パイレーツ・オブ・カリビアンの登場人物
パイレーツ・オブ・カリビアンの登場人物( - とうじょうじんぶつ)では、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの登場人物について記述する。
役名表記は「役者/日本語吹き替え版」とする。
主要人物
[編集]- ジャック・スパロウ (Jack Sparrow)
- 演:ジョニー・デップ/平田広明
- シリーズ通しての主人公。選ばれし9人の“伝説の海賊”の1人。伝説の海賊の証である「銀貨」は、モロッコのビーズと古代タイの金貨。東インド会社での懸賞金は、10001ギニーであり、海賊長の中で最も高い。
- ウィル・ターナー (Will Turner)
- 演:オーランド・ブルーム、ディラン・スミス(幼少期)/平川大輔、内山昂輝(幼少期)
- 第1作から第3作の準主人公。本名ウィリアム・ターナー・ジュニア (William Turner Jr.)。「靴紐の(ブーツストラップ)ビル」として知られる海賊のビル・ターナーの一人息子。
- 幼い頃に父が失踪、彼は自身が海賊の息子だと言うことを知らずに幼少時代を過ごす。幼少時代はイギリスで母親と暮らしていたが、母親が亡くなり、その後ジャマイカ行きの船に乗り込んだ。しかしその船がブラックパール号に襲われ、漂流していた所をエリザベスに発見され一命を取り留める。以来ポート・ロイヤルで鍛冶屋として働いていた。エリザベスと恋に落ち、最終的には第3作で結婚した。剣術に長けており、さらわれたエリザベスを助けるため自ら海賊船に乗るなど勇敢な一面を見せる。実直、真面目な性格のため、ジャックに利用される事もあったが、両者は固い絆で結ばれている。
- 第3作では父親を助け出すためにベケット卿と交渉を行うなどした。デイヴィ・ジョーンズに胸を剣で貫かれてしまうが、息絶える寸前にジャックの手助けによってデイヴィ・ジョーンズの心臓を刺し、父親によって心臓を取り出され新しくフライング・ダッチマン号の船長として復活、ブラックパール号とともにベケット卿の乗るエンデバー号を挟み撃ちにして撃破した。
- フライング・ダッチマン号の船長になったことで、10年に1度しか陸に上がることができない呪いを受けてしまう。そのため一旦船を降り、島でエリザベスと2人だけの1日を過ごし、彼女とセックスをして求め合う。その後、自分の心臓を入れた死者の宝箱をエリザベスに託して旅立ち、長い年月をフライング・ダッチマン号の船長として過ごすが、後に第5作で自身の息子のヘンリーが「ポセイドンの槍」を破壊し、呪いを解くことに成功、フライング・ダッチマン号から解放される。
- エリザベス・スワン (Elizabeth Swann)
- 演:キーラ・ナイトレイ、ルシンダ・ドライゼク(幼少期)/弓場沙織、最上莉奈(幼少期)
- 第1作から第3作のメインヒロイン。ウェザビー・スワン総督の一人娘。
- 父親の勧めによりジェームズ・ノリントンとの結婚が迫られていた。しかし、ウィル・ターナーと恋に落ち、婚約した。ヘクター・バルボッサにさらわれてしまったり、『デッドマンズ・チェスト』ではジャックを助けた罪で監禁されたりするなどした。
- また、デッドマンズチェストの後半では船に迫るクラーケンと戦い、囮にするべくジャックに手錠を掛けた。このためにジャックはクラーケンに飲み込まれてしまうが、『ワールド・エンド』で助け出された。
- 『ワールド・エンド』では父がベケット卿に殺されたことを知り、サオ・フェンが敵の襲撃を受け致命傷を負った時、エンプレス号の船長へ任命された。その後、海賊長達が集まって会議を行うブレズレンコートで、ジャックの票によって海賊王に選出された。その後、デイヴィ・ジョーンズとの戦いの際中、船上でバルボッサの読み上げでウィル・ターナーと結婚した。ウィルがデイヴィ・ジョーンズに刺されて死んでいくのを看取ったが、ウィルから離れなかったためジャックがウィルから引き離し、船の帆で空中へ脱出させた。ブラックパール号に戻り、ウィルとフライング・ダッチマン号が海底から復活を遂げたのを見ると、砲撃開始の合図に参加し、ベケット卿の乗るエンデヴァー号を撃沈した。ウィルが10年に一度しか上がれない体になったため、最後にはブラック・パール号を降り、島で1日をウィルと過ごして彼とセックスをし、夕日の沈む中でフライング・ダッチマン号とともに水平線へ消えるウィルを見届けた。10年後、ウィルとの間に生まれた息子と共に、ウィルとの再会を果たす。
- 彼女は活発で元気よく、自立心強い性格として描かれている。もともとは淑やかな女性だったのだが、シリーズ3作品を通して勇敢な海賊へと変貌を遂げていった。海賊となったのちも、婚約者であるウィル・ターナーや父親のウェザビー・スワンへの愛情は変わらない。大の酒嫌いで、理由は彼女曰く「お酒は最高に立派なはずの男性を最低のクズにする悪い飲み物だから」とのこと(第1作では、実際に無人島で火を起こして無人島の地下に備蓄していた酒を樽ごと放り投げて、狼煙にしていた)。ジャック・スパロウとはポート・ロイヤルで初めて出会い、自分を人質にとり海軍から逃げて行ったことに反感を抱いたが、その反面、自分の命を助けてくれたことに感謝の気持ちを抱き、うまくはいかないが彼が捕まるのを阻止しようと試みるような一面を持つ。
- 『ワールド・エンド』ではウィルに教えてもらった剣術を利用し、敵から自分の身を守るようになり、自然と2刀流で戦えるようにもなる。巧みな戦略を立ててして敵を倒し、ジャックにより海賊王となったのちもリーダーとしての力量も示してゆく。天性の才能にあふれた強い女性である。
- ヘクター・バルボッサ (Hector Barbossa)
- 演:ジェフリー・ラッシュ/壤晴彦
- 全部で9人いる伝説の海賊の1人で、カスピ海の王として知られている。
- 常時ペットである猿のジャック・ザ・モンキーを肩につれている。かつては「コブラ号」の船長を務めていたが、当時カスピ海の海賊長だったロシア人海賊、キャプテンボヤルに襲撃され沈没。溺れていたところをラゲッティとピンテルに助けられ、以降彼らと行動を共にするようになる。船なしの海賊としてトルトゥーガで彷徨っていた所を、当時カリブ海の海賊長だったドン・ラファエルに雇われ、一旦はラファエルの手下として動く。ラファエルはバルボッサの悲惨な過去を知り、難破船入り江につれていくことを決意。海賊長の集う中、ラファエルはバルボッサに船が襲撃された過去を話すようにと勧める。船が襲撃され死にかけたという過去を海賊長に向けて全て話すと、ボヤルに復讐しに行くことを勧められる。バルボッサはここでボヤルに対しての復讐心が芽生え、その後キャプテンティーグとジャック・スパロウの力を借り復讐にいく。見事復讐に成功し、キャプテンボヤルとその仲間たちは絞首刑に処されることに決まる。そんな中バルボッサは、ボヤルを訪ねる。するとボヤルは、自身がバルボッサにした数々のことを謝罪し、そして死んでしまう自分の代わりにカスピ海の海賊長になるようにとバルボッサに願い出た。バルボッサはカスピ海の海賊長になることを承諾。海賊長の印として木片(ラゲッティの義眼)を譲り受け、同時に、沈没したコブラ号の代わりに、ボヤルの船であったコルダーニャ号を譲り受ける。しかしこの船は直ぐにはぐれ海賊に奪われてしまう。仕方なくバルボッサは、キャプテンティーグのはぐれ海賊狩りに参加する。その後何らかの事情でラゲッティとの繋がりを失い、海賊長の証である木片をしばらく手元から失う。その後ジャック・スパロウが船長を務めるブラックパール号の船員(一等航海士)となった。数ヶ月は一等航海士としてジャックとともに冒険をする。とある時、伝説の死の島であるイズラ・デ・ムエルタに行くことが決定するも、バルボッサは島の伝説を信じていなかったために反対する。しかしジャックが、正確な位置を示した地図を持っていたために島の伝説を信じる。するとバルボッサは宝を独り占めようと模索。そしてある晩、船員を唆しジャックを騙して船を乗っ取り、ジャックを孤島に置き去りにした。以降は自分が船長となる。その後、アステカの金貨を見つけて使い呆けたが、その金貨の呪いにかかってしまい、他の船員とともに10年間不死身の身体となって海を彷徨っていた。好物は林檎とカスピ海原産のキャビア。伝説の海賊の証である「銀貨」は、ラゲッティの義眼。東インド会社からは生死を問わず、10000ギニーの賞金が懸けられている。第5作では、彼の娘であるカリーナ・スミスが登場する。
- 第1作ではエリザベスの所持するアステカの金貨の最後の1枚を巡り、ジャックらと争う。ジャックとエリザベスを孤島に置き去りにするなどした。その後呪いが解けた瞬間にジャックの銃撃によって死亡する。
- 第2作でティア・ダルマの魔術によって復活。
- 第3作では、船を先導してジャック・スパロウを探しに出た。サオ・フェンに会い、伝説の海賊たちが集まったブレズレンコートでは司会と解説の役割を果たしている。また、船上でデイヴィ・ジョーンズやベケット卿の船団と闘っている最中、船長権限でウィルとエリザベスを結婚させた。ベケット卿に勝利した後、バルボッサは再びブラックパール号の船長となった。このとき、ジャックとギブスをトルトゥーガに置き去りにして、サオ・フェンの海図を独り占めしようと考えたが、ジャックにより肝心の中心部分が切り抜かれていた。
- 第4作では、黒ひげとの戦闘でブラックパール号と片脚を失い、その復讐のために英国王ジョージ2世に仕える私掠海賊となってジャックの前に現れる。ジョージ2世の命令で「プロヴィデンス号」の指揮を任されスペイン王よりも先に命の泉を発見するため、ジャックの持っていた地図の内容を覚えていたギブスに、生きるか死ぬかを迫り脅迫、なんとか連れて航海に出かける。島に到着した後はジャックと再会してスペイン人相手に共闘し、そして自分が英国王に仕えている本当の理由を明らかにした。その後、生命の泉での戦いでモウドクフキヤガエルの毒を塗った剣で黒ひげを刺し殺し、彼の死後は代わりにアン女王の復讐号の船長となる。ちなみに、片足を失った後に着けている義足は、中に酒を入れられるようになっている。
- 第5作では、サラザールによって自身の傘下の海賊たちが襲撃され始めたため、己の命と海の支配者としての地位を守るため、彼を倒すべく暗躍する。当初はジャックを生贄にサラザールと取引をしようとしたが失敗、部下のほとんどを殺され、その上アン女王の復讐号も沈められてしまう。マートッグら僅かに生き残った部下と共に、サラザールを倒すことのできる「ポセイドンの槍」を探すため、ジャックと共闘する。その後、カリーナの導きにより「ポセイドンの槍」が眠る島を発見し、彼女に渡したルビーの欠片を島のルビーに嵌めて封印を解く。最期はカリーナを守るため、追ってくるサラザールと共に海の中へと呑み込まれた。
- ヘンリー・ターナー(Henry Turner)
- 演:ドミニク・スコット・ケイ(第3作)、ブレントン・スウェイツ(第5作)/大久保祥太郎(第3作)、中川大志(第5作)
- 第5作の準主人公。ウィリアム・ターナー・ジュニアとエリザベスの息子。
