イケヒコ・コーポレーション
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | イケヒコ |
本社所在地 |
日本 〒830-0424 福岡県三潴郡大木町三八松1052 北緯33度11分09.4秒 東経130度26分34.7秒 / 北緯33.185944度 東経130.442972度座標: 北緯33度11分09.4秒 東経130度26分34.7秒 / 北緯33.185944度 東経130.442972度 |
設立 |
1957年5月[1] (有限会社池上彦太郎商店) (創業 1886年) |
業種 | その他製品 |
法人番号 | 9290001052615 |
事業内容 | インテリア、寝具製品の製造販売 |
代表者 | 猪口耕成 (代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 104億円 (2018年9月)[2] |
従業員数 | 340人 (2021年2月)[2] |
外部リンク | https://ikehiko.net/ |
株式会社イケヒコ・コーポレーション(英: IKEHIKO CORPORATION Co., Ltd.)は、福岡県三潴郡大木町に本社を置く、い草製品メーカーである。
概要
[編集]1886年 (明治19年)、池上彦太郎が大莞村奥牟田にて畳販売を創業。1933年(昭和8年)、畳表卸売業を開始。1960年代は家族を含む従業員7、8人の家業に過ぎなかったが、企業への体質変換を進め、競争の激しい卸売では独自性を発揮できないとして製造業に参入。1967年(昭和42年)、い草風のポリプロピレン製カーペットを発売し、行楽用や海水浴用として爆発的な売上を見せた[3]。以降、退色しにくい加工を施した畳や、防ダニ防カビ効果のあるヒバ加工の製品を開発。また、夏の季節商材であるい草製品から取り扱いを拡大し、こたつ布団を含むオールシーズン対応の商品展開を図った[4]。1990年代初め、売上は5年間で1.5倍に成長し、い草関連商品で3割のシェアを示した。1995年9月期売上は100億5000万円[1]。
地域振興を目指し、い草製品開発に力を入れるとともに、1995年(平成7年)には買い物の不便解消のため地元にスーパーマーケット「アスタラビスタ」を出店。本社のある大木町や、周辺の筑後地方に店舗を展開。
2000年代以降は海外に販路を求め、2007年からはインテリアの国際見本市へ出展するほか、カナダなどに販売窓口を開設[5]。国内でもい草と畳文化のPRを進め、子育て支援プロジェクトサポーター、子供向けワークショップイベントへの出展、「畳アンバサダー」講習会の実施、無印良品との共同イベントの開催などを行っている。
2020年(令和2年)、JETROの海外需要開拓プログラム「TAKUMI NEXT 2020[6]」で選定された「匠」企業121社のうちの1社となった。
生産体制
[編集]1985年(昭和60年)のプラザ合意を機に中国に進出、江蘇省でい草の生産を開始した。現地工場に自動織機と縦糸を提供する代わりに、製品を1割ほど安く買い受ける補償貿易の形で取引を始め、1987年から畳表、翌1988年からござ類の輸入を開始した[7]。2005年の輸入い草製品取扱量はトクラ(岡山県倉敷市)に次ぐ国内2位[7]。織機を用いた加工は地元い草農家や中国工場に外注し、自社では商品の企画・開発と半製品への縁付けやコーティングなど仕上げを行う[1][3]。
2005年における同社のい草製品取扱量は、輸入品が77%、国産品が23%で[7]、普及品には大量生産可能な中国産を用い、上級品には国産を用いるという棲み分けがされている[8]。国産は高密度、高耐久性と評価[5]し、機能性を求める製品や海外向けの製品には熊本産と福岡産のい草[9]を使用するも、い草製品の開発輸入の伸展と住宅の洋風化で国内生産量は減少。「国産イグサの入手が厳しい[10]」状況となっていることから、い草・畳文化継承のため同社は2012年(平成24年)から自社栽培を開始した。
沿革
[編集]- 1886年(明治19年)、池上彦太郎が大莞村奥牟田にて畳販売を創業[11]
