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ガッツジュン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガッツジュン
ジャンル 野球漫画
漫画
原作・原案など 神保史郎
作画 小畑しゅんじ
出版社 秋田書店
その他の出版社
立風書房
掲載誌 週刊少年チャンピオン
発表号 1971年10号 - 1972年3・4号
巻数 全3巻(立風書房)
ドラマ
制作 宣弘社プロダクション
放送局 TBS
放送期間 1971年4月11日 - 11月21日
話数 全33話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ガッツジュン』は、原作:神保史郎・作画:小畑しゅんじ日本漫画、同作品の原作の日本のテレビドラマ。

漫画

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週刊少年チャンピオン』(秋田書店1971年10号から1972年3・4号まで連載されたが、単行本は秋田書店から発行されず、1976年立風書房から全3巻で発行された。2013年、マンガショップより全2巻が発行された[1]

テレビドラマ

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1971年4月11日から11月21日までTBS系で毎週日曜日19時 - 19時30分の『タケダアワー』にて放送された[2]。全33話。

ストーリーは、主人公・沢村純が、元野球選手で行方不明の父親を捜すために高校野球で全国大会出場を目指すというのが骨子である。第12話までは、「レインボーボール」等の魔球特撮で描くなど視覚に訴える演出に重点が置かれていたが、第13話以降は純を中心とする仲間や家族とのドラマに重点が置かれた[3][4]

その後、次番組『シルバー仮面』がフジテレビ系の裏番組『ミラーマン』に対抗するため放送を繰り上げることとなり、本作品は1話分短縮されて打ち切られた[5]。ストーリーの骨子である父親捜しの決着はつくことなく、名雄高校のエースに成長した純が全国大会出場を決めるところでドラマは終了した[3]

登場人物

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沢村 純
主人公。高校野球で名を上げれば行方不明の父と再会できると信じ、名雄高校野球部で奮闘する。
沢村 映子
純の姉。弟の純とともに祖母の房江によって育てられた。
沢村 房江
純の祖母。レストラン「ネバ」を経営している。
村丘 美代子
名雄高校における純のクラスメート。純にほのかな恋心を抱いていて当初は全然相手にされなかったが、後には彼の心の拠り所となっていく。「プー子」の愛称で純に呼ばれている。前作『柔道一直線』の高原ミキ的なポジション。[独自研究?]

キャスト

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  • 沢村純:藤間文彦
  • 沢村映子:丘みつ子
  • 村丘美代子:桜井マリ
  • 沢村房江:小夜福子
  • 名雄高校野球部長・平賀敏樹:瑳川哲朗
  • 名雄高校野球部監督・萩原哲雄:秋元羊介
  • 名雄高校キャプテン・東山勲(ショート):広元洌(第1話 - 第22話・第25話・第29話・第33話)
  • 川越守人(ファースト):小野進也
  • 大野卓也(ピッチャー):日吉としやす(第1話 - 第29話・第33話)
  • 飛騨明(キャッチャー → ショート):葵哲也(第1話 - 第29話・第33話)
  • 大平勝男(セカンド):佐藤好将(第1話 - 第29話・第33話)
  • 北里清(センター):山下則夫(第1話 - 第29話・第33話)
  • 斉島光一(マネージャー):飛世賛治(第1話 - 第29話・第33話)
  • 西川政彦(レフト):古川義範(第1話 - 第29話)
  • 進藤茂(サード):篠田三郎(第13話 - 第33話)
  • 野田修(サード → 補欠 → マネージャー):山尾範彦
  • 南達男(ライト):小林重忠
  • 本間浩(補欠 → セカンド):清宮達夫(第1話 - 第19話・第22話・第24話 - 第33話)
  • 野島大吉(補欠 → キャッチャー):畠山麦
  • 滝沢猛(補欠):石山禎久
  • 小沢克巳(補欠):中沢勇
  • 名雄高校応援団長・豪田鉄二:保高正伸
  • スカウトマン・西田昇:梶健司(第1話 - 第4話・第7話 - 第9話・第11話 - 第14話)
  • スカウトマン・石井敏:垂水悟郎(第1話・第2話・第4話・第6話・第12話)
  • 「ネバ」のコック・鈴木正造:森良介(第1話 - 第6話・第11話・第12話)
  • ナレーター:外山高士(第1話 - 第12話)、村越伊知郎(第13話 - 第33話)

ゲスト

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参照:岩佐陽一 2001, p. 187, 「ガッツジュン ON AIR LIST」