- フライング・ダッチマン号に囚われた父を呪いから解放するため、海に関するありとあらゆる神話や伝説を調べ上げ、呪いを解くことのできるのが「ポセイドンの槍」であることを突き止めた。その所在を知っているといわれるジャック・スパロウを探している。
- カリーナ・スミス(Carina Smyth)
- 演:カヤ・スコデラリオ/栗山千明
- 第5作のヒロイン。優秀な天文学者だが、「魔女」として処刑されかけていた。
- 「ポセイドンの槍」の所在が書かれた古文書を解読し、ジャック、ヘンリー、バルボッサと共に「槍」を探しに航海に出る。気丈な性格で、どんな状況でも誰に対しても物怖じしない。バルボッサの娘だが、幼少期に古文書とそれを解くためのルビーの欠片と共に、孤児院に預けられた。「カリーナ」とは北の空で一番明るい星の名を指す。
ブラックパール号
[編集]- ジョシャミー・ギブス航海士 (Joshamee Gibbs)
- 演:ケヴィン・R・マクナリー/青森伸
- ジャックの右腕的存在で航海士。裏切りが常である海賊たちの関係の中、常にジャックを信じ、彼の味方でいようとする。酒好き。ジャックからは、「ギブス君(Mr.Gibbs)」とよく呼ばれる。博識で古来より伝わる海の伝説を数多く知っており、その解説役の一面を兼ね合わせている。
- 元英国海軍の軍人で、その頃から酒を入れた携帯ボトルをずっと愛用している。
- 第1作では幼少期のエリザベス・スワンが英国からポートロイヤルに来る航海の際にジェームズ・ノリントンの部下となっていた。その10年後にはなぜかトルトゥーガにおり、汚い身なりで豚に囲まれて眠っていた。ジャックとの再会後は仲間になり、第2作、第3作と船員として活躍。
- 第4作ではロンドンで捕まって裁判にかけられていたところをジャックに救出されるも、その後英国海軍に囚われ、バルボッサを命の泉へと案内することとなる。
- 第5作では一時的にジャックを見捨てるが、すぐに仲間に戻る。
- ラゲッティとピンテル (Ragetti & Pintel)
- 演:マッケンジー・クルック(ラゲッティ)、リー・アレンバーグ(ピンテル)/高宮俊介(ラゲッティ)、佐々木梅治(ピンテル)
- バルボッサの手下。ジャック曰く「ノッポとチビ」。ラゲッティは右目が木製義眼の海賊、ピンテルは頭の剥げた髭面の海賊。ピンテルはエリザベスに対して「hello, poppet.(やぁ、かわいこちゃん)」とよく言う。二人とも下っ端だが、ジャックが船長をしていた頃からの古参である。
- 第1作では、二人ともアステカの金貨によって呪われ、満たされる事のない欲望と死ねない身体になっており、バルボッサの配下としてジャック・スパロウ達と戦ったが、英国海軍との戦闘中に呪いが解けてしまったために他の仲間同様降伏し、ポートロイヤルに監禁された。
- 第2作ではポートロイヤルの鍵の番をしている犬を手なずけて脱獄、その後浜辺に停められていたブラックパール号を奪おうとするが、ペレゴストス族がジャックを追いかけて大挙して迫ってきたため、その場の勢いでジャックの手下になり、第3作でもウィル達とともに世界の果てへと向かう。第1作では不死身であるのをいいことに無鉄砲な一面があったが、第2作からは呪いが解けて不死身では無くなったため行動が慎重になっている。
- 第3作ではラゲッティの義眼がバルボッサの「銀貨」であることが判明、さらにそれらにカリプソを解放するための力が秘められていることが判明した。その際義眼は焼失したため、以降彼は代わりに眼帯を付けている。
- コミックリリーフのキャラクターとして描かれているが、フライング・ダッチマン号の船員達と互角以上に渡り合った。また、バルボッサから「銀貨」を託されていたことから、それなりに信頼のおかれた部下であったことがわかる。
- 猿のジャック (Jack the monkey)
- バルボッサの飼っているシロガオオマキザル。第1作のラストシーンでアステカの金貨を盗み、再び不死身の猿になる。第2作以降もブラックパール号に乗船しており、しょっちゅうジャック・スパロウにいたずらをする。逆に、ジャックはストレス発散の一環としてしょっちゅう彼を銃で撃つ。ラゲッティの義眼が気になるらしく、ラゲッティが居る時はいつも奪っている。第3作では微力ながら戦闘にも参加し、仲間の危機を何度も救っている。第4作では、ブラックパール号やコットンのオウムと共に瓶の中へ閉じ込められている。しかし第5作では、ブラックパールとともに瓶から5年ぶりに復活し、最終的にバルボッサ死亡において長年の主を亡くした為、仕方なくジャックになつくようになった。
- コットンのオウム
- 第1作目から登場するコットンのペットのオウム。バルボッサのペットの猿ジャックと同様にいつもコットンの肩にいて、舌を切られてしゃべれなくなってしまったコットンの代わりに会話をする(聞かれたことに返事をしたり、ちょっとした短い言葉を喋る程度で、人間同様に会話が続くわけではない)。3作目では、シンガポールの戦いにおいて猿のジャックと共に微力ながら戦闘に参加し、仲間の危機を救っている。評議会の戦いにおいて、東インド貿易会社の艦隊を目の前にし怯み、船を捨てろと言い残し逃げ出している(これがコットンの意思であったかについては不明)。4作目ではブラックパール号、猿のジャックと共にボトルに閉じ込められている。5作目には登場しない。
- マーティ(Marty)
- 演:マーティン・クレッバ→ジェームズ・アーノルド・テイラー/うすいたかやす
- 第1作の途中からジャックと共に同行する小柄な海賊。ブラックパールでは主に見張りをする。第3作の終盤で、泥酔するジャックを見限りバルボッサに付いていく。その後の第4作目の間に起きた黒ひげの奇襲により、行方知れずとなっていたが、第5作では序盤よりジャックの仲間となっている。
- カリブ海を拠点に活動した小身の海賊であり、山椒は小粒でもピリリと辛いと言うように、マーティは小柄であったがタフで、船の上でも陸でも3倍の背丈もある敵に強烈なパンチを繰り出した。
- マーティの生涯についてはあまり知られていないが、彼は寄せ集めの乗組員としてHMS<インターセプター号>や<ブラックパール号>でキャプテン・ジャック・スパロウに仕えた。死者の宝箱捜索後、マーティはクラーケンの襲撃を生き延びた数少ない乗組員のひとりとなった。彼はまた、多くの海賊とともに自由を求めてカトラー・ベケット卿の艦隊に挑んだ。
- コットン (Cotton)
- 演:デヴィッド・ベイリー
- 第1作で途中からジャックと共に同行する老いた海賊。第1作以前にマンガードという人物に舌を切られてしまったため話せないので、肩に止まっているオウムが彼の代わりに話している。しかしながら、口がきけない彼がどのように仕込んだのかは一切不明である。ブラックパールでは主に舵取りをする。
- アナマリア(Anamaria)
- 演:ゾーイ・サルダナ/湯屋敦子
- マーティやコットンと同じく、途中からジャックと共に同行する男勝りの女海賊。一人称は「俺」。彼女の台詞によると、「ジャックには船の借しがある」らしい(ちなみにその船は、ジャックが初めてポートロイヤルに現れた時に沈没してしまったもの)。他の二人とは異なり、ジャックが船長に復帰してすぐ船を下りているため、第2作以降は登場しない。
英国海軍・東インド会社
[編集]- カトラー・ベケット(Cutler Beckett)
- 演:トム・ホランダー/横島亘
- 東インド貿易会社の権力者。イングランドの商人の家で育った。会社の利益を第一に考えている。口癖は「It's just good business.」(字幕では「損のない商取引を」、吹き替え版では「全ては利益のため」と訳された)。ベケット卿という風に称号をつけて呼ばれる場合もある。
- 映画では第2作から登場したが、キャラクターの設定では第1作以前に、ジャックと面識があったという。その昔ベケットはジャックを雇っていて、ある日奴隷船「ウィキッド・ウェンチ号」を運搬する役割を命じた。しかし、ジャックは船に乗っているのが奴隷だとわかると運ぶのをやめ、乗っていた奴隷たちをアフリカ大陸で解放した。これに激怒したベケットはジャックの船を沈め、海賊を意味する「P」の焼印を押すよう命じた。因みにウィキッド・ウェンチ号はデイヴィ・ジョーンズによって修復され、後のブラックパール号となる。
- 安定した通商を妨げる海賊達の根絶やしを目論む。狡猾で頭の切れるベケットは、ノリントンが持ってきたデイヴィ・ジョーンズの心臓を使ってジョーンズの弱みを握ることを考えた。それにより、デイヴィ・ジョーンズのペットであるクラーケンを本人自ら殺すように命じ、ジョーンズとダッチマン号を会社の思うがままに操ろうとした。衛兵にジョーンズの心臓を見張らせ、命令に従わなかった場合は殺すように命令した。一方でノリントンには昇格を持ちかけ、ダッチマン号に常駐させた。
- 第3作では、冒頭で海賊容疑で逮捕した大勢の人々を絞首刑にするよう砦で命じた。その後エンデヴァー号を基点にして、ジョーンズに父親を拘留されているウィルやサオ・フェンらと交渉を進める等した。後半では東インド会社所属の大艦隊を率いて登場。デイヴィ・ジョーンズ率いるフライング・ダッチマン号がジャックらによって沈められたのを見た後、勝利を確信して単艦でブラックパール号に接近していくが、ブラックパール号と、海の中から復活したウィルが率いるダッチマン号に挟まれ、エンデバー号は両翼から激しい砲撃を受ける。予期せぬ反撃に完全に動転してしまった彼は、部下から指示を求められても呆然とした顔で「It's just...good business(損のない商取引を/全ては利益のため)」としか呟かなかった。そして、乗員が次々と船を捨てていく中、彼は炎の中に消えていった。
- ジェームズ・ノリントン (James Norrington)
- 演:ジャック・ダヴェンポート/森田順平
- エリザベスに求婚する英国海軍士官。ジョージ2世に忠誠を誓った周辺海域の最高責任者であり、海賊を討伐する職責を負っている。平和を乱す海賊を疎ましく思っている。厳密に言うとその役職は提督(Admiral)ではなく、それに準じた地位である代将(Commodore)である。
- エリザベスに好意を抱いており、結婚を迫ったが、エリザベスはウィルに気があったため三角関係となった。最終的にはエリザベスのウィルへの思いを知り、潔く身を引いた。また、ジャックを処刑するはずだったが、作品の最後で見逃している。
- 第2作に入る前に、一度海でハリケーンに遭って部下を失ったことが原因で、階級を剥奪されてしまっていた。よって第2作では登場した時は惨めに落ちぶれた姿で登場する。その後デイヴィ・ジョーンズの心臓が入った宝箱をめぐってウィルやジャックと闘うこととなる。結局ノリントンは心臓を手に入れ、ベケット卿のもとへ届ける。ベケット卿は昇進をちらつかせて心臓を手に入れた。
- 第3作では、ベケット卿によって東インド会社の一員となっており、英国海軍の配下となったフライング・ダッチマン号に搭乗し、デイヴィ・ジョーンズを監視する任務に就いている。しかし自分の行いが原因で力を得たベケット卿の非道とも言える行いを目の当たりにし、内心ではベケット卿に心臓を提供してしまった事への後悔と罪悪感を抱き続けていた。