- 1932年(昭和7年)、ござ類の海外輸出を開始[7]
- 1933年(昭和8年)、畳表卸売業を開始、日本全国に出荷
- 1957年(昭和32年)、「有限会社池上彦太郎商店」を設立
- 1966年(昭和41年)、PPカーペットの製造を開始
- 1970年(昭和45年)、い草とPPの交織製品を開発
- 1978年(昭和53年)、本社を現所在地に移転
- 1979年(昭和54年)、こたつ布団の製造を開始
- 1980年(昭和55年)、株式会社に改組
- 1985年(昭和60年)、江蘇省でい草の栽培を開始
- 1987年(昭和62年)、中国から畳表の輸入を開始
- 1990年(平成2年)、「株式会社イケヒコ・コーポレーション」に社名変更
- 1993年(平成5年)、浙江省でい草の栽培を開始
- 1995年(平成7年)、アスタラビスタ大木店を開店
- 1996年(平成8年)、ヒバ加工製品を開発、江蘇省に合弁工場を設立
- 2012年(平成24年)、い草の自社栽培を開始
主な製品
[編集]- い草製品
- い草ラグ・カーペット
- い草寝具
- い草小物
- 置き畳・ユニット畳
- ラグ・カーペット
- こたつ布団
- 寝具
- クッション
畳ヨガ
[編集]2017年(平成29年)6月に開催した「畳ヨガ」教室で好評だった、い草のヨガマットを商品化し同年10月14日に発売[12]。紋織りで富士山などの模様を描いたヨガマットは、2020年時点で米国、スイス、中国など10以上の国と地域で計1万枚を売り上げた[9]。国内でも、在宅時間の増加を受けて月に100枚ほどだった注文が2020年4月は約500枚、5月は約1000枚に伸びた[13]。
脚注
[編集]- ^ a b c 「企業・新発見=イケヒコ・コーポレーション」『西日本新聞』1996年8月29日、9面。
- ^ a b “株式会社イケヒコ・コーポレーションの新卒採用・企業情報”. リクナビ2022. 2021年6月27日閲覧。
- ^ a b “森業・山業優良ビジネス先進事例ナビ:「青森ヒバのエキス一本で行く!」イグサ製造会社のある冒険”. 日本森林技術協会 (2007年). 2021年6月27日閲覧。
- ^ “導入事例 株式会社イケヒコ・コーポレーション様|Amazon EDI業務効率化事例|煩雑な出荷フローを劇的に改善し、95%以上の業務工数削減”. ユーザックシステム (2021年1月). 2021年6月27日閲覧。
- ^ a b 「イ草の美味わって 快眠もPR/パリで見本市」『日本農業新聞』2009年1月27日、3面。
- ^ “「TAKUMI NEXT 2020」 ―全国121社の「匠」の海外販路開拓支援をオンライン化―”. 日本貿易振興機構 (2020年7月27日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ a b c d 後藤拓也「農産物開発輸入の地域的展開とそのメカニズム―日本の輸入商社によるい製品開発輸入を事例に―」『人文地理』第59巻第4号、人文地理学会、2007年、315-331頁。
- ^ “畳表いろいろ…”. イケヒコ・コーポレーション 八代支店 (2004年). 2021年6月27日閲覧。
- ^ a b 「[活写]国産イ草香る 「畳×ヨガ」旋風!?」『日本農業新聞』2020年5月24日、1面。
- ^ 「福岡県/花宗川の詩(うた)<8>大木 イ草産業 伝統の畳文化を守る-連載」『西日本新聞』2017年10月12日、19面。
- ^ “沿革”. イケヒコ・コーポレーション. 2021年6月27日閲覧。
- ^ “新感覚の畳×ヨガマットを10月14日に発売! MADE IN JAPANの『畳ヨガ TATAMI YOGA』|株式会社イケヒコ・コーポレーションのプレスリリース”. @Press (2017年10月6日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ “汗かいてもベタつきにくい ヨガマット 巣ごもりで人気”. 朝日新聞デジタル (2020年5月31日). 2021年6月27日閲覧。