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ケイアイガーベラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケイアイガーベラ
2010年エニフステークス表彰式
(2010年9月20日)
欧字表記 Keiai Gerbera[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2006年4月27日(18歳)[1]
登録日 2008年10月16日
抹消日 2011年12月15日[2]
Smarty Jones[1]
アンナステルツ[1]
母の父 Danzig[1]
生国 日本の旗 日本北海道新冠町[1]
生産者 隆栄牧場[1]
馬主 (株)啓愛義肢材料販売所[1]
調教師 平田修栗東[1]
厩務員 佐々木剛[3]
競走成績
生涯成績 18戦9勝[1]
獲得賞金 2億981万5000円[1]
(うち地方競馬250万円)
勝ち鞍
GIII プロキオンS 2010年
GIII カペラS 2011年
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ケイアイガーベラは、日本競走馬である。おもな勝ち鞍はプロキオンステークス(2010年)、カペラステークス(2011年)。

戦績

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2008年11月8日、京都競馬場での新馬戦でデビューし、3番手から抜け出して2着のオシャベリコパに5馬身つける完勝でデビュー戦を飾る[4]。騎乗した秋山真一郎は、新馬戦勝利の時点で重賞を獲れる馬だと確信していたという[5]。3歳を迎え、3歳初戦で2勝目を挙げた後しばらくは足踏み状態が続いたものの、秋に3勝目を挙げて3歳戦を終える。

4歳初戦、2010年1月11日の1600万下山科ステークスに勝利してオープンクラスに上がったのち、3月13日阪神競馬場のオープン特別ポラリスステークスに出走し、2着セントラルコーストに5馬身差をつける圧勝で3連勝を達成[6]。続く船橋競馬場の交流競走マリーンカップは慣れない環境に身を置いたせいでい気の悪さを見せ4着に敗れるが[7]、態勢を立て直されて出走したプロキオンステークスは馬体が前走と比べて14キロも増え[8]、また主戦の秋山の負傷により岩田康誠に手綱が替わったものの[5]、レースでは大外枠からの逃げの戦法に出て最後の直線半ばで追い出されると、2着サマーウインドに4馬身差をつけ1分21秒8のコースレコードも引っ提げて重賞初制覇を成し遂げた[8][9]

秋に入り、手綱が秋山に戻って出走したエニフステークスでは2番手から楽に抜け出して、マリーンカップで先着を許したトーホウドルチェに5馬身差をつけて快勝し単勝1番人気に応える[10]。しかし、続く武蔵野ステークスは出遅れもあり15着に敗れた[11]。暮れのギャラクシーステークスでは巻き返し、好位追走から直線突き抜けてダノンカモンに2馬身半差をつけて快勝した[12]

2011年根岸ステークスから始動したがセイクリムズンの8着に敗れ[13]フェブラリーステークスへの出走を断念する[14]。次走は高知競馬場の交流重賞黒船賞への出走を予定していたが[15]、3月11日に発生した東日本大震災の影響で開催中止となり、代わりに出走したポラリスステークスでは馬体重を16キロ減らし[16]、56.5キロの斤量を背負うなど条件は良くなかったものの、勝ったダイショウジェットから鼻、首差の3着に踏みとどまる[17]。連覇をかけて挑んだプロキオンステークスでは1番人気に支持され、レースは内からハナを奪い、最後の直線でリードを広げに掛かったがシルクフォーチュン、ダノンカモンに交わされ3着に敗れた[18]

秋を迎え、エニフステークスでも逃げたが最後の直線でダノンカモンに交わされ2着[19]。この後JBCスプリントに登録されたが補欠3番手にとどまり出走せず[20]、12月中山競馬場カペラステークスに出走、2番人気に支持され、最後の直線で他馬を引き離し、2着ティアップワイルドに2馬身半の差をつけて1着となり、重賞2勝目を挙げた[5]。表彰式直後、平田修調教師がオーナーサイドに「使うところもない」と引退を進言し、結果的にこれが引退レースとなった[5]

東京、中山と公営船橋へ計4度遠征した関東圏へのレース前日の輸送は食欲に影響するため苦手とされ[21][22]。根岸ステークス出走時にはレースの約1週間前から美浦トレーニングセンターに滞在を試みた[21][22]が敗れた。主戦の秋山は左回りのコースへの適性が「ダメ」なのではないかと述べている[14][23]。結果的に、最後のカペラステークス以外の関東圏でのレースは結果が出なかった。