- 最後はエリザベス・スワンをデイヴィ・ジョーンズの船から逃がすために反旗を翻し、ブーツストラップ・ビルに刺され、デイヴィ・ジョーンズに(魂を代償にした契約を持ちかける意味で)「死ぬのが怖いか」と問われるが、これを拒絶して剣でデイヴィ・ジョーンズを刺し、直後に絶命した。
- ウェザビー・スワン (Weatherby Swann)
- 演:ジョナサン・プライス/村松康雄
- イギリス帝国のポート・ロイヤル総督。エリザベスの父親。おてんばな娘には頭が上がらない。ジェームズ・ノリントンよりも上席であるが行政職である総督には軍人である提督への命令権はない、このため海軍が捕縛した海賊の処遇には関与できないことになっている。小心者だが娘思い。
- 第2作では、ジャックの逃亡に関与したことで投獄された娘を秘密裏に脱獄させたため、ベケット卿に捕縛されてしまい、ベケット卿に総督の座を奪われてしまう。
- 第3作ではデイヴィ・ジョーンズの心臓の秘密について勘づいたためベケット卿により暗殺され、娘と悲しい別れをすることになる。
- マートッグ & ムルロイ(Murtogg & Mullroy)
- 演:ジャイルズ・ニュー(マートッグ)、アンガス・バーネット(ムルロイ)/石井隆夫→後藤敦(マートッグ)、石住昭彦(ムルロイ)
- ポートロイヤルにてイギリス帝国の船舶の警備をしているユーモラスな海兵。初めは2人ともジャックと話しているが、途中から理屈っぽい言い合いを始めてその間にジャックを見失う傾向にある。ラゲッティとピンテル同様に、緊迫する雰囲気を和ませる役回りを担っている。
- 第2作には登場しないが、第3作に再登場。マーサーに指示されてデイヴィ・ジョーンズの心臓の入った箱を見張っていたが、ブラックパール号とフライング・ダッチマン号が戦った際に、どさくさに紛れてブラックパール号に乗り移る。その後、軍服を脱いで海賊風の服に着替え船員のふりをし、最後は本当に海賊になってバルボッサの手下になる。
- 5作目には、バルボッサの手下として登場。かなり凄腕の海賊となっているが、そのユーモラスさは変わっていない。
- イアン・マーサー(Ian Mercer)
- 演:デヴィッド・スコフィールド/佐藤祐四
- 東インド貿易会社の忠実な社員で殺し屋。会社の重役ベケット卿の個人秘書として働いた。冷酷かつ冷静な人物で、ノリントンの死後は、彼に代わってフライング・ダッチマン号の指揮を取る。最期は船を取り戻す機会をうかがっていたジョーンズに首を絞められ殺される。
- ジョン・スカーフィールド(Jon Scarfield)
- 演:デヴィッド・ウェナム/小原雅人
- 5作目に登場するイギリス海兵隊大尉。セント・マーティン島に駐留する軍艦『エセックス号』艦長。非常に血の気が多い上に、功名心や海賊や魔女への敵愾心が非常に強く、自らが捕らえながらも脱走したジャックやカリーナと彼らの脱獄を手引したヘンリーを執拗に追跡する。
- 最期はサラザール率いるサイレント・メアリー号の不意打ちを受け、エセックス号ごと叩き潰される形で海の藻屑と消えた。
伝説の海賊
[編集]世界各地に拠点を構える選ばれし9人の“伝説の海賊”達。「海賊の掟」を作成したモーガンとバーソロミューは、第2回評議会(初代海賊長)であった。
第1回評議会
[編集]- 初代海賊王
- 第3作にて間接的にのみ言及されている人物ではあるが、海賊王になった経緯などは不明。
- 大西洋の最初の海賊長
- パイレーツ・オブ・カリビアン/クラーケンの呼び声にて言及されている女性で、大西洋の最初の海賊長。初代海賊王及び他の海賊長そしてとデイヴィ・ジョーンズと共にカリプソを人間の中に閉じ込めた。
第2回評議会
[編集]- ジャック・スパロウの祖母 (Grandmama)
- 大西洋の海賊長で、ジャック・スパロウの父方の祖母、エドワード・ティーグの母親。若い頃、ジャックの祖母は悪名高い海賊船長で、やがて大西洋の海賊長に任命されるほどの尊敬を集めていた。彼女は、モーガンとバーソロミューが初めて海賊の掟を定めた、第2回会議に出席していた。また、孫がカリブ海の海賊長に就任するまで、彼女は史上最年少の海賊長という栄誉を持っていた。ヘンリー・モーガンの脅威の時代、ジャックの祖母は第二評議会の海賊長の中で唯一生き残っていた。
- バーソロミュー (Bartholomew)
- ヘンリー・モーガンと共に海賊評議会の海賊法典『ピラータ・コーデックス』を著した。
- ヘンリー・モーガン (Grandmama)
- バーソロミューと共に海賊評議会の海賊法典『ピラータ・コーデックス』を著した。
第3回評議会
[編集]- サオ・フェンの父 (Bartholomew)
- 南シナ海の王でサオ・フェンの父である。かつての南シナ海の海賊長。彼は暴力に終わった海賊会議の第三回会議に出席したことで知られている。ある時点で、毛坤の地図はサオ・フェンの父の手に渡った。中国政府は彼を制御できなかったため、彼を総督に任命した。彼は権力を乱用し、大いに非難された。彼は早すぎる死に際し、海賊長の地位を8枚の金貨ととも息子であるにサオ・フェンに譲った。
第4回評議会
[編集]- ジャック・スパロウ
- カリブ海の王。→詳細は「ジャック・スパロウ」を参照
- ヘクター・バルボッサ
- カスピ海の王。→詳細は「§ ヘクター・バルボッサ」を参照
- サオ・フェンの一味
- サオ・フェン (Sao Feng)
- 演:チョウ・ユンファ/磯部勉
- 第3作に登場。シンガポールを拠点に南シナ海を統べる中国海賊の長。選ばれし9人の“伝説の海賊”の1人。“デイヴィ・ジョーンズの墓場”(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー)への唯一の手掛かりとなる海図を持っている。水と蒸気で犠牲者を拷問した。一般的に西側と戦わないことを好んだ。
- シンガポールを拠点に活動する中国の海賊で長い髭が特徴で、ジャック・スパロウがいるとされる世界の果てを示す海図を持っていたことから、バルボッサ率いるブラックパール号の船員たちが地図を求めてフェンのもとを訪れた。
- その後カリプソを人間の体から解放しようとするバルボッサと手を結び、逃げた時の担保としてエリザベスを引き渡すように要求した。エリザベスはこの要求をのんだ。この時サオ・フェンはエリザベスの体にカリプソが封印されていると勘違いしていた。その後エンプレス号を奇襲してきたフライング・ダッチマン号の砲弾を受け、木の破片が胸に突き刺さり致命傷を負う。そして、エリザベスにエンプレス号の船長の証である翡翠の首飾りと船長の権限を託し、息絶えた。東インド会社は8000ギニーの懸賞金を懸けている。
- 中国語では「嘯風(啸风、xiào fēng)」と書く。伝説の海賊の証である「銀貨」は、翡翠の首飾り。
- 経歴
サオ・フェンは1660年代後半に生まれた。彼の父は南シナ海の海賊長であった。若かりし頃のサオ・フェンについてはほとんど知られていない。
ある日、サオ・フェンは兄のリャン・ダオから、深海オパールとして知られる非常に価値のある黒い宝石を探すよう命じれた。神話や伝説によると、それを所有する者は誰でも大きな富、権力、名声を得るとの言い伝えがある宝であった。しかし、伝説では、宝石の力はそれを盗んだ者に与えられることはなく、贈り物として受け取った者だけがその素晴らしい効果の恩恵を受けるとされていた。しかし一方、それを盗むほど無謀な男は、永遠に呪われるとも伝わっていた。旅の途中で、サオ・フェンは宝石を手に入れて兄リャン・ダオを打倒する計画を立てた。彼は呪いの話や、オパールが貴重な宝石としての価値以上の力を持っているとは信じていなかったが、梁道の海賊たちが彼が呪われた男だと信じれば、彼に忠誠を誓うことは決して考えないだろうと気づいていた。オーストラリアの北の海域を航行中、サオ・フェンが船長を務めているエンプレス号はカリブ海の海賊長ジャック・スパロウの船であるブラックパール号に遭遇した。ブラックパール号は珊瑚礁からさほど遠くないところに停泊しており、エンプレス号も近くに停泊していた。サオ・フェンはジャックに領海内で何をしているのかと尋ねると、ジャックの乗組員アレックスは、シャドウゴールドとして知られる神秘的な霊薬を探していると答えた。サオ・フェンはジャックと一等航海士 ヘクター・バルボッサ、そして乗組員のカロライナを船室に招き、取引を持ちかけた。ジャックが深海から宝を盗めば、シャドウ・ゴールドの小瓶をジャックに渡すという取引であった。バルボッサとカロライナは反対したが、ジャックは同意した。サオ・フェンは宝が海の底深くにあることをジャックに伝えた。また、宝はレインボー・サーペントと呼ばれる生き物に守られているとも話した。そして、ジャックに付き添いのリアンも同行し、いたずらがないようにすると伝えた。数時間後、ジャック、リアン、ビリー・ターナー、ディエゴ・デ・レオンが宝を持って海底から戻ると、エンプレス号ブラックパール号はシンガポールに向けて出航した。 2隻の海賊船がシンガポールに停泊すると、サオ・フェンはジャック・スパロウとその友人たちをリャン・ダオの邸宅に連れて行った。彼らがリャン・ダオの前に連れて行かれると、リャン・ダオは兄が無傷で戻ってきたことに偽りの安堵を表明したが、サオ・フェンは宝を使って海賊長の座を狙うつもりだと明かした。大規模な戦闘が始まり、その間にリャン・ダオの船員の何人かがサオ・フェン側に加わり、サオ・フェンはジャックとその部下を説得して自分の側でも戦わせた。戦闘後、ジャック・スパロウはフェンが約束したシャドウ・ゴールドの小瓶を要求したが、混乱したリャン・ダオはそんなものは持っていないと明かした。フェンは兄の8ピースを奪い、彼を殺すことを拒否し、恥辱の中で生きろと言った。そしてジャックに、シャドウ・ゴールドは実際には香港にあり、太平洋の海賊長であるミストレス・チン(マダム・チン)が所有していると告げた。エンプレス号とブラックパール号は香港に向けて出航したが、香港は東インド貿易会社の役人であるベネディクト・ハンティントン卿 によって統治されていたため、ジャックと友人たちは東インド貿易会社の代理人に変装しなければならなかった。彼らがミストレス・チンとその部下を発見すると、サオ・フェンはシンガポールの新しい海賊長であると自己紹介した。チンは彼ら全員をアヘン窟に連れて行き、そこでチンとフェンはすぐにベネディクト・ハンティントンの問題に関してどのように対処するのが最善か話し合いを始めた。キャロライナはジャックの警告にもかかわらず、シャドウ・ロードとその計画について彼らに警告しようとした。サオ・フェンはキャロライナの警告に興味を示したが、チン夫人は彼女の話を信じようとせず、ベネディクト・ハンティントンとその部下だけが心配だと主張した。ちょうどその時、ベネディクト・ハンティントン本人が彼らの前に現れ、アヘン窟にいるほとんどの男たちが実は変装したEITCのエージェントであることを明かした。フェンとチンは自動的にお互いを裏切り者だと非難したが、リャン・ダオがエージェントの中から突然現れ、ハンティントンに待ち合わせ場所を教えたのは自分だと明かした。その後、海賊とEITCのエージェントの間で大規模な戦闘が勃発した。