わたらせ渓谷鐵道WKT-510形気動車
わたらせ渓谷鐵道WKT-510形気動車 | |
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基本情報 | |
運用者 | わたらせ渓谷鐵道 |
製造所 | 新潟トランシス[1] |
製造年 | 2013年-2016年[1] |
製造数 | 2両[2] |
運用開始 | 2013年4月6日[3] |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067[4] mm |
最高運転速度 | 95[5] km/h |
車両定員 |
118名 (座席52名)[5] |
自重 | 32.2 t[5] |
全長 | 18,500[4] mm |
車体長 | 18,000[4] mm |
全幅 | 3,190[4] mm |
車体幅 | 2,800[4] mm |
全高 | 4,038.2[4] mm |
車体高 | 3,660[4] mm |
床面高さ | 1,150 mm[4] |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
ボルスタレス空気ばね式 NF01KD/NF01KT[6][5] |
車輪径 | 860 mm[4] |
固定軸距 | 2,100 mm[4] |
台車中心間距離 | 13,000 mm[4] |
機関 | 新潟原動機製DMF13HZディーゼルエンジン[4][5] |
機関出力 | 243 kW(330 PS) / 2,000 rpm[5] |
変速機 | 液体式(TACN33-1606)[5] |
変速段 | 変速1段、直結3段[6] |
制動装置 | 機関排気ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ[5] |
保安装置 | ATS-P, SN[6] |
わたらせ渓谷鐵道WKT-510形気動車(わたらせけいこくてつどうWKT-510がたきどうしゃ)は、2013年(平成25年)、2016年(平成28年)に各1両が製造されたわたらせ渓谷鐵道の気動車である[1][2]。わたらせ渓谷鐵道開業時から使用されていたわ89-101の代替を目的として製造された[4]。
概要
[編集]1989年(平成元年)3月にJR足尾線を第三セクターに転換して開業したわたらせ渓谷鐵道が開業に際して投入したわ89-101の老朽化に伴う代替用として製造された両運転台、トイレなし、セミクロスシートの新潟トランシス製気動車である[7][4]。2013年(平成25年)に1両が製造された[7]。WKT-500形と同様の車体、走行装置をもつが、車内がロングシートからセミクロスシートとなり、WKT-511は外部塗装がWKT-550形にあわせたものに変更されている[8]。
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WKT-512
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車内
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運賃表示器
車体
[編集]新潟トランシス製の地方交通線用気動車NDCをベースとしたWKT-500形[9]とほぼ同様の車体をもつ[8]。乗務員室は左隅式で、正面に貫通扉が設けられた[4]。ワンマン運転対応設備が設けられ、客用扉は運転室直後に1か所、反対側の小窓1枚を挟んだ車端にもう1か所、乗務員扉は運転席側にのみ設けられた[4]。扉間には1,280 mm幅の窓6組が設置され、両車端の2箇所は2段式で下段上昇、それ以外は固定式、戸袋部に窓は無い[4]。窓はスモーク入りとなり、フリーストップ式のカーテンが設けられた[4]。外部塗装は連結して運転されるWKT-550形と調和がとれたものとされ[4]、従来車と同じ紅銅(べにあかがね)色をベースとし、窓周りが虹をイメージした赤とオレンジに、窓下には金色の帯がまかれたものとなった[10]。WKT-550形とはオレンジと赤の配置が逆転している[11]。
車内はセミクロスシートとなり、車内中央部に4人掛ボックスシート8組が設けられた[4]。床には滑り止めが施工された[6]。間藤寄運転室右側に車椅子スペースが設けられるなど、バリアフリーに対応した設計となっており、ワンマン運転対応機器も設置されている[4][6]。
運転台は2ハンドル式で、表示設定はタッチパネルで設定する[12]。力行指令は変速機制御装置で変換され、液体変速機およびエンジンに伝達される[12][13]。
