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カワサキ・750RS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カワサキ・750RS/Z2から転送)
750RS
Z750FOUR
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン Z2E型 746 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 64 mm × 58 mm / 9.0:1
最高出力 69ps/9,000rpm
最大トルク 5.9kg-m/8,500rpm
      詳細情報
製造国 日本
製造期間 1973年-1978年
タイプ ネイキッド
設計統括 大槻幸雄
デザイン 多田憲正
フレーム 鋼管ダブルクレードル
全長×全幅×全高 2200 mm × 865 mm × 1170 mm
ホイールベース 1500 mm
最低地上高
シート高
燃料供給装置 キャブレター(ミクニVM26)
始動方式 セル式&キック式
潤滑方式 ウェットサンプ
駆動方式 チェーン式
変速機 前進5速(リターン式)
サスペンション テレスコピック式
スイングアーム式
キャスター / トレール 26° / 90 mm
ブレーキ 油圧式シングルディスクブレーキ・外径296mm
リーディングトレーリング式ドラムブレーキ
タイヤサイズ 3.25-19
4.00-18
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 17 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格 418000円(当時定価)
備考
先代
後継 カワサキ・Z750FX
姉妹車 / OEM カワサキ・Z1
同クラスの車
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カワサキ・750RS(ななひゃくごじゅうアールエス)およびカワサキ・Z750FOUR(ゼットななひゃくごじゅうフォア)は、川崎重工業1973年から1978年にかけて製造・販売していた総排気量746ccのオートバイである。

通称は型式名のZ2から“ZⅡ”ゼッツー。子細な地域性があり「ゼットツー」であったり、750RSは「アールエス」Z750FOURは「ゼット」と呼びわける地域もあった。

概要

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カワサキは1972年に排気量903ccのZ1を発売し、欧米で高い人気を博し販売成績も好調であったが、日本国内では業界の自主規制(大型自動二輪参照)により750cc超のオートバイは販売できなかったため、750ccクラスの国内版モデルが必要であった。当初はZ1のエンジンをボアダウンして発売する予定だったが、結局ボアとストロークの両方を変更して排気量を750cc(正確には746cc)とし、1973年4月に750RS(型式Z2)として発売した。

なお、同車種を「Z750RS」とした記載がウェブ上や雑誌、小説等に散見されるが、下記の通りあくまで「750RS」および「Z750FOUR」であり、それらの呼称を混同したと思われる「Z750RS」というモデル名の車種はこのシリーズには存在しない。前者のRSはロードスター (roadster)を意味し、当時の同社の4ストロークモデルのシリーズ呼称である。

1976年にカワサキで車名・型式番号の整理が行われ、 750RSからZ750FOURに車名変更、型式番号はZ2・Z2A前期・後期の型式+アルファベット表記からA4のアルファベット+数字に変更される。 Z2の最終5型であるA5を経て、後継車種であるKZ750DのD1へモデルチェンジ。

1980年にZ750FX II(シリーズ上FXの名前を引き継いでいるがZ650系の完全な別モデル)として大幅なモデルチェンジをするまで、エンジンとフレームは基本的に同一のまま8年間存続したことは、1980年代~1990年代中盤のバイクブーム時の日本のモーターサイクルと比べると長かったといえる。(ブームが沈静化した以降では長いとはいえない。)カワサキのオートバイを象徴する車種の一つとして、ゼファーシリーズのスタイリングのモチーフとなるなど、現在に至るまで大きな存在となっている。

車両解説

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ベース機種のZ1(903cc)のボア / ストロークは66×66mmのスクエアエンジンであり、当時ハーレーが1200ccだったこともあり1200cc程度まで技術的余裕を持たせていたが、ボアダウンによる750ccへの縮小は視野になかった。ストロークの変更は、クランクシャフトを完全新設計とせざるを得ず、時間と費用の点では非常に不利である。しかし、ボアダウンのみで750cc程度とすると、そのボア径はおよそ60mmとなり、これでは、給排気バルブがそのままでは干渉するため、シリンダーヘッドの新設計が必要となるのと、ロングストロークとなり「高出力車」のイメージにそぐわなくなるためボアの縮小はシリンダーヘッドがそのまま使える範囲にとどめ、併せてクランクを変更してストロークも縮小する方法を選択した。

Z2発売当時にはスターターモーターによるセルフスターターが普及していたが、バッテリーや充電系の信頼性への懸念から、キックスターターもあわせて装備されている。また、Z1、Z2用にデザインされたバックミラーは、車両本体の生産が終了した後も、用品市場では「Z2ミラー」(ゼッツーミラー)の名で長く親しまれている。

モデル一覧

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750RS

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  • Z2(1973年モデル、初期型) - 国内向けのカラーリングはキャンディトーンブラウン(通称火の玉)1種のみ。書籍等で「初期型のメーターは240km/h表示」との表記が良くあるがカタログに使われたプロトタイプが240km/hであったための誤解。生産車はすべて220km/h表示。
  • Z2A(1974年モデル) - カラーリング変更(日本国内向けのカラーリングはキャンディトーンイエロー(緑ベースに黄ライン)1種のみ)ヘッドガスケットの2pc化によりオイル漏れ対策、タコメータ内にテール、ストップランプの球切れ警告灯装備などほとんどの変更点はベースモデルであるZ1の74年モデルへの変更に準ずる。(燃料タンク容量の記載が変化したがこれはカタログデータ上のもので、実際の容量には変化はない)乾燥重量(230kg→232kg)、定価(418000円→465000円)
  • Z2A後期型(1975年モデル) - 輸出用はZ1Bと呼ばれるがZ2に関してはZ2Bとは呼ばれないので便宜的にZ2A後期型として分類する。カラーリング変更(日本国内向けのカラーリングはキャンディトーンスーパーレッド(茶ベースに金ライン)とキャンディートーンスカイブルー(青ベースに金ライン)2種のみ)。シールチェーン採用に伴いDチェーン給油機構の廃止。

Z750FOUR

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  • A4(1976年モデル) - 車名変更、カラーリング変更(ダイアブラウンとダイアダークグリーン)、出力アップ(69ps → 70ps)、前輪ダブルディスク化、ガゼット部分などフレーム補強、エアクリーナーケース形状変更にともないサイドカバー形状の変更、バッテリー搭載位置の変更、インジケーター周りデザイン変更、キャブレター変更、スピードリミッター装備、最高速180kmメーター、テールライト大型化、ハザードランプスイッチの装備。乾燥重量(232kg→236kg)、定価(465000円→485000円)
  • A5(1977年モデル) - カラーリング変更(ダイヤモンドワインレッドとダイヤモンドスカイブルー)、クラッチを握り込まないとエンジンがかからないセーフティスターター機構追加。

Z2、Z2A、A4、A5はマイナーチェンジのために社内で付けられた型式番号(機種コード)で、運輸省(当時)の自動車型式指定規則によって付けられた型式はZ2。 ビッグマイナーチェンジ回数を表す類別区分番号はZ2とZ2Aが0001、A4とA5が0002となっている。

  • Z750-D1(1978年モデル) - KZ750Dに型式変更 商品ラインアップ上はZ750FOURの継続であるが型式上新規製作のニューモデルである。キャスター/トレール変更、後輪ディスクブレーキ、南アフリカでも750ccで販売された。カラーは ルミナスグリーンとルミナスダークレッド 乾燥重量(245kg)

関連車両

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脚注

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