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メガネグマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンデスグマから転送)
メガネグマ
生息年代: 0.1–0 Ma
, 更新世後期–現世
メガネグマ
メガネグマ Tremarctos ornatus
保全状況評価[a 1][a 2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
: クマ科 Ursidae
亜科 : メガネグマ亜科 Tremarctinae
: メガネグマ属
Tremarctos Gervais, 1855
: メガネグマ T. ornatus
学名
Tremarctos ornatus (F. Cuvier, 1825)
和名
メガネグマ
英名
Spectacled bear

Andean bear

生息域

メガネグマ(眼鏡熊、Tremarctos ornatus)は、哺乳綱ネコ目(食肉目)クマ科メガネグマ属に分類されるクマ[1]。現生種では本種のみでメガネグマ属を構成する。

分布

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エクアドルコロンビアペルーベネズエラ西部、ボリビア[2][3][4]

クマ科で唯一、南半球に分布する熊である[5]

形態

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頭骨

体長120-200センチメートル[4]。尾長5-7.5センチメートル[3]。肩高70-80センチメートル[3][4]体重オス130-200キログラム、メス35-65キログラム[3]。毛衣は黒や暗褐色[3]。目の周囲や喉に白や黄白色の斑紋が入り、個体によってはメガネのように見えることが和名の由来[2][3][4]。種小名ornatusは「装飾された」の意。斑紋は個体変異が大きい[4]。斑紋が入らない個体もいる[2][3]

咬筋が付着する下顎骨の窪み(咬筋窩)の数は2[3]上腕骨下部の内側に、神経や動脈が通る孔(内側上髁孔)があるとされる[3]

乳頭の数は4[3]

生態

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主に標高1,800-3,300メートルにある雲霧林に生息するが、草原、砂漠や乾燥林にも生息する[3][4]夜行性で、昼間は大木の下や樹洞、樹上に木の枝を組み合わせた巣などで休む[2][4]

食性は植物食の強い雑食で、主に果実を食べるが木のアナナス類、ヤシ類)、樹皮昆虫、小型哺乳類なども食べる[4]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は160-225日[4]。1回に1-3頭の幼獣を産む[3][4]。オスは平均で生後5年、メスは生後4-7年で性成熟する[3]。飼育下では36年5か月の生存記録がある[4]

人間との関係

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農地開発や道路建設による生息地の減少、毛皮目的や娯楽としての狩猟、害獣としての駆除などにより生息数は減少している[4]。生息地では法的に保護の対象とされている[4]。ペルー北部での1977-1979年における生息数は約850頭と推定されている[3]

画像

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関連項目

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参考文献

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  1. ^ Fred Bunnell 「クマ科」渡辺弘之訳『動物大百科1 食肉類』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年。
  2. ^ a b c d 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、69、238頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、15-16、76頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社2001年、26-27、159頁。
  5. ^ 南極に「ナンキョクグマ」はなぜいないのか? - GIGAZINE”. gigazine.net (2022年4月30日). 2023年10月25日閲覧。

外部リンク

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  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Goldstein, I., Velez-Liendo, X., Paisley, S. & Garshelis, D.L. (IUCN SSC Bear Specialist Group) 2008. Tremarctos ornatus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.