  • 園部美穂:目黒幸子(第1話)
  • 甲斐武:堀田真二(第2話・第3話・第9話・第10話)
  • 瀬戸俊之:近藤正臣(第2話・第3話・第9話・第10話)
  • 剣持早苗:范文雀[注釈 1](第3話・第4話)
  • 西郷四郎:桜木健一(第5話・第6話)
  • 大野豪二郎:天草四郎(第5話・第6話・第15話)
  • 村上進:岡部正純(第5話・第6話)
  • 海野教頭:奥野匡(第5話・第6話・第15話)
  • 西田留美:後藤ルミ(第7話-第10話)
  • 神子上太郎:眞家宏満(第7話-第9話)
  • 神子上次郎:本保明啓(第7話-第9話)
  • ジム・タック:ジョージ・マッカーナル(第11話・第12話)
  • 小野先生:目黒幸子(第12話)
  • 野田勉:豊岡晋(第13話・第14話・第30話)
  • レストラン・エッフェル支配人:湊俊一(第15話)
  • 本間勝:高野浩幸(第17話・第18話・第27話)
  • 松本三郎:小野寺昭(第17話)
  • 大山高監督・石山:沢登譲(第20話)
  • 医者:岩城力也(第21話)
  • 村野監督:森山周一郎(第22話)
  • 野島の母・みね:園佳也子(第23話)
  • 野島の弟・二郎:長張卓己(第23話)
  • 野島の弟・三平:野口忠道(第23話)
  • 豪田の叔父:池田忠夫(第24話)
  • 八百屋の親父:宮浩二(第24話)
  • 鷹の羽高キャプテン・日野:池上明治(第25話)
  • 鷹の羽高ピッチャー・高田:船保信之(第25話)
  • 早坂五郎:亀石征一郎(第26話)
  • 校医・林:小笠原弘(第27話)
  • 良子:野口友紀子(第30話)

スタッフ

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主題歌

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「ガッツジュン」
作詞:伊上勝 / 作曲:鈴木邦彦 / 編曲:青木望 / 歌:藤間文彦、ハニー・ナイツ
第15話まではオープニングで1番+3番。第16話からオープニングが1番、エンディングで3番が流れ、第21話からはエンディング自体がカットされた。
オープニングの映像は、実際に1971年阪神甲子園球場で行われた第43回選抜高等学校野球大会毎日新聞主催)の資料映像が使用された。
主題歌「ガッツジュン」は、伊上勝が書いた詞が、プロデューサーの橋本洋二からNGが出たために書き直されている[7]

挿入歌

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「名雄高校応援歌」
作詞:伊上勝 / 作曲:鈴木邦彦 / 歌:ハニー・ナイツ
「ひとりぼっちのマウンド」
作詞:伊上勝 / 作曲:鈴木邦彦 / 歌:藤間文彦、ハニー・ナイツ

制作

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前作『柔道一直線』のヒットを受け、高校野球を舞台にしたスポ根ドラマとして企画された[3][4][8][9]。制作は前作の東映から宣弘社プロダクションに移ったが、プロデューサー・橋本洋二の意向で、近藤正臣桜木健一ら何人かの出演者が前作から引き続き起用されている[8][注釈 2]。また、本作の前後に放映されたスポーツドラマや特撮ドラマにゆかりのある出演者が多いのも特徴である[注釈 3][注釈 4]。主演の藤間文彦は、藤間勘十郎(六代目)夫妻(当時)の長男として話題になった[4][9]。しかし、藤間は野球の経験がほとんどなく、撮影の合間にも特訓を受けていた[11]。宣弘社側のプロデューサーは社長の小林利雄がクレジットされているが、実務は監督の田村正蔵が務めた[8]。タイトルデザインは、当時武田薬品の宣伝課に在籍していた西本宣恵によるもので、西本は後番組の『シルバー仮面』のタイトルも手掛けている[12]

前半のデフォルメ描写は『柔道一直線』でヒットした要素を意識したものであったが、メイン監督の船床定男が野球を知らなかったこともあり効果的にはならず、野球ファンから不評であったため監督を交代し路線変更するに至った[4][13]

スポーツ用品メーカーの美津濃が劇中の用具をタイアップしている[8][7]。初期の撮影時に現場が間に合わせで他社から道具を借りてきてしまい、美津濃側の担当者が宣弘社社長の小林に抗議に押しかけたことがあった[8]。以後、撮影現場から美津濃へ用具の発注がなされるようになり、その後、美津濃は広告事業で宣弘社の顧客となるなど両社の関係が深まった[8]

放送日程

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参照岩佐陽一 2001, p. 187, 「ガッツジュン ON AIR LIST」、石橋春海 2014, p. 68, 「1971 ガッツジュン」