戦闘中、ハンティントンは拳銃でフェンを撃とうとしたが、リアンと妹のパークは身を投げ出し、なんとか主人を弾丸の進路から外した。最終的に、フェンとスパロウの乗組員は両方とも街から脱出することができた。シャドウゴールドの探求の終わりまでに、サオフェンはシャドウデイに参加した。 南シナ海の新たな海賊長として、フェンはシンガポールの浴場に住み、そこから皇帝のように領土と戦士を統治した。スパイのネットワークに支えられた彼の帝国は大きな影響力を持ち、フェン自身もジャンク船の大艦隊を管理していた。不明な経緯から、サオフェンは謎の航海図、死者の国への地図を手に入れ、叔父の寺院に保管した。 スパロウの死後、ウィル・ターナーがシンガポールに到着し、サオ・フェンの叔父の寺院に侵入し、フェンの航海図を盗もうとした。ウィルは捕らえられ浴場で監禁され、フェンは泥棒仲間の到着を待った。仲間の海賊長ヘクター・バルボッサとエリザベス・スワンが到着し、フェンはすぐに連れて行かれた。しかし、東インド貿易会社の兵士が街で目撃され、部下を下水道でしか移動できなくなっていたため、フェンは疑いを抱き続けていた。会談中、バルボッサはフェンの航海図を手に入れようとし、シンガポール海域を安全に通過できる船を要求した。フェンはそもそもなぜ自分の海図が必要なのかと尋ねた。バルボッサは話題を変えようと、海賊評議会にフェンを召喚し、世界中で組織的に海賊を根絶していた東インド貿易会社に対して何をすべきかを決めようとした。フェンは東インド貿易会社との全面戦争に踏み切ることをためらっていたため、エリザベスはフェンを臆病者と断定し、仲間の海賊が死ぬ間、彼は浴場に隠れていたと主張した。フェンはこの発言に激怒したが、エリザベスの断固とした態度に感銘を受け、落ち着きを取り戻して反撃しなかった。 フェンは代わりに、バルボッサがまだ海図が欲しい理由を言っていないことを指摘した。フェンはまた、海図が盗まれそうになったその日に海図を要求してくるのは奇妙だと思うとも言った。そして、水たまりに閉じ込めていたウィル・ターナーを客たちに明かした。バルボッサはフェンにウィルは仲間ではないと言ったが、フェンがウィルを殺そうとしたときエリザベスは息を呑んだ。フェンは彼らが嘘をついていたことに気づき、なぜ海図を手に入れるためにそこまでするのかと尋ねた。バルボッサとエリザベスは答えることを拒否したが、ウィルは海図がジャック・スパロウをデイヴィ・ジョーンズのロッカーから救出するために必要だったと明かした。スパロウが過去に自分を侮辱したことを思い出したフェンは怒り、ジャックは死んだままでいてほしいと宣言した。 バルボッサとエリザベスに向かって床板から武器が投げつけられると、会談はより緊迫したものになった。フェンは兵士たちの中に偽のタトゥーを入れた見知らぬ男がいることに気づいた。間違いなくスパイだ。フェンはその男を捕まえ、バルボッサが武器を捨てなければ殺すと宣言した。しかしバルボッサは、スパイは自分のものではないと主張してフェンにその男を殺すようけしかけた。その瞬間、その男の本当の雇い主が姿を現し、東インド貿易会社の兵士たちが浴場のドアを突き破ってフェンの部下に発砲した。小競り合いがエスカレートするにつれ、全面戦争へと発展し、その戦闘はシンガポールの街路にまで広がった。フェンのボディガードであるリアンおよびパークが、会社兵士の分遣隊のリーダーであるマーサーに殺された直後、フェンは撤退を命じた。フェンはその後ウィル・ターナーと対峙し、取引を持ちかけた。ウィルは生きたジャック・スパロウを引き渡し、フェンはそのジャック・スパロウに対して復讐を果たすが、その代わりにスパロウの船であるブラックパール号を拿捕したらウィルを船長にするとフェンは約束した。フェンは同意し、海図をウィルに渡し、バルボッサにハイ・ペンを渡して無傷で立ち去らせた。フェンが計画を遂行できるよう、彼は副官で中尉のタイ・フアンを同行させた。 サオ・フェンは小島の沖で浮上したばかりのブラックパール号を拿捕し、タイ・フアンにバルボッサの乗組員を襲撃して引き渡すよう合図した。その後、彼の乗組員はパール号を奪い、ウィル・ターナーに引き渡した。フェンはジャックに「かつて大きな侮辱を与えた」と挨拶する。ジャックはそれを否定しようとして身を守ろうとしたが、フェンはジャックの鼻を殴る。HMSエンデバー号がすぐに彼らに加わり、フェンはジャックをベケットに引き渡した。フェンはまたも裏切りの標的となった。マーサーが約束を破り、ブラックパール号を東インド貿易会社に差し出したのである。これとバルボッサのなだめる言葉により、フェンはついにベケットと会社との戦いに加わることを決意した。フェンはバルボッサがエリザベスとともにエンプレス号に戻れるなら逃がすことに同意した。フェンは彼女を人間の形をした海の女神カリプソだと信じ、彼女の伝説的な激しい性質を自分で試してみたいと考えた。バルボッサとエリザベスはウィルの反対を押し切って同意し、フェンは「カリプソ」と思われる女性を連れて彼の船に乗り込んだ。女帝はエンデバー号に舷側砲を発射し、意図せずしてジャック・スパロウがベケット卿から逃げる手助けをした。 エンプレス号の船上で、サオ・フェンは新しい双子の助手にエリザベスに美しいシルクの衣装を着せ、自分の客室に客として招いた。ここで彼は、エリザベスを一目見た瞬間からカリプソかもしれないと思ったこと、そしてそれ以来の彼女の行動がそれをさらに確信させたことを認めた。しかし、エリザベスは彼の誘いを無視し、彼の顔を殴った。誘惑されたフェンはエリザベスに無理やりキスをし、彼女はキスしようとして彼の唇を噛んだ。混乱のその瞬間、エンプレス号は、東インド貿易会社のエージェントであるジェームズ・ノリントン提督の指揮下にあるデイヴィ・ジョーンズの旗艦フライング・ダッチマン号の攻撃を受けた。ダッチマン号は、エンプレス号を捕まえるためにベケットによって派遣され、フェンの船に発砲しました。砲弾がフェンの船室を貫通し、彼を木片に押し返し、体に突き刺さった。エリザベスにエンプレス号の船長の証である翡翠の首飾りと船長の権限を託し、息絶えた。
- エリザベス・スワン
- サオ・フェンから海賊長の座を託された。→詳細は「§ エリザベス・スワン」を参照
- キャプテン・シュヴァル (Capitaine Chevalle)
- 演:マーセル・ユーレス
- 第3作に登場。地中海の王。フランスの貿易都市マルセイユ出身。顔に白粉をつけ貴族的な振る舞いをしているが、これにより海賊仲間からは嫌われている。彼は、ヨーロッパの裕福で弱い貿易船や、メキシコからスペインに戻る財宝を積んだ船団を略奪の対象にしている。主に、新世界(アメリカ周辺)のカリブ海に面したフランス植民地(モントセラト、ハイチ等)と旧世界(ヨーロッパ)の間で取引を行なっている。新世界から戻るビジャヌエバのスペインの財宝船を狙ったりした。旗艦は大砲を16門搭載したファンシー号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、スペードのクイーン。東インド会社での懸賞金は6000ギニー。
- 経歴
シュヴァルは元フランス貴族で、地中海の海賊長であった。シュヴァルが海賊になったのは家族が全財産を失ったとも海賊行為で王室から罰せられて家族が財産を失ったからなのかは不明である。彼は海賊船ファンシー号でヨーロッパの弱小貿易船や富裕な貿易船を略奪する一方で、モンセラートやハイチなどのフランス領カリブ海植民地で旧世界と新世界の間で貿易を行っていた。また、メキシコなどの地から帰ってきた仲間の海賊長エドゥアルド・ビジャヌエバ船長のスペイン宝物船団を略奪したこともある。彼は、フランス海域での海賊行為、スイス銀行からの窃盗未遂、陸上と海上の両方でのフランス資産の汚損と破壊などの罪で、東インド貿易会社から生死を問わず指名手配されていた。第4回評議会の前に、シュヴァルは苦境に陥り、ある時点でカトラー・ベケット卿の指揮下にあるイギリス海軍に捕らえられた。シュヴァルは裁判にかけられ、現在東インド貿易会社の管理下にあるポートロイヤルの町にあるチャールズ砦で絞首刑を宣告された。幸運はジャック・スパロウをポートロイヤルに送り、そこで神秘家ティア・ダルマと会い、シュヴァルの悲惨な状況をジャックに告げた。そこでジャックは砦に向かい、シュヴァルを救出した。救出の条件として、ジャックはシュヴァルに難破船都市の評議会に加わるよう要求した。救出に感謝したシュヴァルは同意し、2人の海賊がポートロイヤルから脱出し、後に他の評議会の海賊長と合流するときにジャックに別れを告げた。ジャックがシュヴァルを絞首刑から救った経緯については、2つのことが描かれている。処刑の前に、シュヴァルは柵の中に閉じ込められ、ポートロイヤルの住民から果物や野菜を投げつけられ、シュヴァルは憤慨した。ジャックは囚人を独房から解放して気をそらし、彼らの脱走を隠すために庭に火薬を撒き、援軍を阻止するために庭への入り口を塞いだ後、柵の支えを弱めてシュヴァルの解放を容易にした。もう一つのよく知られた出来事は、ジャック・スパロウとウィル・ターナーがモンタナリの助けを借りてフォート・チャールズに密輸したことだ。シュヴァルの処刑中に絞首刑執行人の縄が切れ、ジャック・スパロウ自身が妨害していたことが明らかになった。脱出をタンジールでの一夜の報酬の一部とみなしたジャックは、シュヴァルを救出しフォート・チャールズから脱出した。シュヴァルは乗組員と再会し、難破船入り江へ航海して評議会の会合に加わった。会合中、ビリャヌエバがシュヴァルに拳銃を突きつけたとき、シュヴァルはビリャヌエバの顔面を殴った。シュヴァルは、解放されたカリプソは機嫌が悪くなる可能性が高いという理由で、ヘクター・バルボッサ船長のカリプソを解放するという案に反対した。また、2代目の海賊王が選出される可能性は低いと考え、難破船入り江で戦争が終わるのを待つというマダム・ チンの案を支持した。シュヴァルは新しい王を選ぶとき、自分自身に投票したが、エリザベス・スワンが勝利し、新しい地位に就くと、東インド貿易会社に宣戦布告した。しかし、ベケット卿は彼らの出発を遅らせるために、彼らに対して黒衣の軍団を派遣していた。シュヴァルはカンパニーの軍隊との対決を回避し、無事にファンシーに戻ることができた。難破船入り江を出ると、兄弟たちはベケット卿の全艦隊と対峙した。スワン王はカンパニーと交渉したが、無駄だった。スワンは艦隊に旗を掲げるよう命じ、シュヴァルは渋々旗を掲げ、厳しい不安感をもって艦隊を見渡し、艦隊が生き残れるかどうか非常に疑わしいようだった。入り江内での防御という彼のお気に入りのアイデアが最初からより良い決定であったと考えたのだ。シュヴァルは後にカリプソの大渦巻の周りでの戦いを目撃し、デイヴィ・ジョーンズとベケット卿の死後、乗組員たちと祝った
- ミストレス・チン (Mistress Ching)
- 演:タカヨ・フィッシャー/片岡富枝
