ザイフリボク
ザイフリボク (クロンキスト体系) | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Amelanchier asiatica (Siebold et Zucc.) Endl. ex Walp. (1843)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Asian serviceberry |
ザイフリボク(采振木[2]・采振り木[3]、学名: Amelanchier asiatica)はバラ科の植物。別名シデザクラ[2]。
名称
[編集]和名「ザイフリボク」の由来は、白く細長い花弁をつけた花序の形が、武士が戦陣を指揮するときに振る采配に見立てたことから「
特徴
[編集]日本と朝鮮半島に分布し[4]、日本では本州中南部(岩手県以南)、四国、九州に分布する[4][2]。山地に生える[4][2]。寒さに強く、萌芽生もあり、あまり土地を選ばずにどこでも育つことができ、やや湿ったところを好む性質がある[5]。
落葉広葉樹の小高木で、高さは約10メートル (m) になる[2]。幼木は灌木状になる[5]。樹皮は淡灰褐色で縦筋があるものや、ないものがある[3]。枝は無毛で短枝でがよくできる[3]。一年枝は細く、紅紫色で皮目が多い[3]。葉は互生し、長さ4 - 9センチメートル (cm) の長楕円形から楕円形で葉先は尖り、葉縁に鋸歯がある[4][2]。若葉は裏側に白い綿毛が密生する[2]。
花期は4 - 5月[2]。枝の先に白い花を密集して咲かせる[4][2]。花の花弁は5枚で長さは10 - 15ミリメートル (mm) の線形、雄蕊は20本ある[2]。雌蕊の花柱は5本で中央部まで合着する[2]。
果実は直径6 mmほどの球形で、秋に熟すると黒紫色になり粉白色をおびる[4][2]。
冬芽は枝に互生し、長楕円形、紅紫色でツヤがある芽鱗5 - 9枚に包まれていて、芽鱗の縁が白い毛で縁取られている[3]。葉痕は三日月形で、維管束痕が3個みられる[3]。
利用
[編集]庭木、公園木として植栽に利用される[4]。これとは別に庭木にされるもので、北アメリカに産する近縁種のアメリカザイフリボク (A. canadensis) はジューンベリーと呼ばれており、赤く熟した果実を食用とする[3]。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Amelanchier asiatica (Siebold et Zucc.) Endl. ex Walp. ザイフリボク(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 87.
- ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 161.
- ^ a b c d e f g h 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 177.
- ^ a b c d 辻井達一 2006, p. 78.
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、161頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、78 - 80頁。ISBN 4-12-101834-6。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、87頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、177頁。ISBN 4-522-21557-6。