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キュウリグサ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キュウリグサ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: ムラサキ目 Boraginales
: ムラサキ科 Boraginaceae
: キュウリグサ属 Trigonotis
学名
Trigonotis Steven [1]
タイプ種
T. peduncularis (Trevir.) Benth. ex Baker[2] & S. Moore[3]
  • 本文参照

キュウリグサ属(キュウリグサぞく、学名:Trigonotis 、漢字表記:胡瓜草属)は、ムラサキ科の1つ[1]

特徴

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全草が繊細な多年草越年草まれに一年草は単葉で互生し、托葉がない。花序総状花序になり、は基部のみにあるか、またはない。は藍色、帯紅色、白色がある。は5深裂し、花後少し大きくなる。花冠は車型で5裂して平開し、花冠裂片はつぼみ時に瓦重ね状にたたまれる。雄蕊は5個あり、花筒につき、花冠裂片と互生する。子房は上位で、4室となる。果実は4個の分果で4面体になる[1]

分布

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世界に約58種あり、アジア、東ヨーロッパに分布し[4]、日本には6種ある[1]

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和名および学名の記載はYListによる。

日本に分布する種

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  • ミズタビラコ Trigonotis brevipes (Maxim.) Maxim. ex Hemsl. - 多年草。花は淡青紫色で径2.5-3mm。山地の渓側の湿地に生育する。分果は黒褐色で平滑。日本固有種。本州、四国、九州に分布する[1][5]
    • コシジタビラコ Trigonotis brevipes (Maxim.) Maxim. var. coronate (Ohwi) Ohwi - 日本固有種。本州の青森県から福井県にかけた日本海側に偏って分布する。分果の背面に環状の付属体がある[1][5]
  • タチカメバソウ Trigonotis guilielmii (A.Gray) A.Gray ex Gürke - 多年草。花序に葉がない。花は淡青紫色または白色、径7-10mm。山地の谷間の湿った場所に生育する。日本固有種。北海道、本州に分布する[1][5]
  • ツルカメバソウ Trigonotis iinumae (Maxim.) Makino - 多年草。花序に葉がない。花は淡青色、径1cm。葉腋から長い走出枝を伸ばす。山地にまれに生育する。日本固有種。本州の中部地方以北に分布する[1][5]。絶滅危惧IB類(EN)-2017年レッドリスト。
  • キュウリグサ Trigonotis peduncularis (Trevir.) F.B.Forbes et Hemsl. - 越年草。花は淡青紫色で径約2mm、花喉部は黄色になる。畑や道ばたにふつうに生える。北海道、本州、四国、九州、琉球のほか、アジアの温帯から暖帯に分布する[1][6]
  • ケルリソウ Trigonotis radicans (Turcz.) Steven - 多年草。花序に葉があり、全体に圧毛がある。花は淡青紫色、径8-10mm。山地にまれに生育する。九州、朝鮮半島、中国大陸北部に分布する[1]。絶滅危惧II類(VU)-2017年レッドリスト。
  • チョウセンカメバソウ Trigonotis radicans (Turcz.) Steven var. sericea (Maxim.) H.Hara - 多年草。花序に葉があり、茎の下部や葉柄等に開出毛がある。花は白色、径7-10mm。山地にまれに生育する。九州、朝鮮半島、中国大陸東北部に分布する[1]。絶滅危惧IB類(EN)-2017年レッドリスト。

栽培種、その他の主な種

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  • アリサンタビラコ Trigonotis formosana Hayata
    • ウチダシタビラコ Trigonotis formosana Hayata var. elevatovenosa (Hayata) S.D.Shen et J.C.Wang
  • ヤチムラサキ Trigonotis myosotidea (Maxim.) Maxim.
  • ツギタカシロルリ Trigonotis nankotaizanensis (Sasaki) Masam. et Ohwi
  • トウワスレナグサ Trigonotis peduncularis (Trevir.) F.B.Forbes et Hemsl. var. amblyosepala (Nakai et Kitag.) W.T.Wang

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k 『日本の野生植物草本III合弁花類』p.63, pp.65-66
  2. ^ E. C. Stuart Baker (1864–1944; 鳥類学者) もしくはジョン・ギルバート・ベイカー (1834–1920; 植物学者)
  3. ^ Trigonotis Steven Tropicos
  4. ^ Trigonotis, Flora of China
  5. ^ a b c d 『日本の固有植物』p.120
  6. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 春』p.110

参考文献

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