- 第3作に登場。太平洋の王。夫の死後、中国の海賊を束ねる。盲目ながら9人の中では唯一の女海賊である。何百隻もの船からなる艦隊を指揮し、日本と中国の間での密輸貿易によって不当に利益を得ている。捕らえた敵の首を刎ねたり拷問することで知られている。売春宿と賭博場を経営しており、記念品として耳を削ぎ落とす。上海を拠点として、恐怖による圧制で中国沖を支配している。旗艦は艦載する大砲の数も名前も不明。感情的になると叫ぶ癖がある。伝説の海賊の証である「銀貨」は、眼鏡。東インド会社での懸賞金は3400ギニー。
- 吹替えや字幕での名前は「マダム・チン」。
- 経歴
チンの幼少期については、チンの夫の愛人であり中国を拠点にしていたということ以外ほとんど知られていない。中国沿岸の海賊行為は長く利益を生む伝統があったため、チンは海の首都である上海で快適な暮らしを送っていた。 経緯は不明だが、チンは太平洋の海賊王となった。この盲目の女性の「8枚の宝」は眼鏡だった。多数の船団を率いたミストレス・チンは、夫の死後、中国の海賊連合を統制し、沿岸各地を恐怖で支配した。日本と中国の間で密輸された貿易品で不当に利益を得ていたチンは、七つの海のうち5つの海を航海したことでも知られていた。彼女はまた、大規模な売春宿や売春宿のチェーンを所有していた。 彼女の海賊は敵を犠牲にすることで知られており、斬首が好まれた拷問であった。しかし、ミストレス・チンについて知られていることについては、彼女が完全に視覚を失っていたかどうかなど、矛盾がある。彼女はまた、海賊ジャンクの大規模な艦隊を指揮する冷酷な中国の海賊として描写されているが、あるいは数千隻の船で構成されていた。 それでも、彼女は十分な数のジャンク船を指揮し、領土の入り口を守るために数隻を残し、その命令に従ってこの道にやってくる商船を略奪し、ライバルの海賊を追い払った。チンは、無数の村を略奪し、土産のために耳を切り落とし、売春宿と賭博場を経営し、秘密結社と協力して地元の商人から組織的に金をゆすり取ったなどの罪で、東インド貿易会社から生死を問わず指名手配されていた。賞金は3,400ギニーだった。海賊の黄金時代のある時期、はぐれ海賊が公海の商船を脅かし始めたとき、チンは難破船都市の大会議室で開かれた海賊長たちの非公式会議に出席していた。会議に出席した海賊長たちは全員、ヨーロッパの海軍が海賊に宣戦布告するのを防ぐため、はぐれ海賊に対して行動を起こすことに同意した。会議中、彼女は若き海賊ジャック・スパロウを海賊長ドン・ラファエルとその孫娘エスメラルダに紹介した。数日後、ジャック・スパロウが海賊長ボルヤ・パラチニクを悪党の一人として告発すると、エドワード・ティーグ船長 は正式な調査法廷を招集した。チンは難破船入り江の他の海賊長全員とともに法廷に出席した。彼女は、ボルヤの有罪を肯定または否定できる海底王国の超自然的支配者であるデイヴィ・ジョーンズを召喚する案に賛成した者の一人だった。 その後まもなく、ミストレス・チンはシャドウ・ゴールドの探索に参加した。彼女はシャドウ・ゴールドの小瓶を持っていたため、キャプテン・ジャック・スパロウとブラックパール号の乗組員の訪問を受けたが、スパロウの乗組員とは対立していた。チンは後に他の評議会の海賊長たちと共にシャドウ・デイに参加した。 死者の宝箱の捜索が行われている頃、ミストレス・チンは友人と思われる海賊長エドゥアルド・ビリャヌエバとともにトルトゥーガで売春宿を経営していた。チンは、デイヴィ・ジョーンズの心臓を探すためにトルトゥーガで乗組員を集め、また難破船街の秘密会議に出席する海賊長を集めていたジャック・スパロウと対峙した。2人の海賊長を秘密会議に出席させようと考えたスパロウは、ビリャヌエバをトルトゥーガの街中で追いかけ、戦う気満々のチンを追い詰めて決闘を挑んだ。白熱した決闘の最中、スパロウはチンの頭をゴングにぶつけ、気絶させて倒した。回復すると、チンとビリャヌエバの二人は海賊長の集会に参加することに同意し、最初はヘクター・バルボッサの召喚に抵抗したものの、難破船都市に向けて出航し、評議会の第4回会合に出席した。会議中、ミストレス・チンは人の言葉の重みを誰よりもよく知っており、キャプテン・バルボッサの派手な演説を軽蔑した。また、彼女は新しく任命されたキャプテン・エリザベス・スワンの、カトラー・ベケット卿 と東インド貿易会社の艦隊と戦うという考えにも反対した。評議会は要塞のような難破船入り江の中にいれば安全だと信じていたが、ジャックが評議会は互いに殺し合うだろうと指摘すると、この考えを捨てた。しかし、投票によってスワンが評議会の海賊王に選ばれた後、彼女は全面戦争の考えを支持した。 東インド貿易会社は評議会に対してブラック・コートの部隊を送り、彼らは海賊長たちを互いに引き離して攻撃した。ミストレス・チンとビジャヌエバはマーケット・エリアに閉じ込められた。彼女たちはブラック・コートとブルー・コートの兵士たちと戦った。ジャック・スパロウの助けにより、彼らは兵士とブラック・コートを倒し、船にたどり着いた。彼女と乗組員は後にカリプソの大渦巻きの戦いを目撃し、デイヴィ・ジョーンズとベケット卿の死後、乗組員と祝った。この闘いの後、ミストレス・チンは正式に引退した数少ない海賊船長の一人となり、裕福な女性として広州に定住し、隠居生活を送った。
- アモンド・ザ・コルセア (Ammand The Corsair)
- 演:ガッサン・マスード
- 第3作に登場。黒海の王でトルコ人。北アフリカ沿岸を中心に活動し、黒海に栄えるバーバリー海賊を使って、キリスト教徒の乗る貿易船に海賊行為を行なっている。オスマン帝国と連合して、トルコからモロッコを超える地域の支配をたくらむ。また、コルセアと呼ばれる国家公認の組織化された海賊船の一団を持つ。旗艦は大砲を10門搭載したジーベック艦のSeref号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、ブランデーの盃。東インド会社での懸賞金は4400ギニー。
- 経歴
アモンドの生い立ちや海賊としての経歴についてはあまり知られていないが、彼が前任の海賊長とその乗組員全員を、シミターと致命的な技術のみを使って一人で殺害し、黒海の海賊長になったと伝えられている。旗艦セレフ号から、アモンドは、地中海でキリスト教徒の「異教徒」の貿易船を強奪する組織化されたイスラム教徒の私掠船の緩やかな連合であるバルバリア海賊を率いた。彼はオスマン帝国と力を合わせ、モロッコからトルコ、時にはその先まで地域を支配した。彼は時々アドリア海に航海し、その海域を統括する仲間の海賊長ビリャヌエバの怒りを買うこともあった。 バルバリア海賊は、アドリア海を巡回するビリャヌエバのスペイン宝物艦隊と頻繁に戦った。アモンドは、教会に対する犯罪、教会の財産の盗難、修道女への暴行、バーバリ海岸での海賊行為などの罪で、東インド貿易会社から生死を問わず指名手配されていた。賞金は4,400ギニーであった。アモンドはヘクター・バルボッサの召喚に応じ、難破船街で他の海賊長たちと評議会を開いた。しかし、そこに着くとアモンドは心変わりし、評議会の会合に出席することを拒否した。キャプテン・ティーグはジャック・スパロウを派遣し、彼を探し出して戻るよう説得させた。しかしアマンドは頑固で、決闘が勃発した。乗組員の一人がスパロウにココナッツを投げつけたにもかかわらず、アマンドは最終的に敗北し、しぶしぶ会合に出席した。会議で、キャプテン・バルボッサが評議会に海の女神カリプソを解放すべきだと提案した時、アモンドは怒り、提案したバルボッサを撃つとさえ提案した。それ以外では、アモンドは会議中非常に静かだったが、それはおそらく彼がそもそも出席を強制されていたからだろう。評議会が新しい海賊王に投票したとき、アモンドは自分に投票した。しかし彼はこれに敗れ、エリザベス・スワンが海賊王になった。彼女はその後、海賊行為を根絶しようとしていた(そして成功していた)東インド貿易会社に宣戦布告した。しかし、東インド貿易会社が彼らの前にいて、ブラックコートの小部隊が数十人のブルーコートの兵士を従えて難破船入り江に侵入した。機動部隊は海賊長たちを互いに引き離して攻撃した。アモンドとスリ・スンバジーはタバーン・スクエアで持ちこたえました。仲間の海賊とジャック・スパロウの助けを借りて、彼らは襲い掛かってきた軍隊を打ち負かすことができた。その後、アマンドと彼の乗組員はセレフ号に乗り込み、東インド貿易会社の総督、カトラー・ベケット卿 の船とフライング・ダッチマン号を迎え撃つために出発した他の兄弟たちとともに出発した。評議会にとって不幸なことに、敵はエンデバー号とダッチマン号だけではなく、ベケットの全艦隊が彼らの前に立ちはだかっていた。撤退するには遅すぎると悟ったエリザベスと2人の外交官がベケットとの交渉に派遣された。どうやらこれは何の効果もなく、戦いは避けられないと思われた。エリザベスは艦隊に旗を掲げるよう命じ、アモンドも誇らしげにそして熱心に旗を掲げ、戦闘の準備を整えた。しかしその直後、空は暗くなり周囲に嵐が発生し、2つの艦隊の間には巨大な渦巻きが形成された。アマンドと乗組員はヘクター・バルボッサの船ブラックパール号が渦巻きに突入し東インド貿易会社の旗艦フライング・ダッチマン号と戦うのを見守った。その後、彼らはダッチマン号の船長デイヴィ・ジョーンズとベケット卿自身の敗北を祝い、アモンドは小さなダンスを踊った。ベケットの死とエンデバー号の破壊により、残りの艦隊は散り散りになって撤退した。彼のその後の運命は不明である。
- ジェントルマン・ジョカルト (Gentleman Jocard)
- 演:ハキーム・ケイ=カジム
- 第3作に登場。大西洋の王。ニューオリンズの奴隷出身海賊。ミシシッピ川とメキシコ湾の両方へアクセス出来るニューオリンズの港を拠点としている。彼の人生の多くが神秘と超自然で満ちている。ジョカルトと言う名前は、彼が奴隷生活から逃げた後、元の主人から取ったものである。旗艦は大砲を22門搭載したフリゲート艦のレンジャー号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、タバコカッター。東インド会社での懸賞金は3600ギニー
- 経歴
