ステージドア・キャンティーン
ステージドア・キャンティーン(英語: Stage Door Canteen)は、アメリカ合衆国および連合国の軍人のための娯楽施設。第二次世界大戦中、ニューヨークのシアター・ディストリクトにあるブロードウェイで操業していた[1]。1942年にアメリカン・シアター・ウイング(ATW)により創立され、戦時中、出演者たちはその才能を活かして自主的にほとんど無報酬でアメリカ軍の士気を高めるため出演または参加していた[1]。女優のネッダ・ハリガンおよびアメリカン・シアター・ウイングの共同創立者であるルイーズ・ハイムス・ベックとアントワネット・ペリーを含むアメリカン・シアター・ウイングを率いる複数の女性たちがステージドア・キャンティーン創立の重要な役割を担った[2][3]。1942年3月2日、マンハッタンの西44番街216番地の44番街劇場の地下のリトル・クラブ跡地でステージドア・キャンティーンが開業して週7夜営業していた[4]。
初日の公式来場者数は1,250人と見積もられ、200名の様々な女優がホステスを務め、75名の著名な俳優が給仕助手を務めた[5]。
ステージドア・キャンティーンの人気により、全米そしてロンドンやパリにもキャンティーンが設立された[6][7][8]。
営業
[編集]非番の軍人たちは食事が無料で提供され、ショーに加え、ホステスや女性出演者たちとダンスしたり、食事や家への手紙の執筆など様々な方法でリラックスする機会が与えられた。毎日夕方5時から深夜まで、コーヒー200ガロン(757リットル)、5千本のタバコが消費された。
メディア
[編集]ステージドア・キャンティーンは1942年から1945年のCBSラジオのシリーズ番組や1943年の映画『ステージドア・キャンティーン』に着想を与えた。この映画はRKOパテスタジオがカリフォルニア州カルバーシティにあるスタジオでキャンティーンのセットを組み制作された[9]。
映画『ロナルド・レーガンの陸軍中尉』(1943年)およびその原作となるブロードウェイ・ミュージカル版『『ロナルド・レーガンの陸軍中尉』(1942年)にはステージドア・キャンティーンのセットが使用された。どちらの版でもアール・オックスフォードが「"I Left My Heart at the Stage Door Canteen"」を歌った。この楽曲は、男性の多くがこの美しい女性たちと二度と会うことなく退店しなければならないと感じる束の間の愛を歌っている。この楽曲の最も人気の版はサミー・ケイおよびそのオーケストラの演奏でドン・コーネルの歌唱によるものであり、「ビルボード」誌のチャートで第2位を獲得した[10]。
主な参加者、出演者
[編集]A-B
[編集]- ルース・アーロンズ[1]
- ブライアン・エイハーン[1]
- バノイエ・アイシャンス[1]
- フランク・アルバネーゼ[1]
- エレン・アルバティーニ・ダウ[1]
- ジュディス・アレン[1]
- ポーリン・アルパート[1]
- エイドリアン・エイムス[1]
- エレイン・アンダーソン・スタインベック[1]
- イヴ・アーデン
- エイミー・アーネル[1]
- ドン・アレス[1]
- ジャン=ピエール・オーモン[1]
- ローレン・バコール
- ジム・バッカス[1]
- パール・ベイリー
- ケニー・ベイカー[1]
- ローズ・バントン[1]
- タルラー・バンクヘッド
- ビリー・バンクス[1]
- マーガレット・バナーマン[1]
- ジョー・バーク[1]
- イリナ・バロノヴァ[1]
- ロバート・R・バリー[1]
- ダイアナ・バリモア[1]
- エセル・バリモア・コルト[1]
- ジェイムス・バートン[1]
- ジェイムス・K・バクスター[1]
- フランク・ベレンス[1]
- ラルフ・ベラミー[1]
- コンスタンス・ベネット[1]
- ポーリーン・ベッツ[1]
- アーサー・ブレイク[1]
- ジョーン・ブロンデル[1]
- レイ・ボルジャー
- マーガレット・ボンズ[1]
- ヴィクター・ボーグ[1]
- ルザンナ・ボリス[1]
- ベティ・ブリュワー[1]
- ベリー・ブラザーズ[1]
- ベティ・ブライアント[1]
- ノーマン・バド[1]
- ビリー・バーク[1]
- チャールズ・バターワース[1]
C
[編集]- モーリーン・キャノン[1]
- ウナ・メイ・カーライル[1]
- ジョン・キャラダイン
- アール・キャロル[1]
- シド・キャトレット[1]
- スタンリー・キャトロン[1]
- エセル・ケイヴ・コール[1]
- マーゲリット・チャップマン[1]