競走成績

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年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2008.11.08 京都 2歳新馬 16 2.7 (1人) 01着 秋山真一郎 54 ダ1400m(重) 1:25.5 (36.4) -0.8 (オシャベリコパ)
2009.02.15 京都 3歳500万下 16 1.6 (1人) 01着 秋山真一郎 54 ダ1400m(稍) 1:25.3 (37.0) -0.5 (トウカイミステリー)
0000.05.03 京都 端午S OP 15 9.1 (4人) 10着 秋山真一郎 54 ダ1800m(良) 1:53.9 (40.0) -2.8 シルクメビウス
0000.06.07 中京 あじさいS 1000万下 12 9.0 (4人) 06着 秋山真一郎 54 芝1200m(良) 1:08.3 (34.8) -0.3 レディルージュ
0000.07.05 阪神 皆生特別 1000万下 15 3.8 (2人) 07着 福永祐一 52 ダ1400m(良) 1:24.7 (38.1) -1.0 ショウサンウルル
0000.11.28 京都 3歳上1000万下 15 3.4 (2人) 01着 秋山真一郎 54 ダ1400m(良) 1:23.5 (36.8) -0.3 (タガノクリスエス)
2010.01.11 京都 山科S 1000万下 13 2.4 (1人) 01着 秋山真一郎 54 ダ1200m(良) 1:11.3 (35.7) -0.0 (スペシャルクイン)
0000.03.13 阪神 ポラリスS OP 16 3.7 (2人) 01着 秋山真一郎 52 ダ1400m(稍) 1:22.9 (36.8) -0.8 (セントラルコースト)
0000.04.14 船橋 マリーンC JpnIII 13 2.6 (2人) 04着 秋山真一郎 55 ダ1600m(重) 1:39.6 (38.1) -0.4 トーホウドルチェ
0000.07.11 阪神 プロキオンS GIII 16 7.7 (4人) 01着 岩田康誠 54 ダ1400m(稍) 1:21.8 (35.3) -0.7 サマーウインド
0000.09.20 阪神 エニフS OP 11 1.3 (1人) 01着 秋山真一郎 55 ダ1400m(良) 1:22.0 (35.4) -0.9 (トーホウドルチェ)
0000.11.14 東京 武蔵野S GIII 16 2.6 (1人) 15着 秋山真一郎 55 ダ1600m(良) 1:38.2 (37.1) -1.6 グロリアスノア
0000.12.19 阪神 ギャラクシーS OP 16 -1.8 (1人) 01着 岩田康誠 56 ダ1400m(良) 1:22.5 (36.1) -0.4 ダノンカモン
2011.01.30 東京 根岸S GIII 16 -2.7 (1人) 08着 秋山真一郎 55 ダ1400m(良) 1:24.6 (37.3) 1.6 セイクリムズン
0000.03.14 高知 黒船賞 JpnIII 12 秋山真一郎 55 ダ1400m(良) 開催中止
0000.03.21 阪神 ポラリスS OP 16 2.0 (1人) 03着 秋山真一郎 56.5 ダ1400m(不) 1:22.1 (35.9) -0.0 ダイショウジェット
0000.07.10 京都 プロキオンS GIII 16 1.8 (1人) 03着 秋山真一郎 55 ダ1400m(良) 1:22.7 (37.1) -0.6 シルクフォーチュン
0000.09.19 阪神 エニフS OP 10 2.0 (1人) 02着 岩田康誠 57 ダ1400m(良) 1:23.9 (36.1) -0.2 ダノンカモン
0000.12.11 中山 カペラS GIII 15 3.9 (2人) 01着 秋山真一郎 54 ダ1200m(稍) 1:09.1 (36.1) -0.4 ティアップワイルド

繁殖生活

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2012年より生まれ故郷の隆栄牧場で繁殖牝馬となった。2015年に誕生した2番仔のケイアイノーテック(父・ディープインパクト)が2018年NHKマイルカップを制している。また1番仔はカタールレーシングに購買されてフィアスインパクト(Fierce Impact)と命名され、当初はイギリスで走るもデビュー戦勝利の1勝にとどまり、オーストラリアに移ったのち2018年12月にはランドウィック競馬場のGIII重賞サマーカップで日本からの移籍馬サトノラーゼンを破って重賞制覇を成し遂げ[24][25][26]、2019年10月のトゥーラックハンデキャップでG1初制覇を飾った。

生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 2014年 Fierce Impact 鹿毛 ディープインパクト Qatar Racing Limited
→Seymour Bloodstock他[注釈 1]
英・D.M.Simcock
→豪・M.C.Smith
29戦6勝 トゥーラックH(豪G1)
カンタラステークス(豪G1)
マカイビーディーヴァS(豪G1)
種牡馬 [25][26][27]
2番仔 2015年 ケイアイノーテック 鹿毛 亀田和弘
→(株)ケイアイスタリオン
栗東・平田修

→豪・M.A.Smith

28戦3勝 NHKマイルカップ 種牡馬 [28][29]
3番仔 2016年 クインズローズ 栗毛 ヘニーヒューズ 亀田和弘 栗東・平田修 2戦0勝 (引退) [30]
4番仔 2017年 ケイアイリア 栗毛 亀田和弘
→(株)ケイアイスタリオン
7戦0勝 (引退) [31]
5番仔 2018年 ケイアイシェルビー 鹿毛 ディープインパクト 23戦4勝 (現役) [32]
6番仔 2019年 ケイアイセナ 鹿毛 13戦3勝 (現役) [33]
7番仔 2022年 ケイアイブイスリー 栗毛 ルヴァンスレーヴ 亀田和弘 2戦0勝 (デビュー前) [34]
8番仔 2023年 ケイアイガーベラの2023 黒鹿毛 シルバーステート (デビュー前) [35]
9番仔 2024年 ケイアイガーベラの2024 黒鹿毛 モーリス [36]
  • 2024年10月4日現在

