コキイロウラベニタケ
コキイロウラベニタケ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Entoloma atrum (Hongo) Hongo [1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
コキイロウラベニタケ |
コキイロウラベニタケ(濃色裏紅茸[4]、学名: Entoloma atrum)はイッポンシメジ科イッポンシメジ属に属する小型のキノコ(菌類)である。和名の濃色(こきいろ)とは、日本伝統色で黒みがかった深い紫色のことである[4]。食用不適[1]。
分布・生態
[編集]日本各地および韓国に分布する[1]。 腐生菌(腐朽菌、腐生性)[4]。初夏から初秋にかけて(特に初夏のころ[2])、林内、草地、芝生などの地上に群生から束生する[1][4]。公園の芝生広場などにも生えることがある[4]。
形態
[編集]子実体は傘と柄からなるハラタケ型。傘の径は1 - 4センチメートル (cm) 、はじめ丸山形からまんじゅう形で縁部は内側に巻いており、のちに平らに開き、中央部はしばしばへそ状に窪む[2][1]。傘表面は、最初ほとんど黒色であるが、黒みを帯びた濃い紺色から暗褐紫色(濃色)となり、微毛または微細な鱗片に被われる[3][2][4]。古くなると真っ黒に変色する[4]。傘が湿っているときは、周縁部に多少条線を現す[3][1]。傘肉は薄く、表面とほぼ同色で、乾けば白くなる[3][1]。傘裏のヒダは、柄に対して直生からやや垂生で、やや疎らに配列し、はじめは淡灰色から灰色でのち肉色に変わる[2][4]。
柄は中空で長さ2 - 5 cm、太さ1.5 - 4ミリメートル (mm) 、しばしば平たくなり、または捻れる[2][1]。柄の表面は灰褐色から茶褐色を呈し、基部は白色の菌糸に覆われて目立つ[2][1][4]。
縁シスチジアは散在し、49 - 70 × 6.5 - 22マイクロメートル (μm) の円柱形をしている[3]。クランプを欠く[3]。担子胞子は10.3 - 13 × 7.5 - 8 μmの楕円状多角形、無色で、非アミロイド性[2][1]。胞子紋は淡紅色[1]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。
- 今関六也・本郷次雄『続原色日本菌類図鑑』保育社、1965年3月5日。ISBN 4-586-30042-6。
- 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5。
- 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。ISBN 978-4-8326-0747-7。