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カボット環

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カボット環
赤血球内の封入体 ー A:カボット環、B:ハウエル・ジョリー小体
カボット環と好塩基性斑点赤血球
8の字型のカボット環

カボット環(カボットかん、()Cabot rings)とは、赤紫色の、細い環状ないし8の字型を呈する赤血球封入体である。

カボット環は、細胞分裂の際の有糸分裂紡錘体の残存とされている[1][2]

カボット環の生理的意義は不明であるが赤血球形成の障害(骨髄障害や骨髄へのストレスを含む)を反映すると考えられている。 [2][1]

関連する病態

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カボット環は、様々な、赤血球形成が障害される病態でみられる[2]

その他、脾臓摘出後にもみられる[※ 1][2]

形態

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末梢血塗抹検査では、カボット環は、赤血球内の、赤紫色に染まる細い糸からなる、輪状ないし8の字状の封入体として観察される。一つの赤血球に複数存在することがある[1]

多染性赤血球[※ 2]網赤血球)にみられることが多い[2]。 また、赤芽球にみられることもある[1]

歴史

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カボット環は、1903年に米国の医師、リチャード・クラーク・カボット(Richard Clarke Cabot, 1868-1939)により初めて記載された [5] [6]

脚注

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  1. ^ 脾臓の異常な赤血球を除去する能力が失われるためと推測される。
  2. ^ 多染性赤血球とは、青みがかった色に染まる幼若な赤血球(網赤血球)であり、多染性赤血球の増加は赤血球形成の亢進や髄外造血を示唆する。なお、青みがかった色に染まるのは、幼若な赤血球はリボソームを多く含むためである。

出典

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  1. ^ a b c d Marcel Bessis (2012). Blood Smears Reinterpreted. Springer Berlin Heidelberg. pp. 60,61. ISBN 9783642660948. https://www.google.co.jp/books/edition/Blood_Smears_Reinterpreted/P6PwCAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=cabot+rings&pg=PA60&printsec=frontcover 2023年3月30日閲覧。 
  2. ^ a b c d e Neslihan Erdem, et al. A hundred years after the first article, a recollection: Cabot ring. Korean J Intern Med. 2016 Jan; 31(1): 199. Published online 2015 Dec 28. doi: 10.3904/kjim.2016.31.1.199
  3. ^ Omar Raslan, Cyrus C. Hsia. Cabot rings in acute myeloid leukemia. Blood (2021) 137 (11): 1560. https://doi.org/10.1182/blood.2020009744
  4. ^ Teresa Scordino. Cabot ring. (2023年3月21日閲覧)
  5. ^ a b Greg Hapgood, Sukanya Roy. A mysterious case of Dr Cabot. British Journal of Haemotology. Volume162, Issue6 September 2013 Pages 719-719
  6. ^ Andrew Robbins and Mike Cadogan. Mar 7, 2022. Richard Clarke Cabot(2023年3月26日閲覧)

関連項目

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外部リンク

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