カキラン
カキラン | ||||||||||||||||||||||||
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2008年7月 福島県会津地方
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Epipactis thunbergii A. Gray[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
カキラン(柿蘭) |
カキラン(柿蘭、学名:Epipactis thunbergii A. Gray )は、ラン科カキラン属の多年草[2]。別名がスズラン[2]。
特徴
[編集]茎の高さは、30-70 cm[3]。葉は茎に互生し、卵状披針形で、基部が鞘状になって茎を抱く。上部にいくにしたがって葉は小さくなる。花期は6-8月で[3]、黄褐色の花を茎の先に10ほど総状につけ、下方から開花していく。花の唇弁にある紅紫色の模様が目立つ。和名は花の色が柿の実の色に似ていることに由来する[3]。
東北地方の花の黄色に紅紫色の模様がなく、茎の下部が紫色を帯びないキバナカキラン(Epipactis thunbergii A.Gray f. flava Ohwi )及び九州南部の唇弁が側花弁と同形であるイソマカキラン(Epipactis thunbergii A.Gray f. subconformis Sakata )の品種がある[2]。
分布と生育環境
[編集]ロシアのウスリー、中国東北部、朝鮮半島、日本に分布する[2]。
日本では北海道、本州、四国、九州、種子島、奄美大島、徳之島[4]にかけて広く分布する[3]。山野の日当たりのよい湿地[3]、沢沿いなどの湿り気のある場所に自生する。田中澄江による『花の百名山』で、宮崎県の祖母山を代表する花のひとつとして紹介されている[5]。
種の保全状況評価
[編集]日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[6]。多数の都道府県で、開発による湿地の減少[7][8][9][10][11]、湿った草地の減少[12]、草地の開発[13]、森林伐採[14]、環境遷移による湿地の乾燥化[10][13][15]、栽培目的のための採集[8][9][10][11][12][14]などにより減少傾向にある[6]。
- 絶滅(EX) - 埼玉県[7]
- 絶滅危惧IA類(CR)- 山梨県、沖縄県[4]
- 絶滅危惧I類(CRまたはEN) - 徳島県[8]
- 絶滅危惧IB類(EN)- 東京都南多摩[注釈 1]、神奈川県
- 絶滅危惧II類(VU) - 宮城県、栃木県[9]、群馬県、島根県[15]
- 準絶滅危惧(NT) - 秋田県、山形県、富山県、石川県[13]、長野県、三重県[17]、香川県[10]、愛媛県[14]、長崎県、熊本県
- 分布重要 - 鹿児島県
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “カキラン”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c d 里見信生 (1982)、208頁
- ^ a b c d e 林弥栄 (2009)、568頁
- ^ a b “沖縄県版レッドデータブック” (PDF). 沖縄県. pp. 252-253 (2006年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ 田中澄江 (1997)、382-385頁
- ^ a b “日本のレッドデータ検索システム「カキラン」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年7月24日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ a b “埼玉県レッドデータブック2008植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 209 (2011年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “徳島県版レッドデータブック” (PDF). 徳島県. pp. 356 (2011年8月). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “レッドデータブックとちぎ・カキラン”. 栃木県 (2011年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c d “香川県レッドデータブック・カキラン”. 香川県 (2004年3月). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “兵庫県版レッドデータブック2010(植物・植物群落)・カキラン” (PDF). 兵庫県 (2010年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “千葉県レッドデータブック植物編(2009年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 243 (2011年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “いしかわレッドデータブック植物編2010・カキラン” (PDF). 石川県 (2010年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b c “愛媛県レッドデータブック・カキラン”. 愛媛県 (2003年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ a b “しまねレッドデータブック・カキラン”. 島根県 (2004年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ “北海道レッドデータブック・カキラン”. 北海道 (2001年). 2013年7月24日閲覧。
- ^ “三重県レッドデータブック2005・カキラン”. 三重県 (2005年). 2013年7月24日閲覧。
参考文献
[編集]- 里見信生 著、佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅰ単子葉類』平凡社、1982年1月10日。ISBN 4582535011。
- 田中澄江『花の百名山』文春文庫、1997年6月。ISBN 4-16-352790-7。
- 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。
外部リンク
[編集]- カキラン (植物図鑑)
- カキランの標本(千葉県清澄山で1965年7月4日に採集) (千葉大学附属図書館)
- カキラン (筑波実験植物園)
- Epipactis thunbergii (The Plant List)