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キビウク (衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キビウクから転送)
キビウク
Kiviuq
仮符号・別名 Saturn XXIV
S/2000 S 5
分類 土星の衛星
軌道の種類 イヌイット群
発見
発見日 2000年8月7日[1]
発見者 B. グラドマン[1]
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 11,384,000 km[2]
離心率 (e) 0.3325[2]
公転周期 (P) 449.22 日 (1.230 年)[2]
軌道傾斜角 (i) 46.764°[2]
近点引数 (ω) 90.205°[2]
昇交点黄経 (Ω) 353.584°[2]
平均近点角 (M) 172.018°[2]
土星の衛星
物理的性質
半径 8 km[3][4]
アルベドを0.06と仮定した場合)
質量 3.3×1015 kg[3]
平均密度 2.3 g/cm3[3] (仮定値)
自転周期 21時間49分[5]
アルベド(反射能) 0.06[3] (仮定値)
Template (ノート 解説) ■Project

キビウク[6]またはキビウック[7] (Saturn XXIV Kiviuq) は、土星の第24衛星である。イヌイット群に属する。2000年8月7日にブレット・J・グラドマンが率いる観測チームによって発見された。発見は同年11月18日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/2000 S 5 という仮符号が与えられた[8][9]

2003年8月8日に、イヌイット(イヌイト)神話巨人に因んで命名された。Saturn XXIV という確定番号が与えられた[10]

キビウクの半径は、アルベドを0.06と仮定すると8 km と推定される[1]イヌイット群に属する不規則衛星の1つで、軌道傾斜角の大きい軌道をおよそ449日かけて順行軌道公転する。表面はわずかに赤い色を示し、赤外線スペクトルは他のイヌイット群の衛星シャルナクパーリアクに非常に類似している。そのため、これらイヌイット群の衛星は共通の起源を持ち、大きな天体が破壊されることで形成された可能性がある[11][12]

キビウクは古在共鳴の状態にあると考えられている。そのため軌道離心率が上昇する間は軌道傾斜角が減少する、あるいはその逆の変化を周期的に行っている[13]

2010年8月30日に、土星探査機カッシーニが930万kmの距離からキビウクを観測し、明るさの変化のデータを得た。そのデータを元にして、自転周期が21時間49分であることが判明した[5]

出典

[編集]
  1. ^ a b c NASA (2017年12月5日). “In Depth | Kiviuq – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局. 2018年12月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月17日閲覧。
  3. ^ a b c d Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月17日閲覧。
  4. ^ Scott S. Sheppard. “Saturn Moons”. Carnegie Science. 2019年11月2日閲覧。
  5. ^ a b T. Denk, S. Mottola, et al. (2011): Rotation Periods of Irregular Satellites of Saturn. EPSC/DPS conference 2011, Nantes, abstract 1452.
  6. ^ 衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
  7. ^ 太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月9日閲覧。
  8. ^ Brian G. Marsden (2000年11月18日). “IAUC 7521: S/2000 S 5, S/2000 S 6”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月17日閲覧。
  9. ^ Brian G. Marsden (2000年12月19日). “MPEC 2000-Y14 : S/2000 S 3, S/2000 S 4, S/2000 S 5, S/2000 S 6, S/2000 S 10”. 小惑星センター. 2018年12月17日閲覧。
  10. ^ Daniel W. E. Green (2003年8月8日). “IAUC 8177: Sats OF (22); Sats OF JUPITER, SATURN, URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月17日閲覧。
  11. ^ Grav, T; Bauer, J (2007). “A deeper look at the colors of the saturnian irregular satellites”. Icarus 191 (1): 267–285. arXiv:astro-ph/0611590. doi:10.1016/j.icarus.2007.04.020. ISSN 00191035. 
  12. ^ Gladman, Brett; Kavelaars, J. J.; Holman, Matthew; Nicholson, Philip D.; Burns, Joseph A.; Hergenrother, Carl W.; Petit, Jean-Marc; Marsden, Brian G. et al. (2001). “Discovery of 12 satellites of Saturn exhibiting orbital clustering”. Nature 412 (6843): 163–166. doi:10.1038/35084032. ISSN 0028-0836. 
  13. ^ Ćuk, Matija; Burns, Joseph A. (2004). “On the Secular Behavior of Irregular Satellites”. The Astronomical Journal 128 (5): 2518–2541. doi:10.1086/424937. ISSN 0004-6256.