血統表

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ケイアイガーベラ血統Mr. Prospector系 (血統表の出典)[§ 1]

Smarty Jones
2001 栗毛
父の父
Elusive Quality
1993
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Touch of Greatness Hero's Honor
Ivory Wand
父の母
I'll Get Along
1992
Smile In Reality
Sunny Smile
Dont Worry Bout Me Foolish Pleasure
Stolen Base

*アンナステルツ
Anna Sterz(米)
1996 鹿毛
Danzig
1977
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Pas de Nom Admiral's Voyage
Petitioner
母の母
Edge
1978
Damascus Sword Dancer
Kerala
Ponte Vecchio Round Table
Terentia FNo.
母系(F-No.) アンナステルツ系(FN:9-e) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer 15.63% 5 x 3 [§ 3]
出典
  1. ^ [1]
  2. ^ [1]
  3. ^ [1]


脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ Seymour Bloodstock, Mr F W Cook, Mrs C M Cook, Mr N J Sheehan, Denns Racing, Australian Racehorse Breeding

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q ケイアイガーベラ|JBISサーチ(JBIS-Search)
  2. ^ ケイアイガーベラ引退、繁殖生活に”. ラジオNIKKEI. 2022年5月28日閲覧。
  3. ^ 大舞台を見据えるケイアイガーベラが武蔵野Sに”. 競馬ラボ. 2022年5月28日閲覧。
  4. ^ ケイアイガーベラが5馬身差V/2歳新馬”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  5. ^ a b c d カペラS、ケイアイガーベラが有終V”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  6. ^ ケイアイガーベラ圧勝で3連勝/阪神・ポラリスS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  7. ^ ナムラタイタン、エコドライブで賞金加算/プロキオンS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  8. ^ a b ケイアイガーベラがJRAレコードで圧勝/プロキオンS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  9. ^ ケイアイガーベラがコースレコードで重賞初V/プロキオンS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  10. ^ ケイアイガーベラが5馬身差の圧勝で連勝飾る/エニフS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  11. ^ 記念Vのグロリアスノア、JCダートでGI狙う”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  12. ^ 圧勝ケイアイガーベラ、岩田「スピードが違う」/ギャラクシーS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  13. ^ 鮮やかな末脚でセイクリムズンが重賞連勝/根岸S”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  14. ^ a b 【根岸S】ケイアイガーベラG1挑戦を断念”. スポーツニッポン (2011年1月31日). 2011年7月17日閲覧。
  15. ^ 平成22年度 農林水産大臣賞典 第13回黒船賞(JpnIII) 枠順決定” (PDF). 高知県競馬組合 (2011年3月11日). 2011年7月31日閲覧。
  16. ^ 【プロキオンS】ケイアイガーベラ 強気の平田師”. スポーツニッポン (2011年7月6日). 2011年7月31日閲覧。
  17. ^ ケイアイガーベラ、坂路で一番時計マーク/プロキオンS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  18. ^ シルクフォーチュン豪脚Vに鞍上は「周りが止まって見えた」”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  19. ^ 実績馬ダノンカモンがオープン4勝目/エニフS”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  20. ^ スーニ、サマーウインドらが出走予定/JBCスプリント”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年1月4日閲覧。
  21. ^ a b 【根岸S】ケイアイガーベラ美浦滞在で必勝態勢”. スポーツニッポン (2011年1月26日). 2011年7月17日閲覧。
  22. ^ a b 黒田栄一郎 (2011年1月26日). “【根岸S】異例の美浦滞在ガーベラ咲く”. サンケイスポーツ. pp. 2. 2011年7月17日閲覧。
  23. ^ 【根岸S】ガーベラ8着…左回りに泣く”. サンケイスポーツ (2011年1月31日). 2011年7月17日閲覧。
  24. ^ 豪州G3でディープ産駒がワンツー、フィアスインパクトが重賞初制覇”. JRA-VAN Ver. World. JRA-VAN. 2019年1月3日閲覧。
  25. ^ a b Fierce Impact (JPN)”. racing.com. racing.com. 2019年1月3日閲覧。
  26. ^ a b Fierce Impact (JPN)”. At the Races. At the Races. 2019年1月3日閲覧。
  27. ^ Fierce Impact(JPN)”. JBISサーチ. 2019年1月3日閲覧。
  28. ^ ケイアイノーテック”. JBISサーチ. 2019年1月3日閲覧。
  29. ^ 2018年のNHKマイルC覇者のケイアイノーテックがフランスで種牡馬入りnetkeiba.com、2022年12月4日閲覧
  30. ^ クインズローズ”. JBISサーチ. 2019年1月3日閲覧。
  31. ^ ケイアイリア”. JBISサーチ. 2019年1月3日閲覧。
  32. ^ ケイアイシェルビー”. JBISサーチ. 2019年1月3日閲覧。
  33. ^ ケイアイセナ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2020年11月20日閲覧。
  34. ^ ケイアイブイスリー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月24日閲覧。
  35. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月25日閲覧。
  36. ^ __________________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年10月7日閲覧。

外部リンク

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