放送回 放送日 サブタイトル 脚本 監督
1 4月11日 宿敵のスラッガー 伊上勝 船床定男
2 4月18日 アタックチームの挑戦
3 4月25日 美しき鬼コーチ
4 5月2日 快心の二段スナップ
5 5月9日 燃えろ闘魂 上原正三 田口勝彦
6 5月16日 魔球Zシュート
7 5月23日 超人バッテリー 伊上勝 船床定男
8 5月30日 秘密兵器の登板
9 6月6日 投げろ!レインボーボール
10 6月13日 栄光の右腕
11 6月20日 旋風!メガトンパワー 上原正三
12 6月27日 アポロ打法を破れ
13 7月4日 弱者と強者 伊上勝 船床定男
田村正蔵
14 7月11日 涙の紅白戦 外山徹
15 7月18日 太陽と勝負しろ! 上原正三 田口勝彦
16 7月25日 甲子園にあの旗を
17 8月1日 青春よ炎と燃えろ!
18 8月8日 不死鳥フェニックスは甲子園にはばたく! 外山徹
19 8月15日 汗よ涙となるな 鍛冶昇
20 8月22日 敗け犬になるな 安藤豊弘
21 8月29日 熱き血のわかれのうた 上原正三 外山徹
22 9月5日 投げろ!剛球一直線
23 9月12日 ガッツ!バッテリー誕生 安藤豊弘 福原博
24 9月19日 熱い力よよみがえれ! 上原正三 安藤達己
25 9月26日 明日をめざす炎 外山徹
26 10月3日 熱球に賭ける道
27 10月10日 青春の涙輝ける時 安藤達己
28 10月17日 最後の一球まで 外山徹
29 10月24日 あゝ栄光をこの胸に
30 10月31日 あしたの栄光めざして 安藤豊弘 福原博
31 11月7日 燃やせ若い命を
32 11月14日 傷ついたエース 伊上勝
33 11月21日 太陽に向かって投げろ 上原正三 外山徹

放送局

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映像ソフト

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  • 1999年、発売げんごろう・販売セブンエイトよりビデオソフトが発売。第1話・第10話・第33話を収録。
  • 2013年、ベストフィールドより「甦るヒーローライブラリー 第6集」としてDVDが発売[22]

脚注

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注釈

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  1. ^ 范は『サインはV』にレギュラー出演しており、同作品を意識しての起用であった[6]
  2. ^ 近藤正臣が柔道着を着るなど『柔道一直線』を意識した描写もある[4]
  3. ^ 近藤たちのゲスト出演に関しては、第1話放送開始当日の番組広告でも紹介されている[2]
  4. ^ 橋本は本作品で苦労させたという理由から篠田三郎を次番組『シルバー仮面』に起用した[10]

出典

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  1. ^ マンガショップ:ガッツジュン マンガショップ 2017年10月9日閲覧。
  2. ^ a b 『毎日新聞』1971年4月11日付朝刊、13面。
  3. ^ a b c 岩佐陽一 2001, p. 187, 「ガッツジュン ON AIR LIST」
  4. ^ a b c d e 石橋春海 2014, pp. 68–70, 「1971 ガッツジュン」
  5. ^ DVD『シルバー仮面フォトニクル2』 2015年12月18日発売 発売元-デジタルウルトラプロジェクト DUPJ-137 p70
  6. ^ 石橋春海 2014, p. 88, 「'70若手助演女優カタログ PART.1」.
  7. ^ a b 友井 2017, p. 143.
  8. ^ a b c d e f 宣弘社フォトニクル 2015, pp. 28–29, 「ガッツジュン」
  9. ^ a b 友井 2017, p. 123.
  10. ^ 宣弘社フォトニクル 2015, p. 30, 「シルバー仮面」.
  11. ^ 『福島民報』1971年6月22日付朝刊、5面。
  12. ^ 友井 2017, pp. 125、146.
  13. ^ 友井 2017, p. 181.
  14. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1971年(昭和46年)9月、テレビ欄。
  15. ^ a b 河北新報』1971年8月1日 - 11月21日付朝刊、テレビ欄。
  16. ^ 『河北新報』1972年6月1日 - 1973年1月4日付朝刊、テレビ欄。
  17. ^ 『河北新報』1973年7月3日 - 7月31日付朝刊、テレビ欄。
  18. ^ a b 福島民報』1971年4月11日 - 11月21日付朝刊、テレビ欄。
  19. ^ 北國新聞』1971年9月26日付朝刊、テレビ欄。
  20. ^ 『北國新聞』1972年7月17日 - 8月18日付朝刊、テレビ欄。
  21. ^ a b 北日本新聞』1971年11月7日付朝刊、テレビ欄。
  22. ^ 甦るヒーローライブラリー 第6集『ガッツジュン』 ベストフィールド 2017年7月16日閲覧。

参考文献

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  • 岩佐陽一 編『シルバー仮面アイアンキングレッドバロン大全―宣弘社ヒーローの世界』双葉社、2001年8月10日。ISBN 978-4575292626 
  • 石橋春海『伝説の昭和特撮ヒーロー 宣弘社全仕事』コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2014年7月9日。ISBN 978-4-7747-5934-0 
  • DVD『宣弘社フォトニクル』 2015年9月18日発売 発売元-デジタルウルトラプロジェクト DUPJ-133
  • 友井健人 編『タケダアワーの時代』洋泉社、2017年9月26日。ISBN 978-4-8003-1321-8 

関連項目

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外部リンク

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TBS タケダアワー
前番組 番組名 次番組
ガッツジュン