エティハド航空
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法人番号 | 1700150005974 | |||
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設立 | 2003年7月 | |||
ハブ空港 | ザイード国際空港 | |||
マイレージサービス | Etihad Guest | |||
会員ラウンジ | Etihad Premium Lounge | |||
航空連合 | エティハド航空パートナーズ | |||
保有機材数 | 233機(132機 発注中) | |||
就航地 | 90目的地以上[1] | |||
本拠地 | アラブ首長国連邦 アブダビ市 | |||
代表者 | ハマド・ビン・ザーイド・アール=ナヒヤーン(取締役会会長)、ジェームス・ホーガン(CEO) | |||
外部リンク |
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エティハド航空(エティハドこうくう、阿: الاتحاد للطيران; al-ittiḥād liṭ-ṭayarān、英: Etihad Airways)は、アラブ首長国連邦 (UAE) アブダビ首長国アブダビ市に本拠を置く国営の航空会社である。アラブ航空会社機構の一員。
エティハド(اتحاد, イッティハード)とは連合の意。イッティハード航空と表記されることもある。また、設立当時はエチアード航空とも呼ばれていた[2]。
イギリスのスカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ」(The World's 5-Star Airlines) の認定を過去に得ていた[3]が、2019年5月に4スターエアラインに降格した[4]。
解説
[編集]UAEの第2代大統領ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンによって、2003年7月にUAEの航空会社として設立。アブダビ首長国のいわゆるフラッグ・キャリアで、同じUAEのドバイを拠点とするエミレーツ航空と並び、UAEおよび中東の代表的な航空会社である。エミレーツ同様に3大航空連合には加盟していないが、アライアンスを超えた多種多様なコードシェア便で拡大を図っている。
ハブ空港のザイード国際空港を中心に、中東やアフリカなどのほか、アジア各地やヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニアなど世界各地に路線を展開している。日本には成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港に就航実績があり、中東の航空会社では唯一、日本の三大都市圏すべてに定期便の乗り入れを行っている。
2003年11月に商業運航を開始してから、潤沢なオイルマネーを背景に新規機材を投入し、2006年6月まで1か月に1路線ずつ開設していた。2004年には5機のボーイング777-300ERと24機のエアバス機(4機のA380を含む)の総額80億ドルに及ぶ機材発注を行った。
なお同社設立までは、アブダビ首長国がバーレーンやオマーンとともに出資して運航していたガルフ・エアが同国のフラッグ・キャリアであったが、当社設立に伴いアブダビ首長国は2005年にガルフ・エアへの出資を取りやめた。
M&Aによる拡大
[編集]2010年代に入ってからはM&Aによる拡大路線を取っており、2014年現在以下の航空会社に出資している。ヴァージン・オーストラリア以外はほぼ経営権を握っており、事実上の傘下企業となっているが、経営難によりその後傘下から外れた会社もある。
- セーシェル航空(セーシェル共和国)- 2012年に株式の40%を取得。
- エア・セルビア(セルビア)- 2013年8月に株式の49%を取得。
- ヴァージン・オーストラリア(オーストラリア)- 2014年5月に出資比率を21.24%に引き上げた[5]が、2020年4月に経営破綻。
- アリタリア-イタリア航空(イタリア)- 2014年8月に株式の49%を取得した[6]が、2017年5月に経営破綻し傘下から事実上離脱。
アリタリアの2017年5月経営破綻に加え、同年10月には提携先のエア・ベルリン、同年12月にはダーウィン・エアライン、さらに2019年4月にはジェットエアウェイズが運航を停止するなど、傘下企業の中には経営が厳しいものも多く、それらに足を引っ張られる形でエティハドの連結業績も2016年・2017年と赤字に転落し業績不振に陥っている[7]。このため従来ライバルと見られていたエミレーツ航空との協力関係強化に走っており、操縦士の2社兼業を認めるなどの施策を打ち出している[7]。
機材
[編集]エティハド航空が発注したボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)はFXで、航空機の形式名は777-3FXER、777-FFXとなる。
2013年11月17日、ボーイング777-8Xやボーイング 787-10、エアバスA350 XWBなどの航空機を大量に発注し、777-8Xのローンチカスタマーとなったが、その後経営不振により777-8Xの発注をキャンセルし、777-9Xについても11機発注を削減した[8]。
なお、エアバスA350-1000は、設計変更などの開発の遅れが生じたため、12機まで減少している[9]。2015年の787とA380導入を機に新塗装をまとっている。一方、2022年2月のシンガポール・エアショーにおいて、エアバスA350Fを7機発注した[10]。
リスト
[編集]機種 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | ||||
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R | F | C | Y | 計 | ||||
