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アリドオシラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アリドオシラン
福島県会津地方 2015年7月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: アリドオシラン属 Myrmechis
: アリドオシラン M. japonica
学名
Myrmechis japonica (Rchb.f.) Rolfe[1]
和名
アリドオシラン

アリドオシラン(蟻通し蘭[2]学名Myrmechis japonica (Rchb.f.) Rolfe[1])は、ラン科アリドオシラン属分類される多年草の1和名は葉がアカネ科アリドオシに似ていることに由来する[3][4]名の「Myrmechis」は、アリを意味し、種小名の「japonica」はギリシア語日本を意味する[3]

分布と生育環境

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千島列島南部、北海道近畿地方以北の本州四国に分布する[3][5][6]

深山(山地帯から亜高山帯にかけて[2]針葉樹林落葉樹林[注釈 1][7]の下でに混じって、湿った場所[3]に生育する[5][8]基準標本御嶽山の個体[2]

特徴

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は細くひも状で[9]下部は地を這い、高さ5-10 cm[5][10]、無毛[6]を出すことは稀[3][5]。3-5枚のがまばらに[6]互生[9]、広卵形で長さ5-12 mm[5]、幅4-8 mm、表面に微突起[6]と光沢[7]があり、冬に枯れる[3]。花茎には白い多細胞の縮毛がある[6]。茎の先端に1-3個[10]の白色ときに薄桃色の花を横向きにつける[5]。花期は7-8月[5][6]は膜質で、長さ4-6 mmの広披針形[6]唇弁は長さ6-7 mmの[6]より長く、約1 cmで基部はふくれ、先端は2裂する[5]は広卵形で、薄紅色[6]。草姿はアカネ科のツルアリドオシに似ている[6]

種の保全状況評価

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日本では以下の多数の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[11]。採集、登山者による踏みつけ[12]、森林開発[13][14]などにより、個体数が減少している地域がある[15]磐梯朝日国立公園日光国立公園上信越高原国立公園中部山岳国立公園僧ヶ岳県立自然公園[12]などの自然公園指定植物[15]

脚注

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注釈

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  1. ^ シラビソ帯、稀にブナ帯の林内に生育する。
  2. ^ 徳島県では高山の一箇所のみで生育が確認されていて、ニホンジカによる食害により生育環境が悪化し個体数が減少している。
  3. ^ 岩手県のカテゴリー「Bランク」は、環境省の「絶滅危惧II類」相当。
  4. ^ 奈良県のカテゴリー「絶滅危惧種」は、環境省の「絶滅危惧II類」相当。
  5. ^ 北海道のカテゴリー「希少種(R)」は、環境省の「準絶滅危惧」相当。

出典

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “アリドオシラン”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2015年8月22日閲覧。
  2. ^ a b c 豊国 (1988)、544頁
  3. ^ a b c d e f 牧野 (1982)、786頁
  4. ^ a b 北海道レッドデータブック「アリドオシラン」”. 北海道 (2001年). 2015年3月5日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 林 (2009)、574頁
  6. ^ a b c d e f g h i j 里見 (1982)、214頁
  7. ^ a b 大場 (1994)、142頁
  8. ^ a b 埼玉県レッドデータブック2011植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 214 (2011年). 2015年3月5日閲覧。
  9. ^ a b 小野 (1987)、684頁
  10. ^ a b 今井 (1992)、332頁
  11. ^ 日本のレッドデータ検索システム「アリドオシラン」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2015年3月5日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  12. ^ a b c レッドデータブックとやま2012” (PDF). 富山県. pp. 292 (2012年). 2015年3月5日閲覧。
  13. ^ a b 愛媛県レッドデータブック2014「アリドオシラン」”. 愛媛県 (2014年). 2015年3月5日閲覧。
  14. ^ a b いわてレッドデータブック 岩手の希少な野生生物 web版「アリドオシラン」”. 岩手県 (2014年3月). 2015年3月5日閲覧。
  15. ^ a b c レッドデータブックにいがた” (PDF). 新潟県. pp. 400 (2001年). 2015年3月5日閲覧。
  16. ^ 維管束植物 神奈川県レッドリスト”. 神奈川県 (2006年). 2015年3月5日閲覧。
  17. ^ 徳島県版レッドリスト(改訂版)維管束植物” (PDF). 徳島県. pp. 7 (2014年). 2015年3月5日閲覧。
  18. ^ 高知県レッドリスト(植物編)2010年改訂版” (PDF). 高知県. pp. 34 (2010年). 2015年3月5日閲覧。
  19. ^ 東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版” (PDF). 東京都. pp. 40 (2010年). 2015年3月5日閲覧。

参考文献

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  • 今井建樹『信州高山高原の花』信濃毎日新聞社、1992年6月30日。ISBN 4784092153 
  • 大場達之、高橋秀男『日本アルプス植物図鑑』八坂書房、1999年4月25日。ISBN 4896944305 
  • 小野幹雄、林弥栄(監修) 編『原色高山植物大図鑑』北隆館、1987年3月30日。ISBN 4832600079 
  • 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1 
  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅰ単子葉類』平凡社、1982年1月10日。ISBN 4582535011 
  • 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421 
  • 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZENCID BN00811290全国書誌番号:85032603https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467-00 

外部リンク

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