ジョカルト1680年代に生まれた。彼の過去については、サミュエル王によって紳士ジョカールに奴隷として売られ、料理が上手だったことからゴンボとして知られるようになったということ以外ほとんど知られていない。彼の故郷はルイジアナ州の港町ニューオーリンズで、慈善的で海賊行為に積極的なことで知られていた。ゴンボはジョカールの他の奴隷、特にマーカスと親しかった。ある日、ゴンボはタバコ農園で奴隷反乱を起こし、主人を殺害し、農園が燃える中、仲間の奴隷たちを解放した。しかし、警備員の追跡、犬の吠え声、野原の向こうから響くライフルの銃声のために、彼は逃げざるを得なかった。逃亡奴隷であり、奴隷反乱を率いたために、ゴンボは今や逃亡者となった。シャドウ・ゴールドを探す冒険の初めに、ジャック・スパロウ船長とブラックパール号の乗組員がボートを川下に漕いでいたとき、奴隷の反乱が起こり、銃声が鳴り響き、犬がゴンボを追いかけるのを耳にした。ゴンボは長い熊手を持ち、草むらを駆け抜け、ボートの上に立っているジャックを見つけた。ゴンボは立ち止まって許可を求めることもせず、ボートに向かって勢いよく進み、ボートに乗り込んだ。一等航海士のヘクター・バルボッサの反対にもかかわらず、スパロウ船長は逃亡奴隷のゴンボを自分の海賊船に乗せてニューオーリンズから逃亡させ、ブラックパール号の乗組員として迎え入れた。<ブラックパール号>に乗っていた間、ゴンボは船のコックとして働き、少なくとも1回はジャンバラヤを作った。ジャック・スパロウはそれを「素晴らしい」と評し、ジャン・マグリオーレの「いとこ」であるマルセラとは問題があったものの、友人となった。ブラックパール号はレンジャー号という船に追われたが、後にその船はゴンボを探している逃亡奴隷の乗組員であることが明らかになった。コックは友人のマーカスが、逃亡奴隷たちが農園を焼き払い、元の主人の船を盗み、ゴンボが自分たちを自由に導いてくれたのだから他の誰にも従うことはできない、と新しいリーダーとして率いてほしいと望んだ話をするのを聞いて、信じられないと目を瞬いた。コックは驚き、ジャックの口を挟むのを無視して申し出を受け入れ、船長になれて光栄だと思い、レンジャー号の逃亡奴隷たちから大歓声が上がった。ジャックは賢明な表情でゴンボに、「ゴンボ」のような名前では威厳がないので船長にはなれないと忠告した。ゴンボは強い決意でかつての主人の名を継いだ。ジャックと他の乗組員は、パール号のコックが熱心な乗組員に船まで漕がれていく間、手すりのところで手を振って別れを告げていた。ゴンボは、カリブ海で最も新しい海賊船長、ジェントルマン・ジョカードとして、自分の海賊船の船長として出発していた。マルセラは不機嫌に、これでよかったと思っているが、ビリー・ターナーはジェントルマン・ジョカードは素晴らしいと信じており、ジャックはまた彼に会える気がすると語った。わずか数か月で、レンジャー号の船長であるジェントルマン・ジョカードは、リベルタリア周辺の海域で最も繁栄し、尊敬される海賊の一人となった。ジョカルトは、キャプテン ・ティーグが海賊長をもてなしているとの知らせを受けた。大西洋の海賊長であるサミュエル王だと思い込んで、ジョカルトはティーグの屋敷を襲撃したが、それはティーグの息子で カリブ海の海賊長であるジャック・スパロウ船長だった。彼らは協力してサミュエル王を襲撃した。2人とも彼に何かを欲していたからだ。スパロウはシャドウ・ゴールドの小瓶を欲しがり、ジョカルトはサミュエルへの復讐を望んだ。サミュエルの砦への襲撃は成功し、ジョカルトはサミュエルに復讐して8つの金貨を盗み、大西洋の海賊長となった。ジョカルトはシャドウ・デイにも居合わせた。ジェントルマン・ジョカードは、未知の不可解な状況により、漂流する死者かブラック・バートに捕らえられ、デイヴィ・ジョーンズのロッカーに送られた。ジョカードはロッカーから解放される望みを失っていたが、別の捕らえられた海賊長、ジャック・スパロウがジョカードを追跡し、捕らえた者たちと決闘した。スパロウが決闘に勝ち、ジョカードは牢獄から解放された。ジョカードは未知の方法でロッカーを脱出し、乗組員と再会して海賊行為を再開した。ヘクター・バルボッサに召喚された後、紳士ジョカードは難破船入り江へ向かい、評議会の第4回会合に出席した。会合でジョカードは、カリプソを解放するというヘクター・バルボッサの考えに反対した。カリプソが過去に評議会の敵だったなら、解放された後も評議会の敵になるだろうと考えたからである。また、その考えを提案したバルボッサの舌を切り取るよう評議会に提案した。新しい海賊王を決める投票でジョカードは自分に投票したが、エリザベス・スワンに2票差で敗れ、エリザベス・スワンは東インド貿易会社に宣戦布告した。しかし、最初に攻撃を仕掛けたのは東インド貿易会社で、彼らはブラックコートの部隊を派遣して彼らに対抗した。ジョカールは混乱から逃れ、無事に船にたどり着いた。その後、彼は残りの艦隊と共に出航し、会社の艦隊と戦闘になった。ジョカールと彼の乗組員は、自分たちが10対1で数的に劣勢であることに不満を抱いた。2つの艦隊が砂州で交渉した後、戦闘が始まった。2つの艦隊の間に大きな渦巻きが形成され、ブラックパール号とフライングダッチマン号が巨大な渦の中で戦いに臨んだ。パール号が勝利し、 HMSエンデバー号が破壊されたことで、会社の残りの艦隊は遠くに散っていった。その後、ジョカールは乗組員と共に勝利を祝った。
- エドゥアルド・ビジャヌエバ (Eduardo Villanueva)
- 演:セルジオ・カルデロン/広瀬正志
- 第3作に登場。アドリア海の王でスペイン人。7つの海を旅して、フィリピンや南米の港への道を開いた。キャプテン・シュヴァルと競っている。バーバリー海賊(コルセア)と一緒に海賊行為のために外洋で剣を交える。海賊引退後は、ヨーロッパ貴族の一員となった。旗艦は大砲を44門搭載するセンチュリオン号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、割れたボトルの首。東インド会社での懸賞金は2000ギニー。
- スンバジ・アングリア(Sumbhajee Angria)
- 演:マーシャル・マネシュ
- 第3作に登場。インド洋の王でヒンドゥー教の僧でもある。部下からは、敬称の意味を込め"スリ"スンバジ(Sri Sumbhajee)と呼ばれる。自身の甲高い地声を隠すため、会話をする際は手下を通して喋らせている。領海を移動する金持ちの商船から略奪し、アラブ世界とインドの間で取引している。ボンベイの港を封鎖し、身代金を要求した。また、劇中での描写は無いものの超能力を使って戦うことが知られている。旗艦は大砲を8門搭載するOtter号。伝説の海賊の証である「銀貨」は、子牛の角の嗅ぎタバコ入れ。東インド会社での懸賞金は2800ギニー。
その他の海賊長
[編集]- エドワード・ティーグ
- マダガスカルの王。→詳細は「§ エドワード・ティーグ」を参照
- チンの夫 (Ching's husband)
- 太平洋の王。大艦隊を率いていたが、原因不明の死因で死亡し、作中時点では故人。彼の死後大艦隊は妻のマダム・チンが引き継いだ。
- ボリス・パラチニク (Борис Палачник)
- カスピ海の王で、ロシア人。バルボッサの後を継いだが、船の爆発で死亡した。
- ドン・ラファエル (Don Rafael)
- 18世紀のカリブ海の王で、スペイン人。
- レディ・エスメラルダ/エスメラルダ・マリア・コンスエラ・アンナ・デ・セビリア ( Esmeralda Maria Consuela Anna de Sevilla )
- 海賊の黄金時代のカリブ海の王。ドン・ラファエルの孫娘で、ラフェエルの死後に引き継いだ。
- リャン・ダオ (梁道)
- 南シナ海の王であり、サオ・フェンの兄。
フライング・ダッチマン号
[編集]- デイヴィ・ジョーンズ (Davy Jones)
- 演:ビル・ナイ/大塚芳忠
- 第2作から登場。幽霊船「フライング・ダッチマン号」の船長である。七つの海に君臨する超自然の統治者。顔が髭の様に無数のタコの足で覆われた姿で、右手の人差し指がタコの触手で左腕が蟹の鋏であり、右足が蟹の足で引きずって歩いている。「デイヴィ・ジョーンズの墓場」(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー) は英語で「海の底」を表す慣用句で、名前はここからとられている。牢屋の鉄格子など物体をすり抜けたりフライング・ダッチマン号から離れたブラックパール号に瞬時に移動したりする事が出来る。
- 彼に魂を売る契約を結ぶことで、死を先延ばしできたり何かと交換できたりする。そしてその契約期限が切れると、彼のフライング・ダッチマン号の船員として100年奴隷として働くことになる。ジャック・スパロウは過去にジョーンズに魂を売って13年間ブラックパール号の船長になることが約束された。第2作ではジャックに100人の奴隷を連れてくるか、100年間奴隷としてフライング・ダッチマン号で働くかを迫った。船長室でよくオルガンを弾いている。
- 彼は昔、勇敢な船乗りとして知られたが、ある時、海の女神カリプソに出会い恋をした。カリプソは愛を与える条件としてジョーンズに海で死んだ人間を天国へ送るという使命を与え、彼はそれを忠実に果たしたがカリプソは約束の場所に現れなかった。裏切られたと感じたジョーンズは最初の評議会で海賊長たちと共謀し、カリプソを人間の体に封じ込めた。しかし彼はそれでもカリプソを想い続けその苦しみに耐えられず自分の心臓を抉り出して、宝箱に納めた。また、失意と共に使命を放棄したために深海生物の姿に変えられてしまった。なお、ジョーンズの人間時の姿は『ワールド・エンド』でワンシーンのみ登場する。彼は難破船やクラーケンを使い船を破壊させ生き残った水夫に脅しに近い契約を持ち掛け自分の船員(奴隷)にしている。
- ある時、ジョーンズはジャック・スパロウと取引し、ウィキッド・ウェンチ号を修復し、船長を13年間務めさせる代わりに、ダッチマン号での100年間の労働を約束された。返済期限が近づくと、彼は靴紐のビルをブラックパール号に送り込み、クラーケンを引きつける黒丸を付着させた。ジャック・スパロウとの再会の際、船長を務めることが出来たのは2年だけだったと言い訳するジャックに対し、船を指揮していないときも「"キャプテン"ジャック・スパロウ」と名乗っていたことを指摘し、三日の猶予を与え、ウィル・ターナーと残り99人の魂を集めるよう促した。やがてクラーケンを使ってジャックもろとも船を破壊した。
- 心臓が体外にあるため不死身である。ジョーンズの心臓は宝箱(デッドマンズ・チェスト)の中に納められており、クルーセル島に隠されている。またその箱の鍵はジョーンズ自身がタコ髭の中に隠し持っている。ジョーンズを殺すか従わせるかして彼との契約から逃れるためには、宝箱と鍵が必要なのである。
- 第2作では、ジェームズ・ノリントンの手によって、ジョーンズの心臓はカトラー・ベケット卿の手に渡っている。
- 第3作では心臓を所持しているベケット卿により協力を強いられ、渋々彼に従う。ジェームズ・ノリントンの死後、ベケット卿からの支配から解放されると考え、乗組員に東インド貿易会社の兵士を殺すように命じたが、チェストの鍵を守るマーサーが数人の兵士を従えていることが解り、マーサーの指揮を受け入れた。ブラックパール号との戦いの最中、自分の心臓の入った宝箱の鍵を持っているマーサーを殺し、再びダッチマン号の船長となり、ベケット卿指揮下のダッチマン号で、第4回評議会と戦う。その後宝箱を盗んだジャックとの激闘の末、宝箱をウィルに奪われそれを取り返すためにエリザベスとウィルを戦闘不能にする。父親の安否を盾にウィルを脅迫するが、逆に宝箱を開け心臓を取り出したジャックに脅される。しかし、最後の選択としてウィルの胸を剣で突き刺した。その後、ジャックが折れた剣をウィルに持たせて心臓を刺し、ジョーンズはカリプソの名前をつぶやきながら巨大な渦の中に落ちて行った。
- そして第5作ではエンドクレジットにてウィルの夢の中で彼に鋏を振り下ろすところでウィルが目覚めたが、ベットの下にはフジツボが落ちていたため、ポセイドンの槍が破壊されたことで何らかの形で蘇った可能性がある。
- ビル・ターナー(ウィリアム・ターナー・シニア) (William "Bill" Turner Sr.)