- キャロル・チャニング
- ルシア・チェイス[1]
- ジョージ・チャーチ[1]
- ハリー・クラーク[1]
- タイニー・クラーク[1]
- モンゴメリー・クリフト
- マデレーン・クライヴ[1]
- イモジーン・コカ[1]
- グラント・コード[1]
- オルガ・コエーリョ[1]
- エディ・コール[1]
- ジャック・コール[1]
- エミル・コールマン&オーケストラ[1]
- ブランチ・コリンズ[1]
- ジャック・コリンズ[1]
- テッド・コリンズ[1]
- ジェリー・コロンナ[1]
- ベティ・コムデン[1]
- ペリー・コモ[1]
- フランシス・コムストック[1]
- ウォルター・コンプトン[1]
- コンドス・ブラザーズ[1]
- ビリー・コン[1]
- アーヴィング・コーン[1]
- ナディン・コナー[1]
- アン・コノリー[1]
- レイ・コニフ[1]
- コンティネンタル・トリオ[1]
- メルヴィル・クーパー[1]
- ジョン・フレデリック・クーツ[1]
- ジョージ・コープランド[1]
- ペギー・コーデイ[1]
- アーウィン・コーリー[1]
- アン・コリオ[1]
- アイリーン・コーレット[1]
- キャサリン・コーネル
- ディオサ・コステロ[1]
- ウィリアム・コトレル[1]
- アラン・コートニー[1]
- ダイアン・コートニー[1]
- ハーバート・カウアンズ[1]
- ジーン・コイン[1]
- クレスタ・ブランカ・カーニバル[1]
- シリル・クリッチロウ[1]
- ハロルド・クロマー[1]
- ボブ・クローニン&NBCオーケストラ[1]
- ロイ・クロッパー[1]
- ミルトン・クロス[1]
- マーガレット・カディ[1]
- ザビア・クガート[1]
- マリオン・カンボ[1]
- フランク・カンクル[1]
D
[編集]- ドナルド・デイム[1]
- リリー・ダミタ[1]
- ダニー・ダニエルズ[1]
- ヘレン・ダニエルズ[1]
- レス・デイモン[1]
- エムリー・ダーシー[1]
- ジーン・ダレル[1]
- コレット・ダーヴィル[1]
- ハワード・ダシルヴァ[1]
- ベティ・デイヴィス[1]
- エヴリン・ドウ[1]
- マーサ・ディーン[1]
- ディープ・リバー・ボーイズ[1]
- キャロル・デイス[1]
- アルバート・デッカー[1]
- ジャック・デレオン[1]
- デマルコ・シスターズ[1]
- ジャック・ドメナセ[1]
- クラーク・デニス[1]
- アニタ・デパルマ[1]
- クラランス・ダーウェント[1]
- ロメロ・デスピリト[1]
- レジーニ・デヴィ[1]
- アナマリー・ディッキー[1]
- アーテラ・ディクソン[1]
- ミュリエル・ディクソン[1]
- アダム&ジェーン・ディガタノ[1]
- トミー・ディクス[1]
- リー・ディクソン[1]
- ドリス・ドー[1]
- ビル・ドジェット[1]
- アントン・ドーリン[1]
- アンクル・ドン[1]
- ドリス・ドリー[1]
- ジミー・ドーシー[1]
- トミー・ドーシー[1]
- ラリー・ダグラス[1]
- ヘレン・ダウディ[1]
- ジェシカ・ドラゴネット[1]
- アルフレッド・ドレイク[1]
- ルース・ドレイパー[1]
- ヴァーノン・デューク[1]
- ラルフ・ダムキー[1]
- キャサリン・ダラム[1]
- アーティ・ダン[1]
- ジャック・ダンフィ[1]
- ボブ・デュポン[1]
- ジャック・デュラン[1]
- エド・ダラシャー[1]
- エレノア・ダーキン[1]
E-F
[編集]- エド・イースト[1]
- ダン・エクリー[1]
- テッド・エディ&オーケストラ[1]
- ドロシー・エドワーズ[1]
- エディ・エドワーズ[1]
- ジョン・エドワーズ[1]
- ケント・エドワーズ[1]
- レオ・エドワーズ[1]
- ペニー・エドワーズ[1]
- モーリス・アイゼンバーグ[1]
- デューク・エリントン[1]
- レナード・エリオット[1]
- エドウィナ・ユースティス・ディック[1]
- ナネット・ファブレー[1]
- リン・フォンタン
G-H
[編集]I-K
[編集]L-M
[編集]- バート・ラー
- キャロル・ランディス[1]
- ベティ・ロウフォード[1]
- ガートルード・ローレンス[1]
- バート・リー[1]
- ジプシー・ローズ・リー
- オスカー・ルヴァン[1]
- エセル・レヴィ[1]
- キャピー・ルイス[1]
- リベラーチェ[1]
- ベアトリス・リリー
- アルフレッド・ラント
