ホーレス・ホースカラー
ホーレス・ホースカラー Horace Horsecollar | |
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初登場 |
フォックス・チェイス(1928年/ビリーとして) ミッキーの畑仕事(1929年/ホーレスとして) |
作者 |
アブ・アイワークス ウォルト・ディズニー |
原語版声優 |
ピント・コルヴィッグ(1932年) ビリー・ブレッチャー(1933年) ビル・ファーマー(1990年 - 現在) |
日本語版声優 |
阪脩(1990年) 伊井篤史(2002年 - 2010年) 魚建(2017年 - 現在) |
詳細情報 | |
種族 | ウマ |
性別 | 雄 |
ホーレス・ホースカラー(Horace Horsecollar)は、1928年にウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで生まれたディズニーキャラクターである。ウマをモチーフとしたキャラクターで、目立ちたがり屋な性格を持つ。ミッキーマウスの親友の一人であり、ドナルドダックやグーフィーがメインキャラクターとして定着する以前は、ミッキーの相棒として多くの作品に登場していた。特にディズニー初期のモノクロ短編映画では重要な役割を果たし、普通のウマとしての姿から人間に近いキャラクターへと変身する描写が見られた。
ホーレスは1929年の短編作品『ミッキーの畑仕事』でミッキーの耕馬として初登場した[1]。同年末には『ミッキーの浮かれ音楽団』にも登場し、その後クララベル・カウやクララ・クラックとともにディズニー作品における脇役の常連となった。1931年の『ビーチパーティー』や1934年の『キャンプ・アウト』などでは、より重要な役割を担っている。近年では、テレビシリーズ『ミッキーマウス・ワークス』『ハウス・オブ・マウス』『ミッキーマウス!』『ミッキーマウス ミックス・アドベンチャー』などに登場している。
アニメーション
[編集]ホーレス・ホースカラーは1930年から1932年にかけてアニメーション作品に頻繁に登場したが、その後登場回数が減少し、1942年のオリジナル短編を最後に姿を消した[2]。この短編でホーレスの声を担当した声優については不明である[2]。
初期のホーレスは、ミッキーの四足歩行の耕馬として登場したが、後ろ足で直立歩行したり、前足を手袋をはめた手のように使ったりすることができた。また、四足歩行に戻ることも自由自在だった。出演した30本以上の作品ではほとんどが脇役としての登場だった。初期の『ディッピー・ドーグ』で描かれたグーフィーのように、ホーレスの体はゴムチューブのような柔軟な動きをする特徴を持っていた。クララベル・カウとともに、通常の使役動物から擬人化されたキャラクターへと変化する能力を備えていた。完全に擬人化されたウマとして初めて登場したのは1930年の短編『シンディグ』で、この作品ではクララベルとの最初のラブシーンも描かれた[3]。
ホーレスが最大の役割を果たしたのは、1934年の短編『キャンプ・アウト』で、ここでは主役として登場した。
1930年にディズニー・スタジオを去ったアブ・アイワークスは、自身のスタジオでホーレスに似たラバのキャラクター「オレイス」を制作した。
他の多くのディズニーキャラクターと同様に、ホーレスも後に『ミッキーのクリスマスキャロル』(1983年)や『ロジャー・ラビット』(1988年)でカメオ出演している。1990年の『ミッキーの王子と少年』では、王子(ミッキーの替え玉)の石頭な家庭教師として登場し、大きな役割を果たした。
テレビシリーズ『ハウス・オブ・マウス』では、クラブの技術者として繰り返し登場し、観客のために機械を操作したりアニメに出演したりしていた。
1990年以来、ホーレスの声はビル・ファーマーが担当している。ファーマーは『ミッキーの王子と少年』の収録中に監督から即座に依頼され、その場でホーレスの声を確立した。監督から求められた「貴族的でスノッブな雰囲気」を表現するため、ファーマーはベン・スタインとジム・バッカスを参考にしたという[4]。
1990年代には、『ディズニー・アフターヌーン』向けに制作予定だったテレビシリーズ『マキシマム・ホースパワー』でホーレスが登場する計画があった。このシリーズでは、1930年代後半に彼がアニメから姿を消した理由を描く予定だった。設定では、1939年にホーレスが脇役としての役割に不満を抱き、ミッキーが『ファンタジア』の一部に出演することを知り、自らも出演を求めるためウォルト・ディズニーのオフィスを訪れるというものだった。しかしその途中でエイリアンに拉致され、彼らの星でヒーローとしての役割を求められ、銀河の反対側へ連れて行かれるという内容だった。『マキシマム・ホースパワー』の企画は最終的に実現しなかった[5]。
