アリドオシラン
アリドオシラン | |||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2015年7月
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Myrmechis japonica (Rchb.f.) Rolfe[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
アリドオシラン |
アリドオシラン(蟻通し蘭[2]、学名:Myrmechis japonica (Rchb.f.) Rolfe[1])は、ラン科アリドオシラン属に分類される多年草の1種。和名は葉がアカネ科のアリドオシに似ていることに由来する[3][4]。属名の「Myrmechis」は、アリを意味し、種小名の「japonica」はギリシア語で日本を意味する[3]。
分布と生育環境
[編集]千島列島南部、北海道、近畿地方以北の本州、四国に分布する[3][5][6]。
深山(山地帯から亜高山帯にかけて[2])針葉樹林や落葉樹林[注釈 1][7]の下で苔に混じって、湿った場所[3]に生育する[5][8]。基準標本は御嶽山の個体[2]。
特徴
[編集]茎は細くひも状で[9]下部は地を這い、高さ5-10 cm[5][10]、無毛[6]。根を出すことは稀[3][5]。3-5枚の葉がまばらに[6]互生し[9]、広卵形で長さ5-12 mm[5]、幅4-8 mm、表面に微突起[6]と光沢[7]があり、冬に枯れる[3]。花茎には白い多細胞の縮毛がある[6]。茎の先端に1-3個[10]の白色ときに薄桃色の花を横向きにつける[5]。花期は7-8月[5][6]。苞は膜質で、長さ4-6 mmの広披針形[6]。唇弁は長さ6-7 mmの萼[6]より長く、約1 cmで基部はふくれ、先端は2裂する[5]。葯は広卵形で、薄紅色[6]。草姿はアカネ科のツルアリドオシに似ている[6]。
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花の細部(正面)
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花の側面
種の保全状況評価
[編集]日本では以下の多数の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[11]。採集、登山者による踏みつけ[12]、森林開発[13][14]などにより、個体数が減少している地域がある[15]。磐梯朝日国立公園、日光国立公園、上信越高原国立公園、中部山岳国立公園、僧ヶ岳県立自然公園[12]などの自然公園指定植物[15]。
- 絶滅危惧IA類(CR)- 神奈川県[16]、山梨県、徳島県[注釈 2][17]、高知県[18]
- 絶滅危惧IB類(EN)- 愛媛県[13]
- 絶滅危惧II類(VU)- 埼玉県[8]、東京都西多摩[19]、新潟県[15]、富山県[12]
- 準絶滅危惧(NT)- 秋田県
- 要注目種 - 静岡県
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “アリドオシラン”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2015年8月22日閲覧。
- ^ a b c 豊国 (1988)、544頁
- ^ a b c d e f 牧野 (1982)、786頁
- ^ a b “北海道レッドデータブック「アリドオシラン」”. 北海道 (2001年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 林 (2009)、574頁
- ^ a b c d e f g h i j 里見 (1982)、214頁
- ^ a b 大場 (1994)、142頁
- ^ a b “埼玉県レッドデータブック2011植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 214 (2011年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ a b 小野 (1987)、684頁
- ^ a b 今井 (1992)、332頁
- ^ “日本のレッドデータ検索システム「アリドオシラン」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2015年3月5日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ a b c “レッドデータブックとやま2012” (PDF). 富山県. pp. 292 (2012年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ a b “愛媛県レッドデータブック2014「アリドオシラン」”. 愛媛県 (2014年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ a b “いわてレッドデータブック 岩手の希少な野生生物 web版「アリドオシラン」”. 岩手県 (2014年3月). 2015年3月5日閲覧。
- ^ a b c “レッドデータブックにいがた” (PDF). 新潟県. pp. 400 (2001年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ “維管束植物 神奈川県レッドリスト”. 神奈川県 (2006年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ “徳島県版レッドリスト(改訂版)維管束植物” (PDF). 徳島県. pp. 7 (2014年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ “高知県レッドリスト(植物編)2010年改訂版” (PDF). 高知県. pp. 34 (2010年). 2015年3月5日閲覧。
- ^ “東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版” (PDF). 東京都. pp. 40 (2010年). 2015年3月5日閲覧。
参考文献
[編集]- 今井建樹『信州高山高原の花』信濃毎日新聞社、1992年6月30日。ISBN 4784092153。
- 大場達之、高橋秀男『日本アルプス植物図鑑』八坂書房、1999年4月25日。ISBN 4896944305。
- 小野幹雄、林弥栄(監修) 編『原色高山植物大図鑑』北隆館、1987年3月30日。ISBN 4832600079。
- 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1。
- 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅰ単子葉類』平凡社、1982年1月10日。ISBN 4582535011。
- 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。
- 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。 NCID BN00811290。全国書誌番号:85032603 。
外部リンク
[編集]- アリドオシランの標本(新潟県浅草岳で1971年7月27日に採集) (千葉大学附属図書館)
- Myrmechis japonica (The Plant List)