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ガリ地区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中華人民共和国 チベット自治区 ガリ地区
マーナサローワル湖とカイラス山
マーナサローワル湖カイラス山
マーナサローワル湖カイラス山
チベット自治区中の獅泉河鎮(英語版)があるガル県の位置。 黄色の部分がガリ地区。
チベット自治区中の獅泉河鎮英語版があるガル県の位置。
黄色の部分がガリ地区
チベット自治区中の獅泉河鎮英語版があるガル県の位置。
黄色の部分がガリ地区
簡体字 阿里
繁体字 阿里
拼音 Ālĭ
カタカナ転写 アーリー
チベット語 མངའ་རིས་ས་ཁུལ་
ワイリー方式 Mnga' ris
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
自治区 チベット
行政級別 地区
面積
総面積 304,683 km²
人口
総人口(2003) 8 万人
経済
電話番号 0897
郵便番号 859000
ナンバープレート 蔵F
行政区画代碼 542500

ガリ地区(ガリちく)は中華人民共和国チベット自治区に位置する地区のひとつ。自治区の西部を占める。ガリー(མངའ་རིས་ mnga' ris)はチベット高原西部地域を指す歴史的地域名。日本語ではチベット語に基づく「ガリ地区」、「ンガリ」、漢字表記「阿里」からの重訳の「アリ地区」という表記が見られる。英語表記では Ngari

平均海抜4,500m。政治経済上の中心都市は、獅泉河鎮英語版

古くは、シャンシュン王国グゲ王国があり、西部チベットの中心であった。

地理

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カイラス山

西蔵自治区の西部に位置する。南はインドヒマーチャル・プラデーシュ州シガツェ市、東はナチュ地区、北は新疆ウイグル自治区、西はインドパキスタン間で係争中のカシミール地方と接する。インドとの帰属問題を抱えるアクサイチンを含む。 南部のブラン県にはいくつもの宗教の聖地とされるカイラス山や、ラークシャスタール湖マーナサローワル湖という2つの大きな湖がある。

  • グゲ遺跡

都市

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  • 獅泉河(歴史的にはンガリ、: 噶爾: 阿里とも呼ばれる)。この都市の名前の由来となった獅泉河(Sênggê zangbo)が、蔵文拼音による音写によりローマ字で: Senge zangbu、ワイリー方式で: Seng ge gtsang po、漢字で「: 森格蔵布」と充てられている。中心街からG219国道で南へ60kmほど離れた場所にガリ空港がある。
  • 普蘭(プラン) - ネパールへの交易路上の街
  • 札達(ツァンダ)

歴史

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ガリ地区にはシャンシュン王国(象雄、小羊同)という国があり、ボン教が栄えていた。7世紀に中央チベットで栄えた吐蕃を支配する一族も、この地区出身だったと言われている。シャンシュン王国は7世紀半ばに吐蕃に滅ぼされた。10世紀には吐蕃から分かれたグゲ王国が仏教国として栄えた[1]

行政区画

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本地区には、以下の7県(ゾン)がある。

ガリ地区の地図
# 県名 簡体表記 ピンイン チベット語表記 ワイリー方式 英語表記 人口(2010年) 面積a (km²) 人口密度 (/km²)
1 ガル県 噶尔县 Gá'ěr Xiàn སྒར་རྫོང་ sgar rdzong Ngari 16,901 13,179 1.28
2 プラン県 普兰县 Pǔlán Xiàn སྤུ་ཧྲེང་རྫོང་ spu hreng rdzong Burang 9,657 24,602 0.39
3 ツァンダ県 札达县 Zhádá Xiàn རྩ་མདའ་རྫོང་ rtsa mda' rdzong Zanda 6,883 18,083 0.38
4 ルトク県 日土县 Rìtǔ Xiàn རུ་ཐོག་རྫོང་ ru thog rdzong Rutog 9,738 77,096 0.12
5 ゲギェ県 革吉县 Géjí Xiàn དགེ་རྒྱས་རྫོང་ dge rgyas rdzong Gê'gyai 15,483 46,117 0.33
6 ゲルツェ県 改则县 Gǎizé Xiàn སྒེར་རྩེ་རྫོང་ sger rtse rdzong Gêrzê 22,177 135,025 0.16
7 ツォチェン県 措勤县 Cuòqín Xiàn མཚོ་ཆེན་རྫོང་ mtsho chen rdzong Coqên 14,626 22,980 0.63
  • ツァンダ県には、10世紀にグゲ王国の仏教都市のツァパラン英語版があったが、17世紀にラダック王国に滅ぼされた。かつてトーリン(托林)と呼ばれていたが、1956年にツァパラン(札布譲)とダバ(達巴)が合併して札達となった[2]。中心都市トーリン英語版(托林)には、町の北側をランチェン・ツァンポ(朗欽蔵布河)が流れ、古刹の托林寺中国語版の他、グゲ王国の遺跡が数多く残る。
  • インド、ネパールの貿易拠点として栄えたが、中印の国境紛争以降は国境が閉ざされたため振るわない[2]

年表

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この節の出典[3][4]

ド・ガルプン

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ガリ・チキャプ

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  • 1952年 - ド・ガルプンがガリ・チキャプに改称。(4ゾン1シカ)
  • 1955年3月9日 - ガリ・チキャプがガリ弁事処に改称。

ガリ弁事処

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  • 1955年3月9日 - ガリ・チキャプがガリ弁事処に改称。(5ゾン3シカ)
  • 1956年 - ツァプランゾン・ダバゾンが合併し、ツァンダ・ゾン弁事処が発足。(3ゾン3シカ1弁事処)
  • 1959年10月8日 - ガル・ゾンが県制施行し、ガル県となる。(1県2ゾン3シカ1弁事処)
  • 1960年1月7日 - ガル県・プランゾン・ルトクゾン・ドンパロチャンシカ・ゲギェシカ・ゲルツェシカ・ツァンダゾン弁事処がガリ専区に編入。

チベット地方ガリ専区

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  • 1960年1月7日 - ガリ弁事処ガル県プランゾンルトクゾンドンパロチャンシカゲギェシカゲルツェシカツァンダゾン弁事処を編入。ガリ専区が成立。(1県2ゾン3シカ1弁事処)
  • 1960年5月 - ツァンダ・ゾン弁事処が県制施行し、ツァンダ県となる。(2県2ゾン3シカ)
  • 1960年8月 - ゲギェ・シカが県制施行し、ゲギェ県となる。(3県2ゾン2シカ)
  • 1960年10月 (6県1ゾン)
    • ゲルツェ・シカが県制施行し、ゲルツェ県となる。
    • ドンパロチャン・シカが県制施行し、ドンパ県となる。
    • プラン・ゾンが県制施行し、プラン県となる。
  • 1961年3月 - ルトク・ゾンが県制施行し、ルトク県となる。(7県)
  • 1962年11月22日 - ドンパ県がシガツェ専区に編入。(6県)
  • 1965年8月23日 - チベット自治区の成立により、チベット自治区シガツェ専区となる。

チベット自治区ガリ地区

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  • 1970年11月20日 - ガリ専区がガリ地区に改称。(7県)
  • 1983年10月8日 - シガツェ地区ドンパ県の一部が分立し、ルンガル(隆格爾)県が発足。(8県)
  • 1999年9月21日 - ルンガル県がシガツェ地区ドンパ県に編入。(7県)

交通

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脚注

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参考文献

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  • 旅行人編集部『チベット』(第4版)旅行人〈旅行人ノート〉、2006年8月。ISBN 4-947702-56-7