走行装置
[編集]エンジンは、新潟原動機製DMF13HZディーゼルエンジン(定格出力243 kW / 2,000 rpm)を1基搭載[5]、動力は変速1速、直結3速のTACN33-1606液体変速機を介して台車に伝達される[4][6]。前位側台車は2軸駆動の動台車NF01KD、後位側は従台車NF01KDで、いずれもボルスタレス空気ばね式である[6]。落ち葉による空転対策のため、砂まき装置を備えている[13]。制動装置は機関排気ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキが採用され、従来車との併結はできない[14]。
空調装置
[編集]暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式である。冷房装置はデンソー製機関直結式の能力18 kW(15,500 kcal/h)AU26 2基が搭載された[6][5]。
車歴
[編集]車両番号 | 製造 | 愛称 | 絵柄 | 廃車 |
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511 | 2013年3月[1] | あかがね | うさぎ | - |
512 | 2016年11月[2] | たかつど | きじ | - |
運用
[編集]WKT-511は4月から11月はWKT-550形と連結してトロッコ列車「トロッコわっしー号」に使用される[4][6]が、状況により、WKT-510形単独や、WKT-500形と連結して運用されることもある[6]。2014年(平成26年)5月22日には、WKT-551 - WKT-511- WKT-501の3両編成でお召し列車として運転された[15]。
出典
[編集]- ^ a b c d 『新車年鑑2013年版』p217
- ^ a b c 『私鉄車両編成表 2017』p15
- ^ 『わたらせ渓谷鐵道WKT-511が営業運転を開始』
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『新車年鑑2013年版』p140
- ^ a b c d e f g h i j 『新車年鑑2013年版』p197
- ^ a b c d e f g h i j 『新車年鑑2013年版』p141
- ^ a b 『新車年鑑2013年版』p104
- ^ a b 『新車年鑑2013年版』p15
- ^ 『新車年鑑2011年版』p127
- ^ 『新車年鑑2012年版』p127
- ^ 『わっしー号「WKT-551形」につづき新型車両「WKT-511形」を導入します』
- ^ a b 『新車年鑑2012年版』p128
- ^ a b 『新車年鑑2012年版』p129
- ^ 『新車年鑑2011年版』p157
- ^ 『わたらせ渓谷鐵道でお召列車運転』
参考文献
[編集]雑誌記事
[編集]- 『鉄道ピクトリアル』通巻855号「鉄道車両年鑑2011年版」(2011年10月・電気車研究会)
- 岸上 明彦「2010年度民鉄車両動向」 pp. 123-154
- わたらせ渓谷鐵道(株)技術部・運転課 中野 哲「わたらせ渓谷鐵道 WKT-500形」 pp. 156
- 『鉄道ピクトリアル』通巻868号「鉄道車両年鑑2012年版」(2012年10月・電気車研究会)
- わたらせ渓谷鐵道(株)技術部・運転課 中野 哲「わたらせ渓谷鐵道 WKT-550形」 pp. 127-129
- 『鉄道ピクトリアル』通巻881号「鉄道車両年鑑2013年版」(2013年10月・電気車研究会)
- 「2012年度のNew Face」 pp. 8-20
- 岸上 明彦「2012年度民鉄車両動向」 pp. 100-133
- わたらせ渓谷鐵道(株)技術部・運転課 中野 哲「わたらせ渓谷鐵道 WKT-510形」 pp. 140-141
- 「民鉄車両諸元表」 pp. 194-195
- 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 217-228
- 『私鉄車両編成表 2017』(2017年7月・交通新聞社)
- 「わたらせ渓谷鐵道」 pp. 15
Web資料
[編集]- “わっしー号「WKT-551形」につづき新型車両「WKT-511形」を導入します”. わたらせ渓谷鐵道. 2017年5月16日閲覧。
- “わたらせ渓谷鐵道WKT-511が営業運転を開始”. railf.jp (2013年4月9日). 2017年5月16日閲覧。
- “わたらせ渓谷鐵道でお召列車運転”. railf.jp (2014年5月23日). 2017年5月16日閲覧。