コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アーティゾン美術館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アーティゾン美術館
Artizon Museum
地図
施設情報
専門分野 西洋美術、日本近代美術、古美術品、現代美術
収蔵作品数 約2800点[1]
館長 石橋寬
管理運営 公益財団法人石橋財団
建物設計 日建設計(建物全体)
TONERICO(美術館内装デザイン)
廣村デザイン事務所(美術館サインデザイン)[2]
延床面積 6,715 m2 [1]
開館 2020年1月18日
所在地 104-0031
東京都中央区京橋1丁目7番2号
位置 北緯35度40分43.81秒 東経139度46分18.8秒 / 北緯35.6788361度 東経139.771889度 / 35.6788361; 139.771889座標: 北緯35度40分43.81秒 東経139度46分18.8秒 / 北緯35.6788361度 東経139.771889度 / 35.6788361; 139.771889
外部リンク https://www.artizon.museum/
プロジェクト:GLAM
テンプレートを表示
アーティゾン美術館の6F展示室入り口
ルノワール『すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢』1876年
旧美術館外観

アーティゾン美術館(アーティゾンびじゅつかん、: Artizon Museum)は、東京都中央区京橋にある私立美術館公益財団法人石橋財団が運営している。

2019年7月1日にブリヂストン美術館 (ブリヂストンびじゅつかん、: Bridgestone Museum of Art)から改称し[3]2020年1月18日にミュージアムタワー京橋内で新たにオープンした。従来の西洋美術、日本近代絵画に加えて、再開後は古美術品や現代美術なども幅広く収蔵・展示する施設とする[4]。Artizonはart(美術)とhorizon(地平)を合わせた造語

概要

[編集]

現在の株式会社ブリヂストンの創業者である実業家石橋正二郎の収集した美術品を展示するため、1952年、東京・京橋に新築されたブリヂストン本社ビル(永坂産業京橋1丁目ビル)内に「ビルの中に美術館」を開設する先駆けとして[5]開館した。石橋は昭和初め頃から日本の近代絵画の収集を始め、西洋美術の収集に本格的に乗り出したのは第二次大戦後のことであった。石橋は、戦前に既に日本にもたらされていた西洋美術のコレクションを、戦後まとまった形で入手し、美術館開館までのわずか数年間に日本有数の西洋美術コレクションを形成した。

石橋正二郎は美術館の開館後も収集を継続した。1956年には財団法人石橋財団が設立され、1961年には美術品も財団へ移管された。同じ1956年、郷里の福岡県久留米市には石橋美術館を中核施設とする石橋文化センターが寄贈された。なお、石橋財団は2016年9月をもって石橋美術館の運営を久留米市に返還し、同美術館は2016年10月から久留米市美術館として再出発した。石橋財団が所有し、石橋美術館で展示してきた国宝重要文化財を含む美術品は全て、石橋財団アートリサーチセンター(東京都町田市)で一括管理されることとなった[6]

館では1999年にリニューアルを行い、内装を一新した。印象派絵画の展示室は、従来の無機質な空間ではなく、床に絨毯を敷き、壁は色付きとして、19世紀当時、絵画が鑑賞されていた時代の雰囲気を出していた[7]

2015年5月18日からビルの建替えに伴い長期休館。2019年7月1日から館名をアーティゾン美術館に変更し、翌2020年1月18日、竣工したミュージアムタワー京橋の1 - 6階部分に入り再開館した。

開館時間

[編集]
  • 来場にあたっては、Webサイトからの日時指定予約(事前申し込み)制。
  • 開館時間 10:00 - 18:00
  • 休館日は毎週月曜日国民の祝日休日の場合は開館し、火曜日以降の最初の平日)

主な収蔵品

[編集]

主な収蔵品(旧石橋美術館保管分)

[編集]
青木繁 『海の幸』
  • 禅機図断簡(丹霞焼仏図)因陀羅筆 1幅 紙本墨画 中国・時代(国宝福岡藩黒田家伝来
  • 雪舟「四季山水図」4幅 絹本墨画淡彩 15世紀(重要文化財)福岡藩黒田家伝来で、正二郎が黒田家から直接譲り受けた
  • 円山応挙「竹に狗子・波に鴨図」(襖絵)8面 紙本墨画淡彩 18世紀 
  • 黒田清輝「針仕事」(1890年)
  • 藤島武二天平の面影」(1902年)(重要文化財)、「チョチャラ」(1908 - 09年)
  • 青木繁「海の幸」(1904年)(重要文化財)、「大穴牟知命」(1905年)、「わだつみのいろこの宮」(1907年)(重要文化財)
  • 佐伯祐三「コルドヌリ」(1925年)
  • 古賀春江「鳥籠」(1929年)
  • 坂本繁二郎「放牧三馬」(1932年)
  • 古今和歌集』巻第一断簡(高野切第一種)(重要文化財)福岡藩黒田家伝来
  • 青磁鉄斑文瓶(飛青磁花瓶)中国・元時代(重要文化財)福岡藩黒田家伝来

脚注

[編集]
  1. ^ a b “ぐるっと東日本・アートを歩く 芸術さんぽ アーティゾン美術館(東京都中央区) 東京駅そば、洗練の空間 /東京”. 毎日新聞. (2020年2月28日). https://mainichi.jp/articles/20200228/ddl/k13/040/008000c 2020年9月27日閲覧。 
  2. ^ 日経アーキテクチュア 2020, p. 73.
  3. ^ 館名変更:ブリヂストン美術館から「アーティゾン美術館」へブリヂストン美術館ニュースリリース(2018年9月5日)2018年9月6日閲覧。
  4. ^ 2020年1月、いよいよ、新美術館開館へブリヂストン美術館ニュースリリース(2018年9月5日)2018年9月6日閲覧。
  5. ^ その後1990年以前まで、サントリー美術館出光美術館東郷青児美術館の3館や、セゾン美術館百貨店内のミュージアム数館が都内に於ける「ビルの中の美術館」だった。(その後、パナソニック汐留美術館森美術館三井記念美術館と続き、建替え後の当館も「ビルの中の美術館」を継続。)
  6. ^ 久留米・石橋美術館が60年の歴史に幕(産経ニュース、2016年8月20日)
  7. ^ 宮崎克己「ブリヂストン美術館への招待」『読むブリヂストン美術館』所収、p.7

参考文献

[編集]
  • 石橋財団ブリヂストン美術館編 『読むブリヂストン美術館』、2001
  • 石橋財団ブリヂストン美術館編 『特集展示 コレクター石橋正二郎』、2002
  • 週刊朝日百科 『日本の美術館を楽しむNo.3 ブリヂストン美術館』 朝日新聞社、2004
  • 『日経アーキテクチュア』日経BP、2020年3月。 

関連出版

[編集]
  • 林 洋海『印象派とタイヤ王 石橋正二郎のブリヂストン美術館』現代書館、2022

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]