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ひとり紅白歌合戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ひとり紅白歌合戦(ひとりこうはくうたがっせん)は、桑田佳祐ライブ及びそれを収録したビデオ作品。これまでに3回開催されており、いずれも5年おきに行われている。

概要

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2008年に「Act Against AIDS」の一環として初めて開催され、以降3回に渡り5年おきに行われていた企画であり、桑田はこのイベントで昭和の歌謡曲演歌グループ・サウンズフォークソングニューミュージック、そして平成のJ-POPまで170曲余りを一人でカバーし[注釈 1]NHK紅白歌合戦のパロディーを展開することで、壮大な音楽ショーを繰り広げてきた[3]。これに関しては「洋楽に憧れて音楽を始め、キャリアを重ねていく中で、改めて日本大衆音楽のすばらしさを再発見した[注釈 2]という桑田にしかできない離れ技であった」と後述の関連番組のサイトでも解説されている[3]。とりわけ桑田は歌謡曲の魅力を2019年にリリースされたBlu-rayボックス『平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦 三部作コンプリートBOX大衆音楽クロニクル』の特典のブックレットのインタビューで「日本の歌謡曲は実に偉大じゃないかと。誇るべきものであって、決して侮れないし、これからもう一度学ぶべきじゃないかって。かつての昭和40年代、50年代、遡って昭和30年代もそうですけど、その時代の歌謡曲や演歌を集めて聴き始めた時に、全部が自分の身体に沁み込んでいる、血肉になっているじゃないかと。まあ、歳をとればとるほど(笑)気付かされるんです」と語っている[6]。このイベントはいずれもDVDBlu-rayとして映像化もされており、桑田の人望と人脈により洋楽や管理楽曲も含めたすべての楽曲の関係者・権利保有者から収録の承諾を得ることに成功している[7]。また、梅沢富美男のように原曲を歌唱した歌手が桑田によるカバーに対してSNS等で好意的な反応を示すケースもある[8][9]。前述の通り元々はエイズ啓発の一環として行われていたイベントのため、第1回から第3回までは歌詞をその内容に変えた楽曲も存在する他[10]セーフセックスの啓発をする場面も存在する[11]。2020年7月に「Act Against AIDS」の活動がその役割を終えるのに伴いひとり紅白歌合戦の企画も完結することが発表されたが[12][13]、桑田本人は第4回の開催を冗談交じりに示唆する発言を行っている[14]

各回の詳細

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開催年 正式タイトル 開催日時・会場
1 2008年 桑田佳祐 Act Against AIDS 2008
昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦
2008年11月30日・12月1日・12月2日
パシフィコ横浜 国立大ホール
2 2013年 桑田佳祐 Act Against AIDS 2013
昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦
2013年11月30日・12月1日・12月3日・12月4日
パシフィコ横浜 国立大ホール
3 2018年 桑田佳祐 Act Against AIDS 2018
平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦
2018年11月29日・12月1日・12月2日
パシフィコ横浜 国立大ホール

関連番組

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映像関連

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脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、第1回では松田弘原由子ヒロシ&キーボーをもじった『ヒロシ&ハラ坊』というユニット名で「3年目の浮気」を歌い、桑田が歌わなかった場面が存在する[1]。また、第2回以降は桑田がバンドマスターを務めるサザンオールスターズのメンバー(原・松田・関口和之野沢秀行)がゲストとして参加し、桑田と共にザ・ドリフターズに扮して複数人で歌唱するコーナーも存在する[2]
  2. ^ 学生時代の桑田は洋楽に傾倒していた一方で『TBS歌のグランプリ』などの1960年代当時の流行の歌謡番組も欠かさず観ており、美空ひばり石原裕次郎欧陽菲菲辺見マリの楽曲を全部知っていたというほど歌謡曲にも熱中していたが[4]、それを本人が言うには「馬鹿だったから」という理由で当時は周りに言えなかったことを明かしており、自身が年齢や音楽的なキャリアを重ねたことで「だから今はもう自信を持ってね、歌手として日本人として声を大にして歌謡曲のファン、申し子であることをカミングアウトできるんです(笑)」という心境に至ったことを2007年のインタビューで語っている[5]。詳しくは桑田佳祐#音楽性も参照のこと。

出典

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  1. ^ 桑田佳祐、“ひとり紅白歌合戦”で全61曲を熱唱!勝敗は…BARKS 2008年12月5日配信 2023年7月20日閲覧。
  2. ^ サザン5人で「世界に一つだけの花」熱唱にSMAPファン感涙」『女性自身』、光文社、2018年12月5日、2020年11月22日閲覧 
  3. ^ a b c 桑田佳祐 大衆音楽史“ひとり紅白歌合戦”「昭和・平成そして新たな時代へ」 - NHK
  4. ^ 「BRUTUS」2011年3月1日号 p.77。
  5. ^ 桑田佳祐07 ソロワークス第3弾 桑田佳祐インタビュー 特設サイト ウェイバックマシン 2020年11月25日閲覧
  6. ^ 桑田佳祐と演歌〜歌謡曲の真の体現者〜note 2023年5月7日配信 2023年5月23日閲覧。
  7. ^ 桑田佳祐「ひとり紅白」映像化! ガガ側の承諾も得て夢の商品化 オリコンスタイル 2014年2月20日配信 2023年4月22日閲覧
  8. ^ 2018年12月16日のツイート
  9. ^ 2019年1月2日のツイート
  10. ^ 桑田佳祐、『ひとり紅白』55曲熱唱で完結 西城秀樹さん・さくらももこさん追悼メドレーも2018年12月3日 ORICON NEWS
  11. ^ 桑田佳祐の音楽愛とエンターテイナーとしての矜持 『ひとり紅白』は何が図抜けているのか2019年6月7日 リアルサウンド
  12. ^ 桑田佳祐、昨年開催「ひとり紅白」がパッケージ化!初回盤は全3回のコンプリートBOX 音楽ナタリー 2019年3月21日閲覧,2019年3月21日配信
  13. ^ 桑田佳祐『ひとり紅白』、全55曲を“完全”映像化 オリコン 2014年2月20日配信,2019年6月9日閲覧
  14. ^ 桑田佳祐、「ひとり紅白」完結を振り返る 「歌謡曲はいろんなことをごった煮に飲み込んだニューミュージック」2018年12月9日 リアルサウンド
  15. ^ 桑田佳祐「ひとり紅白」特番を平成最後の日に 音楽ナタリー 2019年4月19日配信,2019年4月24日閲覧

関連項目

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外部リンク

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