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アルバートニクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルバートニクス
アルバートニクスの復元図
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
階級なし : コエルロサウルス類 Coelurosauria
上科 : アルヴァレスサウルス上科
Alvarezsauroidea
: アルヴァレスサウルス科
Alvarezsauridae
: モノニクス族 Mononykini
: アルバートニクス属 Albertonykus
学名
Albertonykus
Longrich & Currie, 2009

アルバートニクス学名Albertonykus)は、カナダアルバータ州に分布する上部白亜系地層化石が発見された、アルヴァレスサウルス科に属する獣脚類恐竜[1]。名前は「アルバータの鉤爪」を意味する[1]アルバートニクス・ボレアリス(学名:Albertonykus borealis)が知られており、種小名は「北の」を意味する[1]。太い鉤爪の備わった1本の機能指を有し[2]、これを用いてシロアリを捕食していたことが考えられている[1]

特徴

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アルバートニクスが木の中にいるシロアリを食べてようとしている様子

ニワトリほどの大きさで二足歩行を行う動物であり[1]グレゴリー・ポールの推定では全長1.1メートル、体重約5キログラムに達する[2]。化石は断片的であり、ごく一部の体骨格のみが知られている[2]

アルヴァレスサウルス科全体に共通する特徴であるが、本属の前肢は短く、機能指は太い鉤爪を伴った1本のみである[2]。この鉤爪は木の内部に生息するシロアリ捕食することに便利であったと推測されている[2]

産地

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化石はカナダで発見されている[2][1]。本属の発見以前のアルヴァレスサウルス科の恐竜は南アメリカ大陸アジアで発見されており[1]、南アメリカからはアルヴァレスサウルスパタゴニクスモンゴル国からはモノニクスシュヴウイアパルヴィカーソルが知られていた[3]。本属の発見は新たに北アメリカ大陸での産出例を与え、南アメリカで出現したアルヴァレスサウルス科の系統が北アメリカを渡ってアジアへ進出したとする本科の進化史の仮説を提供している[1]

アルバートニクスの化石はホースシューキャニオン層の上部で産出しており、地質年代は後期白亜紀マーストリヒチアン期中期とされる[2]。沿岸域に沼地・湿地の広がる、発達した森林のある湿潤環境の氾濫原に生息していたと推察される[2]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h 松田眞由美『語源が分かる恐竜学名辞典』小林快次藤原慎一 監修、北隆館、2017年1月20日、148頁。ISBN 978-4-8326-0734-7 
  2. ^ a b c d e f g h グレゴリー・ポール 著、東洋一今井拓哉河部壮一郎柴田正輝関谷透服部創紀 訳『グレゴリー・ポール恐竜事典 原著第2版』東洋一今井拓哉 監訳、共立出版、2020年8月31日、147頁。ISBN 978-4-320-04738-9 
  3. ^ 小林快次久保田克博『モンゴル大恐竜 ゴビ砂漠の大型恐竜と鳥類の進化』北海道大学出版会、2006年7月25日、38頁。ISBN 4-8329-0352-7 

関連項目

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