- ドワイト・マーフェルド[11]
- ジョージ・マーシュ[11]
- メアリー・マーティン
- キャサリン・マスティス[11]
- エセル・マーマン
- マリア・モンテス[11]
N-O
[編集]P-R
[編集]- ヴィンセント・プライス
- ジョン・レイト
- グレゴリー・ラトフ[11]
- マリサ・レガラス[11]
S-T
[編集]U-W
[編集]X-Z
[編集]脚注
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq br bs bt bu bv bw bx by bz ca cb cc cd ce cf cg ch ci cj ck cl cm cn co cp cq cr cs ct cu cv cw cx cy cz da db dc dd de df dg dh di dj dk dl dm dn do dp dq dr ds dt du dv dw dx dy dz ea eb ec ed ee ef eg eh ei ej ek el em en eo ep eq er es et eu ev ew ex ey ez fa fb fc fd fe ff fg fh fi fj fk fl fm fn fo fp fq fr fs ft fu fv fw fx fy fz ga gb gc gd ge “AMERICAN THEATRE WING”. Billboard 56 (6): 5. (February 5, 1944) .
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- ^ “OBITUARIES: Louise Heims Beck”. Variety 290 (7): p. 46. (March 22, 1978)
- ^ “Theatre Canteen For Service Men”. Daily News (New York, New York City): p. 19. (February 7, 1942)
- ^ “Stage Door Canteen Jammed for Debut, Duplicate Planned”. Daily News (New York, New York City): p. 49. (March 4, 1942) September 6, 2018閲覧。
- ^ Urwin, Cathy K. (August 2006). “No Liquor, But Damned Good Anyway”. America in WWII (310 Publishing, LLC) 2018年8月9日閲覧。.
- ^ “A Question About Broadway's Historic Stage Door Canteen”. Playbill.com (June 22, 2012). 2018年8月9日閲覧。
- ^ Dunning, John (1998). On the Air: The Encyclopedia of Old-Time Radio (Revised ed.). New York, NY: Oxford University Press. p. 633. ISBN 978-0-19-507678-3 2019年8月31日閲覧。
- ^ Tucker, Sherrie (2014) (英語). Dance Floor Democracy: The Social Geography of Memory at the Hollywood Canteen. Duke University Press. ISBN 9780822376200 7 September 2018閲覧。
- ^ Tyler, Don (2007) (英語). Hit Songs, 1900-1955: American Popular Music of the Pre-Rock Era. McFarland. p. 265. ISBN 9780786429462 7 September 2018閲覧。
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- ^ “IN THESE COLUMNS ARE THE MOST GENEROUS PEOPLE IN THE WORLD”. Variety 153 (7): 30-31. (January 26, 1944).
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