- 演:ステラン・スカルスガルド/柴田秀勝
- ウィルの父親。通称「靴ひもの(ブーツストラップ)ビル(Bootstrap Bill)」。顔や体にヒトデやフジツボ、サンゴ礁のような魚介類がくっついている。
- 生い立ち
- 17世紀末に誕生し、マン島で叔母のエリン、叔父のシェーマス、犬のクラムスと共に暮らしていた。故郷が危険に陥ると、彼はノースカロライナ行きの「シー・スター号」の手に入れた。しかしこれが英海軍の偽造であるとされ、シー・スター号の船長、デヴィッド・ドノヴァンに捕えられた。彼はそのまま投獄され、絞首刑にするためポート・ロイヤル行きの海軍の船へと乗せられた。しかしその途中で、「フルール・ド・ラ・モール号」の記録を回収しようとしていたアラベラ・スミスとジーン・マグリオールに救出された。ジーンとアラベラはアラベラの母親ローラ率いる乗組員の指揮下で働いていた。彼はうまく二人を説得して脱出し、信用を得るため記録を盗み出した。彼は「シー・スター号」が、マン島の枯渇に関与していたと知ると激怒した。怪物を殺した彼はドノヴァンと一等航海士を孤島に置き去りにした。そしてローラがキャプテンを務める「フルール・ド・ラ・モール号」の乗組員に加わると、ジャック・スパロウと出会ってキャプテン・トーレンツとの戦いに協力した。数年後、デイヴィ・ジョーンズによって海底から引き上げられたジャック・スパロウのブラックパール号の乗組員に加わった。彼はジャックが世界中に散らばったシャドウ・ゴールドのびんを見つけるのを手伝ったが、乗組員たちは気を滅入らせた。彼はついにノースカロライナにたどり着いたと話し、女性と結婚し息子(ウィル・ターナー)をもうけた。
- 第1作では名前のみ登場し、第2作から本格的に登場した。昔バルボッサの反乱に唯一反対していた。バルボッサたちとコルテスの宝を浪費し、アステカの呪いにかかった。バルボッサ達は呪いを解くため、宝を回収しなくてはならなくなった。しかし彼は、ジャック・スパロウへの義理を果たすため、呪いにかかった乗組員たちは呪われたままであるべきと考え、金貨1枚を息子の元へ送った。その結果彼はバルボッサによって靴紐に砲弾を括り付けられ海へ落とされた。だが、その時アステカの金貨の呪いが掛かっていたため死ねなかった。その永遠の苦しみの中、デイヴィ・ジョーンズに拾われて、契約を交わしフライング・ダッチマン号の船員となる。ジャックの13年間の契約が切れた事を伝えに行くため、ジョーンズの使者としてジャックのもとに送り出される。その後、フライング・ダッチマン号に乗り込んできたウィルと再会。その夜ジョーンズの宝箱の鍵を盗むウィルに協力し、ウィルを船から脱出させる。その後、自分の罪に気付いたジョーンズによって独房に閉じ込められる。
- 第3作では深海生物化が激しく進行しており、既に船の一部になりかけていた上に、思考回路もほとんど消え失せていた。船上での戦いでは息子のウィルの顔も覚えておらず、ただウィルに襲い掛かるだけであった。しかし、最終的にウィルのことを思い出し、息子を刺したデイヴィ・ジョーンズに飛びかかった。その後ウィルはジョーンズによって心臓を刺されたため、ウィルを新しい船長にするために心臓をえぐりだした。ウィルはその後船とともに復活し、ビルを含む船員は人間の姿へと戻った。ベケット卿を倒した後、新たなフライング・ダッチマン号の操舵手(吹き替えでは「舵取り」)として、船長となった息子のウィルについていく。
- マッカス(Maccus)
- 演:ダーモット・カーネイ→ステファン・スタントン/広瀬正志
- フライング・ダッチマン号の乗組員のなかで常時、ジョーンズの側に付き従っている一等航海士。顔は殆どシュモクザメと化し、背中からは背骨の様に足の生えた海老の腹が突き出ており左手が海老の足の様に鋭い。武器は主に斧。
- ハドラス(Hadras)
- 演:ホークワン・トセ
- 頭が巨大な巻貝に覆われており、顔が180度回転すると大きなヤドカリが出てくる。他の乗組員より首が弱いらしく、ジャックが投げたヤシの実で頭が捥げてしまった。頭と胴体は意識を共有していないらしく、頭を置き去りに身体だけ船に帰るようなこともある。第3作のブラックパール号との戦いで落ちてきたチェストにより頭が胴体にめり込んで、そのまま渦に落ち死亡した。武器は主にナックルダスター。
- コレニコ(Koleniko)
- 演:クライブ・アシュボーン
- 上半身と顔の右側が殆どハリセンボンになっている。片耳に大きなイヤリングを付け緑色のバンダナにケープの様な物を羽織っている。武器は主に剣。役職は航海長。
- パリフィコ(Palifico)
- 演:ウィンストン・エリーズ/江川央生
- 顔を含め全身がサンゴで眼球が無く、眼孔には目の代わりに一匹ずつ線虫が生えている。口らしき部分が見当たらないが、ジャックがクラーケンに倒された際、「船と沈んで逝く船長…(The captain goes down with his ship.)」と言葉を発している。二刀流。
- グリーンビアード(Greenbeard)
- 顔が殆どワニのようになり、口元に二枚貝が牙のように並んでいるなど人間の原型を殆ど留めていない。首を「パキッ」と鳴らすように傾ける癖がある。全身が他の船員よりも大量の海草に覆われており、ギリースーツのようになっている。児童小説版では甲板長を務めるが、映画版では獣のような声しか上げられないので操舵手になっている。第3作ではシンガポール海賊の一人を完膚無きまでに痛めつけていた。他の乗組員の大半と同じようにウィルが船長になったのを機に元の人間の姿に戻った。
- ジミー・レッグス(Jimmy Legs)
- 演:クリストファー・アダムソン/斎藤志郎
- フライング・ダッチマン号の甲板長。甲板での作業をジョーンズに代わって指揮し、失態を犯した乗組員には罰として鞭打ちをする。彼の鞭打ちは、打たれた箇所の肉が骨から削げ落ちるほどの威力があり、本人もこれを自慢している。デザイン画では操舵手。
- クランカー(Clanker)
- 演:アンディ・ベックウィズ
- 帽子を被り髪の毛が海草で顔の左半分がフジツボに覆われている。武器は主に鎖付きの鉄球。第3作でのブラックパール号との戦いでロープに飛びついたジャックにピストルで頭を殴られバランスを崩し、渦に突き落とされ死亡した。
- ペンロッド(Penrod)
- 演:ピーター・ドナルド・バダラメンティ2世
- 身体が殆ど海老と化してしまい、人間の面影が右腕と顔にしかない乗組員。ブラックパール号におけるマーティの様な立ち位置。
- ウィバーン(Wyvern)
- 長年、船にいた為に身体が船壁と同化している。普段は意識がなく、右腕は常にランタンを掲げている。フライング・ダッチマン号でビル・ターナーと話していたウィルに、「デッドマンズ・チェスト」について詳しく語ったが、その在り処に関してだけは秘密を貫いた。
- オギルヴィー
- 顔面がサンゴで覆われた大男。武器は剣とフック。ダッチマンの砲撃長を務めている。
- オールドハーヴィ
- 老人の水夫。武器はハドラスと同じナックルダスター。
- ホイールバック
- 背中に舵輪が突き刺さり、片腕が棍棒、片目は懐中時計になっている。武器は主にフックと斧。
- ツーヘッド
- 双子が一体化した水夫。武器は剣と斧とフック。腕が左右と前後合わせて四本ある。
- アングラー
- 頭がチョウチンアンコウになっている隻眼の水夫。
- マンレイ
- 頭がエイになっている水夫。斧と剣の二刀流を使う。
- モレイ
- 頭が完全にウツボとなっている。モレイというのはウツボの英名。バルボッサに頭を斬られ死亡。武器は剣と斧。
- フィネガン
- オコゼの頭をした水夫。武器は剣。
- クイッタンス
- 片手がヒトデ、口にはイソギンチャクが生えている異様な姿をした水夫。
- ブロンドンゲン
- 水死体のような見た目をしているが、胴体がシャコガイになっており、中から人骨が顔を覗かせている。
- キャノンアーム
- 頭がイソギンチャクで、片腕が大砲になっている。撃てるかは不明。
- ピパー
- 全身に穴だらけの珊瑚が生えている。かなり凶暴な水夫で、三日月刀をつかう。
- クラッシュ
- 両目が貝になっている水夫。武器は滑車とノコギリエイの吻。
- ジェリー
- 全身がクラゲに覆われている。武器は斧。
- アーチン
- ウニの棘が全身に生えている水夫。武器は巨大な木槌。
- ラトリン
- サンゴの体にロープが絡みついている水夫。武器は主に斧。
- アバロニー
- 頭がシャコガイになっている水夫。武器は貝でできた剣。アバロニーとは日本語でアワビを表す。
- ドリフトウッド
- サンゴの身体に、片腕がフリントロックピストルになっている水夫。撃てるかは不明。
- ハーマン
- 両目が貝になっている。斧を使う。
- クォーターマスター
- ヒトデの眼帯をしている。長剣をつかう。
- ラクマー
- 頭が深海魚になっている。斧を使う。
- フォントロイ
- エビの触覚を生やした水夫。斧を使う。
- タートルマン
- 作中には登場しなかった幻の乗組員。片腕から頭にかけてが完全にウミガメになっている。武器は斧とされていた。
アン女王の復讐号
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
- 黒ひげ (Blackbeard)
- 演:イアン・マクシェーン/勝部演之
- 第4作で登場する海賊。「アン女王の復讐号」(Queen Anne's Revenge)の船長。本名はエドワード・ティーチ。
- 一般の船乗りだけでなく海賊からも恐れられる史上最恐の海賊。18世紀に西インド諸島で猛威を振るった。アトランティスで鍛えられたと伝えられる「トリトンの剣」と呼ばれるカットラスを持ち、さらにその剣に埋め込まれた宝石の力によって、潮の流れ・風の流れも自由に操る事ができる。その為、彼は自他関係なく船を操り、風が無くとも自由に動かせる。さらにブードゥー教の秘儀らしき術の心得があり、呪いの人形を作ったり殺した部下をゾンビとして復活させ永久に仕えさせている。戦った相手の船を小さくし瓶に入れ集めている。冷酷無比な性格で、指示に背き勝手な行動をした船員は、娘のアンジェリカの訴えさえも無視して容赦なく殺す。第3作から第4作の間にバルボッサと戦闘し、ブラックパール号と片脚を奪った。
- 「2週間後に「義足の男」に殺害される」という予言を受け、それを回避するべく生命の泉を探す。遂に生命の泉にたどり着くも、バルボッサ率いるイギリス海軍とスペイン軍が現れ交戦。その最中、「義足の男」バルボッサに猛毒を塗った剣で背後から刺された。その後、命を取り戻す為にアンジェリカを犠牲にして生命の泉の水を飲むが、それはジャックの策略で、実はアンジェリカに命を与える水であった。そのためアンジェリカの命と引き換えに、自身が泉に寿命と肉体を奪われ白骨化し息絶えた。
- アンジェリカ (Angelica)/アンジェリカ・ティーチ (Angelica Teach)
- 演: ペネロペ・クルス/本田貴子
- 第4作で登場する女海賊。「アン女王の復讐号」の航海士で、黒ひげの娘。かつてはスペインの修道女で、ジャックとは恋愛関係にあった。
- 堕落したジャックにそそのかされた彼女は、神の道を捨て彼と海賊行為に走った。このロマンスを通して彼女とジャックは時として愛し合い、時として嘘に嘘、裏切りに裏切りで騙しあった。ふたりはお互いにレースや指輪を贈りあった。ジャックとの関係が終わっても彼女は容赦ない詐欺師として活動を続けた。やがてアンジェリカは父親である黒ひげと再会し「アン女王の復讐号」の一等航海士に就任した。
- ジャック・スパロウを騙って「アン女王の復讐号」の乗組員を集め、さらに生命の泉の在り処を知るジャック本人も捕え、父である黒ひげを死の予言から救おうとする。