その後、ホーレスは2013年のテレビシリーズ『ミッキーマウス!』や『ミッキーマウスとロードレーサーズ』にレギュラーキャラクターとして登場した。ここでは、キザなスペイン出身のレーサーとして描かれ、「ヒヒン」と鳴く特徴的なキャラクターとして親しまれている。
出演
[編集]短編作品
[編集]クララベル・カウとともに
[編集]- ミッキーの畑仕事(1929年)
- バーンヤード・コンサート(1930年)
- シンディグ(1930年)
- ミッキーの幌馬車時代(1930年)
- バースデー・パーティー(1931年)
- ブルー・リズム(1931年)
- バーンヤード・ブロードキャスト(1931年)
- ビーチパーティー(1931年)
- バーンヤード・オリンピック(1932年)
- ミッキー一座(1932年)
- ミッキーのフーピー・パーティー(1932年)
- タッチダウン・ミッキー(1932年)
- ミッキーの脱線芝居(1933年)
- ミッキーの名優オンパレード(1933年)
- キャンプ・アウト(1934年)
- ミッキーの芝居見物(1934年)
- ミッキーの大演奏会(1935年)
- ミッキーのアイス・スケート(1935年)
- ミッキーのグランド・オペラ(1936年)
- ミッキーの芝居見物(1941年/リメイク版)
- ミッキーの誕生日(1942年)
- ミッキーのオーケストラ(1942年)
- オール・トゥギャザー(1942年)
- ミッキーのクリスマスキャロル(1983年)
- ロジャー・ラビット(1988年)
- ミッキーの王子と少年(1990年)
- ミッキーのミニー救出大作戦(2013年)
単独出演
[編集]- フォックス・チェイス(1928年)
- ミッキーの浮かれ音楽団(1929年)
- カクタス・キッド(1930年)
- ファイヤー・ファイターズ(1930年)
- ドナルドのキツネ狩り(1938年)
コミック
[編集]ホーレス・ホースカラーは、1930年4月3日にミッキーマウスのコミックシリーズで初登場した[6]。脇役として登場することがほとんどだが、ヨーロッパのコミックブックでは数多くの作品で主役を務めている。これらの作品では、ミッキーの冒険に同行したり、クララベル・カウの愛人や婚約者として描かれるなど、他のコミックよりも大きな役割を果たしている。1931年と1932年に描かれたストーリーでは、クララベルとホーレスが婚約していたが、クララベルが一時的にグーフィーと関係を持ったこともあり、最終的に二人が結ばれることはなかった。
2003年から2008年にかけて、ホーレスを主役にしたヨーロッパ製のコミックが、アメリカのジェムストーン社から出版された。以下は主な作品のリストである。
- バンガローの王様(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ635話/2003年)
- 世界一のホレース(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ641話/2004年)
- ホーレスの秘密のヘルパー(ミッキーマウス266話/2004年)
- ホーレスの苦悩(ミッキーマウス268話,/2004年)
- クララベル・バギーの運転(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ651話/2004年)
- 失態バスに乗り込もう(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ652話/2005年)
- ブロックヘッズ(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ656話/2005年)
- ハイ・ホーレス(ウォルト・ディズニー・コミックス&ストーリーズ692話/2008年)
- 欺くより与える方がよい(クリスマス・パレード5話/2008年)
これらのコミックはデンマークで制作されたが、脚本はアメリカのステファン・ペトルチャ、サラ・キニー、ドン・マークスタインによって執筆された。
ゲーム
[編集]ホーレス・ホースカラーは、2000年に発売されたNINTENDO64用ソフト『ダンス・ダンス・レボリューション ディズニー・ダンシング・ミュージアム』で、レゲエ曲「太陽の楽園」のDJとして登場した。この際、ドレッドヘアのかつらをかぶり、カリビアン風の衣装を着用していた。
『キングダム ハーツII』では、タイムレス・リバーの世界でクララベル・カウやクララ・クラックなどのキャラクターとともに市民の一人としてカメオ出演している。また、『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』ではディズニー・タウンの住人として登場した。このほか、『ミッキーのアルティメット・チャレンジ』や『ランド・オブ・イリュージョン』にも登場している。
ホーレスは『ディズニー TH!NK ファスト』でプレイアブルキャラクターとして使用可能である。
