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シクロオクタジエンロジウムクロリドダイマー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シクロオクタジエンロジウムクロリドダイマー
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識別情報
CAS登録番号 12092-47-6 チェック
PubChem 6436379
ChemSpider 21171524 チェック
EC番号 235-157-6
特性
化学式 C16H24Cl2Rh2
モル質量 493.0806 g/mol
密度 1.93 g/cm3
融点

243℃

溶解度 ジクロロメタン
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)水生環境への有害性
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H302, H315, H317, H319, H335, H411
Pフレーズ P261, P264, P270, P271, P272, P273, P280, P301+312, P302+352, P304+340, P305+351+338, P312, P321, P330
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シクロオクタジエンロジウムクロリドダイマー (cyclooctadiene rhodium(I) chloride dimer) は、化学式 Rh2Cl2(C8H12)2ロジウム錯体である。通常は省略して Rh2Cl2(cod)2 などと書かれる。空気中で安定に取り扱える黄橙色の粉末で、均一系触媒の前駆体として有機合成で広く使われる[1][2]

合成と反応

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Rh2Cl2(cod)2は、窒素置換した水性エタノール中で、炭酸ナトリウム存在下に塩化ロジウム(III)水和物と1,5-シクロオクタジエン (COD) とを共に熱して作られる[1][2]。このとき、Rh(III)は エタノールにより還元を受けて+I価に変わる。

2RhCl
3
(H
2
O)
3
+ 2C
8
H
12
+ 2CH
3
CH
2
OH + 2Na
2
CO
3
→ [RhCl(C
8
H
12
)]
2
+ 2CH
3
CHO + 8H
2
O + 2CO
2
+ 4NaCl

Rh2Cl2(cod)2 は形式上、カチオン "[Rh(cod)]+" としての反応性を示す多用途な求電子剤である。

[RhCl(cod)]
2
+ nL → [LnRh(cod)]+
Cl
(L = PR3, アルケンなど)

例えばこのようにして、Chiraphos、DIPAMP、DIOPのようなキラルホスフィン配位子がロジウム上に結合する。そうして得られるキラル触媒はプロキラルアルケンを非対称的に水素化する[3]

脚注

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  1. ^ a b Giordano, G.; Crabtree, R. H. “Di-μ-chloro-bis(η4-1,5-cyclooctadiene)dirhodium(I)” Inorganic Syntheses, 1990, volume 28, pages 88-90. ISBN 0-471-52619-3.
  2. ^ a b 『実験化学講座』丸善、第5版、21巻、2004年、259ページ.
  3. ^ W. S. Knowles (2003). “Asymmetric Hydrogenations (Nobel Lecture 2001)”. Advances in Synthesis and Catalysis 345 (1-2). doi:10.1002/adsc.200390028. 

関連項目

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