エアバスA320-200 | 13 | - | - | - | 8 | 150 | 158 | |
- | - | 16 | 150 | 166 | ||||
エアバスA321-200 | 9 | - | - | - | 8 | 188 | 196 | |
エアバスA321neo | - | 26 | 未定 | |||||
エアバスA350-1000 | 5 | 15 | - | - | 44 | 327 | 371 | |
エアバスA380-800 | 4+6 | - | 2 | 9 | 70 | 417 | 498 | 保有機のうち4機を復帰[13] 残り6機は保管中 |
ボーイング777-300ER | 9 | - | - | 8 | 40 | 280 | 328 | |
- | 40 | 340 | 380 | |||||
28 | 384 | 412 | ||||||
ボーイング777-9 | - | 25 | 未定 | |||||
ボーイング787-9 | 33 | 8 | - | 8 | 28 | 199 | 235 | |
- | 28 | 271 | 299 | |||||
ボーイング787-10 | 10 | 20 | - | - | 32 | 304 | 336 | |
貨物用機材 | ||||||||
エアバスA350F | - | 7 | 貨物 | 2022年発注[14] | ||||
ボーイング777F | 5 | - | 貨物 | |||||
計 | 94 | 101 |
-
エアバスA320-200
-
エアバスA321-200
-
エアバスA350-1000
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エアバスA380-800
-
ボーイング777-300ER
-
ボーイング777F
-
ボーイング787-9
-
ボーイング787-10
-
ボーイング787-10(グリーンライナー)
退役機材
[編集]- エアバスA300-600R/600RF
- エアバスA310-300F
- エアバスA319-100
- エアバスA330-200/200F/300
- エアバスA340-300/500/600
- ボーイング747-400F
- ボーイング747-8F
- ボーイング767-300ER
- ボーイング777-200LR
- マクドネル・ダグラス MD-11F
-
エアバスA300-600RF
-
エアバスA319-100
-
エアバスA330-200
-
エアバスA330-200F
-
エアバスA330-300
-
エアバスA340-300
-
エアバスA340-500
-
エアバスA340-600
-
ボーイング747-400F
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ボーイング747-8F
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ボーイング767-300ER
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ボーイング777-200LR
就航都市
[編集]サービス
[編集]長距離路線ではファーストクラス(ファーストスイートもしくはファーストアパートメント)、ビジネスクラス(ビジネス・ステューディオ)、エコノミークラス(エコノミースマートシート)の3クラス制で、短中距離路線はビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制である。なお、エアバスA380のみファーストクラスより上級の「ザ・レジデンス」を2席用意している。「ザ・レジデンス」は座席を設けた個室の「リビングルーム」の他に専用のベッドルーム、バスルームを配したものとなっている[20]。
2009年8月から投入した新ファーストクラスは個室タイプで、室内は全長2 m・幅75.6 cmのフルフラットベッドになる大型シートを採用。シートはイタリアのポルトローナ・フラウ社製を使用するなどインテリアにもこだわり、個室の入り口もアラビア風のドアで演出。その他、マッサージ機能やパソコン・iPod・イーサネットケーブルなどのソケットが設置される。
上位クラスでは、テレビ・ラジオや600時間以上の映画、ゲームを楽しめるAVOD(オーディオ・ビデオ・オン・デマンド)エンターテインメント機付きの23インチワイドスクリーンLCD、専用ワードローブ、ミニバーを設置している。新ファーストクラスはエアバスA340-600に12席を設置した。2011年から、機内エンターテイメント (IFE) を提供するパナソニック アビオニクスと10年間にわたるIFEシステム独占供給の契約を締結[21]。2011年からボーイング777-300ERやエアバスA380に同社製IFEシステムのeX2を、エアバスA350 XWB受領後には最新のeX3シリーズをそれぞれ搭載している。
マイレージ・プログラムの Etihad Guest は、ニュージーランド航空、アリタリア-イタリア航空、全日本空輸、アメリカン航空、アシアナ航空、バンコク・エアウェイズ、ブリュッセル航空、ジェットエアウェイズ、オマーン・エア、パシフィック・ブルー、スリランカ航空、ウクライナ国際航空、V オーストラリア、ヴァージン・オーストラリアと提携している。
エティハド航空パートナーズ
[編集]2014年10月には独自の航空連合として「Etihad Airways Partners」を立ち上げた[22]。系列のダーウィン・エアライン、エア・セルビア、セーシェル航空に加えてエア・ベルリン、ジェットエアウェイズが参加しているが、一方でヴァージン・オーストラリアは参加を見送っている[22]。
現在のメンバー
[編集]かつてのメンバー
[編集]- エア・ベルリン(倒産、元ワンワールドメンバー)
- ジェットエアウェイズ(倒産)
- ダーウィン・エアライン(アドリア航空に売却されたのち、倒産)