- 父の死後は全てを失い、ジャックに自決用の弾が入った拳銃を渡され、無人島に置き去りにされた(その拳銃でジャックを撃つが、外してしまった)。その後、無人島に流れ着いたジャックのブードゥー人形を拾い、笑みを見せるシーンがある。
- スクラム (Scrum)
- 演:スティーヴン・グレアム/加瀬康之
- 第4作から登場する「アン女王の復讐号」の船員。バルボッサが船長になってからも船員を引き継ぐ。
- 第5作ではいつの間にかジャックの手下となっているが、ジャックやギブスからはぞんざいな扱いをされる事が多い。
- キャビンボーイ (Cabin Boy)
- 演:ロビー・ケイ
- 「アン女王の復讐号」の船員。
サイレント・メアリー号
[編集]- アルマンド・サラザール(Captain Armando Salazar)
- 演:ハビエル・バルデム/大塚明夫
- 第5作で登場。幽霊船「サイレント・メアリー号」の艦長。その顔は罅割れており、後頭部は損壊して無くなっている。
- 生前はスペイン海軍の艦長であり、海賊に家族を殺された経験から、この世のすべての海賊を滅ぼす「海の処刑人」として名を馳せた。海賊であれば無抵抗のものでも容赦なく殺害する冷酷さを持つ。また、襲撃した海賊船の乗組員の内、必ず一人を「生き証人」として生かして帰すという主義を持つ。しかし若き日のジャックの挑発に乗り、「魔の三角海域」に誘い込まれ、旗艦や部下たち諸共全滅する。
- 亡霊であるため普通の武器では倒すことはできず、鉄格子などもすり抜けることが出来る。船を襲う際は、船体の骨組みが剥き出しとなった「サイレント・メアリー号」の船首部を、蛇の鎌首のように持ち上げさせ、それを相手の船体に叩きつけて破壊する。船首の女神像も意思を持って動かせる他、幽霊鮫「ゴーストシャーク」を操ることも出来る。ただし、部下共々陸に上がることが出来ず、無理に上がろうとすると身体が霧散してしまう。
- 上記以降、「魔の三角海域」に囚われ続けていたが、ジャックがコンパスを手放したことで解放され、「ジャックへの復讐」と「全ての海賊を根絶やしにする」ために活動を始める。バルボッサ麾下の海賊をいくつも壊滅させ、バルボッサ本隊の海賊船アン女王の復讐号にも壊滅的な打撃を与えながら、ジャックを追い詰める。ブラックパール号襲撃の際にヘンリーを攫い、彼に乗り移りジャックたちを襲撃、海底に眠る「ポセイドンの槍」を手に入れるが、解放されたヘンリーに槍を破壊されたことで呪いが解け、生身の人間として復活する。その後、ブラックパール号の錨に引き上げられるジャックたちを追うが、バルボッサの捨て身の攻撃により錨から落下し、そのまま彼と共に海底へと呑み込まれていった。
- レサロ(Lesaro)
- 演:フアン・カルロス・ベイード
- サラザールの部下。第5作で登場。階級は大尉。眼帯をつけていて、他の乗組員と同様に亡霊となっている。作中では主に「サイレント・メアリー号」の操船を務める。
- 呪いが解けて生身に戻った後はサラザールと共にジャックたちを追うも置いていかれ、乗組員と共に海底に沈んでいった。
その他
[編集]- エドワード・ティーグ (Edward Teague)[1]
- 演:キース・リチャーズ/小林清志
- ジャック・スパロウの父。大海賊モーガンとバーソロミュー[2]が書き記した「海賊の掟」の番人。第3作から登場。
- かつては実力のある伝説の海賊であった。掟の従いに忠実であり、掟を犯す者は誰であろうと容赦しないため、ジャックを含めた9人の伝説の海賊達からも恐れられている。妻の干し首(頭部のミイラ)を携帯している。旗艦はミステリアス・レディ号。第4作では、ロンドンでジャックと再会し、「生命の泉」における儀式の準備についてアドバイスをした。
- ティア・ダルマ (Tia Dalma)
- 演:ナオミ・ハリス/高乃麗
- ブードゥー教の預言者。第2作から登場。
- 家の中は白い蛇など色々な怪しい物体で溢れ返っている。昔からジャックと関係があった。正体は海の女神カリプソであり、過去にデイヴィ・ジョーンズと再会する約束を破り、激昂したジョーンズと彼と取引をした9人の伝説の海賊達によって、人間の体に封じられた。
- 第2作の最後では自宅に来たウィル達に、クラーケンに飲み込まれたジャックを、世界の果てへ赴いて助け出そうと提案し、魔術で復活させたバルボッサを紹介する。
- 第3作で彼女の正体が判明する。難破船島で行われた評議会の後、バルボッサ達によって解放の呪文を唱えられ、ようやく解放された。ウィルに裏切り者がジョーンズだと告げられると、神々の言葉で海賊を侮辱し、無数のカニに分裂して海へと消えた。その後、急に天候が悪化し、海には巨大な渦ができ、ジョーンズはそれがカリプソの仕業だと考えた。
- タイ・フアン (Tai Huang)
- 演:レジー・リー
- サオ・フェンの手下。ジャック・スパロウ救出の旅に同行する。
- アンクル・ジャック (Uncle Jack)
- 演 : ポール・マッカートニー/内田直哉
- ジャック・スパロウのおじ。第5作に登場。英軍の牢屋でジャックと出会う。
- リアン、パーク
- 演:ミッチェル・リー、エイドリアン・リー
- 側近兼あんまとしてキャプテン・サオ・フェンに仕えた双子。ブラックパール号、エンプレス号で乗組員をした。鉄の箸や鉄の扇子といった変わった武器を使用する。シンガポールの東インド貿易会社との戦いにて死亡。
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドのキャラ
[編集]処刑台
[編集]- 処刑台の少年(Cabin Boy)
- 演:ブレンダン・ベル
- 第3作に登場。
処刑台の少年は、カトラー・ベケット卿が七つの海の海賊を撲滅しようとしていた所、キャビンボーイとして働いていた。少年は、チャールズ砦で処刑された海賊と関係のある多くの人々のうちの1人であった。少年は絞首刑にされる前に「海賊の歌」を歌い、それが結果的にに海賊評議会の第4回会議の解散とベケット卿の敗北に繋がった。 経歴
処刑台の少年の生涯について作中では詳しく描かれていないため、詳細は不明であるが1710年代に生まれたとされている。少年はある時に海賊船の 船員として働き始めた。少年は東インド貿易会社によって投獄され、カトラー・ベケット卿 が制定した厳格な法令の下、死刑を宣告された。彼はポート・ロイヤルのチャールズ砦に連れて行かれ、中央の中庭の絞首台で絞首刑に処せられるために並んだ。 これに先立ち、少年は8ポンド硬貨を手に入れており、それがヘクター・バルボッサがシップレック・コーヴで海賊長を結集するよう呼びかけたことと共鳴した。 絞首刑の時を待つ間、少年は悲しげに「海賊の歌」を歌い始めた。死刑執行人は少年が絞首縄に届くように樽を見つけて、少年を樽の上に乗せて首にロープをかけた。その歌は集まった囚人全員によって歌われ、最後まで歌い終わると同時に執行人が処刑台のレバーを引き、少年は他の囚人と共に下に落下し処刑された。少年は執行と同時にコインを地面に落とした。
- 死刑囚の女性A(Death row woman A)
- 第3作に登場。海賊の乗組員又は海賊と関係を持つ頭にパーマをかけてドレス姿の女性で、東インド貿易会社によって投獄され、カトラー・ベケット卿 が制定した厳格な法令の下、死刑を宣告された。女性Aは他の海賊および関係者が絞首刑にされて行く中ゆっくりと進み顔を右側に傾けた。処刑台の少年が「海賊の歌」を歌うと一緒に歌い、その後処刑された。
- 死刑囚の女性B(Death row woman B)
- 第3作に登場。海賊の乗組員又は海賊と関係を持つ肩まで伸ばした髪とドレス姿の白人女性。東インド貿易会社によって投獄され、カトラー・ベケット卿 が制定した厳格な法令の下、死刑を宣告された。女性Bは処刑台の階段をゆっくりと登り、右から2番目の踏み板の上に立つと、手錠がはめられた両手を胸に当てて、祈るようなポーズを取る中、死刑執行人は女性Bの首にロープをかけた。その直後に執行人は踏み板のレバーを引き、女性Bは他の死刑囚と共に地上に落下し処刑された。
家族
[編集]スパロウ家
[編集]- ジャック・スパロウ
- 本作全ての主人公。→詳細は「ジャック・スパロウ」を参照
- エドワード・ティーグ
- ジャック・スパロウの父親。→詳細は「§ エドワード・ティーグ」を参照
- ジャック・スパロウの母
- ジャック・スパロウの母親であり、ティーグの妻。ジャックの母親の生涯についてはあまり描かれていないが、台風の船上で息子ジャックを出産したことだけは知られている。母の死後、彼女の首は切り落とされ、縮められた。この恐ろしい彫像は彼女の夫ティーグの所有物であり、第4回評議会の直後に彼の息子ジャック・スパロウに受け継がれた。ジャックは母親の運命を知る前に父親に母親のことを尋ねており、干し首をベルトに縛り付けて常に持ち歩いていた。海賊との戦いの後半と若返りの泉の探索の間、干し首はジャックのベルトからぶら下がっていた。ジャックは後に、母親の首を、干し首商人のトレーダー・サムという知り合いに渡した。スパロウの母親はポリネシアンのサムのバーで「ぶらぶら」するのが好きだったようで、ジャックが首をサムに預けたのはそのためである。母の首は少なくとも20世紀半ばまではここに置かれていた
- ジャックおじさん/アンクル・ジャック
- 役 ポール・マッカートニー
- ジャック・スパロウの行方不明の叔父。
- ジャック・スパロウの祖母
- ジャック・スパロウの父方の祖母 →詳細は「§ ジャック・スパロウの祖母」を参照
- ヘイゼルおばさん
- ジャックのおばさん。詳細は不明。
- 「エース」ブランニガン
- 海賊の船長でジャックの叔父。彼は家族の「子供たち」から頻繁に集団で攻撃され、殴打されている。
- 「クイック・ドロー」マクフレミング
- ジャックの叔母。彼女はジャックの「おばあちゃん」をラム酒の大ジョッキで頻繁に襲っていた。
- ヴァレリー
- ジャックのいとこで、海賊。ティーグは彼女をとても尊敬しており、息子が彼女のようになることを望んでいる。
- メイベルトルード
- 凶暴な夢想家で、ジャックの祖母のいとこ。ジャックが8歳のとき、ジャックの祖母はジャックが船を燃やしそうになると予言し、その結果、彼女とティーグはジャックを監獄に閉じ込めた。
- スパロウ家の家長
- 家族との関係は不明だが、略奪した財宝の遺産を管理している。ティーグは常にこの男を倒してすべての略奪品を自分のものにしようと企んでいた。
ターナー家
[編集]- ウィル・ターナーの母
- フルール・ド・ラ・モール号の乗組員との冒険からしばらくして、ビリー・ターナーはこの女性と出会った。二人は恋に落ち、結婚した。ターナー夫人はビリーの古い友人の一人である悪名高い海賊ジャック・スパロウと出会い、二人でいくつかの冒険を共にした。ジャックは何度も若いカップルの命を救った。1710年代後半までに、ビリーと妻はスコットランドにいた。彼らはここで男の子を授かり、父親はその子をウィリアムと名付けたが、時には「ウィル」というあだ名で呼ばれることもあった。ウィリアムが生まれて間もなく、両親は植民地に移り、最終的にノースカロライナに定住した。ビリーは商船の船員としての仕事を見つけた。出航する少し前に、妻はビリーにハンカチを渡し、彼はその後の冒険の間ずっとそれを持ち続けた。しかし、ある航海で、彼の船はトルトゥーガ島沖でスペインの海賊に拿捕された。ビリーは島に取り残され、妻と連絡が取れなくなった。そこで彼はジャックと再会し、ブラック パール号に乗せて家族の元へ連れて行くと約束した。しかし、それは嘘だった。パール号はニューオーリンズへ、その後は南アメリカへ向かったからである。理由は不明だが、ウィルの母親は息子とともにイギリスに移住し、亡くなるまでそこで生涯を過ごした。
脚注
[編集]- ^ 名前は小説「自由の代償」第2章より。
- ^ バーソロミュー・ロバーツまたはバルトロメウ・ポルトゥゲスと思われる。