえ見当たらないため、遊び場だった境内や野山を学校の体育館やスポーツセンターに移し、スポーツとしてチャンバラを蘇らせたのが「スポーツチャンバラ(スポチャン)」である[3]。1973年(昭和48年)、田邊哲人が全日本護身道連盟(のちの国際スポーツチャンバラ協会)を設立している。

剣道は「くさい」「痛い」「防具をつけるのが面倒くさい」といった否定的イメージが強く、これらのイメージが剣道の技や用具に関わるものであることから、固定的なイメージとして定着してしまいがちである[4]のに対して、スポーツチャンバラは剣道よりも打ち合いの楽しさを重視したスポーツである点[4]や基本指導の時間短縮や早期に互角稽古が導入できる利点[5]があり、武道必修化に伴う学校教育への導入が模索されている。また、リハビリテーションとしての効果が期待されたり[6]、障害者でも工夫次第で十分な運動能力を発揮できるスポーツとして高く評価されている[7]

ルール

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1試合は3分間、3本勝負(延長あり)[8]。ルールは簡単で、十分な威力で相手の身体のどこでも良いので剣で叩く(斬る)と1本となる。つまり、「足から面まで全身が有効打突」であり[9]、どこを打っても得点、どこを打たれても失点。コートは7×7メートル程度で、場外は一度は許されるが、二度目は反則負けを取られる[9]

競技者が用いるエアーソフト剣の種類別に種目が分かれ、小太刀の部・長剣フリーの部・長剣両手の部・二刀の部・楯小太刀の部・楯長剣の部・杖の部・棒の部・短槍の部・長槍の部・長巻の部・短刀の部・楯短刀の部があり、合戦の部(20人対20人か、50人対50人)・乱戦の部(1人と2〜3人、2人と3〜5人)という種目もある[10]

用具(得物)

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小太刀
全長60cm以下[10]。「スポチャンは小太刀にはじまって小太刀に終わる」と言われるほど人気が高く、基本的な得物であると同時に、護身道として最適とされる[10]。変形として短刀[10](全長45cm以下)がある。こちらは競技上、蹴り技を認められている[10]
長剣
全長100cm[10]。両手で用いる競技は「長剣両手」、片手で用いる競技は「長剣フリー」と呼ばれる。競技会を重ねるごとに片手操法が多数を占めるようになった[10]が、本来長剣フリーでは両手・片手どちらの持ち方でも認められる。
全長140cm以下[10]。杖は棒の短いものと長剣の柄の長いものがあり、その他に三節棍チギリ木ヌンチャク鎖鎌トンファーなどが含まれる[10]
全長200cm以下[10]。棒先や棒尻を交互に使う左右打ちや、一回転して反動を利用して打つ回転、横面打ちや足打ちなど、相手の意表をつく攻撃が可能である[10]
長巻
全長200cm以下[10]。長刀・長巻・大身槍などがあるが、突くか薙ぐかのどちらを主にしているかで名称を分けているだけである[10]

主な大会

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本部主要大会として、以下の大会が挙げられている[11]

  • 世界選手権大会
  • 全日本選手権大会
  • 田邊杯争奪戦大会
  • 全国レクリエーション大会
  • 各都道府県大会
  • 各市区町村大会
  • 全国少年少女大会(高校生以下の選手が対象)
  • 全日本学生大会(大学生・短大生が対象。一般社団法人日本スポーツチャンバラ学生連盟によって主催されている。)
  • 各地方(北海道東北合同・関東・関西北陸中国四国合同)学生大会(大学生・短大生が対象)

国内競技連盟

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国際スポーツチャンバラ協会に加盟している国内競技連盟には以下がある。

日本スポーツ協会[12]日本レクリエーション協会に所属[13]している。

国際剣道連盟国際なぎなた連盟にも加盟している。

文化作品への登場

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脚注

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  1. ^ 国際スポーツチャンバラ協会. “スポチャンとは”. 2011年1月24日閲覧。
  2. ^ スポーツチャンバラ 用具・書籍”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
  3. ^ スポーツチャンバラ とは”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
  4. ^ a b 岡澤祥訓,辰巳喜之,竹住和宏,河野成伸「体育授業におけるスポーツチャンバラの有効性の検討」『教育実践研究指導センター研究紀要』第8巻、奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター、1999年3月、81-88頁。 
  5. ^ 木原資裕,本村賢治,江口大祐 (2004), 剣道初心渚指導における使用道具の検討, doi:10.11214/budo1968.37.supplement_29, https://doi.org/10.11214/budo1968.37.Supplement_29 2020年4月26日閲覧。 
  6. ^ 池田耕二,岩本雅浩,武部恭一,金子翼,武政誠一,長尾徹 (1997), 557. 車椅子スポーツチャンバラの紹介 : リハビリテーションの一環として, 公益社団法人 日本理学療法士協会, doi:10.14900/cjpt.1997.24.2.557, https://doi.org/10.14900/cjpt.1997.24.2.557 2020年4月26日閲覧。 
  7. ^ 白崎研司,安井友康,増田貴人「障害者のスポーツチャンバラ : 北海道における取り組みから」『年報いわみざわ : 初等教育・教師教育研究』第22巻、北海道教育大学岩見沢分校、2001年3月、135-142頁。 
  8. ^ スポーツチャンバラ ルール”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
  9. ^ a b 剣隼会 早稲田スポーツチャンバラ|スポチャン ルール”. wasedaspochan.accela.jp. 2020年4月26日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m スポーツチャンバラ 得物と種目”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
  11. ^ 公益社団法人 日本スポーツチャンバラ協会 大会”. www.internationalsportschanbara.net. 2020年4月26日閲覧。
  12. ^ 加盟団体(リンク集) - JSPO”. www.japan-sports.or.jp. 2020年4月26日閲覧。
  13. ^ 種目団体データ | 公益財団法人 日本レクリエーション協会”. www.recreation.or.jp. 2020年4月26日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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