- アリタリア-イタリア航空(運航終了、元スカイチームメンバー)
コードシェア
[編集]2017年11月時点で、下記航空会社とコードシェアを行っている。
受賞歴
[編集]- 2004、2005、2006年:World’s Leading New Airline (11th,12th,13th World Travel Awards)
- 2006、2007年:World’s Leading Flatbed Seat (13th,14th World Travel Awards)
- 2007年:World’s leading travel television commercial (14th World Travel Awards)
- 2009年:World’s leading Airline (World Travel Awards 2009)
スポンサー
[編集]2007年と2008年初期において、F1世界選手権に参戦するスパイカーF1チームとその後継であるフォース・インディアチームのメインスポンサーとなっていた。しかし、フォース・インディアのオーナーとなったビジェイ・マリヤの所有するキングフィッシャー航空とのバッティングを回避するため、2008年開幕戦からはスクーデリア・フェラーリのスポンサーとなっており、マシンのリアウィング後ろ側にロゴが配されている。2009年から開催されているF1アブダビグランプリではタイトル・スポンサーとなった。
イングランドプレミアリーグのチェルシーFCのオフィシャルエアラインであった。2010-11シーズンより同じくプレミアリーグのマンチェスター・シティFCの胸スポンサーを務めており、2011年7月には本拠地のシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムの命名権を獲得し「エティハド・スタジアム」と称している。その他ニューヨーク・シティFC、メルボルン・シティFC、クリケットイングランド代表、インディアン・プレミアリーグのムンバイ・インディアンズ、アル・アインFC、全アイルランドシニアハーリング選手権、シドニー・オペラハウス、アブダビHSBC選手権のオフィシャルエアラインとして指定されている。またオーストラリア・メルボルンの競技場ドックランズ・スタジアムの命名権を獲得し、「エティハド・スタジアム」(上述のスタジアムとは別)と称している。
2015年には資本提携関係にあるアリタリア-イタリア航空と協同でミラノEXPO2015特別塗装機(エアバスA330)を運航しており、2月にはエティハド航空定期便にこの特別塗装機が投入され、愛知万博10周年記念イベント開催中の中部国際空港に飛来し、万博開催都市同士の交流がなされた。なお同博覧会では両者の共同で「アリタリア・エティハド・パビリオン」として出展している。
脚注
[編集]- ^ “Etihad Destinations” (英語). Etihad Airways. 2024年10月19日閲覧。
- ^ “アラブ首長国連邦の産業基盤” (PDF). 一般財団法人 中東協力センター. p. 7. 2015年10月24日閲覧。
- ^ 5-Star Airline Rating SKYTRAX
- ^ Ben Schlappig (2019年5月11日). “Etihad Airways Loses Skytrax 5-Star Rating” (英語). One Mile At A Time. 2024年10月19日閲覧。
- ^ Etihad Airways stake in Virgin Australia rises to 21.24 per cent - TheNational・2014年5月19日
- ^ エティハド航空、アリタリア株49%取得で合意 - ウォール・ストリート・ジャーナル 2014年8月9日
- ^ a b エティハド航空の業績不振 エアバスとボーイングに波及も - Forbes Japan・2018年7月20日
- ^ “Etihad restructures aircraft orders after conclusion of talks with Airbus and Boeing” (英語). The National (2019年2月14日). 2022年2月16日閲覧。
- ^ Orders & deliveries The month in review: April 2012
- ^ “エアバスA350F、新規契約 シンガポール航空は確定・エティハド航空から受注 | FlyTeam ニュース”. FlyTeam. 2022年2月16日閲覧。
- ^ 弊社の機材
- ^ Etihad Airways Fleet Details and History
- ^ エティハド航空、エアバスA380型機の運航再開
- ^ エティハド航空、エアバスA350Fを7機確定発注
- ^ エティハド航空、2018年3月にアブダビ/バクー線を開設 A320で週3便 FlyTeam 2017年10月13日
- ^ カタール航空、サウジアラビア・UAE・バーレーン・エジプト線を運航停止 FlyTeam 2017年6月6日
- ^ エティハド航空、2015年6月からアブダビ/エディンバラ線に新規就航 FlyTeam 2014年7月23日
- ^ エティハド、2018年夏にアブダビ/ダラス線を運休 アメリカンと提携解消で FlyTeam 2017年11月6日
- ^ エティハド航空、2017年3月下旬からアブダビ/サンパウロ線を運休 FlyTeam 2016年12月19日
- ^ ザ・レジデンス(エティハド航空公式サイト)
- ^ Tish Drake (2011年11月18日). “Etihad Selects Panasonic IFE in $1 Billion Deal”. Aviation Today. 2024年10月19日閲覧。
- ^ a b Etihad launches Etihad Airways Partners - BusinessTraveller・2014年10月8日