『ディズニー エピックミッキー 〜ミッキーマウスと魔法の筆〜』および『ディズニー エピックミッキー2:二つの力』では主要キャラクターとして登場し、ウェイストランドに到着後、私立探偵となった。これらのゲーム内でホーレスはミッキーに多くのクエストを提供しており、その中にはクララベルとの関係を進展させるものも含まれている。
2016年には、ミッキー&フレンズをテーマにしたアンロック可能なプレイアブルキャラクターとしてクララベルとともに『ディズニー・クロッシー・ロード』に登場した。
ディズニー・パーク
[編集]2006年9月から2008年9月まで、ホーレス・ホースカラーはクララベル・カウとともに、ウォルト・ディズニー・ワールドのマジック・キングダムにあるタウン・スクエアでのグリーティングに登場していた。また、メインストリートで行われた「ファミリー・ファン・デー・パレード」にも参加している。しかし、このイベントが終了して以降、ホーレスが登場する機会は「ミッキーのブー・トゥ・ユー・ハロウィーン・パレード」や「ミッキーのワンス・アポン・ア・クリスマスタイム・パレード」、その他の特別イベントに限られるようになった。
東京ディズニーランドでは、ホーレスはパレードやショー、トゥーンタウンでのグリーティングなどに登場している。2023年9月にスタートしたステージショー「ザ・ダイヤモンド・バラエティマスター」では、クララベルとともにアメリカンバラエティショーを開催する役柄を務めている[7][8]。
アナハイムのディズニーランドでは、「キャラクター・ファン・デイズ・ウィークエンド」の一環として、ホーレスがクララベルとともにグリーティングに初登場した。
キャスト
[編集]英語版
[編集]- ピント・コルヴィッグ(1932年)
- ビリー・ブレッチャー(1933年)
- ビル・ファーマー(1990年 - 現在)
日本語吹替版
[編集]- 阪脩(1990年/『ミッキーの王子と少年』)
- 伊井篤史(2002年 - 2010年)
- 魚建(2017年 - 現在)
その他
[編集]- 初期の作品において、ホーレス・ホースカラーは主にいななき声や笑い声のみで表現されていたが、1980年代以降、セリフのある役が増えていった。
- 東京ディズニーランド内のトゥーンタウンでは、「ホーレス・ホースカラー・ジム」という名のジムを経営している設定となっている。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Patrick A. Malone: The Plowboy Archived 2007-09-10 at the Wayback Machine.. The Encyclopedia of Disney Animated Shorts Archived 2008-03-23 at the Wayback Machine.. Retrieved on September 2, 2007.
- ^ a b “Don Markstein's Toonopedia: Horace Horsecollar”. www.toonopedia.com. 2023年9月30日閲覧。
- ^ Grob, Gijs (2018). “The Shindig”. Mickey's Movies: The Theatrical Films of Mickey Mouse. Theme Park Press. ISBN 978-1683901235
- ^ "In the Hot Seat – Bill Farmer – Voice of Goofy", Communicore Weekly podcast, starting at 15:00.
- ^ Hill, Jim (2007年8月15日). “Tube Thursday : The “Disney Afternoon” shows that you didn’t get to see” (英語). Jim Hill Media. 2023年10月3日閲覧。
- ^ Gottfredson, Floyd; Disney, Walt; Gottfredson, Floyd (2011). Race to Death Valley. Disney Enterprises (Nachdr. ed.). Seattle, Wash: Fantagraphics Books. ISBN 978-1-60699-441-2
- ^ mtakeshi (2023年4月24日). “レストランショーが再開「ザ・ダイヤモンド・バラエティマスター」2023年9月1日スタート”. dpost.jp. 2023年10月3日閲覧。
- ^ “ディズニー新ショー「ザ・ダイヤモンド・バラエティマスター」9/1開始”. リセマム (2023年8月22日). 2023年10月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- ホーレス・ホースカラー - ディズニーキッズ